今回の制度改正における施設サービスの中では、食事提供に関連する改正が目立っている。

もちろん食費の自己負担化という大改革の中で、基本食事サービス費に変わって、栄養管理に対する報酬を位置づける為に改正された部分も多い。

その中で、特に目立つことは、栄養ケアマネジメントにおける低栄養リスクへの対応に加え、経口摂取の取組への評価がされている点だ。

このため、昨年10月の先行改正では、まず特別食加算(現在の療養食加算)を見直し、経管栄養のための濃厚流動食の提供を、この対象からはずした。

加えて、経管栄養を現に行っている方に対して、経口摂取の取組を行うことに対する評価として経口移行加算を新設した。この中でも経管栄養ではないが、経管となるリスクに対しての取り組みも評価されていたところであるが、4月改正では、この取組は経口移行加算とは別に、経口維持加算として位置づけられたところである。

ところで経口維持加算は、2種類の加算コードがある。

ひとつは、著しい摂食・嚥下機能がビデオレントゲン造影または内視鏡検査により認められた方に対しての取組で、これは原則180日、28単位が算定単位となっている。

もうひとつは対象者を「摂食機能障害を有し誤嚥が認められるもの」として、水のみテスト等で確認したものを対象にし、算定単位は5単位である。

対象者に「著しい摂食障害があるか」単に「嚥下障害があり」というわけはあるものの、明確な区分はその検査法によるものとなっている。

つまり検査後の対応能方法が両者、まったく同じでも、検査の方法が違えば算定単位が違ってくるのである。それも28単位と5単位という大きな違いだ。

加算は本来、対応の方法や手間を基準に考えられるものではないだろうか。

特にビデオレントゲン造影または内視鏡検査による摂食機能障害の検査などまったく行っていない医療機関しかない、という地域もまだまだ多いはずだ。

このルールも、都市圏など都会を中心にした考えのように思えてならない。

専門職の確保の話題の際もふれたが、今回の介護保険改正で見える一つの傾向は、ここでも「地方切捨て」「都市部中心」の論理だ。

安易な経管対応を行わないことは重要で、その把握や対応は必要だが、経管へのリスクは、普段の摂食状況を把握することで、かなり正確な状況把握ができるし、水のみテストの信頼性も認められている。

このあたりは検査法ではなく、対応の方法で算定単位を見直してほしいものである。

検査だけ立派に行っていても、経口維持の取組が劣っていては結果的に利用者の生活の質の向上には繋がらないのだから、人の生活の質を高める努力に対して評価される仕組みを作っていかないと、この制度は単なる営利サービスになる。

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