看取り介護の新ルールができてから始めて、この対象となる方の対応を行った。

これまでも多くのターミナルケアを行ってきた実績はあるが、4月以降は一定のルールにおいて、結果的に加算を算定することになり、利用者の自己負担も生ずる。それを含めた説明や同意も必要だ。

これまでは、ターミナルケアの状態となったことを、医師より説明していただき、ソーシャルワーカーや看護師が施設でできることと、できないことを説明し、家族の希望を確認した上で、施設内でターミナルケアの体制をとり、実施するのみで、ターミナルケアの同意書もとっていなかった。

過程の記録だけで充分だろうという気持ちがあったし、ターミナルケアの同意書という形を残すことが、家族の覚悟を促しているようで嫌だったからである。

しかし、これからは当施設の「看取り介護の指針」に基づいて、「看取り介護についての同意書」を頂いた上で、看取りの計画を立て、それにも同意を頂いて実施することとなる。その一連の過程は省けない。

今回は僕がチームの中心になって一連の過程を踏むこととした(説明から計画作成、同意まで)

さて、本ケースは具体的な状況は記すことはしないが、その方がもつ疾病から考えて、いずれ近い将来に、どこかでターミナルケアが必要な状態になることがわかっている方であった。

数日前から症状がでて、協力医療機関で検査を行い、その結果が出る段階で、あらかじめ家族に連絡して、医療機関内で、主治医師、家族、施設職員の3者で病状説明と今後の話し合いを行った。

家族の希望で施設において看取りの介護を行うことになり、体制作りに取り組んだ。個室の利用者であり、家族も住みなれた部屋での対応を希望されて、居室をそのまま利用した。

その日は、たまたま主治医が施設の定期健診の日であったので、施設内で医師から必要なアドバイスを受けて、ケアカンファレンスを開いて、看取り介護計画を作成した。

これは特別なものではない。当施設の施設介護計画はMDS2.1Lapsを使っているが、これをそのまま使い、その日の状況にて再アセスメントを行い、問題領域を検討した。

ターミナルの状態だから、身体面、精神面、多岐に渡る領域で状態変化による見直しがある。

ただ総合的な援助の方針や具体的支援内容については、指針の中で示しているから、その観点を計画にすればよく、比較的楽な作業で計画は作れる。

ただ、看取りの計画も、今までは施設介護計画の一部変更で、なるべくターミナルケアとか看取り、という言葉を使わずに、必要なサービスプランを変更して提示するだけであったが、明確に看取り計画でなければならず、総合的な援助の方針にも、長期・短期目標にも「看取りの介護」であることを意識して文章化した。

それを家族に説明して、同意を求めるわけであるが、やはり、いざ計画にある「看取り」という言葉を目にすると、家族にはショックがあると感じた。言葉を選んで家族の精神的支援をすることは、同意を頂く時点からすでに始まっている。

それから週1回以上は、家族等に状況を報告して、その記録も必要になる。

しかし書式が大事なのではなく、いかに安心して最後の瞬間まで利用者や家族が、この施設で過ごすことができるかが一番重要だ。

これは過去も現在も変わっていないことだけは肝に銘じておかねばならない。

そして看取り介護自体は、指針に支配されるものではなく、指針と実態が合わなければ、指針を変えればよい。

自分で作った指針にがんじがらめになって、肝心の対人援助サービスが硬直的なものになっては意味がない。

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