グループホームの外部調査に関わっている。

これは非常に教えられることが多くて、僕にとっては貴重な学びの場だ。(もちろんそのホームにもよる)

数年前、外部調査に関わるようになった当時は、グループホームであっても、認知症を併せ持つ身体機能障害を持つ方が生活することもあり得るのだから、そういう方にも対応できるように、ホームの中も、出来るだけバリアフリー化を進めて、不必要な段差や傾斜がないほうが良い、と僕は考えていた。

洗面所などを見る目も「これでは車椅子の方が自力で方向転換するには狭すぎますよね」という見方をしていた。

しかし、これは間違った視点であることが、多くの志の高いグループホーム関係者の皆さんとの接触の中でわかってきた。

どんなに、機能障害程度が高くても、普通の家で生活できる機能を維持する為に、普通の家庭にある段差や、広さの中で生活できるスタイルを作り出すのがグループホームの本来のあり方だということに気づかされた。

その結果、移動行為も車椅子ですべて完結してしまう生活ではなく、出来るだけ残存機能を使って、歩いたり、立ったりする生活を作り出すことが出来るのだ。

まさに生活リハビリの視点である。

時として我々の大規模施設が移動距離の問題で、歩行能力が残されている方に安易に車椅子移動を日常化してしまうという状況が生まれやすいことは、大いに反省をすべきことと思う。

また平屋でないグループホームの場合、ユニットを階ごとに分けているホームが多いが、一方、2階建てでもそれぞれのユニットに1階と2階があるホームもある。

どちらがよいのだろう。

介護側の都合からすれば、階ごとに別れているほうが目が届きやすいし、階段を外出以外に上り下りするという機会が少ないので、転倒リスクが減ってよいのかもしれない。

しかし階段がまったくない生活を作ることのデメリットもあるのだ。

つまり階ごとのユニット分けは、2階の入居者が自由に外に出られない、という目に見えない制限を生み出す原因になることもある。いや、意識して外に出づらい環境を作り出していると思えるケースもある。

これはある意味での拘束だろう。

ユニット内に階段があり、居室が1、2階に分かれているホームの中には、あえてそうすることで、利用者の生活自体がバリアフリーとなる、という考えのホームもあるのだ。

ホーム内の階段がバリアではなく、管理者の考え方のほうがバリアになっている施設がある、ということだろう。

自分を振り返って、僕自身が利用者のバリアになってはいけないとつくづく思うのである。

介護・福祉情報掲示板(表板)