新介護予防についての考え方について、特に予防効果を廃用防止に対する筋力向上プログラムに注目して考えても失敗するであろう事は昨年来、このブログで示してきた。(昨年11月12月のArchivesをご覧いただきたい)

しかし4月からの新予防サービスにそなえて通所サービスの新たなサービスメニューを組み段階になって、通所事業所側の担当者の中から、選択サービスにおける専門メニュー、特に運動器向上プログラムが予防通所にとって最大の目的であるかのような意見が出されている。

もちろん、お気づきの通り今日の表の掲示板の議論である。

運動器向上プログラムにおける運動や訓練も大切であろうが、それは人の機能を維持、向上させる全てではない。

人には合う、合わない、がある。サービス利用の動機付けに運動器向上プログラムが結びつかない利用者も否定されるものではないのだ。

むしろ我々の福祉系サービスにおける通所介護ではアクティビティメニューとして様々な取り組みが効果を挙げてきたではないか。

それは通所サービス利用者が要介護度維持の確率が高いという数字でも表されていたはずだ。

だから事業戦略上、運動器向上プログラムを実施しないでアクティビティサービスを中心的に組み立てて、その中で介護予防効果を引き出すという考えがあっても良いのだ。

かつて風船バレーが、予防になるか、という議論があり、ややもすれば子供だましての集団的メニューの象徴として批判にさらされた経緯があるが、今、通所サービスで行われているアクティビティメニューの中には、本当に工夫され、大人が楽しみながら活動できるメニューや、認知症の方が無理なく実施できるメニューもたくさんある。

そういうサービスメニューの方法論を新予防の通所サービスに取り入れたって良い。

その結果として、運動器向上プログラムではない、特徴あるサービスメニューを中心に事業展開する事業所があれば、これも選択肢の一つであり、まったく否定されるべきものではないのだ。

少なくともそれに対し他事業所の職員が予防効果がないがごとくレッテルを貼って批判するのは大間違いである。

国の敷いたレールに乗らない考えが間違いだとでも言うのだろうか。というより国だって運動器向上プログラムが効果的でない利用者や、現行のデイサービスの効果に勘付いているからアクティビティを真っ向から否定できないのだ。

予防通所の最大目的は定額制と支給限度額の縮小による給付抑制策ではないか。

自らが、先輩たちが作り出した、サービスの効果の検証がもっとされなければ意味がない。

介護・福祉情報掲示板(表板)