世の中の出来事というのは、まったく予想のつかないことが起こるものだ。

北海道で今日一番ショックな事件は、甲子園で2連覇して今年の春も優勝候補とされていた駒大苫小牧高校の野球部員による飲酒、補導事件である。

優勝を目指して練習に励んでいる選手にとって、卒業を控えた3年生元部員の不祥事で春の甲子園に出場できないということにでもなれば、何ともやりきれないだろう。道民はみなショックを受けている。

このニュースにかすんで、道内の老人保健施設が4年間で4億6千万円という道内過去最高額の不正請求を指摘され、ショートとデイケアの指定を取り消されたニュースは、片隅に追いやれられてしまっている印象だ。

常勤医師が週の数日、別の医療機関に勤務していたことで常勤規定違反による不正請求ということであるが、これも道内の地方を中心とした医師不足の問題が根底にある。

タイムカードなどを他の職員が替わって押していたなど、不正の認識は施設としてあったのであろうが、医師をどう確保するかという問題は、他の施設でも悩ましい問題として抱えているのではないだろうか。

しかし余りに巨額な不正請求は言い訳ができないだろうし、過去から現在まで様々な事業領域で刳り返される不正は制度の信頼自体を揺るがしかねない。困ったことだ。

加えて、今日驚かされたのは、愛知の通所リハビリ事業所の職員が、持ち出し不可の利用者情報を送迎中に落として住民に拾われて届けられた、というニュースである。

情報の管理という部分を考え直さねばならないだろうが、そのことのずさんさに驚いたのではなく、拾われた書類に書かれた内容に驚かされるのだ。

「エスケープ要注意」「他の利用者からあまり好かれていない」「ひやりハットNO1」などの表現・・・・。

何のためにこのような情報が必要か、と思ってしまうが、それよりも介護サービスに従事する職員の利用者に向ける目線のおかしさに憤りを感じる。

一体、サービス従事者は何様なんだ。

一人の人間として、人生の先輩として、生活課題を抱えた生活者として、利用者を見るという基本的な視点を持っていないサービス事業者とは何ものなんだろう。

こんなことだから、全体のサービスの質が問われてくるんだ。

福祉サービスだから、とか、顧客サービスだから、という以前に、人としての常識、当たり前の感覚に欠けているのではないか。

自分の親が「ひやりハットNO1」と烙印を押された形で職員に認識されているとしたら、どう考えるのか。

介護現場の常識が、世間の非常識であっては困るのだ。

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