週始めに栄養ケアマネジメントの研修に参加してきた。

実は我が施設ではまだ栄養ケアマネジメントを行なえる条件にないため、この加算算定は行なっていない。

しかし早晩、実施を行なう必要を感じているし、その際、栄養ケアマネジメントの旗振り役を管理栄養士に丸投げするわけにはいかず、むしろ通常は施設のトップ(施設長)が旗振り役になる必要があると考えており、替わって現場のトップである私自身が参加してみた。

このことはひとつ大事な視点である。

栄養ケアマネジメントが実効性のあるものになるためには、現場の多職種協働が必須であり、施設のリーダーシップをとれる立場の者が旗を振らねば、管理栄養士だけが「加算を得る手段」としての書類上のケアマネジメントを行なうだけに終わり、そのことがケアサービスや利用者の健康管理に生かされない状況が生まれるし、管理栄養士の燃え尽きや、不完全燃焼に結びつきかねない。

さて栄養ケアマネジメントの方法論を、ここで長々述べるつもりはない、それは各施設が示された 書式 などを参考に、独自にルーチンワークとの絡みで考えるべきだ。

ただ私が迷っていたのは、栄養障害のリスク管理に「血清アルブミン値」を取り入れるか否か、この点もひとつテーマとして考えていた。結論から言うと、ただ単に12単位を算定するための栄養ケアマネジメントであればBMIを主眼点としてみることで、大きな問題はないと思えるが、このマネジメントを利用者の健康管理に実効性があるものとして生かそうと思えば「アルブミン値」は必要なデータだ、ということである。

BMIで低リスクと判定した何割かは、血液検査で高リスク、中リスクと変わる現実は無視できない。

幸い我が施設では毎月検診の一環として全員の血液検査を行なっており、項目を増やしてアルブミン値を測定してもらえば済むことなので早速実施することにした。

アセスメントからスクリーニング、計画の策定のモニタリングまで、非常に膨大な作業があるわけだから、これを形式的な加算算定に必要な作業とするのはもったいない。

むしろ管理栄養士が単に献立を立ててカロリー計算する人、という誤った認識を改めて、健康管理に重要な役割を持つ専門家として再認識できる良い機会だ。

このマネジメントを数年前から試行的に行なっている施設では入院者の割合が激減したというデータもある。1施設のデータはエビデンスにはならないが、こういう可能性は大いに考えられるのだ。

すると栄養ケアマネジメントが生かされれば単に12単位を算定できるだけでなく、入院者が減り、給付費の減額も防げるという経営面での別なメリットも考えられるのである。

なにより施設利用者の方が、楽しく適切に栄養摂取できるという喜びに変えられるものはない。ケアサービスの品質管理面でも有効だ。

ただし、問題は一連の栄養ケアマネジメントの評価の後にくるであろう、では何をどのように食べるかという「食」そのものに対する視点である。

生きるためにサプリメント的な栄養摂取のみで「生かされる」という馬鹿な状況を生み出しては困るのである。

ここは考えどころだ。

食は見た目も、味も重要なのだ。栄養障害のリスクがある方なら、なおさら、食べるということそのものに何らかの障害要因があることが考えられるのだから、ここをどのように考えるか、という点で生活の質が左右されてしまう。栄養剤を補給すれば良いという問題ではないのだ。

そういうことから考えると、現在の施設の給食のあり方、そのものに見直しが及ばねばならない。

見るからにまずそうな刻み食や流動食は改善しなければならない。その方向がソフト食であるかどうかはわからないが、栄養ケアマネジメントの重要な課題は、あの示されている書式の使い方ではなく「食」そのものであることを現場の栄養士の皆さんには理解してもらいたい。

食べることは「生きる」ことだし、生きることは「喜び」であるはずだ。

苦しみの「食」では意味がない。

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