11/25のブログで紹介しているのだが、先月の当地域ケアマネ会は、国立国際医療センターのリハビリテーション科医長である藤谷 順子先生をお招きして、「誤嚥性肺炎を防ぐ嚥下障害リハビリテーション」をテーマに講演会を行った。

今日はその時の講演内容を少し思い出しながら、ケアサービスの視点を考えてみた。

嚥下障害のある高齢者が経口摂取を続ける(あるいは、再開する)手段としては、/環境指導、⊃内容指導、摂食・嚥下機能訓練(間接訓練、直接訓練)の3つの要点があることは、多くの方がご存知であろう。

そのなかで高齢者の「嚥下障害リハビリテーション」といえば、まず最初に思い浮かぶのは、口唇・舌・顎の可動域訓練、声門上嚥下、前口蓋弓の冷刺激などである。

しかし、当日の氏の講演の主な内容は、それではなく、まず「誤嚥性肺」というのは経口摂取を行っていない方でも、唾液や胃液の逆流でも起こり得る、その時に大事な点は、そういう誤嚥が起こった場合でも、重篤な状態を引き起こすリスクを減らす為にも「口腔内の清潔」が重要な要素である、という観点から、高齢者の口腔ケアをどうするか、という部分から入っておられた。

しかも単に歯を磨けない方の、あるいは、うがいの出来ない方の口腔内を清拭する、というだけでなく、汚れた粘膜や歯周病菌を口腔外に掻き出すケアでなければならない点を解説されていた。介護職員も大変参考になった点である。

また嚥下リハビリの前段階として、まず正しい姿勢で食べることができる、つまり、できれば座って食べることが出来るような姿勢をとれる体力の向上、そして介護者の視点として、体力が残っている状態で食事が出来る、離床の時間や方法、座位の視点などが重要であることを示されていた。

同時に摂食動作とは、単に喉や口腔の機能ではなく、手を食事に伸ばして、口に運ぶ、つまり自力で口に運ぶ動作をも合わせて考える点が、スムースな摂食動作に繋がる点などがなるほどと、あらためて考えさせられた。

つまりは、人の生活する過程で生ずる様々な障害は、単にその場面や、動作のみを「点」で考えて捉えても解決にはならないことがある、ということであろうと思う。

人が生きる、「生活」というものを、その方が背負う人生の歴史まで含めて線で捉えて援助に関わることが重要なんだろう。われわれがケアに関わるのは利用者の「動作」ではなく「行為」であることを忘れてはならない。

そういう意味では我々の施設で、嚥下障害のある方々に提供している、ミキサー食や刻み食は、多いに改善の余地ありである。飲み込むことが出来る動作を優先させる余り、食べる楽しみを奪っていることがありはしないか。食べるという行為は、もっと楽しいものであるはずだ。

栄養ケアマネジメントの必要性が言われている昨今であるが、これを取り違えて、食事を治療としてしまってはいけない。

ソフト食をはじめとした、あらたな食事形態の模索がより重要な視点になってくる。

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