審査会を終えての感想を少し書く。
審査会の裁量範囲が狭すぎるのではないかと書いた昨日の印象は変わらなかった。
(参照)新しい審査判定の流れ−(認知症自立度評価ロジック樹形図含む)
2次判定で要介護1相当に該当するとした場合、特記事項や主治医意見書、新たな項目である「認知機能・廃用の程度の評価結果」などを見て審議を行なうが、最終的には今回新たに加わった、コンピュータの1次判定による予防給付相当か介護給付相当かのチェックを確認し、それが正しいものか否かを審議する。
しかし基本的に国が決めているルールは、予防給付相当とされているものを要介護1にするためには、状態の安定性がないか、認知などの状況が予防介護の理解に不適であるか、大きく分けるとこの2点しか変更理由を認めておらず、それ以外の理由による変更は認めていない。
しかも介護給付相当とされているものについては、廃用の程度を吟味して、予防給付が適当ではないかという可能性を審議しなければならない。
つまり要介護1のハードルは、要支援2と比べて極めて高いといわざるを得ないのだ。
だが人の生活や状態像は様々である。健康状態が安定しており認知がある程度保たれている高齢者でも、年齢や身体機能の状態で、予防より介護が必要だと想像できる状態もあるのだ。それらは、すべて端数処理のごとく無視しなければならない。
人が審議するデメリットだけをみた方法論である。血の通った人間、特に有識者とされている構成メンバーの審議の方法がこういう形で良いのだろうか。
おそらく、1次判定ソフトは国が当初目指した「要介護1の7〜8割を予防給付に」という目標が達せられるロジックで組まれているんだろう。
ところが要介護認定1次モデル事業において、要介護1のうち予防給付対象がコンピュータによる1次判定で78%であったのに、2次審査会の判断で24%が重度に変更された結果、最終的に予防給付の対象となる「要支援2」に認定された人は6割に下がった。
このことについて国は「2次審査会で客観的な判断ができるよう修正することで当初の目標の7から8割まで予防給付対象の割合は引き上げられる」としている。ここが2次モデル事業で試したいところなのだろう。
しかし実際に審査会に求められているのは「客観的な判断」ではなく「国が決めたルールから外れない」ことなのである。
状態が安定しており認知機能が保たれているけど、何とか頑張って身の回りのことを行っている後期高齢者。特に90代の在宅高齢者が、ちょっと家事や身の回りの世話を手伝ってもらって生活の質を保とうとしても、まず予防ありき、でマネジメントされてしまうとき、制度とのミスマッチが生ずる。そのことで様々な問題が起きてくるだろう。
その責任を全て負うのが新予防給付のマネジメントの担当者であってはたまらない。
介護・福祉情報掲示板(表板)
審査会の裁量範囲が狭すぎるのではないかと書いた昨日の印象は変わらなかった。
(参照)新しい審査判定の流れ−(認知症自立度評価ロジック樹形図含む)
2次判定で要介護1相当に該当するとした場合、特記事項や主治医意見書、新たな項目である「認知機能・廃用の程度の評価結果」などを見て審議を行なうが、最終的には今回新たに加わった、コンピュータの1次判定による予防給付相当か介護給付相当かのチェックを確認し、それが正しいものか否かを審議する。
しかし基本的に国が決めているルールは、予防給付相当とされているものを要介護1にするためには、状態の安定性がないか、認知などの状況が予防介護の理解に不適であるか、大きく分けるとこの2点しか変更理由を認めておらず、それ以外の理由による変更は認めていない。
しかも介護給付相当とされているものについては、廃用の程度を吟味して、予防給付が適当ではないかという可能性を審議しなければならない。
つまり要介護1のハードルは、要支援2と比べて極めて高いといわざるを得ないのだ。
だが人の生活や状態像は様々である。健康状態が安定しており認知がある程度保たれている高齢者でも、年齢や身体機能の状態で、予防より介護が必要だと想像できる状態もあるのだ。それらは、すべて端数処理のごとく無視しなければならない。
人が審議するデメリットだけをみた方法論である。血の通った人間、特に有識者とされている構成メンバーの審議の方法がこういう形で良いのだろうか。
おそらく、1次判定ソフトは国が当初目指した「要介護1の7〜8割を予防給付に」という目標が達せられるロジックで組まれているんだろう。
ところが要介護認定1次モデル事業において、要介護1のうち予防給付対象がコンピュータによる1次判定で78%であったのに、2次審査会の判断で24%が重度に変更された結果、最終的に予防給付の対象となる「要支援2」に認定された人は6割に下がった。
このことについて国は「2次審査会で客観的な判断ができるよう修正することで当初の目標の7から8割まで予防給付対象の割合は引き上げられる」としている。ここが2次モデル事業で試したいところなのだろう。
しかし実際に審査会に求められているのは「客観的な判断」ではなく「国が決めたルールから外れない」ことなのである。
状態が安定しており認知機能が保たれているけど、何とか頑張って身の回りのことを行っている後期高齢者。特に90代の在宅高齢者が、ちょっと家事や身の回りの世話を手伝ってもらって生活の質を保とうとしても、まず予防ありき、でマネジメントされてしまうとき、制度とのミスマッチが生ずる。そのことで様々な問題が起きてくるだろう。
その責任を全て負うのが新予防給付のマネジメントの担当者であってはたまらない。
介護・福祉情報掲示板(表板)
さて私の所属する自治体でもモデル事業の審査が近々始まります。それに先だって先月研修会がありました。事例を2つ検討しましたが変更に対する自由度が狭くなったというのが正直な感想です。
「客観的な判断」これまでだってそう心がけてきたんだけどね。だからコンピュータ判断を鵜呑みにせず変更する事もあるのに。