現在国の審議会では福祉系の介護支援専門員(ケアマネジャー)に対する風当たりが強い。
医療依存度の高い利用者に対して、専門知識がないから適切なプランを立てられないというのである。特に基礎資格が介護福祉士の介護支援専門員に対しては「くそみそ」に批判する「有識者」がいたりする。老健協の会長に至っては、自施設(老健)のケアプランを立てる介護支援専門員は医療の分かる看護師でなければケアプランナーとして支持できないと言っている。
なるほど川合会長が介護支援専門員に求めているのは、単にケアプランナーとしての役割であって、ソーシャルワーカーとしての役割を求めているわけではないんだ。看護計画の癖が抜けないんだな。
そういえば小規模多機能居宅介護の管理者も「医療が分かる看護師でなきゃならない」と言っている人がいたっけ。それじゃあ文京区でソーシャルアクションを実践しながら素敵な地域を作っているあの「ひげ男」もダメ出しされるということか?怒って炭酸ぶっかけられるぞ。
しかし介護サービスの管理者や介護支援専門員が単に医療の分かるケアプランナーでよいのか?そうじゃないだろう。文京区の「ひげ男」の近くにいるお年寄りは皆豊かな表情で暮らしているぞ。それに介護保険制度を利用している在宅や施設の高齢者の大部分に占める問題が「医療依存問題」なのか?どうもそれは違うように思う。
むしろ地域の隅々を見回すと、一番問題となりつつあるのは、在宅独居や高齢者世帯や、インフォーマル支援が足りない家庭における「認知症高齢者」の問題で、軽度の認知症が出現してきたのに、本人や周囲がそのことに気づかなかったり、理解しようとしないで、生活維持が困難になってきているケースである。
身体面では持病があっても服薬管理だけで問題ないが、認知機能の低下が様々な生活障害に結びついているケースが多いのである。
それに対して看護師などの医療系有資格者が、福祉系有資格者より優れた支援をしているという根拠でもあるのか?むしろ地域でそうしたケースを頑張って支援して、利用者と良い関係を築いて、暮らしを支えている介護支援専門員とは、基礎資格が社会福祉士であったり、相談員であったりする場合が多いぞ。介護福祉士にも優れた人がいる。逆に看護師にも逸材はいるけど、価値観を押し付けてトラブルになって担当を放棄してしまう例をたくさん見てきたぞ。そう考えると医療系基礎資格のケアマネだけが優れたプランを立てられるという根拠は怪しくなる。
しかし職種による得手、不得手が存在することは事実だし、それによって高齢者のタイプによっては必要な支援に結びつかないなんていうことがあってはならないから、福祉系有資格者に対し、求められているスキルをきちんと獲得するような意識づけは当然必要である。
例えば、こういう指摘がある。
糖尿病を持病として持っている高齢者で、現在は安定して在宅で生活している人がいるとする。その際、現在の病状が安定している場合、介護福祉士などの基礎資格者は、「食事管理」という面からプランを立てがちで、毎日の食事摂取内容という視点から、家事援助的なサービスを組み込んでしまい、訪問看護等が抜け落ちている計画になる場合があるという。そして場合によっては訪問看護導入可否の検討さえサービス担当者会議で行われていないという指摘がある。
ところが基礎資格が看護師ならば、ほぼ9割方糖尿病の持病がある方のプランの「最重要課題」として挙げることは「血糖値管理」であり、病状の維持継続、悪化防止のための訪問看護は不可欠なサービスとして計画される場合が多いという指摘である。
病状の安定度はともかく、糖尿病という持病を持ち、血糖値管理が必要な人のプランに訪問介護導入を検討することは不可欠と思え、これが抜けているとしたらアセスメント自体が不十分と言われても仕方なく、この部分は介護福祉士等の福祉系基礎資格者は指摘を真摯に受け止め、スキルアップに努めねばならない。
また、とある人から指摘されたことであるが、看護師は教育の中で、調査項目はきちんと埋めるのが基本と教えられているため、アセスメントにしても、各種アンケートにしても、問われた項目はきちんと埋めようとするが、介護福祉士の場合、調査項目に無記入が目立つ傾向にあるというのだ。特にケアプラン作成に伴うアセスメントで病名や処方内容を埋めていないアセスメント表がたくさんある、といわれる。
さらに、とあるアンケート調査の分析において、家事援助が必要ではないケースについて、では誰が家事を行っているのかをケアマネ対象に問うたとき、「誰かわからないけど家事援助は必要ではない」と答えた割合は、介護福祉士が一番多く、看護師の多くは「家事を誰それが行っているので家事援助が必要ではない」と答えることができた、という指摘もある。
つまり問われた内容だけに答えて、その原因や根拠を探す癖がないのが介護福祉士の基礎資格者の傾向だというのである。
このことが一般的な傾向なのかどうか、正しいかどうかはわからないが、こうした指摘がある以上、そうではないことを証明するためには、そうした不十分なアセスメントで終わらせないという意識とスキルが絶対に必要である。
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医療依存度の高い利用者に対して、専門知識がないから適切なプランを立てられないというのである。特に基礎資格が介護福祉士の介護支援専門員に対しては「くそみそ」に批判する「有識者」がいたりする。老健協の会長に至っては、自施設(老健)のケアプランを立てる介護支援専門員は医療の分かる看護師でなければケアプランナーとして支持できないと言っている。
なるほど川合会長が介護支援専門員に求めているのは、単にケアプランナーとしての役割であって、ソーシャルワーカーとしての役割を求めているわけではないんだ。看護計画の癖が抜けないんだな。
そういえば小規模多機能居宅介護の管理者も「医療が分かる看護師でなきゃならない」と言っている人がいたっけ。それじゃあ文京区でソーシャルアクションを実践しながら素敵な地域を作っているあの「ひげ男」もダメ出しされるということか?怒って炭酸ぶっかけられるぞ。
しかし介護サービスの管理者や介護支援専門員が単に医療の分かるケアプランナーでよいのか?そうじゃないだろう。文京区の「ひげ男」の近くにいるお年寄りは皆豊かな表情で暮らしているぞ。それに介護保険制度を利用している在宅や施設の高齢者の大部分に占める問題が「医療依存問題」なのか?どうもそれは違うように思う。
むしろ地域の隅々を見回すと、一番問題となりつつあるのは、在宅独居や高齢者世帯や、インフォーマル支援が足りない家庭における「認知症高齢者」の問題で、軽度の認知症が出現してきたのに、本人や周囲がそのことに気づかなかったり、理解しようとしないで、生活維持が困難になってきているケースである。
身体面では持病があっても服薬管理だけで問題ないが、認知機能の低下が様々な生活障害に結びついているケースが多いのである。
それに対して看護師などの医療系有資格者が、福祉系有資格者より優れた支援をしているという根拠でもあるのか?むしろ地域でそうしたケースを頑張って支援して、利用者と良い関係を築いて、暮らしを支えている介護支援専門員とは、基礎資格が社会福祉士であったり、相談員であったりする場合が多いぞ。介護福祉士にも優れた人がいる。逆に看護師にも逸材はいるけど、価値観を押し付けてトラブルになって担当を放棄してしまう例をたくさん見てきたぞ。そう考えると医療系基礎資格のケアマネだけが優れたプランを立てられるという根拠は怪しくなる。
しかし職種による得手、不得手が存在することは事実だし、それによって高齢者のタイプによっては必要な支援に結びつかないなんていうことがあってはならないから、福祉系有資格者に対し、求められているスキルをきちんと獲得するような意識づけは当然必要である。
例えば、こういう指摘がある。
糖尿病を持病として持っている高齢者で、現在は安定して在宅で生活している人がいるとする。その際、現在の病状が安定している場合、介護福祉士などの基礎資格者は、「食事管理」という面からプランを立てがちで、毎日の食事摂取内容という視点から、家事援助的なサービスを組み込んでしまい、訪問看護等が抜け落ちている計画になる場合があるという。そして場合によっては訪問看護導入可否の検討さえサービス担当者会議で行われていないという指摘がある。
ところが基礎資格が看護師ならば、ほぼ9割方糖尿病の持病がある方のプランの「最重要課題」として挙げることは「血糖値管理」であり、病状の維持継続、悪化防止のための訪問看護は不可欠なサービスとして計画される場合が多いという指摘である。
病状の安定度はともかく、糖尿病という持病を持ち、血糖値管理が必要な人のプランに訪問介護導入を検討することは不可欠と思え、これが抜けているとしたらアセスメント自体が不十分と言われても仕方なく、この部分は介護福祉士等の福祉系基礎資格者は指摘を真摯に受け止め、スキルアップに努めねばならない。
また、とある人から指摘されたことであるが、看護師は教育の中で、調査項目はきちんと埋めるのが基本と教えられているため、アセスメントにしても、各種アンケートにしても、問われた項目はきちんと埋めようとするが、介護福祉士の場合、調査項目に無記入が目立つ傾向にあるというのだ。特にケアプラン作成に伴うアセスメントで病名や処方内容を埋めていないアセスメント表がたくさんある、といわれる。
さらに、とあるアンケート調査の分析において、家事援助が必要ではないケースについて、では誰が家事を行っているのかをケアマネ対象に問うたとき、「誰かわからないけど家事援助は必要ではない」と答えた割合は、介護福祉士が一番多く、看護師の多くは「家事を誰それが行っているので家事援助が必要ではない」と答えることができた、という指摘もある。
つまり問われた内容だけに答えて、その原因や根拠を探す癖がないのが介護福祉士の基礎資格者の傾向だというのである。
このことが一般的な傾向なのかどうか、正しいかどうかはわからないが、こうした指摘がある以上、そうではないことを証明するためには、そうした不十分なアセスメントで終わらせないという意識とスキルが絶対に必要である。
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