masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

職員の定着率をアップさせるアイテムを手に入れよう


15日に閣議決定された第3次補正予算案に、介護分野の緊急包括支援交付金の積み増しが含まれている。

そこには介護・福祉分野への就職の後押しや介護ロボットの導入支援、介護施設の防災・減災対策に充てる経費が含まれているが、介護事業者の感染予防対策のかかり増し経費などを支援する補助金や、介護事業者に勤務する職員への慰労金の再支給は含まれていない。

慰労金の再支給が見送られたのは特に残念である。慰労金の支給対象は6月30日までに10日以上対象施設で働いた人だけに支給され、5万と20万の支給金額の違いも、この間の感染者への対応の有無などで分かれているので、7月以降に数多く発生しているクラスター感染に対応している新たな職員等には国からの給付が何も受けられないことになる。それはあまりに不公平で可哀そうなことだと思う。

野党は引き続き慰労金の再支給を求めていくと言うが、今年度中の再支給は非常に難しくなったと言えるのではないだろうか。

ところでこの慰労金が事業者都合で支払われていないという問題を取り挙げたことがあるが(参照:従業員を大切に思う姿勢が問われる慰労金申請問題)、まだ慰労金を従業員に手渡していない事業者の中には、冬の賞与に上乗せして、この慰労金を支給するというところもあるそうだ。

結果的に従業員に慰労金が渡るのだから、その方法も問題ないと言えば問題はないが、事業者が代理受領しているだけで、支給を受ける権利は従業員個人にある慰労金を、事業者が支払うべき労働対価と混同させるような支給方法はいかがかと思う。本来ならばこの慰労金は、給与・賞与とは分けて支給するのが筋ではないだろうか・・・。

本当に職員を大切にする介護事業者は、慰労金の申請や支給の仕方にも従業員に対する誠意を見せてほしい。そうしないと職員にとって長く安心して働くことができる職場にはならないと思う。

そういう意味では職員の皆様にとっては、コロナ禍における一連の事業者対応が、本当に従業員を護ってくれる経営姿勢なのかどうかを測るバロメーターになるかもしれない。従業員を大切に思ってくれない職場と感じたならば、別の職場を探すことも選択肢として持っておいた方が良いと思う。

ところで介護報酬改定では、サービス提供強化加算について、特養や老健、グループホーム、特定施設、通所介護、小多機などに設定されている共通の要件を、現行の勤続3年以上の職員が30%以上から、 勤続7年以上の職員が30%以上に変更し、より長い勤続年数の設定に見直すこととしている。

この加算を算定できなければ、苦しい経営を強いられる事業者も少なくない。それを考えると今後は、ますます職員の定着率を高めていく必要があると思える。

その為には様々なアイテムが必要だ。定着率に影響するのは待遇ばかりではなく、職場環境を良くすることに加え、仕事への誇りを抱くことができるアイテムを備えておく必要がある。

職場のイメージアップ戦略は実質を伴わないと幻滅要因にしかならないことも理解すべきだ。

誰もが安心して利用できるサービスを謳い文句にしている介護事業者で、職員がマナーのない態度で利用者に接し、荒々しく利用者に接する先輩職員の姿を見て、介護の仕事に思いを持って入職した新入職員のモチベーションは奪われていくのである。

介護職の自尊心を下げるような環境が離職を生むのだから、顧客に対して無礼な態度がまかり通る職場では定着率は高まらない。

真実の中でしか仕事の誇りは生まれない。だからこそサービスマナーの確立は、職員の定着率を向上させる最強アイテムとなり得るのだ。

今コロナ禍で介護業界以外の他業種から、介護職に転職してきた人が増えている。それらの人たちの中から顧客に対する従業員の、「タメ口」対応が異常だという指摘が相次いでいる。その姿は醜く汚らしいという人も多い。そのように感じる人たちが、コロナ禍が終息した後にも、介護事業者に残って介護職を続けてくれるだろうか・・・。甚だ疑問である。

先日、「民度が低い介護業界の現状」という記事を書いたが、そこには幾人かの方々がコメントを寄せてくれている。その中には、「タメ口が当たり前の人も介護を辞めて他の仕事をすれば接客言葉になる」という鋭い指摘もある。介護業界の異常さ、民度の低さを現す的を射た指摘であると思う。

こうした民度の低さを打破して、対人援助のプロとして顧客に適切に接するマナーが浸透した職場には、先輩職員の利用者に対する汚いタメ口や、馴れ馴れしいだけで乱暴にも見える態度に嫌気が差している、志の高い職員が転職してくる可能性も高まる。サービスマナーに徹した職場には、良い職員が定着し、良い職員が寄ってくるという好循環が生まれるのである。

専門職としてのあるべき姿を求める厳しい姿勢によってしか仕事の質は高まらないことを、介護事業経営者や管理職の方々はもっと強く自覚すべきだ。

そのうえで介護は底辺職業で、介護職は可哀そうな人というイメージを払しょくする経営努力が求められるだろう。
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2021年度介護報酬改定は0.7%引き上げで調整


政府は14日、2021年度の介護報酬改定について、改定率をプラス0.7%とすることで最終調整に入った。(ほぼ決定だろう。※ただしこのうち新型コロナウイルス対策の0.05%分については、来年9月までの暫定的な措置とする方針。)

そうなると前回2018年度(0.54%)に続くプラス改定となるが、その理由については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「利用控え」や、感染対策の備品購入にかかる支出増で事業者の収益は悪化しており、介護事業経営を安定化させるには前回の改定率を上回る報酬の引き上げが欠かせないと政府が判断したとされている。
介護報酬改定率の推移
僕はこのブログ等で、「小幅なプラス改定を予測している」と何度もアナウンスしてきたが、その予測は当たったと言ってよいのではないだろうか。

しかしプラス改定と言っても手放しで喜んではいられない。新設加算を算定したり、既存加算も新たに作られた上位加算を算定できないとなれば、減収となる事業者も多くなるからである。

わかりやすく言うと通所介護である。

個別機能訓練加算については気鉢兇統合されたうえで、常勤専従の機能訓練指導員が提供時間を通じて配置されている場合を上位区分とするとしている。(下位区分は、機能訓練指導員を専従配置とされているが、配置時間の定めなし。)

しかしそれだけではなく、「CHASEへ関連する情報を提出し、そこからのフィードバックをサービスの向上に活かす事業所を上乗せして評価する。」としているので、個別機能訓練加算は、実質3区分の加算となると思ってよい。

そうなるとCHASEへの情報とフィードバックの要件をクリアする加算は最上位だから、今までの個別機能訓練加算気梁寮だけでは算定単位が下がることが予測される。しかも従前は気鉢兇諒算残蠅できたが、それができなくなることも明らかだ。とうことは個別機能訓練加算の収益が下がる事業所が多くなるのではないだろうか。

また前日情報提供したように、入浴介助加算は医師やリハ職、ケアマネらが利用者宅を訪ねて浴室環境をチェックしたうえで、自宅で入浴が可能となる個別入浴計画を作成することを要件とした上位区分を新設することになっているが、新設加算の算定を促すために、従前の入浴介助加算については算定単位が現行より引き下げられるのだから、従前の加算しか算定できない事業所はこの部分で収益減である。

同じく前日情報提供したサービス提供強化加算も勝ち負けがわかれる。介護福祉士割合がより高い事業者を評価する上位区分が設けられるので、それを算定できるかどうかが問題だ。なぜなら上位区分ができるために現行の加算単位は引き下げられるだろうと予測されるからだ。新設の上位区分を算定できない事業所は、これだけでも収益が下がる。

さらに現行の加算要件については、勤続3年以上の職員が30%以上という要件が、勤続7年以上の職員が30%以上に引き上げられるので、新しい要件をクリアできずに、サービス提供強化加算そのものを算定できなくなる事業所もあるだろう。そうなると大幅な減収となる。

さらに大規模事業所の場合、区分支給限度額の計算方式の変更(大規模報酬ではなく通常規模の単位で計算:現在まで決定事項ではないが、そうなる確率が高い)により、利用回数を減らさねばならない利用者も出てくる。これも収益減に直結する問題である。

このように今回の報酬改定では、新設上位加算・新設加算を算定できない事業所は収益減となる可能性が高くなる。

その中で収益アップの重要な要素は、CHASEへの情報提出とフィードバックの要件をクリアすることではないかと思う。「CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理」で解説しているが、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域(総論(ADL)、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、施設・事業所の全ての利用者に係るデータを横断的に CHASEに提出してフィードバックを受けるなどを要件にした加算が新設される。これを算定する必要があるだろう。

また同記事で示しているように、従前の加算にもCHASEへの情報提出等の要件が加わることになるので、それを行わない事業者は、加算が軒並み算定できないか、下位区分の算定しかできなくなり、苦しい経営を強いられる考えられる。

なお食費の基準費用額が見直され増額見込みであることについては、施設サービス・滞在サービス等には明るい話題だろう。

ただし全サービスにおいて事務作業負担も増えることを忘れてはならない。

来年度から早急に求められるのは、利用者からのハラスメント対策の強化である。全事業者がその対応を求められる。

さらに全ての介護サービス事業者を対象に、研修の受講状況等、認知症に係る事業者の取組状況について、介護サービス情報公表制度において公表することが求められる。

3年間の経過措置期間の中で次の対策も求められていくことになる。
・感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底として、委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)の実施
・感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するために、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施
・虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定める
・医療・福祉関係の資格を有さない無資格の介護職員について、認知症基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。


どちらにしても手放しで喜ぶべき改定率・改定内容ではなく、事業者間の勝ち負けがはっきりする改定と言えるのではないだろうか。

だからこそ勝つための戦略を練るためにも、改定内容を正しく理解する必要があるし、その戦略に向かって事業者が一丸となって進んでいくためには、全職員にその内容をわかりやすく伝える必要があるのだ。(参照:職員への情報伝達をおざなりにしていませんか
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介護報酬体系はより複雑に


先週末までに、介護報酬改定に関連して決定された情報が続々と示されている。

通所介護に口腔機能のスクリーニングの実施を評価する新たな加算を創設することが決まった。この加算の取り組みについては、既存の「栄養スクリーニング加算」とセットで実施するよう求めていくようだ。

算定率が低いADL維持等加算については、要件を緩和したうえで、特養と特定施設に同加算を新設することになっている。

通所介護と通所リハの入浴介助加算については、医師やリハ職、ケアマネらが利用者宅を訪ねて浴室環境をチェックしたうえで、自宅で入浴が可能となる個別入浴計画を作成することを要件とした上位区分を新設することになっているが、新設加算の算定を促すために、従前の入浴介助加算については算定単位を現行より引き下げることも決定された。

介護施設の排せつ支援加算については、全ての入所者に対して定期的な評価(スクリーニング)の実施を求める要件が追加されたうえで、入所者全員に対する排せつ支援の取組(プロセス)への評価に加え、排せつ状態の改善(アウトカム)について評価を行う新たな区分を設けることになった。

各種サービスに向けられているサービス提供強化加算については、介護福祉士割合がより高い事業者を評価する上位区分を設けたうえで、従前の加算要件の勤続3年以上の職員が30%以上を、勤続7年以上の職員が30%以上に引き上げることも決定した。

12/10にアップした、「CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理」で指摘した通り、CHASEへのデータ提出に対する新たな加算も創設されるほか、従前からの加算についての要件も複雑化することになっている。

これだけを見ても加算は増え続け、報酬体系はより複雑化することが見て取れる。

今回の介護報酬改定の論点の一つとして、報酬体系の簡素化が挙げられ、加算の廃止や基本報酬への組み込みなどが検討されてたが、廃止されるのは介護職員処遇改善加算の下位2区分や(看護)小規模多機能型居宅介護事業所連携加算などに限られ、報酬包括されるものも訪問リハと通所リハのリハビリテーションマネジメント加算気覆匹錣困でしかない。

新たな加算の創設にあたっては、介護サービスの充実の観点に加えて、報酬体系の簡素化の視点も踏まえて検討を行ってはどうかという論点は、いつの間にか忘れ去られてしまったようである。

結果的に加算は現行よりかなりの数増えることになる。しかも算定要件もより複雑になる。

そのほかにも様々なルール変更・ルール新設によって、介護報酬は複雑怪奇となっていく。利用者がこの内容をすべて把握・理解するのは不可能だろう。

例えば訪問介護の2時間ルールについて、「看取り期の利用者に2時間未満の間隔で訪問介護が行われた場合、それぞれの所定単位数の算定を可能とする」というルールが新設されることになった。

このことについてネット報道等では、現行ルールが「前回のサービス提供から概ね2時間未満の間隔でサービスを提供した場合、2回分の報酬を算定するのではなく、それぞれのサービスの所要時間を合算して報酬を算定する決まり。」とアナウンスしているところがあるが、正確に言えばそれは間違った報道である。

現行の訪問介護でも、身体介護0(20分未満)については、一定の利用者要件と事業者要件をクリアしている場合には、前回訪問と概ね2時間の間隔をあけなくとも、訪問ごとのそれぞれの所定単位数が算定可能なのである。(参照:20分未満の身体介護の変更について

来年4月以降の看取り期の訪問介護については、この身体介護0の2時間ルール適用除外と同じくなるというのが情報としては正確だろう。

どちらにしても訪問介護の2時間ルールだけでも、このように複雑なのである。これらのルールは、適用される事業者の職員は必ず理解しておかねばならないし、居宅サービス計画を作成する居宅介護支援事業所の介護支援専門員も必ず理解しておかねばならないことであるが、これだけ制度が複雑化すると、その理解もなかなか難しくなってくる。常に通知文とにらめっこしておかねばならないだろう。

しかしこんなにも複雑化した報酬体系が、本当に利用者のためになっているのだろうか。甚だ疑問である。

この複雑な報酬改定に加えて、様々な新たな義務が課せられる基準改正も行われるのだから、介護事業者はその理解に四苦八苦である。

ところで介護保険最新情報Vol896は、介護事業の運営基準見直しについてパブリックコメントを募集していることを告知している。

基準改正の中には、居宅介護支援の意味不明の福祉系サービス割合の利用者説明や、資格のない介護職員への認知症介護基礎研修の受講義務、感染症や災害への対応力の強化を図る見直し等が含まれているが、ここに意見を寄せたからと言って、そのことが改正に影響することはない。

それはアリバイ作りでしかなく、反対意見は完璧に無視され・黙殺されて終わりである。

何の意味もないのがパブリックコメント募集であると言えるが、それを理解しながら、少しでも国に意見を拾ってもらおうと、せっせとそこに意見を挙げる努力をしている人には心より敬意を称したい。

残念ながら僕は、その取り組みは徒労に終わることを思い知ったので、パブコメに意見を挙げることはない・・・。
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ケアプランチェックまでAI活用するのはいかがなものか


居宅介護支援に関連して、2018年度の介護報酬改定において導入された、「生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランの検証」の仕組みについて、来年度から検証の仕方や届出頻度について見直されることになっている。

具体的には検証の仕方について、地域ケア会議のみならず、行政職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行うサービス担当者会議等での対応を可能とするとともに、届出頻度について、検証したケアプランの次回の届出は1年後とするとされている。

この検証がどのような効果をもたらしているかは定かでないが、少しだけルールを緩めて継続実施するということだ。しかし届け出頻度が減るのはともかく、サービス担当者会議に、「行政職員やリハビリテーション専門職」を招くというのは、調整の手間が増え、居宅ケアマネの業務負担増にしかならないように思う。それなら従前のように行政が主管する地域ケア会議で検証してよと思うケアマネが多いのではないだろうか。

個人的にはこの届出と検証は、まったく意味のない無駄なルールだと思うが、そのルールが踏襲されたかのような新たなルールもできる。

12/9の介護給付費分科会の、【資料8】令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(案)の52頁に次のような方針が示されている。

より利用者の意向や状態像に合った訪問介護の提供につなげることのできるケアプランの作成に資するよう、検証方法として効率的で訪問介護サービスの利用制限にはつながらない仕組みが求められていることを踏まえ、区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ、訪問介護が利用サービスの大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を事業所単位で抽出するなどの点検・検証の仕組みを導入する。効率的な点検・検証の仕組みの周知期間の確保等のため、10 月から施行する。

このことは国保連に提出された給付管理の結果から、行政担当課が検証することになるのだろうと思う。当然検証の結果、指導は伴ってくるのだろう。ということはこれによって来年10月からは、居宅サービス計画に対する行政介入がさらに厳しくなることが予測される。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員はこのことに備えて、自分が作成する居宅サービス計画書の内容を、根拠を持って説明できるように一層理論武装する必要がある。なぜそこに記載されているサービスが必要で、その回数が必要になっているのかという根拠を常に頭に入れておかねばならない。

同時にこのルールは、事業所単位でその数や割合が見られることになっているので、居宅介護支援事業所の管理者が、行政からの問い合わせ等に応えなければならない場面が増えてくると思え、事業所全体の訪問介護計画数を把握しておくとともに、その必要性をそれぞれの計画担当者から確認しておく必要性も生ずるのではないだろうか。

ところで12/4に開催された政府の経済財政諮問会議では、ケアプランチェックに関係した指摘が行われている。

そこでは1人あたり介護費の地域差が問題となり、その縮減に努めるためにケアプランの適正化を図る必要性が唱えられ、その方法としてAIの活用によるケアプラン点検等が提言されている。

しかし地域ごとに高齢者の割合や状態像・生活環境や社会資源の在り方が違う以上、介護給付費の凸凹は生じて当然ではないだろうか。

しかもこれを縮減するためにケアプランチェックを強化して、AIでそれを判断するとしたら、ケアプランの標準化の名のもとに、機械的プランへの誘導が行われてしまいかねない。例えば要介護2の人は、通所介護が週〇回というふうに、利用回数が個人の生活状況を無視して決められかねないことになる。それはおかしい。

僕はAIを利用したケアプランソフトの活用には賛成の立場である。その理由は、「ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由」や「ウェルモのケアプランAIの提供開始情報に触れて」で解説しているように、それはケアプランを自動作成するソフトではなく、介護支援専門員がケアプランを作成することをアシストするソフトであるからだ。

そこで活用されているAIとは、ケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIなのである。

つまりケアプランは、AIだけで自動作成できるものではないのである。利用者の個別性に向けたケアマネジャーの視点が入らねば適切なサービスに結び付かないのだ。

利用者のニーズに応えるためには、利用者の感情のあり様もしっかり把握しなければならない。例えば脳血管障害の後遺症が残っている利用者が、「映画館で〇〇〇〇を観たい」という希望があって、そのために映画館に行って長時間座位ができるように、体幹保持訓練や歩行訓練に励んでいるとしたら、映画を観たいという希望は、単なるデマンドではなく立派なニーズになる。それは機械的に切り捨てることができないものだ。

さすれば居宅サービス計画に載せられたサービス内容が、AIを利用したケアプランソフトを活用しながら、ケアマネジメントのプロとしてのケアマネの感覚を通して、取捨選択したサービスプランの結果なのである。そうであるにもかかわらず、そのプランのチェックをAIに委ねてしまえば、個別の利用者ニーズはすべて無駄なものだと切り捨てられかねないのである。

それはケアプランの適正化とは言えず、単なる給付制限でしかない。

だから僕は、AIを導入したケアプラン作成ソフトの導入には賛成するが、AIの活用によるケアプラン点検には賛成しかねる。

そのような機械的チェックが実現した先には、ますます介護保険制度が、血の通わないものになるだけの結果しか生み出さず、制度の光が届く場所を狭めるだけではなく、その傍らに深い闇を広げいくものになってしまうと思う。

持続することが何よりも大事だと言われる介護保険制度であるが、そのために人に対する優しさや、温かさが失われて良いというものではないと思う。

制度だからそこに血が通わないのは当然だという論理や、優しさや温かさが必要ではないという論理で、社会の片隅で弱者が切り捨てられる社会は恐ろしく冷酷な社会である。

それを欲する国民は果たしてどれだけいるというのだろうか・・・。
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厚労省のしっぺ返しが懸念される訪問看護のリハ規制見送り


厚労省は訪問看護ステーションから理学療法士等が派遣される回数が、看護師の派遣回数を上回ることを問題視して、その規制のために報酬改定の度に、訪問看護ステーションの介護報酬算定について様々なルールを課してきた経緯がある。

それはリハ職の訪問サービスを不必要とみているという意味ではなく、訪問看護は本来は看護師が訪問するサービスで、リハ職はあくまで看護師に替わって派遣されるに過ぎず、自宅でリハビリテーションを受ける必要性があるなら、本来は訪問リハビリを利用すべきであるという考え方が根底にある。

しかし訪問リハビリは訪問看護ステーションのように、母体から独立してセラピストが配置され、訪問専門の業務に専従する形は不可とされている。訪問リハビリとして認められるのは、病院、診療所、介護老人保健施設が母体となっているケースだけだからだ。

よって訪問リハビリというサービス種別の絶対数が不足しているため、それに替わって訪問看護のセラピスト派遣が増えているという経緯がある。それがまかりならんというのが厚労省の立場である。

だったらその問題を解決するのであれば、リハ職の訪問リハビリの独立経営を認めればよいと思うのだが、事はそう簡単ではないという。

そもそも理学療法士等のセラピストの資格は、業務独占の資格ではなく名称独占の資格である。リハビリテーションも、医師の指示に基づいて指示された内容を実施しなければならず、医師配置のない場所で、名称独占でしかないセラピストが独立経営してよいのかという議論がある。さらに日本看護協会が、セラピストの独立経営に反対の立場をとっているという経緯もある。

その為、この問題はなかなか解決が図れない問題であるのだが、今回の介護報酬改定議論の中で厚労省は、訪問看護ステーションの運営基準を見直し、サービス提供を担う職員に占める看護職の割合が6割以上であることを指定要件とすることを提案していた。これが実現すれば、その基準を満たすためには、訪問看護師の数を増やすか、セラピストの数を減らすしかない事業所が出てくるわけだ。

そうなると看護人材も不足してる現況においては、訪問看護師を増やして基準を満たすことは難しく、必然的に訪問看護ステーションの職を失うセラピストが増えることはめにみえている。

この提案が行われた11/16の介護給付費分科会では、日本慢性期医療協会の代表委員から、「訪問看護ステーションのリハは利用者の依頼に基づいて行われる。訪問看護の中でリハが大きなウェイトを占めることにクレームが出る理由が分からない。」などの反対意見も挙がった。

さらに日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会は共同で声明を出し、「利用者のニーズを排除した改正」・「約5000人のリハ職が雇用を失う」などと異論が噴出し、署名運動も行われるなどの騒ぎになった。

その中で厚労省にとって一番プレッシャーになったのは政治の動きである。

11/27の衆院・厚労委員会で公明党の桝屋敬悟議員がこの話題を取り上げ、リハ職が仕事を失ってしまうことや、サービスを受けている利用者にも支障が出ることの懸念を表明し、「毎年輩出される多くのリハ職を、介護現場で有効に活用するという視点も重要。地域支援事業で活躍してもらうのもなかなか難しい。地域の中でリハ職が活きる新しいスキームを抜本的に考えるべき」と提言した。

その結果12/9の介護給付費分科会で厚労省は、先に提案していた訪問看護の運営基準の厳格化は見送ることを表明した。

しかし同時に返す刀で、リハ職によるサービスは単位数の引き下げ、提供回数の適正化などを行うとした。

厚労省が目指した基準改正を、政治家等の圧力でつぶされた恨みつらみは、報酬単価の引き下げで晴らそうというわけだ。

現在セラピストの訪問は、1回に時間に関係なく296単位である。これは看護師の20分未満の訪問単位より低い単価で、1日に2回を超える訪問の際は、この単価がさらに1割減算されることになっている。

この単価がさらに下げられ、回数制限のルールも組み入れられる可能性が高い。セラピストの方々にとっては、規準厳格化が見送られてホッとするという状況にはないわけである。

くれぐれも油断なきように、声を挙げ続けていただきたいと思う。
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悪しき伝統は強権で介入しないとなくならない


職場にはそれぞれ、代々受け継がれていく有形無形の伝統がある。

しかしそれがすべて価値ある伝統とは限らず、なくしていかねばならない悪しき伝統も多い。介護事業者の伝統も同じである。

措置時代のルールを受け継ぎ、何十年も前から変わらない介護施設の運営基準に胡坐をかいて、そこで死ぬまで暮らさねばならないかもしれない人の入浴支援を、週2回しておれば豊かな暮らしだと勘違いした考え方を是正させようとしない伝統もある。

しかしそう考えている人自身は、毎日朝と晩にシャワーを浴びたり、少なくとも毎日入浴している人が多い。自分の暮らしと、自分が支援している人の暮らしぶりに、大きな差があることに何も疑問を感じることなく、職場でその是非を議論さえしないことも、「悪しき伝統」と言ってよいだろう。

そうした悪しき伝統の中でも、一番厄介なのが、利用者を子ども扱いするかのような職員対応の伝統である。

タメ口は目上の者が目下のものに対して使う、「失礼な言葉遣い」であることを理解せず、馴れ馴れしい言葉遣いや態度で利用者に接することが、「家庭的な対応」・「関係性が構築できる」とわけのわからない理屈を正当化する伝統を持つ場所には、必ずそうした対応に泣かされている利用者が存在している。

家族ではない他人が、介護支援の場で利用者に関わるときに必要な態度とは、家族と同じ遠慮ない態度ではなく、介護のプロとしての態度なのだ。信頼のおける介護知識と技術に基づいた接遇ができることが一番求められる態度なのである。

関係性というが、私たちが利用者と結ぶ関係性は、家族関係ではなく、従業員と顧客あるいは、サービス提供者と顧客という関係でしかない。そこでは顧客に対して失礼のない態度、お客様が喜んで受け入れいてくれる、「感じの良い態度」が求められるのであって、無礼で馴れ馴れしいタメ口や、過度なボディタッチが求められているわけではないのだ。

利用者に上から目線で接したり、過度に馴れ馴れしい態度で接するなどの悪しき伝統にメスを入れて、新しい風を吹き込むことは容易ではない。悪しき伝統であっても、それが受け継がれている場所では、それが普通になってしまって、悪しき事であるとは気が付かなくなっているからである。

しかも人間は保守的な生き物なので、現状を変えようとするときには、必ずそれを変えたくないという保守勢力の強い抵抗が生まれる。これを打破し変えるのは容易ではなく、経営者や管理職の強い覚悟と介入が不可欠だ。

一定の期間を示して、態度を改めない人は役職から降ろしたり、昇給をストップしたりする等、職場のルールに従わない人にはペナルティを与えねばならない。性善説で旗を振ればなんとかなるだろうという考え方が一番だめだ。

保守的で態度を改めない人は放っておいて、新人をきちんと教育して職場の伝統を変えようとしても、それは無理難題というものだ。経験年数が長い先輩職員に巻き込まれずに、新人が力強く改革の旗手になることはほぼ奇跡に近い。そうした奇跡を起こそうとする人は、様々な形のいじめや嫌がらせに合って、つぶれていくのが落ちである。

だからこそ先輩が新人の手本になるように、強権で経営者や管理職が現状に介入し、今いる職員の意識や態度を変えていく必要があり、変えられない人は排除していく必要もあるのだ。そうしないことには理想とする職場などできるわけがない。

悪しき伝統に強権で介入できない経営者や管理職が抱く理想は幻想でしかない。目ざるゴールにたどり着くために、覚悟を持って強権介入も辞さないとする人の理想だけが、実現可能な理念になっていくのである。

経営者や管理職の権限とは、そうした方向に振るわれなければならず、職員を恫喝するだけの経営者や管理職は、器がないというべきである。

それは経営者や管理職として恥ずかしいだけではなく、人として恥ずべき姿でもある。
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CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理


2021年介護報酬改定では、国の介護データベースCHASE(チェイス)へのデータ提出と、そのデータのフィードバックによる活用等が全介護事業者に求められることになっている。それが自立支援介護につながるとされているのだ。

そのため介護報酬改定に伴う運営基準の改正等の概要(案)では、「介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進」として次のように記されている。
・ 全てのサービスについて、CHASE・VISITを活用した計画の作成や事業所単位でのPDCAサイクルの推進、ケアの質の向上を推奨する。

この目的は介護関連データの収集・活用及び PDCA サイクルによる科学的介護を推進していく観点であり、具体的には全てのサービス(居宅介護支援を除く)について、CHASE・VISIT を活用した計画の作成や事業所単位での PDCA サイクルの推進、ケアの質の向上の取組を推奨するというものだ。なお居宅介護支援については、各利用者のデータ及びフィードバック情報のケアマネジメントへの活用を推奨することになる。

このように来年4月以降はすべての介護サービス事業者に、報酬加算とは直接関連しなくとも、運営基準としてCHASE・VISITの活用が求められていくことになる。

同時に加算も新設される。

施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域(総論(ADL)、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、施設・事業所の全ての利用者に係るデータを横断的に CHASEに提出してフィードバックを受け、それに基づき事業所の特性やケアの在り方等を検証して、利用者のケアプラン等に反映させ、事業所単位での PDCA サイクルの推進・ケアの質の向上の取組を評価する新たな加算を創設することになる。その際、提出・活用するデータについては、サービスごとの特性や事業所の入力負担等を勘案した項目とする。

加えて、詳細な既往歴や服薬情報、家族の情報等より精度の高いフィードバックを受けることができる項目を提出・活用した場合には、更なる評価を行う区分(上位区分)を設けるとしている。

つまり施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスに共通して、CHASEにデータを送りフィードバックを受ける2区分の新加算が創設されることになるのである。(※具体的な方法は、来年発出の解釈通知で確認する必要がある。)

それ以外にもCHASEへのデータ提出が、既存加算の上位区分の算定要件とされたり、既存加算の要件そのものに追加されることになっているが、その内容についてサービス種別ごとに整理して確認してみよう。

介護老人福祉施設・特定施設入所者生活介護
口腔衛生管理加算について、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分を設ける。
排せつ支援加算の算定要件として、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める。
褥瘡マネジメント加算の算定要件としてCHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める。
低栄養リスクが高い者のみを対象とする低栄養リスク改善加算について、入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や栄養ケアに係る体制の充実を評価する加算に見直す。その際CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを要件の一つとする
ADL 維持等加算を新設し、算定要件としてCHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める
個別機能訓練加算を見直し、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分を設ける。

介護老人保健施設・介護医療院
上記の「介護老人福祉施設・特定施設入所者生活介護」の 銑い泙任脇韻検(※介護医療院については、排せつ支援加算は新設)
ァ]祁鬚里かりつけ医連携薬剤調整加算・介護医療院の薬剤管理指導について、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを新たに評価する(減薬に至った場合の評価についてはこれを要件とする)。


通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護
管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取組を評価する新たな加算を創設する。その際、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを要件の一つとする。
口腔機能向上加算について、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分を設ける。
個別機能訓練加算を見直しCHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分を設ける。
ADL 維持等加算を見直し、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める

通所リハビリ
通所介護の,鉢△脇韻検
リハビリテーションマネジメント加算(検砲鯒兒澆垢襪箸箸發法加算(供傍擇咫吻掘砲修譴召譴砲いて、事業所が CHASE・VISIT へデータを提出しフィードバックを受けPDCA サイクルを推進することを評価する。
(※リハビリテーションマネジメント加算(機傍擇啣雜醉祝彬問・通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算は廃止し、同加算の算定要件は基本報酬の算定要件とし、基本報酬で評価を行う。)

訪問リハビリ
通所リハビリのと同じ

看護小規模多機能型居宅介護
通所介護の,鉢及び、特養の△鉢と同じ。

以上、昨日の介護給付費分科会資料から抽出整理してみた。漏れや間違いがあった指摘していただきたい。随時修正更新していく予定である。
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居宅介護支援事業所の基準変更に不満広がる


今日は最初に昨日僕が講師を務めた、通所介護に関するオンライン講演を受講した方々に、お礼とお知らせを申し上げたい。

質疑応答も含めて150分という長い時間をお付き合いいただきありがとうございました。講演後に受講された方々から、「コロナ特例について、どのような状況でどんな対応がされたのかよくわかった」・「今後の通所介護の在り方のヒントになる考え方をたくさんいただいた」・「介護報酬改定の内容がよく分かった」・「目から鱗の内容だった」・「勇気をもらった」などと意見をいただき感謝しています。

ところで質疑応答の中で、クラスター感染を防ぐために有効だと言われる空間除菌の方法として、次亜塩素酸水の空間噴霧の方法を教えてほしいという質問があり、それに回答しましたが、改めて今朝、「クラスター感染を防ぐ決め手は空間除菌」という紹介記事を、masaの徒然草に書きましたので参照してください。

さてそれはさておき今日の本題に移ろう・・・。先週アップした、「居宅ケアマネの業務負担は大幅に増えるんじゃないのか?」という記事の中で、居宅介護支援事業所の運営基準が見直され、以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付けることになることについて論評した。
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合


文字リンクを貼りつけた記事の中では、この基準変更によって、利用者にメリットはないし、そもそも利用者もそのような説明を望んでいないだろうと指摘した。

その意見に賛同してくれるケアマネジャーがたくさんおられて、僕のSNSには、「誰の得になるのかと疑問ばかり」・「福祉系サービスの利用の割合を明らかにする事で、誰に都合が良くなるのだろうか?」・「国は面倒なわりには意味のないことばかり考えてくれるので、ご利用者や現場の実務者がいつも振り回されます。」等のコメントをいただいている。

そもそもこの基準がなぜ必要とされるのかという素朴な疑問を寄せられる方も多かった。

この基準改正の目的は、「質の高いケアマネジメントを実現するため」とされているので、特定事業所集中減算の目的と同様、所属法人の囲い込みプランをできるだけ防ぐという目的があるのだろうと想像する。

しかし特定事業所集中減算もしかりだが、なぜそれが福祉系サービスに限って考えられ、医療系サービスが除外されているのかという疑問がぬぐえない。

医療系サービスは医師の指示や意見に基づいて、サービス事業所が決まるという意味があったとしても、それが医療機関によるサービス利用者の囲い込みであれば、それを防ぐことこそが大事なのでああって、医療ケーサービスを除外して、福祉系サービスだけの事業者選択割合を問題にしても、ケアマネジメントの質がそれによって担保されることにはならないのである。

このことに関して表の掲示板でも、「そもそもケアマネは各利用者の状況に合わせてサービス事業所を選んでいるのであって、その結果ある程度偏りがあるとしてもそれはそのサービス事業所が優秀だからなのであって、この資料提示で目指されるのは数字の上だけの均等ではないでしょうか。」という意見も書き込まれている。至極もっともな意見である。

スキルが高いケアマネが、サービス事業者に対しても高品質なサービスを求めた結果、その求めに応じられる事業所を利用者と結び付ける計画となるのは必然であり、その結果サービス事業所の選択に偏りが見られたとしても、それはまさに質の高いケアマネジメントの結果と言えるわけである。

だから事業者の選択割合が特定事業所に偏っていることを問題視する視点そのものが間違っていると言えるし、それを福祉系サービスに限って問題視するのは稚拙で支離滅裂な思考レベルと言っても過言ではない。

この基準改正は利用者にとっても、「そんな説明は名の意味があるんですか?」と首をひねって混乱させるものでしかなく、ケアマネジャーに過度な業務負担を負わせるだけのイジメにしかなっていないといえるだろう。

基準変更後に実際にこの説明業務が増えた時点で、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの不満の声は、各地域で高まることだろう・・・。そもそも日本介護支援専門員協会は、こんな改悪に何も抗議せず、何のアクションも起こしていない。

やっぱかの協会は、現場のケアマネの声を代表している組織ではないことがここでも証明されている。
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時代の変化に対応するための情報検討


政府は今日、臨時閣議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止・ポストコロナに向けた経済構造の転換・国土強じん化の3つを柱とした新たな経済対策を決定する。

この経済対策をもとに今年度の第3次補正予算案の編成作業をすすめることになるが、それは一般会計の総額で19兆円程度の規模とする方向で最終的な調整するという。

新型コロナ対策としては、医療機関向けの「緊急包括支援交付金」を増額し、病床確保などを支援すると言うが、介護事業者向けの交付金増額という情報は入ってきていない。

また一部の関係者から期待の声が挙がっていた、「慰労金」の追加支給も行われない見込みである。

5万円と20万円のどちらかが介護関係者に支払われる、「慰労金」については、6/30までの勤務状況によって支払われることになっており、それ以降に新たに介護事業者に勤務した人は対象外であるし、5万円の支給を受けた人が、6/30以降に感染者に対応したからと言って、その金額が20万円に増やされることもない。

しかし感染第3波の中で、各地の介護施設や医療機関でクラスター感染が発生しており、6/30以降に厳しい環境で過酷な対応を迫られている関係者が多い中で、慰労金の追加支給がされないのは残念なことである。

さて話は変わるが、今日午後から僕は、自宅から佐賀県の通所介護事業者の皆さんに向けてオンライン講演を行なう予定になっている。

内容は下記の4つの柱となっている。
・コロナ禍特例の確認と対応
・緊急包括支援金や持続化給付金・無利子無担保貸付の活用について
・Withコロナの通所介護のサービス提供の在り方を考える
・来年4月に迫った介護報酬改定の通所介護に関連する最新の情報提供

通所介護講演スライド2通所介護講演スライド
感染症については、下記の推移を振り返ったうえで、介護事業者に向けてどのような対策がとられたのかを時系列で確認することから始める予定だ。
1/15・神奈川県で国内1例目の感染者確認
1/28・奈良県で日本人初の感染者確認(国内6例目)
2/5・2月3日に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号の集団感染を確認
2/8・武漢で日本人初の死亡を確認
2/13・神奈川県で国内初の死者
2/21・国内感染者数が100人を突破


そのうえで現状、通所介護事業者がとり得る対策、今後のWithコロナの視点から考える通所介護事業展開などを明らかにしながら、来春の介護報酬改定情報をまとめて話を締めたいと思う。

報酬改定については、改定率は出されていないが(※明日9日の介護給付費分科会で示される可能性あり)、通所介護の報酬改定・基準改正内容はほぼ出そろっているので、最新情報を交えて解説したいと思っている。

入浴介助加算や個別機能訓練加算等の改定内容も論評を交えて解説したいと思うが、僕個人的に意外と大胆な改正だなと思う点としては、次の2点が挙げられる。

‖腟模型の報酬が適用される事業所を利用する者の区分支給限度基準額の管理については、通常規模型の単位数を用いることを検討

感染症や災害等の影響により、利用者の減少等がある場合に、その状況に即した安定的な運用を可能とする観点から、事業所規模別の報酬区分の決定にあたって、前年度の平均延べ利用者数ではなく、直近の一定期間における平均延べ利用者数の実績を基礎とすることができる等の対応を検討。


´△箸發妨住点では決定事項ではないが、変更されることになればその影響は決して小さくない。

,砲覆襪噺従のプランのままで区分支給限度額が超えてしまうために、サービス利用回数を減らさねばならない利用者も出てくるだろう。

△諒儿垢任蓮年度内で規模別報酬区分が変わるたびに利用者同意を得るなどの事業所の業務負担が増えることになる。

2点とも、検討されている方向にそのままルール変更される可能性が高いので、注目しておかねばならないと思う。

今日は2時間の講演に加えて、30分の質疑応答時間をとっているが、既に事前質問もいくつかいただいている。質問内容は感染予防策として通所介護事業所がとり得る対策としてふさわしいもの〜人材育成まで多岐にわたっている。

それらの事前質問に加えて、リアルタイムの質問にも回答したいと思う。オンラインだとチャット機能を使った質問もできるので、より気軽に尋ねられるのではないだろうか。

このようなオンライン講演も主催者や受講者の要望に応える形で、テーマや内容や時間配分等も多岐にわたって設定できるので、是非気軽にご相談いただきたい。

それでは佐賀県の皆様、午後からよろしくお願いします。
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頭で考える介護・心で考える介護


頭の良い人が、その知能のかぎりを尽くして介護事業経営を考えることで収益は挙げられるだろう。

しかしそのことと介護サービスの品質はイコールではない。頭の良い人が頭で考えるだけではサービスの質は向上しないし、人の暮らしを豊かにすることはできないのである。なぜかと言えば利用者から搾取の限りを尽くして儲ける方法はいくらでもあるからだ。

利用者から搾取するものは、お金だけではなく心も含まれる。利用者の心を奪い、利用者の哀しみや苦しみを無視した介護事業経営を行っている人間は、哀しいことに実在している。

しかし僕はそういう方法で、この仕事に携わることを欲しないし、そうした行為を許されないと憎む立場にいる。

そもそも儲けるためだけなら介護以上に儲かる別の仕事を探した方が良いと思う。

介護という職業には、もっと違うやりがいや喜びがあるからだ。

長年在宅で親を介護していた子にとって、その親を介護施設に入所させるのには一大決心がいる場合が多い。介護している自分も年を取り、体がしんどくなってきたときに、入所申し込みをしていた特養に空きができ、自分の親に入所順番が回ってきたからと言って、すべての人が喜んで親を施設入所させるわけではない。

自分が親の介護を放棄してよいのかとか、施設に入所させることは親を捨てることと一緒ではないかとか、施設が本当に信頼できるサービスを提供してくれる保証はないのではないかと思い悩む人は決して少なくない。

そんな人たちが、やむにやまれず親を施設入所させたときに、心配が杞憂に終わったと安心できるのは、親が家にいるときと同じように介護施設に居場所を見つけ、我が家のようにくつろいで日常生活を送る姿を見ることができたときである。

だからと言ってそこで親が年下の介護職員から、子供が親に話しかけるようなぞんざいな言葉遣いで話しかけられている姿を見て喜んだり、安心したりする子はいない。子ども扱いされている親の姿に心の中で涙を流したり、悔しがったりしている。従業員の礼儀のない失礼な言葉かけに、心の中で罵声を浴びせながらも、表面上はありがたい顔をしている人が多い。人質にとられている親が、自分の見ていない場所で、いじめにあっては困ると考えるからだ。

利用者の家族が本当に安心できる職員の態度とは、いつ見ても丁寧な対応をしてくれることである。言葉遣いも態度も丁寧な職員の姿にホッとして、ここに入所させて良かったと心から思えるのである。

馴れ馴れしい行儀の悪い態度ではなく、家族の介護とは一線を画した介護のプロとして礼儀ある対応に安心感を持つのである。

そういう介護サービスを創り挙げるのが介護事業経営者や管理職の役割である。

対人援助の質を引き上げ、人を幸せにするためには愛情というエッセンスが欠かせないのである。目に見えなくて科学でも説明できない、「人間愛」を加えた介護サービスを設計する視点が、僕たちには求められているのである。

頭だけで介護事業を考えるのではなく、心からケアの本質を考えたいものだ・・・。
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真実は闇の中・・・にしないために。


昨日の夜TBSで放映された、「爆報THEフライデー」の、「カリスマ監察医事件簿・1枚の写真で完全犯罪を見破れ」を見た方がいると思う。

そこで取り上げられた事件の一つに、老人ホームの暴行死事件があった。その老人ホームで複数の利用者が病死とされていた事件は、実は一人の介護職員の暴行による殺人事件であったというものだ。

その事件は6年前に起き、次の記事に取り挙げた、「フラワーヒル入居者死亡事件」ではないかと思う。【参照:「もっと褒められたかった」と利用者を殴り殺した事件の背後に潜むもの】(※確信はないので、間違っているかもしれない。)

その事件は、犯人が被害者の胸をこぶしで数回にわたって殴打し、胸骨骨折などの傷害を負わせ、心不全または出血性ショックにより死亡させたとされるものだ。

検察側が地裁裁判の冒頭で陳述した犯行動機は、事件の数日前に別の入居者の容態が急変して死亡したのを発見したところ、犯人が当時の施設長に大いに誉められ、この経験からさらに異変が起きてまた発見者となれば、犯人の介護職員としての評価がさらに上がるものと考えて入居者を殴ったというものである。

一方で弁護側は、暴行の原因は犯人の適応障害によるものとして情状酌量を求めたが、1審では求刑10年に対して懲役8年の刑が言い渡されている。

その際の判決で裁判長は、「事件の前、入居者の容体の異変にいち早く気がついて褒められた経験があり、職場での自分の評価を上げるため、異変の発見者となろうと無抵抗の被害者に一方的な暴力を加えた。本来介護士として被害者を守る立場にありながら動機は身勝手で強い非難に値する」と指摘した。検察側の動機説明を是認した形になっている。

しかしこの事件の本当の恐ろしさとは、裁かれた罪以外の罪悪がまだ闇に潜んでいるのではないかという疑いがぬぐえないことだ。

事件が起きた特養では、犯人が勤務を始めた直後の2010年2月15〜18日の4日間で、入居者3人が相次いで亡くなり、そのほか別の1人がけがをしている。埼玉県警は判決が言い渡された事件のほか、84歳の女性への傷害容疑と、78歳の女性への傷害致死容疑でも立件したが、さいたま地検はいずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とした。また死亡したもう1人については事件化されていない。証拠が不十分だったからであろう。

このことについて、遺族として法廷に立てなかった死亡利用者の家族が無念の思いを訴えたりしているが、その思いはどこにも届かない・・・。

この事件は感覚麻痺とかいうレベルではなく、自己顕示欲のためだけに人として許されない行為を行うという悪行でしかない。その事件に更なる被害者が隠されているとしたら、それはとても恐ろしいことであるし、決して許されることではない。

もし犯人が裁かれた容疑以外にも犯行及んでいるとしたら、その罪は一生自分が背負って、その贖罪のために生きていかねばならないということを知るときが来るだろう。それもとても悲惨な人生と言えるのではないだろうか。

昨日番組を観ながらこの事件のことを思い出したときに、昨今の介護事業者における職員採用の状況と、職員教育の問題点が改めて頭に浮かんできた。

本件のように、本来対人援助の仕事に就いてはならない人が、人材不足の中でますます低くなっている採用のハードルを潜り抜けて、介護の仕事に就いてしまうケースは多い。だからこそ採用時の人物評価は最も重要になるし、採用基準のハードルは下げてはならないのである。そして採用時に見抜けない適性の無さについては、試用期間中にしっかり見抜くようにOJTを活用すべきである。

さらにこうした人物に影響を受ける輩を創り出さないように、介護事業経営者や管理職の方々には、採用後の計画的で定期的な教育システムは最重要であることを自覚してほしい。そしてその教育とは、「人間性の向上」につながるものでなければならず、単に知識や技術を教えるだけのものであってはならないことも忘れないでほしい。

そうした人間教育を介護事業者内のシステムとして組み込む不断の努力が求められるのである。

そしてそれは実効性があるものではないと意味がないので、常に研修・教育システムが形骸化していないか、アリバイ作りの無意味な研修になっていないかという検証作業をし続けなければならない。

それは経営者や管理職に求められる最も重要な役割である。

昨日の番組で取り上げられた事件が本件であるか否かは別にして、その番組を観ながら改めて、人材選びと人材教育をおざなりにしてしまうと、大変な社会悪を生んでしまいかねないのが介護事業であると考えたりした。

そうしないためにも、介護の使命は何かということを伝えること、誇りを持って介護の仕事を続けられる実践論を伝え続けることは、今後も求められるのだと思った。

そうした学びの場を求めている方は、是非一度メール等で連絡していただければと思う。全国どこでも駆けつけるし、オンラインでの講演も受け付けている。まず気軽に相談の連絡をいただきたい。
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居宅ケアマネの業務負担は大幅に増えるんじゃないのか?


次期介護報酬改定の大きなテーマの一つに、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の処遇改善が挙げられていた。

その必要性は多くの関係者が認めるところで、居宅ケアマネを対象とする処遇改善加算は実現しなかったが、担当ケアマネ件数を増やすために逓減性を見直したり、予防プランを受託した際の加算を新設するなどして、居宅介護支援事業所の収益が今以上に挙げられる対策がとられることになった。

おそらく居宅介護支援費も現行よりアップされることだろう。そのようにして居宅介護支援事業所の収支差率を改善して、その収益を介護支援専門員の給与を含めた処遇改善に回すことができる方向に舵が切られているのである。【参照介護給付費分科会速報(11/26開催) ・ 居宅介護支援費はケアマネの待遇改善につながる改定になるのか(前編)・(後編)】

しかし逓減性の見直しにより、多くの居宅ケアマネジャーが、居宅サービス計画作成件数を、最低でも逓減性のかからない44件までは受け持つように強いられるだろう。居宅ケアマネの仕事は、それだけでも増えることになる。

しかも居宅ケアマネに課せられる義務も増えることになり、その内容を見ると大幅な業務負担となるのではないかと懸念せざるを得ないものとなっている。

その内容とは、居宅介護支援の事業所の運営基準が見直され、以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付けることになることだ。
前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合


この新規程は、契約時に利用者に対して説明して終わりということにはならず、繰り返し6カ月ごとに説明する義務が生ずるという意味だと思う。それは大きな業務負担と言えるのではないだろうか・・・。

2日の介護給付費分科会でもこの基準見直しについては、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの業務負担となることを懸念する意見が挙がっている。しかし厚労省の担当者は、「既に特定事業所集中減算の仕組みがあるので、基本的にデータは取りやすい。ただ事業所の負担には十分配慮していく」と述べている。

厚労省担当者の見解は、自分で仕事をしないで義務だけ課す傍観者のふざけた論理と言わざるを得ない。

なるほど福祉系サービスの、「同一事業者によって提供されたものの割合」については、特定事業所集中減算との関係で、担当ケアマネは常にその数値を計算して把握していることは間違いない。しかしその割合について、全利用者に6カ月ごとに説明するということの業務負担は、計算するという業務負担とは別物である。データが取りやすいから、過度な業務負担にはつながらないという論理は成り立たないわけである。

しかも現在は、「ケアプランに占めるプランニングした福祉系の各サービスの割合」などという数値はデータ化されておらず、それも今後は机上計算の上でデータ化し、定期的に全利用者に説明する業務負担が増えるわけである。(※割合の算出方法は、今後示されることになると思われる)

よって間違いなくこの基準見直しは、大きな業務負担となると言ってよいだろう。

しかしこの説明によって利用者にとってどんな利益があるのだろうか?そもそも利用者は、こんな説明を望んでいるのだろうか。

利用者の声として、自分が担当するケアマネジャーの全プランに占める各福祉系サービスの割合や、福祉系サービスの提供事業所割合を知りたいという声が挙がっているという話は聴いたことがない。

利用者の興味とは、自分のサービス計画の内容であって、他人の計画内容に興味を持っている人はほとんどいない。ましてや自分の担当ケアマネジャーのプランニングの傾向と実態なんかつゆほどの興味もないはずだ。だから今回の基準見直しで説明を受け、その内容を把握したとしても、自分にとって何の得にもならないし、必要な情報であると実感できない利用者がほとんどではないだろうか。

つまり今回の居宅介護支援事業所の運営基準改正は、誰も望んでおらず・何の効果も期待できない義務をケアマネに課して、仕事を増やしているだけではないのだろうか。わずかなプラス改定の収益をケアマネに手渡す代償としては、あまりに負担が大き過ぎると思うのは僕だけだろうか・・・。

サービス担当者会議のリモート化は実現しても、モニタリング面接のリモート化は見送られ、ケアマネの業務負担は重いままなのに、さして意味があるとは思えない業務を増やす基準見直しは改悪としか言えないものである。

現場を知らない官僚が、制度を益々複雑怪奇にしているとしか思えない・・・。そこで居宅介護支援事業所のケアマネジャーはどんどん疲弊していく。

その実態を知れば知るほど、介護支援専門員の資格を取ろうという動機づけを持つ人が減るのも当然と言えば当然であるとしか思えなくなる。
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グループホームは3ユニットがスタンダードに・・・。


介護報酬の改定率が示される可能性があるとアナウンスしていた2日の介護給付費分科会は、結局運営基準等の改正案が示されただけに終わった。読者の皆様には先走った考え方を提示してしまい申し訳ありませんでした。

さてその資料から、GHの基準変更に触れてみたい。

報酬改定に伴う基準改正で、全国グループホーム協会等の関係者が一番強く要望していたことは、GHの夜勤基準の緩和であった。

制度開始当初の基準では、2ユニットのGHでは、夜勤者1名+宿直者1名という体制が認められていたが、相次ぐGH火災事故を受けて、避難誘導体制を充実させるなどの観点から、この基準が見直され、現在はユニットごとに夜勤者を1名以上配置しなければならなくなっている。

この基準を見直して、見守り機器などを設置することを条件に、2ユニットのGHにおける夜勤者1名+宿直者1名基準を復活させてほしいと要望されていた。

このことに関連して7月に書いた、「GHの夜間配置規準見直しの要望について」という記事の中で僕は、「複数ユニット経営の推進や、原則2ユニットしか許されていないGHの規模拡大議論に結び付けていくべきではないかと思う。」という意見を書いているが、今回の基準改正では2ユニットのGHにおける夜勤基準緩和は見送られたが、僕の要望するGHの規模拡大と、3ユニットの夜勤基準緩和は認められることになる。

来年4月以降は、特例ではなく通常指定として3ユニットの認知症対応型共同生活介護事業所が認められることになる。さらにサテライト型小規模多機能型居宅介護の基準を参考に、グループホームのサテライト型事業所の基準を創設し、この設置も認められることになる。

そして夜間・深夜時間帯の職員体制について、安全確保や職員の負担にも留意しつつ、人材の有効活用を図る観点から、3ユニットの場合であって、各ユニットが同一階に隣接しており、一体的な運用が可能な構造で、安全対策(マニュアルの策定、訓練の実施)をとっていることを要件に、夜勤2人以上の配置に緩和することを可能とするとしている。

つまり2ユニットのGHの夜勤配置基準は現行通りとされたものの、3ユニットのGHについては、条件付きで2ユニットのGHと同じ夜勤配置で良いとされているわけだ。

2ユニット18人のGHより、3ユニット27人のGHの方がスケールメリットが働き、収益率が向上することは容易に予測できることであるが、夜勤配置基準が2ユニットと3ユニットで変わらないなら、この部分でもスケールメリットが大きく働くことになる。

さらに今回の基準改正では、認知症グループホームにおける介護支援専門員である計画作成担当者の配置について、事業所ごとに1名以上の配置に緩和するとされているのだから、2ユニットでも3ユニットでも、介護支援専門員は1名配置で良いわけだから、当然3ユニットの方が収益が挙がることになる。

勿論こうした考え方は、経営上の考え方でしかなく、働く当事者である介護支援専門員や介護職員等は、今現在より対応すべき利用者数が増えて大変になるという意見が出てくるだろう。それは極めて当然の反応であり、間違った意見でもない。

ただしGHの現在の基準は、一人の夜勤者の担当利用者上限が9名である。一人の介護支援専門員の担当利用者上限も9名だ。この基準は他の居住系施設と比べると、非常に少ない利用者上限基準と言える。

例えば特養等の介護施設の場合、夜勤者一人が対応すべき利用者数は20名を超えているし、介護支援専門員は100名まで担当できる基準である。それと比べた場合、今回の基準改正で過重労働に陥るという論理は、あまり説得力を持たないと言えるのではないだろうか。

どちらにしても今後の新設グループホームは、3ユニットが当たり前になるだろうし、既存の2ユニットのグループホームも、3ユニットに拡充を目指していくことになるだろう。

1ユニット単独のグループホームや、2ユニットのグループホームは、ごく小さな地域に限定的に残っていくだけで、いずれ我が国のグループホームのスタンダードは3ユニットになっていくのだろうと予測する。なぜなら今後はますます経費及び人材確保の両面で、スケールメリットを生かした経営戦略が必要不可欠になるからだ。

このほか基準改正では、無資格の介護職員に、「認知症介護基礎研修』の受講を義務付けるが、この経過措置が3年になっている。

また感染症や災害が発生した際の現場の対応力を今より強化していくために、有事に備える業務継続計画(BCP)の策定やシミュレーション(訓練)、研修の実施を全ての事業者に義務付けることになり、この経過措置も3年とされた。

これだけ経過措置期間が長いと、経過措置の間に方針変更があり得ると考えるべきで、各事業者はこれらの新基準への対応については、慌てずゆっくりと対応したほうが良いと思う。
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民度が低い介護業界の現状


サービスマナー意識をもって丁寧な対応を心がけるというのは、接客を伴う職業において極めて当然の常識である。

しかし介護事業者に勤める人たちで、このことを全く理解できていない人はかなり多い。自分たちの職業が接客業であり、サービス業であるという基本も理解できていない人も多い。

介護・福祉・医療業界以外で、「お客様にタメ口は使ってはなりません」などという教育は成り立たない。それは極めて当たり前すぎることだから、サービスマナー研修でもそのようなレベルの話をする講師は呼ばれなくなる。

ところが介護業界は、そこからサービスマナーの話を始めなければならないだけではなく、そもそもサービス利用者が、「顧客:お客様」であるという概念から話さねばならないことも多い。それほど民度が低い業界である。

介護職員の中には、家族が家庭内で会話する際に使う言葉遣いが、利用者との距離を縮め、良好な関係に結び付くと勘違いしている人が多い。介護職のみならず、経営者や管理職という労務管理のトップに立つべき人の中にも、自分自身を律することなく、言葉や態度を崩して接することが、利用者が求めている関係性であると勘違いしている人が多い。

要するに丁寧な態度や、丁寧な言葉遣いで、良好な関係性をつくれないほど知性に欠け、コミュニケーションスキルが低い人間が介護業界に数多くはびこっているという意味だ。

お金を支払ってサービス利用する人に対して、そのお金を原資にした給与をもらう側の人間が、タメ口で接することがどうして許されると考えるのだろう。そうした失礼な態度を、「家族的・家庭的」と考える知性の低さはどこから来るのだろう。

私たちは介護のプロフェッショナルとして、介護という職業を通して金銭対価を得ているのだから、家族と同じでは困るのだ。私たちの働く場所が、家庭のように利用者がくつろぐことのできる場所にする必要はあっても、実際の家族ではない私たちが、家族と同じような遠慮ない態度や言葉遣いで利用者に接することが、「くつろぎ」ではないわけである。

そこではプロとしての業(わざ)を期待されているのだから、接客態度として正しいマナーを持って、利用者の方々に満足感を与えられなければならない。そのためのサービスマナーであり、そこから真のおもてなしの心(ホスピタリティ精神)が生まれるのだということを理解する必要がある。

そもそも私たちサービス提供者と、サービス利用者の方々との関係性とは、家族関係でも友人関係でもない。そうはなれないし、なってもいけない。それはあくまでサービス提供者と顧客の関係性でしかなく、そこではくだけた態度は失礼な態度と誤解されても仕方がないのである。そういう誤解を受けないために規律が必要となるのだ。

従業員が規律を守って働く態度を身に着けるために、サービスマナー教育は不可欠であり、それは計画的・継続的に行わなければならない。それは従業員の悪気のない態度や言葉遣いで、利用者の心を傷つけたり、不快な思いをさせないためにも求められることである。

ところがこうした教育を、「従業員への押し付け」と感じる人がいると言われたり、サービスマナーを持って接することが求められることについて、「やらされ感が半端ない」という声が聴こえてきたりする。

これこそ介護業界の民度の低さの象徴である。

職場にはルールがあって当然だ。そうしたルールを護ることが、その職場で働き続けることの条件であり、職場のルールを護ることができないというなら、その人はその職場で働く権利を失うのである。就業規則で定められた礼儀ある態度を、「押し付け」とか「やらされ感」と思うなら、その時点でその人はその職場にいてはならない人とされて仕方がないのである。

学生はなく社会人なのだから、職場のルールに沿って働くことに疑問を持つなんて言ってられないのだ。職場のルールが嫌だったり、おかしいと思うなら、別の職場を選ぶべきなのである。

そのような幼稚な疑問を一つ一つつぶしていかねばならないのが、介護業界の現状である。

ひとりひとりの従業員が、もっと介護業界全体の民度が高まるように、介護のプロとしてのコミュニケーションスキルを向上させる努力をしてほしい。

管理職レベルでその理解ができない人は、顧客に接する以外の別な職業を探した方がよい。

そしてマナー教育に対する理解のない経営者や管理職が幅を利かせている職場で、利用者に対する従業員の心無い態度に心を痛めている知性ある介護職の方々は、一刻も早くそういう職場を見限って、下記のような転職サイトのサポートを受けて、自分に合った良い職場を探していただきたい。
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感染予防のくだらない対策・実効性がない対策


スーパーコンピューター「富岳」で新型コロナウイルス対策を研究する神戸大や理化学研究所のチームは11月26日、「カラオケボックスでは換気口の下に立ち、マスクをして歌うと飛沫(ひまつ)の拡散が抑えられる」とのシミュレーション結果を発表した。

多くのカラオケボックスには換気機能が付いており、換気口の下に立ち、マスクやマウスガードを着けて歌うと室内に微小な飛沫が拡散するのを抑えられ、さらにエアコンで空気をかき回すと、飛沫が漂い続けるのが抑えられたとしている。

だからカラオケボックスに行く場合は、エアコンを回して換気口の下でマスクやマウスガードを着けて歌うのが良いとでもいうのだろうか・・・。

このニュースに触れて僕は決して、「なるほど」とは思わない。馬鹿馬鹿しいなと思う。感染第3波が拡大している今この時期に流すニュースかよと思ってしまうし、この時期に感染リスクがゼロにならない、カラオケの飛沫感染リスクを少なくする研究に時間を費やす人間も、相当暇でやることがない人間なんだろうと思ってしまう。

今そんな方法を探るより、カラオケは控えたほうが良いと思うからだ。そもそもカラオケをしなければ日常生活が立ち行かなくなるなんていう状況は想定できないのだから、この時期はカラオケボックスへ行くことを我慢したって罰は当たらない。

少なくともカラオケボックスに行って唄うのであれば、自分一人で行くことだ。複数の仲間とカラオケボックスで唄うのであれば、どのような対策をとっても、感染リスクはカラオケボックスに行かない日常を送るよりも高くなることは間違いないし、世の中にカラオケ以外の愉しみとか、ストレス発散方法がないわけではないのだから、他に楽しみを探せと言いたい。

コロナ禍では、いろいろな日常や普通の概念が変わらざるを得なくなっているのである。昼カラオケは、高齢者の愉しみとして浸透しているのだから、それを守ることも大事だという考え方もあるだろう。しかしそれ以外の安全な楽しみを見つける試みがあっても良い。スマホアプリがこれほど普及しているのだから、高齢者もそれを利用できるようにすれば新しい可能性も生まれようというものだ。

既にカラオケをサービスメニューから外している通所サービス事業所が多くなっている。(参照:通所介護に関するアンケートの集計結果について

カラオケに替わる新しいサービスメニューを創り出すヒントとして、通所サービスに通う高齢者の方々の新しいニーズに着目して、新サービスメニューを創り出す通所サービス事業所は、顧客から選ばれる事業所につながる可能性もある。

例えば通所サービスに通う高齢者で、ガラケイからスマホに変えたいと思っている高齢者は意外と多いし、スマホをもっと使いこなしたいと思っている高齢者も意外と多い。それらの方々にスマホを使いこなす教室をサービスメニューに加えてはどうだろう。またスマホを持っていても、電話機能しか使っていない高齢者に、アプリの使い方やSNSを使えいこなす方法を教えることは、脳若サービスとして人気が出るだろう。

それはすべて通所介護計画の中で、個別機能訓練計画として位置付けてよいものだ。

そうした新しいサービスメニューを開発する中で、大声を出して飛沫感染につながるカラオケは、コロナ禍が収まった後でもデイサービスのメニューから消えて行っても問題ないだろうと思う。

ところで先日も指摘したが、通所サービスの利用者の家族が感染拡大地域と往来した後に、利用者自身も最低2週間はサービス利用をさせないとしている事業所がある。

新型コロナは、ウイルスに感染後、発症まで5〜6日間(幅は2〜21日間)の潜伏期間があり、発症の2日前から感染力が強くなって10日間前後、他者へ感染させる状態が続くようである。そして発症前2日からの1週間が特に感染力の強い期間とされる。だから潜伏期間と感染リスクが高い期間を見込んで、2週間の自宅待機というルールを定めているようだが、それはどれほど感染予防に実効性があるのだろうか?

上に記したように潜伏期間は最大21日間とされているのだ。さすれば2週間の自宅待機で感染を完全に防ぐことは出来ないし、そもそもGoToトラベルを適用している地域と往来した家族がいるというだけで、利用者に利用制限をかける権限が通所介護事業所にあるのだろうか。それは極めて疑わしく、人権侵害とされる危険性も否定できない。

そもそも利用者には、家族が感染地域を往来したことを通所介護事業者に申告する義務なんかなくて、それをサービス利用条件とすることもできないはずだ。せいぜいそれはお願いレベルにとどまるだろう。さすれば家族状況を通所介護事業所が完全把握することなど不可能だと言えるわけで、そのような利用制限ルールによる感染予防対策とは、実効性が極めて低いと言わざるを得ない。

だからこのブログで何度も指摘しているように、まずは通所介護事業所の感染予防の対策を、環境面も含めて整えておくことが大事だ。(参照:コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?

利用者の検温は事業所についてからでは遅いと理解し、送迎者に乗り込む前の自宅玄関先で、非接触型体温計を用いて運転手による検温は当たり前にしなければならないし、そのためには運転手が事前に利用者の平熱を把握しておく必要もある。送迎もできる限り、「密」防ぐ運行計画を視野に入れることが必要だ。(※限界があることは理解できる)

利用者にはマスク着用を励行してもらい、病状等でマスク着用ができない人のために、フェイスシールドを事業所備品として通常装備するのが当たり前になる。

サービス提供時間中は、冬でも定期的に複数回の換気を行う必要もあるし、ウイルスは乾燥を好むのだから、常に湿度を50%〜60%に保つよう加湿対策を施すことも大事だ。エアロゾル感染対策として空間除菌も当たり前に行う必要がある。

おやつ作りなど、みんなの口に入るものづくりはサービスメニューからなくなっていかざるを得ないし、おやつとしてお菓子を提供する場合は個包装のものを個別に提供する必要がある。それらの対策をしっかり取ることが一番大事なことなのだ。

どちらにしても、感染地域で多人数と飲食やカラオケをした家族がいるならともかく、そうではない家族状況に対する制限ルールは、ほとんど実効性がないし、通所介護の権限が及ぶ問題ではないと言えるのではないだろうか・・・。
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ノーリフティングケアに取り組む事業所の報酬評価について


来週11/8(火)に、佐賀県老施協・デイサービス委員会会員に向けたオンラインセミナー、「今後の時代の変化に対応するための情報収集と検討〜コロナ禍における通所介護事業の展開〜」を配信する予定にしており、本来なら講演資料を事務局に送っていなければならない時期である。

しかし今回は事務局にお願いして、資料送付を3日まで待っていただいている。オンラインセミナーであるがゆえに研修会場で資料を配布できないために、受講者に事前にそれをくまなく配布するには、その日程はかなり厳しいとは思うが、そこまで待ってもらっているのには理由がある。

それは僕の作業が遅れているわけではなく、2日に開かれる介護給付費分科会の情報を資料に入れたいからである。
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2018年の介護報酬改定時は、2017年12月6日に改定率と審議報告(案)及び概要(案)が示されていることを考えると、2日の介護給付費分科会で来春の介護報酬の改定率が示される可能性が高いからだ。勿論ここでは各サービスの報酬単価は示されることはなく、全体の改定率と改定概要が示されるだけであるが、8日の研修にこの情報が欠けていてはならないし、できれば当日の資料にも要点が記されていた方が親切だと思うのである。事務局の方々にご迷惑をかけて申し訳ないが、そうした事情で待っていただいているのである。

根拠も何もない中で、僕は次期介護報酬は小幅ながらもプラス改定になるだろうと予測しているが、その予測が当たるか、外れるかは明後日明らかになることだろう。

さて介護報酬改定に関連しては、11月9日の介護給付費分科会資料に中に興味を引く改定項目がある。【資料2】介護人材の確保・介護現場の革新の86頁に、ノーリフティングケアに取り組む事業所の報酬評価案が記載されているのである。

その内容を確認してみよう。論点┘機璽咼垢亮舛慮上や職員の職場定着に資する取組の検討の方向(案)には、「職員の業務負担軽減や職場定着を図る観点から、職員の腰痛予防に資する取組として、いわゆるノーリフティングケアの取組が進められていることも踏まえ、こうした腰痛予防に資する取組を進める事業所を、既存の加算の仕組みを活用しながら評価することを検討してはどうか。」とされている。

既存の加算の仕組みを活用ということは、サービス提供強化加算等に上位区分を設け、算定要件にノーリフティングケアに取り組んでいることを組み入れるなどが考えられる。

そんな上位区分を算定する必要はなく、今の区分算定で良いと考えるのは浅はかである。仮に報酬改定がプラス改定になったとしても、既存の加算の上位区分が創設される際には、既存の加算に単純に上位区分が上乗せされるのではなく、既存の区分の単位数を削減したうえで、その上に上位区分を新設するのが恒例だからだ。

それは最上位区分の算定要件が、今現在国が必要と考えている要件であるから、できるだけその要件を満たして最上位区分を算定しなさいと言う国のメッセージでもあるわけだ。

つまり来年4月以降、ノーリフティングケアに取り組んでいない事業者については、現在算定している加算のどれかが、今より低い単位しか算定できないということになる可能性が高いわけである。そうしないように、ノーリフティングケアに取り組んでいないいない事業者・そんなケアがあることも知らない事業者は、早急にその取り組みを行う準備から始めなければならない。

そもそもノーリフティングケアとは、介護職員の力のみに任せた移乗をなるべく避け、個々の状態像や心情なども十分に考慮して適切に福祉機器・用具を使う方法である。

それは基本的に利用者を抱え上げない、引きずらない安全な介助の方法であり、きちんとした知識や技術に基づくノーリフティングケアは、介護する人・介護される人、双方にとって歓迎されるべき、「優しいケア」であると思う。

だからこそ介護職員に対しては、きちんとした基本知識を得て、正しいノーリフティングケアの技術を獲得できる教育が必要になるのである。

そういう意味では、今後新たにノーリフティングケアに取り組む事業者は確実に増えるだろうし、そのためにノーリフティングケアの研修も必要性が増すことだろう。

だがそうした研修会も質に差があるので注意が必要だ。一部のノーリフティングケア研修会は、リフトなどの介護機器の売り込み・セールスが中心の場になっていて、本当の技術を伝えていないからだ。

ノーリフティングケアは、適切な技術を獲得すれば、スライドボードを活用するなどして、リフトなどの大掛かりな機器を使わずとも可能になるケアである。

勿論、環境によってはリフト等を活用することも重要ではある。例えば在宅介護を受けている人の自宅にリフトを備え置き、ノーリフティングケアの技術に長けた訪問介護員が、訪問介護サービス提供中にリフトを使いこなして移乗介助等を行いながら、その技術を自宅で介護している家族に伝えることで、家族が自宅で今より容易に介護ができるようになるかもしれない。そうしたリフト機器導入については、担当ケアマネジャー等が積極的に居宅サービス計画に位置付けて良いと思う。

しかし同時に、ノーリフティングケア=リフト機器導入ではないし、それなしではできないという考え方は間違っていることをしっかり理解してほしい。(参照:ノーリフティングケアを学んできます

そうした正しい知識を学ぶために、研修もきちんと選ぶ必要があるのだ。

そうしないと職員を研修に派遣して学ばせ、リフト機器も購入したは良いが、数カ月後には、そのリフトも使われずに倉庫の片隅に置いたままになり、ノーリフティングケアも介護の場に根付かず、相変わらず力任せの、人海戦術に頼りきったケアから抜け出せないということになりかねない。現にそうした事業者もたくさん存在するという現実があるのだ・・・。

ノーリフティングケアが現場に浸透すれば、介護職・利用者双方の利益になるにもかかわらず、それがいつの間にか行われなくなり、その取り組みにかけた経費がすべて無駄になるということがないように、時間を十分にかけて、計画的に職員を教育するという意識が経営者や管理職には求められる。

最上位加算を算定するために、ノーリフティングケアの取り組みが必要だから、「取り組みを行ってね」と声だけかけて、現場にその取り組みをすべて丸投げしたって、実現も浸透もしないことを理解しなければならない。

ノーリフティングケアの取り組みには、経営者や管理職の覚悟と、実行力が不可欠なのである。
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報酬改定の自立支援・重度化防止の視点


26日に行われた第194回社会保障審議会介護給付費分科会の資料のうち、【資料7】自立支援・重度化防止の推進を読むと、国が創った介護データベース・CHASEへの情報収集がいかに重視されているかが見て取れる。

利用者ごとの計画書の作成とそれに基づくケアの実施・評価・改善等を通じたPDCAサイクルの取組に加えて、 CHASE・VISITへのADL、栄養、口腔・嚥下、認知症などに関連するデータ提出とフィードバックの活用により、更なるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を図ることについて、既存の個別機能訓練加算、口腔衛生管理加算、栄養マネジメント加算などの評価に加えるというものだ。
CHACE
上の表には、「加算等による評価の有無に関わらず、すべてのサービスにおいてVISIT・CHASEによるデータの利活用を進める。」としているところで、加算対象サービスは施設系サービス、居住系サービス及び通所系サービスとしているが、他のサービスについても情報提出を求め、将来的には全サービスにCHASEへの情報提出義務を課していくのは間違いがないところである。

ところで上記の表で気づいた人がいるかもしれないが、現在通所介護の評価となっている、「ADL維持等加算」は、対象サービスが施設サービスの部分にも記載がある。これは間違いではなく、同加算の対象範囲が広げられるという意味である。

このことについては論点3で、「機能訓練等に従事する者を十分に配置し、ADLの維持等を目的とするようなサービスにも拡大する」としているので、対象サービスは、特養特定施設に拡大されることになる。

そのうえで算定単位のわりに算定要件のハードルが高いという批判に応える形で、下記の3要件の緩和を図ることを検討している。
・総数が20人以上
・要介護3以上が15%以上
・初回の要介護認定の月から12ヵ月以内の人が15%以下


さらに5時間以上のサービスを基本とするよう求める要件は撤廃する方向で検討するとしているが、いずれも実現するだろう。問題は緩和がどこまでかということだが、それは年明けに示されることになる。

しかしここでも、「CHASEを用いて利用者のADL値を提出し、フィードバックを受けることを求めてはどうか」という検討課題が挙げられており、データ提出が要件化される可能性がある。

問題はこの加算の単位数である。現在の貨幣価値を無視したかのような低い現行単位が、いくらになるのかは年明けではないとわからないが、単位によっては対象サービスを拡大し、要件を緩和したとしても、算定率は低いままだろう。

新たに加算が新設される特養や特定施設も、その単位を見て、手間に比して低すぎるとなれば、手を出すことはないように思える。どちらにしても単位数に注目である。

そのほか論点2では、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養ケアの取組の一体化として、計画書の様式検討と各種専門職の会議等への関与の明確化が挙がっている。

論点4では、施設サービスについて、口腔衛生管理体制加算は廃止し、同要件を一定緩和した上で、全施設の基本サービス費の要件とするとし、口腔衛生管理加算については、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用による更なるPDCAサイクルの推進・ケアの質の向上を図ることを評価する上位加算を新設するとしている。

論点5は、次の6点が挙がっている。
・介護保険施設の栄養マネジメント加算は廃止し、同要件を基本サービス費の要件とすること(経過措置を設ける)
・人員基準に栄養士に加え管理栄養士を位置づけるとともに、運営基準においても、入所者ごとの栄養管理を計画的に行うよう努めることを明記。
・低栄養リスクが高い入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や栄養ケアに係る体制の充実を図っている場合の評価を新設したうえで、CHASEへデータを提出し、フィードバックを受けPDCAサイクルを推進することを要件とする
・栄養ケア計画標準様式の見直す
・管理栄養士の配置要件については、常勤換算方式に見直す
・経口維持加算の原則6月とする算定期間や褥瘡マネジメント加算と栄養関連加算を併算不可とする要件を見直す


論点6は、介護保険施設における看取りへの対応を評価する加算及び褥瘡マネジメント加算において、関与する専門職として、管理栄養士を明記することが挙げられている。

論点7は、通所サービス・地域密着型サービスに、口腔スクリーニング加算を新設するとともに、新設加算を栄養スクリーニング加算の取組と併せて提供することとしている。

しかし栄養士が配置されていない通所サービスにおいて、この併算定要件はネックになって、算定率が挙がらないように思える。

論点8は、通所事業所の管理栄養士(外部委託可能)と介護職員等の連携による栄養アセスメントの評価(CHASEへデータを提出も要件)を新設することと、栄養改善加算について、通所事業所の管理栄養士が必要に応じ居宅を訪問しての栄養改善サービスの取組を進めることも挙げられている。

論点9は、グループホームの管理栄養士(外部との連携を含む)が介護職員等に利用者の栄養・食生活に関する助言や指導を行う体制づくりを行っている場合の評価を新設することを挙げている。

論点10は、施設サービスにおいて定期的に全ての利用者に対する医学的評価と、それに基づくリハビリテーションや日々の過ごし方等についてのアセスメントを実施するとともに、ケアマネジャーやその他の介護職員が、日々の生活全般において適切なケアを実施するための計画を策定し、それに基づいて日々のケア等を行う仕組みを導入し、これを評価するとしている。これもCHASEへデータを提出も要件となっているが、従前からの施設サービス計画との関係がどうなるのかが問題だ。別立てということにはならないと思うが、かなりの手間が増えそうである。

論点11は、3月に一度が算定上限となっている褥瘡マネジメント加算を毎月算定できるようにするという内容だ。この際、現行の褥瘡管理の取組(プロセス)への評価に加え、褥瘡の発生予防や状態改善等(アウトカム)についても評価を行う(統一した評価指標を用いる)とともに、CHASEを活用してPDCAサイクルを推進するとしている。

論点12は、特養と老健の排せつ支援加算について、全ての入所者に対して定期的な評価(スクリーニング)の実施を求め、事業所全体の取組として評価とするとともに、現行6か月間に限って算定が可能とされているところを、6か月以降も継続して算定可能とするとしている。勿論、ここでも、CHASEを活用してPDCAサイクルを推進することが求められることになる。

以上であるが、全体として職員の業務負担がさらに重くなる内容になっていると感じるのは僕だけだろうか・・・。
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ますます重視される看取り介護・ターミナルケア


施設サービスの報酬改定の方向性をみると、特養の看取り介護加算・老健のターミナルケア加算の部分で、その取り組みをより高く評価するルール変更が行われていることがわかる。

両者ともに新たなルールとして、「人生の最終段階における医療・ケア決定プロセスにおけるガイドライン」等の内容に沿った取組を行うことが算定要件に加えられる予定となっている。

このガイドラインは、人生会議(ACP)の取り組みをシステム化するよう促す内容になっていて、終末期の医療やケアの提供方法について、あらかじめ本人による意思決定を基本としたうえで、その意志は変化しうるものであることを踏まえ、本人と医療・ケアチームとの話し合いが繰り返し行われるように促すものだ。

本人が自らの意思を、その都度示すことができるシステムを構築することがなにより重要視されているのである。

そのうえで、終末期における医療・ケアの方針の決定手続について、本人の意志が確認できる場合と、確認できない場合に分けて、複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、検討・助言を行うシステムを構築するように具体策を示したものである。

今後は、特養の看取り介護と老健のターミナルケアの場面だけではなく、特定施設入居者生活介護と認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護の看取り介護、居宅介護支援事業所のターミナルケアマネジメント場面でも、このガイドラインに沿った取り組みが求められることになる。

そのうえで特養の算定要件には、看取りに関する協議等の参加者として、生活相談員を明示することとしている。

一方で老健ターミナルケア加算の算定要件に、支援相談員の介入を明示しない理由は、老健が医療系サービスであり、ターミナルケアの専門家である医師が常勤配置され、看護師も多数いることで、それらの職種が介入すれば問題ないからであるという意味だろう。そもそも常勤医師を差し置いて、支援相談員を参加職種と指定することにはばかりがあるのだろうと想像する。

このことは特養の看取り介護加算の要件に、「定期的な看取り介護研修」の実施が求められているのに、老健のターミナルケア加算の要件に、特段の研修要件が存在しないことと似ている。老健は中間施設ではあるが、医療系サービスとしてターミナルケアの専門機関でもあると認められているという意味である。

しかし今回の特養の看取り介護加算と、老健のターミナルケア加算における最も重要な変更点は、算定期間が延長され、看取り介護とターミナルケアの取り組みについて、今以上の報酬評価がされることになるという点だろう。(下図参照)
改定後の特養の看取り介護加算
看取り介護加算
改定後の老健のターミナルケア加算
ターミナルケア加算
このように、現在は死亡日から遡って30日間しか加算算定できないが、2021年4月以降は、死亡日以前31日以上〇日以下の単位が新設される。

これは算定日数期間を超えて看取りに係るケアを行っている実態があることを踏まえ、看取りへの対応を充実する観点から、看取り介護加算の算定日数をより早期とすることにしたものである。

この新設単位は、現在の上限の30日までの算定合計単位の中で振り分けて、死亡日等の算定単位を減らしたうえで、より長い期間の単位算定ができるようにするものではないと思う。

そのような姑息な給付抑制策をとらず、おそらく算定期間が延びる分、看取り介護加算・ターミナルケア加算の最長算定単位数は増額するものと予測できる。よって看取り介護・ターミナルケアの取り組みは、施設経営を考えるうえでより重要になってくるのである。

しかし懸念される問題もある。算定期間が延びるということは、できるだけ最長期間の加算算定を望むあまり、終末期判定が甘くなったり、あいまいになったりしないかという問題である。

現在でも年単位に及ぶ長期間の看取り介護と称する、えせ看取り介護・えせターミナルケアが行われているケースがあり、その最大の原因は、医師の終末期判定や余命診断がきちんと行われていないという問題である。それは医師としての専門性や、倫理観が疑われかねない大問題である。

そうしたことが起きないように、終末期の判定基準も厳粛にして、必ず余命診断も行い、計画書にそのことを含めて記載するようにしていただきたい。
新刊表紙カバー
なお終末期判定や余命診断の問題点や、看取り介護・ターミナルケアの具体的な方法論については、拙著「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」で詳しく解説されており、そこそこ評判も得ているので、ぜひ一度手に取ってご覧になっていただきたい。

看取り介護・ターミナルケア以外の施設サービスの改定動向については、「報酬改定で施設介護職員は業務負担増加へ」で解説した方向性が、昨日(11/26)の介護給付費分科会資料でもそのまま書かれている。

そのほか新たに目についた点としては、老健入所者が退所後に利用を希望する居宅介護支援事業者との連携を評価する新加算が創設されそうであることや、特養の日常生活継続支援加算と、特定施設の入居継続支援加算の算定要件である、「介護福祉士数が常勤換算で6:1」の要件については、テクノロジーを活用することを条件に、「7:1」に緩和する案も示されていることなどが挙げられる。

どちらにしても施設関係者の方は、張り付けた文字リンク先の資料を通読すべきである。
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介護給付費分科会速報(11/26開催)


第194回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)は、本日午前9時より開催され、先ほど終了したばかりである。

今日の議題は、居宅介護介護支援事業や施設サービスのほか、資料の通りとなっているので参照してほしいが、それを斜め読みして注目点を羅列してみる。
(※施設サービスは、明日検討することとして、今日は居宅介護支援と居宅サービス関連を抽出してみる。)

居宅介護支援では、特定事業所加算機銑靴茲蝓∋残衢弖錣緩い下位区分、「特定事業所加算a」が新設され、犬砲弔い討蓮◆医療介護連携体制強化加算【仮称】」に名称変更する案が示されている。

ICTの活用を図ったり、事務員を配置している場合の逓減性の適用は、45件目からにする案も示されている。

ケアマネジャーが、担当利用者の通院時に同行して医療との連携を図る報酬評価も認める方向が示されたほか、ケアマネジャーがケアマネジメントの本来業務以外にも、利用者や家族の依頼で様々な対応を行った場合に、それにかかわる費用の実費徴収が可能になる参考事例の周知を行うことも示された。

これによって保険外の実費徴収という例が増えるかもしれない。

利用者の死亡によりサービス利用につながらなかった場合等に限り、モニタリングやサービス担当者会議における検討等の必要なケアマネジメント業務や給付管理のための準備が行われた場合は、サービス利用がなくとも報酬算定できることも示されている。

地域包括支援センターの本来業務の充実を図るために、予防プランを委託しやすいようにする方策については、予防プランの作成費を引き上げるのではなく、委託時における居宅介護支援事業所との連携を評価する加算(委託連携加算【仮称】)を創設する案が示されている。なるほどこれだと、包括支援センターが作成する予防プランの単価は据え置いたうえで、委託プランだけ今より単価を高くして委託できるのだから合理的と言えば合理的である。・・・しかしその加算単位は、居宅介護支援事業所が積極的に予防プランを受託できるレベルの高い加算になるのだろうか・・・。わずか数十単位(つまり数百円)では、受託は進まないと思う。

なお算定率が低く、加算の意味をなしていない(介護予防)(看護)小規模多機能型居宅介護事業所連携加算について、報酬体系の簡素化の観点から廃止することが示されている。

次に感染症や災害への対応力強化という資料に目を移すと、その中に通所サービスの大きな改正が示されている。

通所介護及び通所リハビリテーションの基本報酬について、感染症や災害等の影響により利用者の減少等がある場合に、その状況に即した安定的な運用を可能とする観点から、事業所規模別の報酬区分の決定にあたって、前年度の平均延べ利用者数ではなく、直近の一定期間における平均延べ利用者数の実績を基礎とすることができる等の対応を検討するとしている。

どうやら来年度以降の規模別報酬は、「直近の一定期間における平均延べ利用者数」でみることになりそうである。

このほかこの資料では、感染症や災害の対策整備が全サービスに求められることが示されており、委員会の開催や指針の整備、研修の定期的な実施、訓練などをする義務が課せられることになりそうだ。業務負担はかなり増えると思われる。

介護人材の確保・介護現場の革新の中では、サービス提供体制強化加算について、より介護福祉士割合が高い事業所や職員の勤続年数が⻑い事業所を高く評価する見直しを行うことが示されている。また算定率の高い介護職員処遇改善加算で求められる項目と同趣旨の要件等については廃止したうえで、最上位の区分については、サービスの質の向上につながる取組の1つ以上の実施を算定に当たっての要件とすることが示されている。

この資料の中で、医療・介護の関係者間で実施する会議については、「テレビ電話等を活用し、実施することを認める」としているので、サービス担当者会議は認められるだろう。

一方で、「居宅への訪問を要件としているものについては、居宅への訪問の重要性を十分に考慮した上で、ICTの活用について引き続き検討」ということで、毎月のモニタリング訪問等のICT利用は見送られて、検討課題とされている。しかしモニタリング訪問の将来的なリモート化に含みを残した内容となっているので、2024年改定時に、見直されることを期待したい。

そのほかざっと見たところ、今まで示された考え方のおさらいという内容が多かったように思う。

何か気になる点があったら、コメント欄もしくは、表の掲示板の関連スレッドなどにご意見をいただきたい。
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まずは「感じの良い介護支援者」を目指そう


今更言うまでもないことだが、介護の仕事は、利用者の暮らしに深く介入し、自分以外の他者の最もプライベートな領域に踏み込む仕事である。

そんなことは解り切っているという人が多いだろうが、このことは常に介護支援者が自分の胸に置いておかねばならないことだ。

なぜなら、介護の仕事が利用者が羞恥心を持つような行為にまで及ぶことの配慮を忘れたときに、介護支援は人の心を傷つけることに気が付かない、デリカシーに欠ける業務に変貌するからだ。

介護が必要な高齢者にとって、介護支援者の対応の仕方そのものが、自分の暮らしの質に直結するものであり、介護支援者の言動一つで、心が踊ったり沈んだりすることも多い。

だからこそ介護を職業としているすべての人は、常に利用者に対してベストのパフォーマンスを心掛けるべきである・・・。

しかし人間である以上、間違いは犯してしまうし、感情も揺れ動くのは当然のことで、常に一定のパフォーマンスに終始することは極めて困難であると言わざるを得ない。

ましてや経験の浅い人であれば、援助技術の基本を忘れて、間違った方法で失敗をしてしまうことがあるかもしれない。

そんなことはあってはならないと言うが、技術というものは実地の中で経験を重ねて、時には失敗を教訓として、初めて身につくものが多いのだ。感情のある人間が、同じく感情のある人に対して行う仕事の業(わざ)とは、教科書に書くことができない、文字や言葉に置き換えられない様々な領域に及ばざるをものなのである。経験でしか得られないものが必要とされるのが介護という仕事の宿命でもある。

そんなふうにちょっとしたコツが必要になるデリケートな仕事が介護である。だからこの仕事は決して、AIを搭載したロボットでも替わることができないのである。

そのような介護の仕事だからこそ、利用者と初めて向かい合った当初からベストのパフォーマンスを展開するということは難しい。

だからと言ってその状態を当たり前であるから利用者に対して、「我慢しろ」という態度であってはならない。それはプロとして恥ずかしい態度でしかない。

そうであれば私たちにはいったい何が求められるのだろう・・・。

私たちが介護という仕事の中で、利用者に対して最低限担保すべきこととは、ベストのパフォーマンスを展開できない場面でも、決して嫌な思いを利用者にさせないようにする態度を身に着けることだと思う。

申し訳ございません」は優しい言葉であり、「ありがとうございます」は温かい言葉だ。そうした優しくて、温かい言葉を介護の仕事をする中で、普通に使いこなせるようにしたいものだ。

そうした優しさと温かさをもって介護の仕事に励むならば、あなたはきっと素晴らしく立派な介護支援者になることができるだろう。しかし最初から立派な介護支援者にならなくても良いのである。

利用者の方々に、嫌な思いを味合わせない対応。利用者の方々が不快にならないための対応。そういうことを繰り返す先に、仕事を通じてあなた自身が人間的に成長し、いつか人から見習われるような介護支援者になるのである。

だから私たちが最初に目指すのは、「感じの良い介護支援者」である。

サービスマナーを身に着けることは、感じの良い介護支援者になるための絶対条件であり、「介護サービスの割れ窓理論」を理解することは、誰からも求められる介護支援者に成長するための必要条件なのである。

是非そうした態度と理論を身に着けて、この国を支える介護支援者になっていただきたい。

家族と同じように言葉を崩して会話しなければ、親和性を伝えられないとか、タメ口が家庭的な雰囲気につながると勘違いしている輩は、いつまでも「感じの悪い奴」のままである。

その醜い姿に一日も早く気づいてほしいものだ。
感じの良い支援者
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制限はさほどの感染予防効果をもたらさない。


昨日の勤労感謝の日まで、暦の上では昨週末から3連休だった。そんな中でGo To Travel キャンペーンを利用して旅行や行楽に出かけた人も多かったのではないかと思う。

しかし新型コロナウイルス第3波に見舞われる地域が増えており、行楽を控え、家で過ごした人も多いかもしれない。そんななか北海道では、札幌市がGo To Travel キャンペーンの一時停止を検討している。

そんなこともあり今現在、北海道は新型コロナウイルス感染症が蔓延していると思われがちだが、北海道という括りは、関東や近畿、九州とかいう括りと変わりなく、それらの地域では都府県別で感染状況が見られているのに、北海道だけ地域に一切関係なく一括りにされて、ほとんど感染者が出ていない地域も汚染地域とみなされることに不公平感を感じてしまうのは僕だけだろうか・・・。

それはさておき、介護施設等の介護事業は連休に関係なく稼働しており、介護職の方々は、連休どころか連続勤務が6日も続くという人も決して少なくないのが現実である。

その中で感染拡大第3波に関するニュースが絶え間なく流れると、介護現場で働く職員の方々にも不安が広がり、感染予防のために更なる制限が必要ではないかと考えがちである。

介護施設の面会制限の緩和が呼びかけられた後に、再び感染が広がっている状況において、緩和した面会制限を、再び緩和前の状態に戻そうとする動きもある。

しかし北海道であれば、札幌市以外の各地域は、冷静に周囲の状況を見渡して、制限を強化すべき状況にあるのかなどを総合的に判断すべきだ。クラスター感染が発生している施設があったとしても、それが1施設のみの発生で、それ以外感染者が発生していないのなら、第3波に該当していないとみても良いのだと思う。家族等の面会についても、面会者に職員と同様の感染予防策を求めるだけで十分だろうと思っている。

そもそも制限を強化して、誰かが著しい不便や不利益を被ったとしても、そこに少しでも漏れがあれば、それはまったく無駄になるのだということも理解してほしい。制限はえてして制限をする側の安心や満足のためだけに行われ、効果は大したことがない場合が多いのである。そうであるからこそ制限だけが感染予防策ではないことを十分勘案しながら、対策を練ってほしい。

僕の住む地域では、今感染第3波が訪れている状況とは言えない。しかしこの地域の介護事業者の中で、この連休中に家族が札幌を往来したというだけで、今日からデイサービス利用予定であった人の利用を拒んでいるところがある。

札幌を往来した家族の健康状態に全く問題はないのに、向こう2週間は利用を休んでほしいと言われている利用者は、自分がサービス利用できないことに納得できていない。説明も足りないのだろう。

2週間という期間は、一般的な感染症の潜伏期間をもとにはじき出した期間だろうが、新型コロナウイルスの潜伏期間なんて正確にはわかっていないのだから、これも気休めレベルに過ぎなくなる。

しかも問題は、こうした制限には大きな矛盾が存在するということだ。

感染第3波が広がっているといわれる札幌市において今、多くの通所介護事業所が通常営業をしているのだ。札幌市で普通にデイサービス利用ができるのに、札幌市以外の感染拡大していない地域のデイサービス事業所を利用している人が、家族が札幌と往来したと言うだけで利用制限を受けることは矛盾していないのか。これは感染予防対策として正当な理由になるのだろうか・・・。

感染リスクは、感染拡大地域を往来したということだけで上昇するものではない。感染拡大地域で、どのような行動をしたのかがリスクが高まるか否かに深く関係しているのに、往来だけで制限するのは乱暴と言えば乱暴である。

そもそも利用者が家族の行動をすべて把握しているとは限らない。通所介護事業所に、利用者の家族というだけで自分の行動を申告しなければならない義務もないし、そうした申告を義務付けする利用契約も不当契約となる恐れがあるために結ぶことは出来ない。

感染拡大地域を往来する家族と同居しているよりも、たまたま感染した人と同じ場所で会食した家族と同居している方が感染リスクが高いことは、小学生でも理解できる倫理だろう。しかし同居家族が会食した場所に、ウイルス感染した人が絶対いないなんてことは言いきれないわけで、こうしたこともリスクと考えるなら、家で食事をしなかった家族との同居者もすべて利用制限しなければならない。

だから家族の往来行動に対する制限というのは、ずいぶん漏れがある感染予防策だと言えるわけで、感染防止対策としては大きな効果が期待できるものではないともいえるわけである。

それよりも利用者同士の間隔を広く取って、大きな声を出すサービスメニューは提供しないで、環境除菌と換気にも十分配慮したサービスに心がけたほうが、よほど感染予防に結び付く。(参照:コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?

冬場の換気は、寒さを嫌う高齢者にとってつらいという声もあるが、風呂やトイレの換気扇を回し、換気口を開けるなどするだけで空気は入れ替わるそうである。そうであれば24時間それらの換気扇を回し、その場所の仕切りのドアを開けておくなどで、換気の効果は高まる。

そうした感染予防策を先に考えるべきであり、制限対応は最終手段とすべきである。

何らかの制限をかけている場合でも、個別のケース検討を行うことを絶対条件にして、広く特例や例外を認めるべきである。そのための検討作業は、毎日行わねばならないと考えるべきだ。

その場合、3連休で事務職が休みの間に、直接処遇職員だけで判断しなければならない状況にストレスを感じる人も多くなるだろう。だからこそ事務日直性などを敷いて、直接処遇職員以外が土日・祝祭日も勤務している必要があるわけである。

だからと言って事務日直者に、重要な問題の決定権限があるとは限らないので、コロナ禍というこの特殊な状況会においては、介護現場での対応の在り方を決定できる権限を持つ人が誰かということが勤務職員に周知されたうえで、その人が休みの場合でも、常に緊急連絡ができる体制を敷き、いつでも相談ができるようにしておく必要があるのだ。

そういう体制がまったくない事業者は無責任極まりない。介護事業経営者や管理職は、そういう無責任体制を放置してはならないのである。

通常ではないときにいち早く有事のシステムを敷き、その中でルールの運用を常に考えることが、誰かの暮らしを護る介護事業の使命と責任である。
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介護事業者の職員を護る視点を失ってはならない


11月19日に「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が公表した、「就業意識実態調査」によると、月給で勤める介護職員の昨年の平均年収は359万8000円(基本給+各種手当+ボーナスなど。税金や保険料が引かれる前の額面)であるとされている。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、全産業の昨年の平均年収は463万4900円となっており、今回のNCCUの調査結果と比較すると、その格差は103万6900円にのぼる。いまだに介護職員の待遇は、全産業に比べて低いことが明らかになっていると言えよう。

ただしこの調査はNCCUの会員を対象としたもので、回答を寄せた月給制の対象者は2.151人である。2.151人というあまりに少ない数字は、介護業界全体の平均を現したものとは言い難く、一つの参考データとするしかないと思う。

しかし別角度から考えると、NCCUは介護職で組織する労働組合である。そうした労働組合に護られた会員の年収が359万8000円だとすると、小規模事業者に所属し、労働組合という組織に護られていない人の年収は、それよりはるかに低いかもしれない。

ある程度の組織規模を持つ社会福祉法人等に所属する人なら、それより高い年収の人もたくさんいると思うが、小規模事業者が多い介護業界全体の状況を鑑みると、全産業の平均年収より、介護職の平均年収が低い状態は変わっていないとみるべきであろう。

だからこそ介護事業経営者は、さらなる処遇改善に努めなければならない。そのために収益を挙げて、給与等を改善する不断の努力は不可欠であるが、その前に、国から職員に支給される費用をくまなく手渡していく必要がある。まじめに介護業務に取り組む人に対して、国が支給するという費用を、事業者の都合で支給されないようなことがあってはならないのだ。

ところが感染症対策の一環として介護事業者の職員に支給される慰労金が、受給する権利がある人の1/4にいまだに行き渡っていない実態が明らかになっている。それは従業員を大事に思わない事業経営者や管理職の怠慢によるものであり、搾取とも言われかねない。(参照:従業員を大切にしない事業者にとどまる理由はない

参照記事を読んでいただいたうえで、こうした状態をなくしていく経営努力が重要だということを理解していただきたい。

同時に処遇改善加算も、国が介護職員等に手渡せとしている費用なんだから、これを様々な理屈で算定せず、職員に手渡さない事業者があってはならないと思う。

このうち介護職員処遇改善加算(検傍擇咫吻后砲砲弔い討蓮⊂絨牟菠の算定が進んでいることを踏まえ、一定の経過措置期間を設けた上で、廃止することになっているが、今回の報酬改定では、その時期が明示される可能性が高まっている。

しかし僕は、この加算もきちんと、(機砲鮖残蠅垢戮だと思っている。算定要件のキャリアパス要件職場環境等要件をすべてクリアしないと気六残蠅任ないが、そのハードルはさほど高くない。事業経営者がやる気にさえなればクリアできる要件である。現に全体の約8割が気鮖残蠅靴討い襪里澄

そんな中で罰則減算に近い(検傍擇咫吻后砲靴算定できていない事業者では、事業経営者の資質が問われてくると言って過言ではないし、廃止は当然だと思う。さらに言えば(供砲了残衫┐7.2%であり、(掘砲了残衫┐5.4%にしか過ぎない。多くの事業者が気鮖残蠅靴討い訝罎如↓兇筬靴了残蠅亡鼎鵑犬董↓気陵弖錣鬟リアしようとしない事業者の経営姿勢も問題視されてよい。

介護労働という責任ある重労働を担っている人たちを、そのような低い待遇に甘んじさせている状態は事業経営者としての資質欠けるのではないかと言いたくなる。そうした職場で働く介護職員の方々には、そんな職場に長くとどまる必要はないと言いたい。

ところで今回の介護報酬改定議論では、昨年10月から支給できることになった、「介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)」の支給要件も見直し案が示されている。

平均の賃金改善額が、 峽亳魁Φ伺修里△覯雜鄂Π」は、「その他の介護職員」の2倍以上とすること、◆屬修梁召凌種」は、「その他の介護職員(※賃金改善後の賃金が年額440万円を上回る場合は対象外)」の2分の1を上回らないこととする配分ルールについては、下記の改善案が示された。
・ 峽亳魁Φ伺修里△覯雜鄂Π」は、「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」から「より高くすること」とする
・◆屬修梁召凌種」は、「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」から「より低くすること」とすることとしてはどうか。


特定加算の算定を行っていない事業者の、「算定しない理由」は、「経験・技能のある介護職員」と他の職員との待遇格差が広がるからとされているところが多い。そのため改正案には、その格差を縮小して算定率を高めたいという意図があるのだろう。

特定加算に関連しては、11/2に開催された財務省の財政制度分科会において、介護職員の更なる処遇改善について、特定加算を請求している事業所が6割にとどまっていることから、加算の適用を促すことを含め、まずは既存の処遇改善加算の財源の活用を図るべきであるとされたところだ。

そうした背景も改正案には影響しているのだろうと思う。

しかし僕はこのルール変更もどうかと思っている。そもそも既に特定加算を支給している事業者なら、新しい支給要件に合わせた支給方法に変えるときには、一部の介護職員の給与を現行より下げる必要が生ずる。そのような変更がスムースに受け入れられるだろうか。それは大きなトラブル要因になりかねない問題だ。

そもそも介護職員については、処遇改善加算と特定加算という、給与改善原資が存在するのだから、事業収益から給与改善原資を求めなくてよいとも考えられる。そうであれば他の職員の給与改善に回すことができる収益からの原資は、処遇改善加算ができる前より増えているのである。だからこそ事業収益から他の職員の給与改善に回す費用を捻出して、介護職員との給与格差をつけないように経営努力を行うべきだ。

そうすることで、事業収益を挙げる事業経営の大切さも職員は理解でき、利用者から選択される事業者となるために何が必要かと考えることができるのだ。その先には、お客様へのホスピタリティ精神とか、サービスの品質がいかに重要かということが理解できるようになるだろう。

前述したNCCUの調査結果も、調査を開始した2009年(166万3500円)からみると、全産業平均との格差は徐々に縮小してきている。それは処遇改善加算ができたことが大きな要因になっているが、処遇改善加算があることが当たり前になっている今日、それが処遇改善原資のすべてであるかのような勘違いをした経営者が増えているように思えてならない。しかしそれは大きな勘違いである。

職員の給与とは、事業収入の中から適切に手渡すべき労働対価であるという根本を忘れてはならないのである。
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通所サービス利用者の感染予防策をどこまで取るべきか


コロナ禍の影響で、毎年何度も訪問していた地域に、今年は一度もお邪魔できていなかったりする。

愛媛県も今年一度も行っていないが、来年2月に久万高原町で講演を行なうことになり、久しぶりで松山空港行きの航空チケットを手配した。・・・ところがである。コロナ禍の影響を受けて、航空会社も減便しているために、新千歳〜松山空港の直行便がなくなっていた。

仕方なく2月は行きが伊丹経由、帰りが羽田経由の乗継便で予約した。早く通常運行に戻ってほしいものである。

さて話は変わるが来月8日に、佐賀県老施協・デイサービス委員会主催のオンライン講演、「今後の時代の変化に対応するための情報収集と検討〜コロナ禍における通所介護事業の展開〜」を自宅から配信予定になっている。

この講演は、次の4つのテーマを主として情報提供する内容になっている。
・コロナ禍特例の確認と対応
・緊急包括支援金や持続化給付金、無担保・無利子の貸付事業の活用について
・Withコロナの通所介護のサービス提供の在り方を考える
・来年4月に迫った介護報酬改定の通所介護に関連する最新情報


講演時間は2時間であるが、その後に質疑応答の時間も30分とっており、事前質問も既に送られてきている。

その中には、「デイ利用者やその家族が○○県や感染者が多い地域へ行けれたりしたら、デイ利用を控えるような対策をしておりますが、 ご利用者や家族からしたら熱もなく、納得いかない家族もあるかなと思いますが、この対応をどのように思いますか?」・「濃厚接触者を洗い出し、過去2週間の体温、行動履歴を洗い出す対応は必要か」・「年末年始等に職員の実家等に感染流行地から帰省してきた家族と接触してしまった場合は14日間の出勤停止となるか。また、数日の自宅待機をしてもらうのか。」・「職員がコロナに感染した後の、職場復帰出来る時期はいつか。」などという内容の質問がある。

しかし医師でもなく、コロナウイルスの専門知識が世間一般の人以上にあるわけでもない僕が、この質問に答えるのは無理だ。感染予防策としてどう対応するのかは、国が示したガイドラインを参考に、個別のケースについては、保健所に問い合わせてくださいと答えるしかない。

また感染者が多い地域に、デイサービス利用者の家族が旅行や出張で出かけた場合の対応については、家族が帰宅後に利用者が何日自宅で待機すべきかは、国も保健所も明確に基準を示しておらず事業所が判断するしかない。

そもそも感染者が多い地域という基準はあいまいで、他地域からの往来を自粛するように行政機関が要請している地域でない限り、はっきりどこが対象とは言えなくなる。

また新型コロナの潜伏期間や、2次感染の可能性がある期間について、エビデンスがない以上、2週間とか14日間という期間にも根拠があるとは言えない。

他の感染症の潜伏期間は最大2週間を観ればよいという前例からそれを判断しているとしか思えない。

厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 18 条 に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて (事務連絡 令和2年5月1日)によれば、新型コロナウイルス感染症と診断された患者さんはPCR検査をしなくても発症から14日経てば職場復帰が可能となるとしているが、デイの利用者の家族が、感染多発地域から帰ってきて、無症状であるけど、利用者と濃厚接触しているために、利用者は2週間自宅で待機しなければならないなんて基準はどこにもないのだ。

例えば次のような研究結果もある。
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台湾で、新型コロナウイルス感染の確定診断がついた100人に濃厚接触した2761人について、濃厚接触者が最初に患者に接触した時期と、感染の有無との関係について調べた。患者のうち9人は無症状であった。濃厚接触者の内訳は、家族が219人、病院関係者が697人、その他が1755人である。

2761人の濃厚接触者のうち、二次感染したのは22人(0.8%)であった。軽症患者よりも重症患者に接触した人の方が、感染するリスクが高かった。無症状の患者に接触した91人のうち、二次感染をおこした人はいなかった。

 二次感染した22人のうち、10人は患者に症状が出る前の接触歴があり、9人は症状が出た日から3日以内、3人は4日目あるいは5日目だった。すなわち、発熱やせきなどの症状が表れてから6日目以降に接触しても、感染することはなかったのだ。(2020/5/17配信 朝日新聞デジタルより抜粋
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この調査結果を信じれば、感染したとしても無症状者からの感染リスクは極めて低く、かつ感染し症状が出てから6日目以降の人と接触しても感染しないということが言えるわけであり、デイ利用者の家族が感染多発地域から帰ってきて無症状であれば問題ないともいえるわけであるから、最長1週間程度の待機で、感染症状がみられない場合はサービスを再開しても良いとも考えられる。

そもそも夏ころまでのように、PCR検査ができない状況ではなくなっているので、旅行から帰った家族が検査を行なって、陰性の判定が出た時点では利用者に制限をかける必要ななくなると思う。

それらを総合的に勘案して判断する以外ないのが現状だ。

現在、感染拡大第3波で対応を追加する動きが出ており、19日に厚労省は、介護施設の入所者・職員に熱が出たら、必ずコロナウイルス検査をするように通知を出すなど、動きが慌ただしくなっている。しかしあまりナーバスになりすぎると、にっちもさっちも行かなくなると思う。通常の感染予防策をしっかりとっておくことがまず大事だ。

ただし一つ言えることは、クラスター感染を防ぐためには、環境除菌・空間除菌が必須だということだ。次亜塩素酸水の噴霧は健康被害につながるというデマに惑わされて、いまだに空間除菌を行っていない施設・事業所が多過ぎる。しかしそれはクラスター感染の最大のリスクである。

また介護施設・事業所の職員の感染を防ぐためには、マスクだけでは不十分であることにも注意が必要だ。目の粘膜からの感染を防ぐための対策として、フェイスシールドやゴーグルを日常介護場面からきちんと着用すべきだ。

これらのことは、「コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?」・「次亜塩素酸水による空間除菌の必要性」・「介護事業者に通常装備が求められるフェイスシールドとマウスシールド」でも情報提供しているので、今一度確認して、一日でも1分でも早い対応を行っていただきたいと思う。

感染予防で重要なことは、空間の定員をできるだけ下げることだ。通所介護も単位分けしなくとも良いから、1単位の中でサービスメニューを複数に分けて、グループごとに空間も分けることができればベストだ。

それができない場合でも、機能訓練やレクリエーションなどの際は、利用者同士の間隔を広く取ることが大事だ。手を横に伸ばしたときに、隣の利用者の体に触れるような距離は適切ではなく、前後の間隔も同じくとるように心掛けてほしい。

加えて大声を出すサービスメニューも避けたい。カラオケは通所サービスメニューには必要ないと考えて、それがなくとも楽しめる大人のサービスメニュー開発が求められる。

12/8は、このあたりの具体策も示すことになるので、受講者の方には楽しみにしてもらいたい。
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通所リハビリは大改定になりますね。


16日に行われた介護給付費分科会の資料を読んで、一番たまげたのは通所リハビリテーションに選択報酬制度が導入されることだ。

資料では、月額定額報酬の新設については以下の通り説明されている。

通所リハビリテーションは、医師の診療に基づき計画的なリハビリテーションを実施するサービスである。通所リハビリテーションの趣旨を踏まえ、心身機能・活動・参加に対する取組を促進する観点から、
・リハビリテーションの機能
・事業所の体制
・活動・参加に対する取組
・利用者の心身機能

等の包括的な評価による月単位報酬体系を創設してはどうか。

そのうえで、「現行の日単位報酬体系を残しつつ、希望する事業所が新たな報酬体系に移行できる選択制としてはどうか。」として、現行の日ごとの費用算定も残し、事業所がどちらかを選ぶことができるようにするというのだ。

月単位報酬のイメージ図は以下の通り示されている。
月単位報酬のイメージ
このように月額定額報酬は、《要介護度に応じた基本サービス費》+《事業所の体制等に対する加算・減算》+《利用者の状態等に応じたサービス提供に対する加算・減算》となっており、3段階の報酬区分になっている。

来年度から通所リハビリ事業所は、この定額報酬と現行の日別出来高報酬のどちらを算定するかということを選択しなければならないわけである。しかしその選択とは、利用者ごとに異なる選択は認められないだろう。おそらく事業所単位でどちらを選ぶかという選択になるはずだ。

しかしその選択は決して簡単ではない。どちらを選ぶかによって、顧客から歓迎されるか、忌避されるかという選択にもなりかねないからだ。

今までなら全事業所が、予防通所リハは定額制、介護通所リハは日別出来高制で統一されていたため、そのことが事業所選択の基準になることはなかったが、今後は利用者が通所リハ事業所を選ぶ際に、そこがどちらの報酬体系を選択しているかが大きな選択要素になる可能性が高い。

定額報酬制は、介護予防通所リハをイメージすればよいだろうから、その体系や日割りになる特例なども理解できるだろうが、基本として月額定額報酬は、利用回数が何回であっても、計画日に休んだとしても日割りされずに定額報酬が満額支給される。自己負担はそれに応じて発生するのだ。

そうであれば週1回の利用で、休みもとるかもしれないと考える人は、月額定額算定事業所より、日別出来高報酬の事業所を選びたいと思うだろうし、利用回数の多い人はその真逆となるだろう。

通所リハビリ事業所はこれから、地域の利用者ニーズや、現在サービス利用している人の希望等を総合的に勘案して、難しい選択を迫られることになる。

ところで今回、このような選択報酬という方式がどうして導入されたのであろうか。その答えも同資料の中に書かれていると思う。同資料17頁に次のような記載がある。

1.通所系サービス(報酬設定の考え方)
これまでの主な議論等
(1)通所系サービスの報酬体系について
・通所系サービスについては、日常生活上の支援などの「共通的サービス」と、運動器の機能向上や栄養改善などの「選択的サービス」に分け、それぞれについて月単位の定額報酬とすることが適当と考えられる。

↑このように通所系サービスは月単位の定額報酬が望ましいと書かれているのだ。そうであれば今回の選択制導入は、通所介護も含めて、将来的に通所サービスはすべて月額定額報酬に移行する布石ではないかと考える。

早ければ2024年の報酬改定で、通所介護も通所リハも日別出来高報酬を廃して、月額定額報酬化されるのではないだろうか。

そのほか通所リハの加算では、リハビリテーションマネジメント加算の大きな変更がある。

リハマネ加算(機砲蓮廃止するとともに同要件は基本サービス費の要件とするとされているので、これは単に廃止されるのではなく、報酬包括されるという意味だ。送迎加算が報酬包括されたときのことをイメージすればよいだろう。

リハマネ加算(IV)は、令和3年度からのVISIT・CHASEの一体的な運用に伴い廃止され、定期的なリハビリテーション会議による計画の見直しが要件であるリハマネ加算(供砲函吻掘砲蓮△修譴召譴砲弔い董VISIT・CHASEへデータを提出しフィードバックを受けPDCAサイクルを推進することを評価してことになる。

算定率の低い「社会参加支援加算」と、それよりさらに算定率が低い「生活行為向上リハビリテーション実施加算」は算定要件を見直して、算定率の向上を図っていく。

入浴介助加算」は、通所介護と同様に、自宅での入浴自立のための計画実施の上位報酬区分を新設する。(参照:通所介護に厳しく、通所リハに優しい新入浴加算

そのほか、リハビリテーション計画書と個別機能訓練計画書の項目の共通化が図られたうえで、リハビリテーション計画書固有の項目については簡素化するとしている。新様式に注目する必要がある。

また介護予防通所リハビリテーションについては、利用開始から一定期間経過後にADLの改善が乏しくなること等を踏まえ、利用開始から○ヶ月が経過したあとの単位数を適正化するとしている。適正化とは即ち報酬を減額するという意味だ。3月後なのか6月後であるのか、減額単位数はいくらになるのかも注目点である。

どちらにしても通所リハビリは、大改定と言ってよい変更になるだろう。今から心の準備が必要である。
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僕が授業に教科書を使わない理由


僕は介護福祉士養成校の臨時講師を務めたりするが、一つの科目を1年間受け持ったとしても、教科書を使って講義をすることはない。

科目によっては学校側から学生に教科書を指定して、それに基づいた授業を行うように求められることもあるが、その場合は教科書に書かれた内容を確認し、要点を頭に入れたうえで、僕自身の言葉で学生に与えるべき知識を伝えるようにしている。

そうした考え方・やり方に対して、教科書がなければ、その教育状態がはなはだ不秩序になるのではないかと批判する人がいるかもしれない。そうした批判があって当然だとも思う。

しかし僕は教科書を使わない教育の方が、介護福祉教育には向いていると思うのである。

人に相対する仕事に就こうとする学生に対して、思想統一のために教科書を利用するのは問題であるとさえ考えている。

教科書というものは人間がつくるものだ。ところが一旦これが採用されてしまえば一つの権威になる。

そうなると教育者はその教科書に準拠して、それを踏襲することだけで教育ができたと思い込んでしまう。そこに書かれていることが何よりも正しいことのように思いこんで、そこに書かれたことから一歩でも踏み出した考え方を、「異端」と烙印づけしてしまう恐れさえある。

しかし僕たちが相対する人々のニーズは、社会の変化と密接に関連していて、古い固定観念だけでは計り知れないことが多いのである。僕たちが手を差し伸べなければならない人にとって、昨日は遠い過去かもしれないのである。その人が今求めているものは、昨日の経験という古臭い遺物ではなく、今この時に欲している何かなのである。

そういう意味では、教科書にないものを探し続けるのが介護の仕事であるといえる。

そのことを伝えるために、教師は自分の言葉を持っていなければならない。根本・基本にある定型を柔軟に変化させるやり方を伝える言葉は教科書には載っていないのである。いやそれは載せられないと言ってよいかもしれない。

教科書に載せられない言葉でしか伝わらないものがあり、聴く側の能力・理解力に合わせて、その言葉は選ばれなければならないのである。ましてや人の感情に寄り添う方法は、定型が存在しないし、昨日と今日のやり方を変えなければならないことも多いのである。

だからこそ、感情のある人々の最もプライベートな空間に踏み込まざるを得ない対人援助の実務教育に、教科書は不要だと思うのである。

教科書がなければ、教育者はその頭脳の限りを尽くして教えることになる。すなわち教育者の能力如何が学生に影響するため、勢い教育者は懸命に研究しなければならなくなる。

そのことによって学生も大いに啓発されていくことになるのだ。

教科書に頼る授業は楽であるが、教育者と学生のそうした切磋琢磨の関係を決して生み出さない。

それは単なる知識の丸投げに過ぎない。教育とは知識を教えることではなく、知性を育むことであるということを忘れてはならないので。

なぜなら知性の欠ける知識を拠り所にした方法論は、しばしば人の心を傷つけてしまうからだ。そうした行為を、教科書を拠り所にして正当化する人間を生み出してはならないわけである。

介護とは、人を不幸にすることに気が付かなかったり、人を不幸にすることを何とも思わなかったりする要素が、少しでもあってはならない仕事なのだ。

そのための知性を育むのが、介護福祉教育である。
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