昨年9月から社会保障審議会・介護給付費分科会の中に「介護施設等の在り方に関する委員会」が設置され、将来的な施設再編への方向性が検討されている。
では、ここで議論されている「将来的な介護保険施設の在り方」と、過去に議論された「介護保険施設の1本化論」とは、どこに相違があるのだろうか。
今日はこの視点を僕の個人的見解を中心に書いて見たいと思う。長くなるので今日と明日、2回に分けて書くことになる。
(情報提供という意味ではなく、あくまで個人的見解としての分析という意味であり、その評価はそれぞれでお願いしたい。)
過去の厚生労働省老健局内には将来的に介護保険施設を統一して一本化しようという議論が確かに存在した。これは事実である。
そしてそれは介護保険制度創設当初の議論であり、医療法、老人保健法、老人福祉法にまたがる介護保険3施設を介護保険施設というカテゴリーにまとめたことで、将来はこの3施設を1本化し区分自体を無くそうという議論であり、当時は、老健も特養も区別がなくなるの?という現場の不安の声が聞こえていた。
しかし老健局長が堤氏から中村秀一氏に変わった時期を境に、この議論は180度転換して「介護保険施設の機能別再編」の名の元に方向性が大きく変わり、療養型医療施設は医療対応が必要な長期療養者である要介護者を対象にした療養施設、老健は在宅復帰機能を前面に押し出し訪問リハビリも行なえる在宅復帰施設、特養は終生介護施設、というそれぞれの機能に専門特化した方向が前面に出されたように思う。
そして社会保障制度改革全体の中で医療費抑制の目的とも相まって、介護療養病床の廃止が決まり、療養病床は医療保険の中で再編存続されることになった。
図らずも介護保険施設は2施設に再編されるわけである。
この中で「介護施設等の在り方に関する委員会」は、施設サービスについて「在宅ケアと施設ケアの連続性の視点を基本に捉え、地域全体が高齢者や家族を支えていく施策の展開が望まれる。これによって、在宅ケアにあたる家族の安心感が高まり、在宅ケアの推進に大きく資することにもなる。」としている。
つまり今後の介護サービスは、ますます在宅サービスを中心サービスにして、施設サービスは(在宅療養支援診療所など医療機関との連携も含めた)後方支援機能とする、という位置づけが、より一層明確に打ち出されているわけである。
そしてその議論の目的については「将来的にはこれらの施設は高齢者ケア施設として一元化する方向を目指すことが望まれる。ただし、その場合にも、これまでの経緯や実態、機能面の特性を十分踏まえ、多様性を幅広く認めるとともに、段階的な移行措置に配慮することが望ましい。」としている。
この一元化という文言に注目していただきたい。
つまり、今行なわれている議論は「施設の1本化」ではなく「一元化」であり、特養と老健がまったく同じ施設になるのではなく「実態、機能面の特性を十分踏まえ、多様性を幅広く認める」という方向が明確に示されているのだ。
この方向性の向こう側に見える両施設の将来像は何か、このことを具体的に考えてみる。(続く)
介護・福祉情報掲示板(表板)
では、ここで議論されている「将来的な介護保険施設の在り方」と、過去に議論された「介護保険施設の1本化論」とは、どこに相違があるのだろうか。
今日はこの視点を僕の個人的見解を中心に書いて見たいと思う。長くなるので今日と明日、2回に分けて書くことになる。
(情報提供という意味ではなく、あくまで個人的見解としての分析という意味であり、その評価はそれぞれでお願いしたい。)
過去の厚生労働省老健局内には将来的に介護保険施設を統一して一本化しようという議論が確かに存在した。これは事実である。
そしてそれは介護保険制度創設当初の議論であり、医療法、老人保健法、老人福祉法にまたがる介護保険3施設を介護保険施設というカテゴリーにまとめたことで、将来はこの3施設を1本化し区分自体を無くそうという議論であり、当時は、老健も特養も区別がなくなるの?という現場の不安の声が聞こえていた。
しかし老健局長が堤氏から中村秀一氏に変わった時期を境に、この議論は180度転換して「介護保険施設の機能別再編」の名の元に方向性が大きく変わり、療養型医療施設は医療対応が必要な長期療養者である要介護者を対象にした療養施設、老健は在宅復帰機能を前面に押し出し訪問リハビリも行なえる在宅復帰施設、特養は終生介護施設、というそれぞれの機能に専門特化した方向が前面に出されたように思う。
そして社会保障制度改革全体の中で医療費抑制の目的とも相まって、介護療養病床の廃止が決まり、療養病床は医療保険の中で再編存続されることになった。
図らずも介護保険施設は2施設に再編されるわけである。
この中で「介護施設等の在り方に関する委員会」は、施設サービスについて「在宅ケアと施設ケアの連続性の視点を基本に捉え、地域全体が高齢者や家族を支えていく施策の展開が望まれる。これによって、在宅ケアにあたる家族の安心感が高まり、在宅ケアの推進に大きく資することにもなる。」としている。
つまり今後の介護サービスは、ますます在宅サービスを中心サービスにして、施設サービスは(在宅療養支援診療所など医療機関との連携も含めた)後方支援機能とする、という位置づけが、より一層明確に打ち出されているわけである。
そしてその議論の目的については「将来的にはこれらの施設は高齢者ケア施設として一元化する方向を目指すことが望まれる。ただし、その場合にも、これまでの経緯や実態、機能面の特性を十分踏まえ、多様性を幅広く認めるとともに、段階的な移行措置に配慮することが望ましい。」としている。
この一元化という文言に注目していただきたい。
つまり、今行なわれている議論は「施設の1本化」ではなく「一元化」であり、特養と老健がまったく同じ施設になるのではなく「実態、機能面の特性を十分踏まえ、多様性を幅広く認める」という方向が明確に示されているのだ。
この方向性の向こう側に見える両施設の将来像は何か、このことを具体的に考えてみる。(続く)
介護・福祉情報掲示板(表板)


感動の完結編。
