非常に驚くべきことであるが、4月以降、一定条件下で医療保険の訪問診療と訪問看護が特養の入所利用者も利用できるようになっていることを知らない特養施設長がいる。ちょっと勉強不足過ぎて無責任な施設運営ではないかと感じてしまった。
その適用条件は末期がんの対象者に限ったもので、訪問診療を行える機関も、この4月に新たに医療制度改革の中で新設された在宅療養支援診療所に限られてはいる。しかし少なくとも自施設のサービス提供体制に関連するものとして、その改正点は把握しておくのが施設管理者に求められる責務ではないだろうか。
しかも何も医療制度改革関連の資料を読まねば理解できない問題ではなく、特養の必読通知である「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」自体が変更されているのだから知らなかったでは済まない。
その改正内容を、ここで確認しておくが、医療制度改革において、医療機関ではない自宅や特定施設等でのターミナルケアを支援する為に「在宅療養支援診療所」が新設され、この医療報酬の算定基準の中で「特別養護老人ホームの入所者であっても、末期の悪性腫瘍の患者については、在宅療養支援診療所に係る医師が訪問診療を行う場合やその指示に基づき訪問看護等を行う場合には、在宅患者訪問診療科及び在宅指導料等又は訪問看護療養費を算定できる」とされたものである。
これを受け、「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」も在宅患者訪問診療科料・在宅時医学総合管理料・在宅患者訪問看護・指導料等の算定できない条件に「特別養護老人ホームの入所者であって、末期の悪性腫瘍であるものに対し、在宅療養支援診療所の保険医が実施する場合を除く」などの文言が追加されている。
残念ながら在宅療養支援診療所の指定を受けた医療機関自体がまだ少ないであろうから、特養の所在地域にこれがなく、実質的に「影響なし」という地域もあるだろうが、今後、在宅療養支援診療所の指定を受ける医療機関は増えるだろうと予測される。
大規模ではない個人病院でも指定条件はクリアできるのであるから、間違いなく、指定を受ける医療機関は年単位を待たないで増えるだろう。
すると可能性として、特養利用者で末期がんの方の「看取り介護」において、在宅療養支援診療所の訪問診療と在宅療養支援診療所の医師の指示を受けた訪問看護を利用しながら終末ケアを展開する、という新たな支援体制が生まれる可能性がある。
この取り扱いはあくまで「末期の悪性腫瘍の患者」しか対象としていない為、特養での看取り介護対象者が全て同じ支援体制が構築できるものではないが、例えば、末期がんでペインコントロールが必要な方の場合、施設所属医師の対応ではこれができないというケースで、当該特養の近隣に在宅療養支援診療所があり、この協力を得てペインコントロールを含めて末期がんの方の「看取り介護」を施設で最期まで展開できる、という可能性に繋がる。
施設所属医師や協力医療機関の医療支援体制というものだけに頼ったり、限定したりして考えるだけでなく、別な医療支援の選択肢が出来た、という意味だと思う。
もちろん、そのことが実質的に機能するためには、施設所属医師や協力医療機関の理解や連携も必要になるが、終末期の支援の方法における選択肢(特養、利用者、両者にとっての選択肢であろう)が広がることは新たな支援体制を構築する要素として非常に意義深いものと思える。
贅沢を言えば、対象疾病が「末期がん」に限定されず、「看取り介護の対象者全て」になれば、施設における「看取り介護」における医療支援体制の問題は一挙に解決する可能性が高いし、利用者や家族にとっても、より安心できる施設の「看取り体制」になると思える。
対象疾患・対象範囲の拡大というテーマは是非、今後に向けて建設的に議論してもらいたい。
介護・福祉情報掲示板(表板)
その適用条件は末期がんの対象者に限ったもので、訪問診療を行える機関も、この4月に新たに医療制度改革の中で新設された在宅療養支援診療所に限られてはいる。しかし少なくとも自施設のサービス提供体制に関連するものとして、その改正点は把握しておくのが施設管理者に求められる責務ではないだろうか。
しかも何も医療制度改革関連の資料を読まねば理解できない問題ではなく、特養の必読通知である「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」自体が変更されているのだから知らなかったでは済まない。
その改正内容を、ここで確認しておくが、医療制度改革において、医療機関ではない自宅や特定施設等でのターミナルケアを支援する為に「在宅療養支援診療所」が新設され、この医療報酬の算定基準の中で「特別養護老人ホームの入所者であっても、末期の悪性腫瘍の患者については、在宅療養支援診療所に係る医師が訪問診療を行う場合やその指示に基づき訪問看護等を行う場合には、在宅患者訪問診療科及び在宅指導料等又は訪問看護療養費を算定できる」とされたものである。
これを受け、「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」も在宅患者訪問診療科料・在宅時医学総合管理料・在宅患者訪問看護・指導料等の算定できない条件に「特別養護老人ホームの入所者であって、末期の悪性腫瘍であるものに対し、在宅療養支援診療所の保険医が実施する場合を除く」などの文言が追加されている。
残念ながら在宅療養支援診療所の指定を受けた医療機関自体がまだ少ないであろうから、特養の所在地域にこれがなく、実質的に「影響なし」という地域もあるだろうが、今後、在宅療養支援診療所の指定を受ける医療機関は増えるだろうと予測される。
大規模ではない個人病院でも指定条件はクリアできるのであるから、間違いなく、指定を受ける医療機関は年単位を待たないで増えるだろう。
すると可能性として、特養利用者で末期がんの方の「看取り介護」において、在宅療養支援診療所の訪問診療と在宅療養支援診療所の医師の指示を受けた訪問看護を利用しながら終末ケアを展開する、という新たな支援体制が生まれる可能性がある。
この取り扱いはあくまで「末期の悪性腫瘍の患者」しか対象としていない為、特養での看取り介護対象者が全て同じ支援体制が構築できるものではないが、例えば、末期がんでペインコントロールが必要な方の場合、施設所属医師の対応ではこれができないというケースで、当該特養の近隣に在宅療養支援診療所があり、この協力を得てペインコントロールを含めて末期がんの方の「看取り介護」を施設で最期まで展開できる、という可能性に繋がる。
施設所属医師や協力医療機関の医療支援体制というものだけに頼ったり、限定したりして考えるだけでなく、別な医療支援の選択肢が出来た、という意味だと思う。
もちろん、そのことが実質的に機能するためには、施設所属医師や協力医療機関の理解や連携も必要になるが、終末期の支援の方法における選択肢(特養、利用者、両者にとっての選択肢であろう)が広がることは新たな支援体制を構築する要素として非常に意義深いものと思える。
贅沢を言えば、対象疾病が「末期がん」に限定されず、「看取り介護の対象者全て」になれば、施設における「看取り介護」における医療支援体制の問題は一挙に解決する可能性が高いし、利用者や家族にとっても、より安心できる施設の「看取り体制」になると思える。
対象疾患・対象範囲の拡大というテーマは是非、今後に向けて建設的に議論してもらいたい。
介護・福祉情報掲示板(表板)


感動の完結編。
