masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

加算区分はサービス事業所が決める問題です


通所サービス(通所介護・通所リハビリ)の入浴加算が2区分になったことから、同じ事業所に通っている利用者が、人によって算定区分が違ったり、人によってはある時期に、加算機漸短鮫供覆△襪い呂修竜奸砲吠僂錣覯椎柔も考えられる。
通所サービスの入浴介助加算
このことについて居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、通所サービス事業所に対して、サービス担当者会議に区分変更を図らないと算定区分を変えられないので、勝手に気鬮兇吠僂┐討盖詆婀浜はできないと主張するケースが出てきている。

それは大きな誤解である。居宅介護支援事業所若しくは介護支援専門員にそのような権限はないのだ。

僕の講演でも、居宅介護支援事業所の方が、加算区分変更は軽微変更で良いのか、通常の計画変更として担当者会議などの一連の手続きが必要なのかという質問を受けることが多くなった。

しかし通所サービスの入浴加算について、居宅サービス計画に区分を記載する必要はなく、区分決定に際して担当者会議も、計画担当ケアマネジャーの許可や指示も必要とされていない。軽微変更にさえ該当しない問題である。

なぜなら居宅介護支援事業所は、利用するサービス種別と事業所を決定し、サービススケジュールを組むことは出来るが、利用者が利用するとしたサービス事業所で提供される具体的サービス内容については、担当者会議で確認したり、意見を述べたりすることはできても、その最終決定の指示を行う権限なんてないからだ。

サービスの、「具体的内容」は各サービス事業所が決定し、各サービス事業所の計画書に記載すべき問題である。

このことは基準省令で下記のように記されているので確認してほしい。
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(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条 八 介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

(通所介護計画の作成)
第九十九条 指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。
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入浴支援について、具体的内容をどうするかということは、居宅サービス計画の内容に沿うことは必要だが、最終的にそれはサービス事業所が決定する問題である。

居宅サービス計画には、「通所介護で入浴支援を行う」とさえ書かなくても良いのだ。事実、通所サービスで入浴支援を行なっているケースで、居宅サービス計画書に、入浴に関する内容に全く触れていない計画書も多々存在する。

例えば通所介護は、家族のレスパイトケアを利用目的とすることは認められているため通所介護利用目的が、「家族の休養」としか書かれていない居宅サービス計画書もある。それでも通所介護の基本サービスとして入浴介助が行われている場合に、通所介護計画にその具体的内容を位置付けて、入浴介助加算を算定できる。それは通所介護で入浴支援を行うことで、自宅で入浴支援を行う家族負担が減ることを考えると、そのことがレスパイトケア目的にかなっていて、「居宅サービス計画書の内容に沿っている」と言えるからである。

同じように、通所サービスでリハビリテーションや機能訓練を行って身体機能を維持するという目標があれば、その目標に沿って、自宅で自分で入浴できるという身体機能の維持や向上を目的として入浴介助加算兇坊劼欧討睥匹い錣韻任△蝓居宅サービス計画にこまごまと、自宅で入浴できるなどという目標も入れる必要はないのである。

通所介護の個別機能訓練加算気砲弔い討癲▲い鮖残蠅垢襪ロを算定するのかは、通所介護の機能訓練指導員の配置状況で決まる問題であり、事前にその配置を決めることができる通所介護計画にしか位置付けられないのである。

新設された加算等をすべて居宅サービス計画書に位置付ける必要があるとすれば、科学的介護推進体制加算も居宅サービス計画書に記載する必要があることになるが、そんなことはあり得ないのである。

居宅サービス計画は、そのサービスを利用することで生活課題をどのように解決につながるのかという視点から、マクロ的なサービス内容を記入すればよいだけである。「自宅での生活が継続できるように機能を維持する」という目的で通所サービスを計画しておれば、機能維持の具体的内容・具体的方法論は通所サービス事業所が計画書に落として実施するのである。

その原則を忘れなければ、報酬改定のたびに新設される加算をいちいち居宅サービス計画書に反映させなければならないなんていう誤解をしなくて済むのである。

介護保険制度やケアマネジメントの知識に欠け、過去の報酬改定の経緯も知らない保険者の担当者が、この部分を誤解しておかしな行政指導をするとしても、そんなのは無視してよいのである。

各種加算の算定要件は、それぞれの事業所の計画にその内容を位置付けることになっているのだから、変な行政指導を行う輩には、すべての加算を居宅サービス計画書にこまごまと記載する根拠はどこになるのかと問いただせばよいのである。
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郡山遺体遺棄事件は個人的介護請負契約の結末?


6月11日に、福島県郡山市の通所介護事業所管理者が逮捕された、「80代女性の遺体遺棄事件」は、なんとも不可思議な事件である。

様々なメディアではこの事件を、「郡山市の介護施設死体遺棄事件」と報道しているが、事件の舞台となったのは介護施設ではなく、郡山市内の地域密着型通所介護事業所である。

そして死体が遺棄されていたの、通所介護事業所のすぐ隣のアパートで、職員休憩所という名目で通所介護事業所が借り上げていたものだという。

この事件が、「介護施設死体遺棄事件」と称されているのは、報道する記者の浅薄さに起因していることに加え、被害者及びその関係者が、被害者は施設入所しているつもりであったことによるものと推察する。そこがこの事件の根にもなっている。(※実際に被害者は通所介護事業所に隣接するアパートで一人暮らしをさせられていたと思われる。)

アパートの所有者によると、通所介護事業所が開所したばかりの2017年秋ごろ、通所介護事業所関係者から「従業員の休憩用に」と言われて1部屋を貸したが、実際にどのような使い方をしているかは把握していなかったという。

事件に関連する通所介護事業所は職員が9人の地域密着型通所介護事業所で、この事件の容疑者として逮捕されたのは、その通所介護事業所の管理者であっ石田兼也容疑者(39歳)である。FBで検索すると、この人物と思しき人のタイムラインに行き着くことができる。

事業所は郡山市の大通りの内環状線に近い閑静な住宅街にあり、周辺には大学もある場所に立地している。

事件の発覚は6月10日に遡る。この日の夕方、死亡した女性(80代)の関係者が女性に面会しようとしてこの通所介護事業所を訪れたことがきっかけになった。

その関係者が石田容疑者に女性との面会を求めると、石田容疑者は、「いなくなった」と言ったため、面会しようとした関係者が、「警察に届けた方がいい」と促したそうである。これを受けて石田容疑者は警察に連絡したという。
郡山遺体遺棄事件発覚の時系列
関係者なる人物が、被害女性とどういう関係だったのか不明であるが、その人は被害女性は通所介護事業所にずっと宿泊してサービス利用していたと思っていたのか、あるいはお泊りデイサービスという認識はなく、通所介護事業所も介護施設と同じようなものと思い、そこに入所していると思っていたのかもしれないし、単純にそこが長期入所できる介護施設だと勘違いしていたのかもしれない。

実際に被害者の女性は、今年になってから自宅から離れていたらしいが、お泊りデイサービスを利用しながら通所介護に滞在していたのではなく、お泊りデイサービスを行っている事業所の隣のアパートの1室に置かれていただけという状態であったようだ。しかも通所介護の管理者以外の職員は、被害女性の存在に気が付いていない。

ということは被害女性が通所介護に隣接するアパートに住み替えて、石田容疑者から何らかの介護を受けていたということのようだが、それは通所介護事業所と被害女性の契約ではなく、逮捕された石田容疑者が、個人的に女性の介護を請け負い、事業所に隣接するアパートで最低限の介護支援を行っていた可能性が高い。職員の休憩所とされていたアパートの一室が、実際には誰も利用せず、使われていなかったことを利用したのだろう。

ところが女性は4月下旬に死亡したという。女性に目立った外傷はなく、司法解剖した結果、死因は不詳だったということで、病死の可能性が高い。女性はビニール袋に入れられていたという。

石田容疑者は、「(女性が)アパートで4月下旬ごろに亡くなったことは分かっていたが、放置していた」と供述しているが、その理由については、「(亡くなったことが)ばれたくなかった。一人で抱え込んでしまった」との趣旨の供述もしているという。

つまり通所介護事業所とは関係のない個人の請負契約で、通所介護が借り受けているアパートを使用して、勝手に介護契約を結んでお金を受け取っていたため、そこで死亡した人がいることがわかると、通所介護事業の経営母体にもそのことが知れてしまい、責任を取らねばならなくなるので、遺体を1月以上も放置した事件ということであろうか・・・。

本件の遺族は、女性を介護施設に預けていると思い込んでおり、しかし実際には被害者は、通所介護事業所が借り入れたアパートの一室に置かれて、容疑者から個人的に介護を受けていたに過ぎず、しかも容疑者の所属する介護事業者側はそのことを把握していなかったという特殊な事件である。

それは自分の小遣い稼ぎのために、考え付いた個人請負契約だったのかもしれない。一人暮らしが可能な軽介護者だということで、所属事業者には内緒で、普段利用されていない休憩所(アパートの一室)を利用して、自分の空き時間でできる支援で何とかなると軽い気持ちで引き受けたものの、思いもよらず利用者が病死してしまい、処理に困ったケースではないかと思われる。

しかしそれは、人暮らしを軽んじていると言われても仕方ない状態で、結果的には利用者が一人寂しく死を迎え、さらにその状態を1月以上放置するとう重大な結果につながっている。

取り返しのつかない結果と言えよう。被害者のご冥福を心よりお祈りするとともに、このような悲劇が繰り返されないように願いたい。

関係者には今一度、法令ギリギリのブラックあるいはグレーな、個人請負契約がないよう周囲を見回してほしいと思う。
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正しい知識と情報を得られる場所という宝物


介護に関する情報掲示板を管理するようになって、もう20年以上経っている。

そこは介護保険制度施行時から続いている介護情報の掲示板で、現在では1日に万単位のアクセスがあることが普通の状態になっている。

過去にはフジテレビの、「任侠ヘルパー」というドラマで、主人公(元SMAPの草薙さん)が、この掲示板を使って検索している場面が放映されて話題になったこともある。
任侠ヘルパー
そんなエピソードもあることから、介護関係者にはそこそこ有名な場所になっているのだろうと想像する。

だからと言ってこの掲示板は誰でもウエルカムというわけではない。

質問を繰り返しすだけで、自分で根拠を調べようとしない人や、基本法令を読まないでネット情報だけで知識を得ようとする輩は、時に罵声を浴びることになる。

その時、「馬鹿」などという汚い言葉を使ってはならないとたしなめる人間も出てくるが、お上品な建前が好きならこの場所にはつなげるなと言いたい。

評論家風に正義を気取って、駄目なものに駄目ということさえたしなめる輩なんて必要としていない場所だ。そのことを理解できない輩は、ここを利用しないでほしい。

親切ごかしに、なんでも教える方がよほど不親切だと思う。知識につながらないからだ。励ましが時には甘えにつながる。そのことの方を強く恐れる場所である。

駄目なものは駄目というし、自分で考えようとする姿勢がないものには、汚い言葉でののしるのだ。それでも、「なにくそ」とめげずに、知識を得ようと頑張る人には、一転して応援もきちんとする場所なのである。

そういう場所であることを理解して利用してもらいたい。

繰り返しを恐れず書くが、なんでも教えてくれて、励ましの言葉だけを求める人は、どこかよその掲示板を使ってほしい。くれぐれも僕の掲示板に繋げないでいただきたい。

この掲示板では管理人の僕自身が、介護保険関連のほぼ全領域にわたって回答することができるため、質問スレッドにコメントがつかずに流れるということはほぼない。だからと言って僕のコメントが常に正しいわけでもない。

人間だから勘違いもある。間違った知識を正しいと思い込んでいることもあるし、そろそろ年だから大事なことを忘れてしまっていることもある。

つい先日も、小規模多機能居宅介護の開始や終了は、「日割り」ができずに、月額定額報酬だと勘違いしてコメントを付けたことがある。しかししれは間違いで、月額包括報酬の日割り請求にかかる適用資料には、月途中の契約開始や終了は日割りにできる旨が記載されている。

そのことを行政関係の方が指摘してくれた。ありがたいことに僕の管理掲示板は、間違いを間違ったまま流すことなく、必ず正しい情報に修正してくれる場所でもある。間違いの指摘をしてくれて、正しい知識を与えてくれる僕以外の誰かが多数いてくれるのだ。

そんなふうに介護関連の様々な専門知識を持った人がたくさん集まっているので、きちんとした根拠に基づく正しい知識を得ることが可能な場所だと自負している。

そういう人たちが、僕の乱暴なコメントにもめげずに使い続けてくださっていることに心より感謝したい。

僕にとってはそこが何よりの宝となっている。だから毎日の掲示板の管理なんてちっとも大変ではない。

あまり品行方正ではない僕と、ネットを通じて意志疎通をしてくださる方々のご多幸をお祈りして、今日の記事を締めたいと思う。いつもありがとうございます。
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オンラインセミナーの質問に回答します


5月27日に配信した、「(株)内田洋行主催UCHIDAビジネスIT オンラインセミナーNo1」のアンケート結果が届きました。(※昨日配信分:第2回のアンケートは、まだまとまっていません。

第1回目は600名以上の方の視聴をいただき、「とてもわかりやすい」という感想が過半数をはるかに超えるという評価をいただいております。中には、「他にもLIFEに関するセミナーを受講させていただいておりますが、その中でも群を抜いてわかりやすく今後に活かせる内容でした。ありがとうございます。」という評価もあり、本当にうれしく思います。

生配信当日、「後日寄せられた質問については、僕のブログで回答します」とお約束しましたが、今日はその約束を果たすために、こちらで下記の通りQ&A方式で回答させていただきます。質問を寄せていただいた方は、こちらでご確認ください。
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Q1.私は特養で施設ケアマネージャーをしているのですが、科学的介護推進体制加算(供砲砲弔い銅遡笋あります。算定にあたっての提出項目に、特養では「総論の服薬情報」に関しては必要に応じて提出する事が望ましい項目と記載がありますが、必要に応じてとはどのような場合になるでしょうか?データ入力を行っておりますが、現在は服薬情報は入力していない状況でした。

A1.具体的にその内容は示されていないので、「必要に応じて」という文言にこだわることなく、特養の場合は基本的に服薬情報は提出しなくて問題ないと考えて結構だと思います。特養側から必要になることはなく、国の依頼等があった場合のみ(ないと思いますが)対応すればよいでしょう。

Q2.地域密着型特養の口腔衛生管理加算についてご教授いただけませんでしょうか。
R3.11.18の社保審ー介護給付費分科会資料「3.(1)施設系サービスにおける口腔衛生管理の強化」には、※「計画的に」とは・・・技術的助言及び指導を年2回以上実施・・・となっており、また、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和3年厚生労働省告示第73号)にて、「・・・入所者に対し、口腔ケアを月2回以上行うこと」などの要件が「削除」となっています。また、R3.3.16発介護保険情報Vo.936「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養・・・様式例の提示について」P50の第7.2.(7)歯科医師等は、概ね6か月毎に・・・となっています。
しかし、厚生労働大事が定める基準第六十九号には、「・・・入所者に対し、口腔衛生等の管理を月二回以上行うこと」となっています。年2回、月2回、どう考えればいいのか混乱しています。


A2.月2回の基準は、今回解釈通知からは削除されているものの、改定後の厚生労働大臣が定める基準に、「新設」されており、次のように記されています。
イ(2)歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔衛生等の管理を月二回以上行うこと。
↑厚労大臣の基準は、解釈通知より上位法令ですから、今回、より厳格な基準になったと解釈してください。ですから従前と同様、月2回以上実施していなければ加算算定できません。

Q3.特養において、急な入院等によりLIFEの情報提出ができなかった場合、退院した月(たとえば2ヶ月後の退院)に提出できなかった情報提供をする必要があるのでしょうか。また、遅れて提出した後は、そこから6月以内の提出ではなく、本来提出するべき月から6月以内に提出と考えた方がよいのでしょうか。

A3.令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.10)(令和3年6月9日)」の問2で考え方が示されました。科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算について、以下の通りとなります。
・短期間の入院等による 30 日未満のサービス利用の中断については、当該中断の後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時やサービス利用開始時の情報提出は必要ないものとして差し支えない。
・ 一方、長期間の入院等により、30 日以上、当該サービスの利用がない場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時の情報提出が必要であるとともに、その後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用開始時の情報提出が必要となる。
※ サービス利用開始時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算
※ サービス利用終了時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加

Q4.一般的に報酬改定の情報収集等はどの立場の方がされているのでしょうか。私の施設では、請求担当者(事務員)1名のみが必死に情報収集を行っておりますが、世間の施設様ではどうなのでしょう。私が思い描く、施設長等が率先して情報収集するという形の施設様は少数なのでしょうか。

A4.ある程度規模が大きく、法人事務部門を設置している場合は、その部門で担当者を決め、情報収集しているでしょうが、介護事業者の場合、そうした部門がない中小事業者が多いので、事業者によってまちまちでしょう。
施設長が先頭に立って情報を集めなければならない事業者も当然あるでしょうが、特養や老健では、事務管理部門で担当を決めていることが多いです。相談員がその役割を担っているところもあります。請求担当者1名のみで必死に情報集めしている状態も決して少なくないです。
ちなみに僕が社福の総合施設長を務めていた時代は、僕がマクロな情報を全体的に集め、事務部門と相談室に、それぞれ関係深いところの分析作業を行わせていました。

Q5.LIFEのフィードバックの内容が本人の意向は反映されないと思いますので、ケアプランと反するようなことが起こることが考えられますが、どのように思われますか。

A5.LIFEのフィードバックは、PDCA活用をするためにあるので、ケアプランに反するというより、ケアプアランに新たに求められることが助言されると考えたほうが良いと思います。それをきちんと利用者ニーズに結び付けて、課題解決につなげる内容にアクションするのは、計画作成責任者の技量ということになります。事業者が良かれと思って作成しているプランに、アドバイスという形の介入が入ることになりますが、サービスの品質向上という視点で、その内容を計画反映していくことが大事だと思います。


Q6.令和3年4月より口腔栄養スクリーニング加算(機砲鮖残蠅靴討ります。異なる2つの事業所のケアマネより「この加算は初月は取れないのでは」とデイサービスのスタッフが問い合わせを受けました。根拠は不明ですがおそらく参考様式が「前回結果」と「今回結果」の記入欄があるためではないかと推測されます。Vol936の事務処理手順P47の(2),砲蓮峅雜鄂Π等は、利用者のサービス利用開始時又は事業所における口腔栄養スクリーニング加算の算定開始時に別紙様式6を用いてスクリーニングを行うこと。」とあります。4月に初回のスクリーニングを行えば4月に算定できるとか解釈しています。問題ありますでしょうか。

A6.4月に存在する加算は、要件をクリアすれば4月から算定可能です。初回計画で「前回結果」が記入できない場合は、そこが空欄でも情報提出に支障はないはずで、加算算定にも問題ないはずです。

Q7.自治体ごとの裁量かもしれないですが、PDCAのDの部分がどこまで求められるのか?が気になります。たとえば自立支援促進加算の計画Pの中にある、イスに座って食べる、などについての普段の介護現場のサービス内容Dというのは、どこで見られるのでしょうか?日々の介護記録で証明が必要という事でしょうか?行政が監査に来た時にそこまで細かく見るのかなあ?と。もしそうなら、介護職員末端までの記録の表現方法のポイントを絞った記述という事が求められますよね。P計画とかCフィードバックの活用、Aケアプラン見直しなどは先生の仰るように証明記録を意識してしていきます。Dのサービス実施記録についてのアドバイスを頂けましたら、幸いです。

A7.Dは支援記録で確認することになろうと思います。ケアプランの内容に沿ったサービスが提供されているかという確認は、従前から行われていると思うので、LIFE要件が新たに加わったからといって、その部分に変わりはないです。記録担当者には、ケアプランの実施状況がわかる形で、支援記録を書くように普段から指導しておくのが重要になります。

Q8.情報提出を行っている事業所の方で、提出からどれくらいのスピードでフィードバックがくるのか情報がありますでしょうか?

A8.フィードバックの頻度や時期について国は明確にしていませんが、当初のアナウンスでは4月の情報を5/10までに送った事業者については、5月中にフィードバックすると言っていました。これが事務の遅れで7月になるとアナウンスされていますが、事務処理が順調にいけば、情報提出するたびに、その月の内にフィードバックが行われるようになると思います。

Q9.LIFEの入力が思うように進まないのですが、猶予期間ぎりぎりまでにデータを提出するつもりで、計画書を作成しておけばよいのでしょうか?

A9.猶予期間ギリギリまで待って問題ないと思います。猶予期間が利用できるものは、それを有効に活用してほしいと思います。

Q9.データ提出について、科学的介護推進体制加算は『6ヶ月に1回』とあり、同時期に全員提出であると思いますが、その他個別機能訓練体制加算凝『少なくとも3月に1回』と記載があるものも、同時期に全員分提出なのか、教えていただきたいです。

A9.科学的介護推進体制加算も、「当該算定を開始しようとする月」もしくは「サービスの利用を開始した日」の翌月10日までに情報提出するなどのルールがありますので、必ずしも全員分を一括して情報提出することにはならないです。それぞれの算定要件に合致する月に情報提出します。個別機能訓練体制加算凝は当然人によって提出月にずれが出てくるし、例えば最初の情報提出した月以降、3月後に情報提出が集中することを避けるなら、次の情報提出に限って、「1月後に情報提出するグループ」・「2月後に情報提出するグループ」・「3月後に情報提出するグループ」といったふうに分けて情報提出することも有りです。情報提出は3月毎ではなく、「少なくとも3月に1回」であることを有効利用してください。
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このほか居宅サービス・居宅介護支援・施設サービスの質問については、第3回(6/24:19時より配信)と4回(7/8:19時より配信)で説明させていただく予定です。

またアンケートでは次のような応援メッセージもいただきました。
「私事ですが、問題になっているというデイケアに2018年に就職しました。ベテラン揃いの本当にどうしようもないデイケアで、心が折れそうになることもありましたが、先生のお言葉に何度も励まされました。
就職して1年の2020年に主任になりましたが、先生のブログに書かれているお言葉など部会でも紹介し、先日はブログで紹介されていた動画を部会で職員にみてもらいました。介護職員も感銘を受け、介護職として結果を出すことを意識できるようになったと肌で感じます。デイだけではなく病棟の介護職員にも見てほしい、法人内でも是非先生の講義を受けたいと職員から声があがっています。
先生の講義で学んでから、責任者として介護職員の人材育成に取り組み、1日利用者数もここ2?3年でプラス5?10人増え、大赤字から黒字に転換することもできるようになりました。職員も自分たちでもできるという達成感に繋がって当初からするとものすごく成長できたと感じます。一度の数時間の先生の講義でしたが、大きな大きな影響がありました。本当にありがとうございました。これからも更に高みを目指していきたいです。ブログやオンラインセミナーを通して今後も勉強に励みます。ありがとうございました。」


ありがたい言葉です。この場を借りてお礼を申し上げますとともに、これからも是非応援をお願いいたします。

研修講師の要望にはいつでも応えられますので、お気軽に連絡していただければと思います。
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自立支援という言葉で装飾された「冷血」


生活保護受給者などから合計8.000万円以上をだまし取ったなどとされて起訴された、元埼玉県和光市幹部職員・東内京一被告(57)―懲戒免職―の公判が6月4日、さいたま地裁で行われた。

そこで検察側は懲役10年を求刑したが、そのニュースに触れて、「予想より重い求刑で驚かされた」という人も多いと思う。

この事件のニュースは、当初生活保護受給者から預かった現金200万円をだまし取ったという詐欺と業務上横領事件として報道されたが、その後事件の被害総額は8.000万円以上に及ぶ累犯行為であることが明らかになり、罪名には窃盗罪も加えられた。

4日の公判で検察側は、「市の福祉に携わる者として高い立場にあるにもかかわらず、高齢者など要保護者の財産を剥奪するなど犯行は極めて悪質。被害者からだまし取ったキャッシュカードから、合計152回にわたり現金を引き出すなど犯行は常習化していた」と非難。動機などについて、「高級車やブランド品の購入、借金の返済などに充て、詐欺罪に問われて支払った750万円の弁償金についても、そのうちの250万円は別の被害者から搾取したものである」と指摘した。

このように犯行の悪質性が重い求刑につながっているようだ。

東内被告と言えば、自立支援型マネジメントの先進地区と言われ、「介護保険からの卒業証書」が話題となった和光市の、その事業を引っ張っていた人物であり、地域包括ケアシステムにおける自立支援に関する講演も全国で行っていた。彼の話を聴いて感銘を受けた人も多かったはずである。

過去に彼を招いて講演を主催した人の中には、裏切られたと嘆いている人もいるが、彼は講演を行っている当時から、それらの方々をだまし裏切っていたのである。声高らかに地域包括ケアシステムの推進と、自立支援マネジメントを唱える傍らで、被保護者の方々などの虎の子の財産を奪っていたのである。

彼が和光市で旗振りしていた事業の功績は、この犯罪とは別にみるべきだという人もいるが、それは少し違うだろうと思う。

東内被告が被保護者の財産を再三にわたって騙し盗っているのに、そのことに担当部署の誰もが長期間気が付かなかったという意味は、彼が和光市の福祉事務所の中で、「アンタッチャブル」な存在になっていたという意味である。

彼がそのような存在になり得た理由も、和光市方式というネームバリューを広げた功績に基づいたもので、予防マネジメントのあり方を提唱する陰で、醜い悪質な犯罪を繰り返していたことを考えれば、その実態とは犯行の餌に和光市方式を喧伝していたに過ぎないと言っても良く、功績などあってなきがごときである。

そもそも和光市方式に、どんな功績があるというのだろうか。

なるほどその方式は、介護保険サービスを使わない人を増やし、財政支出を減らしたのかもしれない。さすればその功績とは市の財政面での功績に過ぎず、市民が何かの恩恵を受けたという功績とは言えないのではないのか?

和光市方式とは要介護者の尻を叩き、介護保険サービスを使わなくなることが最大の価値であるかの如く市民を洗脳し、要介護認定結果が非該当になることを最高の価値とするもので、「介護保険からの卒業」として、そのことを褒めたたえるという、どっかの宗教に見紛う運動にしか見えない。

しかし和光市方式で、「介護保険から卒業させられた人」の1割が、卒業前と同じサービスを利用しているというデータが存在するように、それは体の良い給付抑制でしかないことは明白である。しかも和光市は、介護保険から卒業させられた人が保険外サービスを利用して、以前と同じサービスを10割自己負担利用していることに、いかなる見解も公表していない。それはまるで臭いものに蓋という態度に終始しているかの如くである。
和光市
それが市民貢献と言えるのか大いに疑問である。ましてやこの国や、この国に住まう人に何か恩恵が与えられたことではない。

つまりは東内被告が声高らかに提唱していた、「和光市方式」そのものにうさん臭さが感じ取れるのである。そこで唱えられれている自立支援マネジメントも、地域包括ケアシステムも、人に対する愛情や優しさを徹底的に排除した、「冷血の顔」を裏に隠した方式ではなかったのだろうか。

人の暮らし奪う行為を、装飾した文字やキャッチコピーで飾っただけの方式だったのではないのだろうか。

和光市方式を礼賛する人にとって、愛情や優しさという目に見えないものを振りかざす概念は、制度という枠組みの中では無駄でしかないのかもしれない。

しかし人に相対する職業において、愛情や優しさを徹底的に排除した先に何が起きるのだろうか。制度やサービスは、最低限の生存保障に終始すればよいというのだろうか。

介護という行為やその職業が、生き永らえていくだけの最低限の支援行為を指すとしたら、人はこの世に生まれ生きていく意味を失っていくだろう。
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新薬は認知症治療に光を射すか?


日本の製薬大手エーザイの株価が、8日午前の取引で前日比19%高の9.251円とストップ高となった。

その原因は米食品医薬品局(FDA)が、同社と米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬、「アデュカヌマブ」を承認したことによるものだ。

新薬が認知症治療薬として臨床で実用化されれば、莫大な利益となることは誰にでもわかることなので、同社の株価はしばらく上昇が続くだろう。

FDAの新薬承認を受けて日本の厚労省も、「アデュカヌマブ」について、年内にも承認の可否判断する可能性があると明らかにした。

これに関連して田村厚労相は、「画期的な治療薬だと思う。ただ現在、日本では安全性・有効性の確認をしているところ。まずはしっかりと審査を行い、そのうえで対応を決めたい」と述べている。

アデュカヌマブは、脳内にたまった異常なタンパク質(アミロイドβ)を取り除き、認知機能の低下を抑制する効果を示しているという。

現在日本の臨床で使用されているアリセプトなどの4種類の薬は、いずれも認知症の症状を一時的に軽くする効果はあるが、認知症の根本的治療薬ではないし予防効果もない。

それらとは異なり、新薬は病気が進む仕組みに直接作用し、認知機能の悪化を抑える効果があるとされ、認知症の根本治療につながる可能性があると期待されている。

ただしFDAは新薬の副作用として、画像診断で脳内の一時的な浮腫がみられたと指摘しており、無症状の人もいるが、頭痛や錯乱などを伴うこともあるとして注意喚起している。そのため新薬について追加の臨床試験で更に検証を重ねる必要があるという立場をとっており、その結果次第で承認が取り消される可能性もあると伝えている。

そもそもFDAは、臨床試験からは新薬の効果は不確実としているのだ。しかし脳内のアミロイドβの減少は認めるとしているだけである。

そう聞くと、単に脳内のアミロイドβを減らすだけでは認知症治療や予防薬にはならないのではないかと疑問を持つ人も出てくるだろう。アミロイドβがなぜ排出されずに貯留するのかという根本原因が明らかになって、その原因に効果が及ぶものでは無ければ治療にはつながらないのではという意見もあるだろから、FDAの臨床試験評価は、新薬の効果に期待を寄せている人にとって、「この新薬も実際の効果はないのでは・・・。」と不安と失望を持つかもしれない。

それはともかく、認知症治療薬の開発に向けて少しだけ新しい一歩が踏み出されたことの意味はきっとあるのだろうと信じたい。

新薬は4週間に1回の点滴投与で、価格の目安は患者当たり年約610万円とされている。

価格は普及とともに下がる可能性があるのだから、問題は治療効果が今後どのように明らかになっていくかである。

今更言うまでもないが、脳内にアミロイドβが貯まり始めるのは、認知症の症状を発症する20年も前からであるケースも多い。今現在の僕や、読者の皆さんの脳内で、アミロイドβが排出されない状態が引き起こされている可能性だってゼロではないわけだ。

今なんの症状もなく、日常生活上に何の支障もなく暮らしている人も、既に認知症の原因となる脳内現象が始まっているかもしれないのだ。しかしそれがわかったからと言って、現在はその治療法も予防法も存在しないのだから、手をこまねいて認知症の症状がいつ出現するのかということに怯えているしかない。

アリセプトも実際に認知症の進行を遅らせているのか、その効果が疑問に思えるケースは多々ある。副作用は消化器系の症状だと言われているが、臨床に関わっている人なら、アリセプトを服用後に攻撃的になる人が多いということを実感していることだろう。

僕の経験で言っても数年単位でアリセプトを服薬していた場合、服薬をやめてもほとんど症状が変わらない人の方が多かったような印象が残っているし、服薬をやめて精神的な落ち着きが増したケースもある。どちらにしておアリセプトは、服薬期間が長期になればなるほど、効果は見られなくなる印象が強い。

それとともに、アルツハイマー型認知症の新薬と言えば、僕らの年代はどうしてもあの、『ポパテ』を思い出してしまう。

昭和50年代の後半、日本中の精神科医療機関でポパテという薬が、「認知症の特効薬」として投与されていた。当時は認知症という言葉はなく、「老年痴呆症」と呼ばれていたが、その診断を受けた人に、ポパテが処方されるのは当然という風潮さえあった。

しかしその数年後、ポパテを服薬した方が脳梗塞を発症し死亡するケースが相次いだ。それがポパテの副反応とされ劇薬指定されたために、臨床でほとんど使えない薬となった。

今ではそのような薬があったことも、その薬害さえも知る人が少なくなり、ポパテという薬剤名を記憶している人さえ少なくなっている。

そのようなトラウマもあるために、新薬に過度な期待は寄せられないと考えてしまうが、しかし人類にとって認知症の治療薬と予防薬の開発は、久しく待ち望まれていることであることに間違いはない。

認知症になっても幸せに暮らしている人はいるが、その反面、認知症になったことにより家族の顔もわからず、最愛の家族に暴力を振るうようになって、本来愛し愛されるべき人達から疎まれる人もいる。認知症が原因で、自分が運転する車で愛する孫をひき殺してしまったのに、その事故の記憶がなく、毎日孫を探して精神科病棟を徘徊している人がいる。

そうした不幸を創り出さないため、少しでも減らすためには、認知症の治療薬は救世主である。

一日も早い臨床で実用化できる認知症治療薬が誕生してほしい。
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書けない人は、読まない人


僕が管理する表の掲示板で、「支援記録」についていくつかの質問スレッドが建てられている。その中に、「続柄」をどう書けばよいのかという質問のスレッドがあった。

質問者は、「嫁」という言葉は使ってはならないと指導を受けて、「長男様妻様」と表現してみたが、それでよいのかと質問している。記録の対象者に失礼にならないように考えが煮詰まってしまったのだろうが、「長男様妻様」みたいな表現は、普通に考えてあり得ない。日本語としておかしな言葉でもある。

そもそも続柄にまで敬称をつける必要はなく、「長男の妻」で何も問題はないのだ。

利用者にも様をつけて書く人がいるが、そんな必要もない。それは立場を表す言葉で固有名詞ではないのだから利用者と書いて失礼に当たらないのだ。「○○さんは、当法人の複数のサービス利用者様である」なんておかしな響きであることがわかるだろう。「○○さんは、当法人の複数のサービス利用者である」と書いて何も問題ないわけである。

敬称の使い方について少し解説したい。支援記録等に記入する氏名に、「様」・「氏」などの敬称をつけるのは常識である。敬称をつけずに氏名だけを書いている記録文は、記録した人を蔑視しているか、攻撃対象としているという誤解を与えかねない。

特に介護事業者が記録する支援記録とは、介護保険法令に位置付けられた公文書であり、対人援助という人の暮らしを護る目的の事業における公式記録なのだから、敬称をつけずに氏名を書くことは許されないと考えるべきだ。

ただし敬称を省略する方法は認められており、この場合は文書の片隅に「(敬称略)」と記載すればよい。しかし頁が替わってその部分が記載されていない文章が切り取られて誤解を受けることもあるので、敬称略もできるだけ使わないというのが僕の方針である。

「様」・「氏」など敬称については、どの敬称を使うべきか迷う人がいるので、介護事業者内で統一しておいた方がよいだろう。

連名の場合に「様」をいっしょにしてしまうのはNGであることにも注意が必要だ。この場合も、山田太郎様・昭子様とそれぞれに敬称を付ける必要がある。

文体は、常体(文の終わりが〜である。〜だ。)と敬体(文の終わりが〜です。〜ます。)のどちらを使っても良いが、これも事業者の中で統一しておく方がよい。僕自身は事実を正確に伝えるのに適しているのは常体だと思い、こちらを推奨している。敬体はどうしても自分の感想が前面に表現されてしまうことが多くなるからだ。

年号も西暦か和暦か、日付は○月○日か○/○か、など施設ごとのルールに従い統一させておくことが重要である。なお時刻は○:○○で24時間表記が基本である。

それにしても対人援助の専門家が、記録が苦手というのはいただけない。私たちの専門性の中には、コミュニケーションスキルが重要な要素として含まれてくるのだから、言葉や文章力というものをもっと鍛えてほしいと思う。

例えば『続柄』を『ぞくがら』と読む介護関係者が多いが、正しくは『つづきがら』である。これなども2文字を並べた言葉で、訓読みと音読みが混ざり合った読み方は基本的にあり得ないという基本知識が足りないことによる間違いである。もっと国語力をつけてもらいたいと思う。

年度末に発出された、「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」の改正通知では、計画書の記載の仕方について、小学生に諭すように当たり前のことをくどくど解説されているが、これも介護関係者の文章力が低いという実態が招いた結果だと思う。

しかしこのような解説をしたところで、計画書や記録文がうまく書けるようになるわけではないのだ。このブログ記事で何度も指摘しているように、文章力をアップするためには書く練習の前に、読む習慣作りが必要になるのだ。「良い書き手は、読み手の中からしか生まれない」のである。(参照:記録の書き方安全な記事ですので安心してDLしてください。

例えば、「専門用語をなるべく使わず、記録者以外の人が読んでも正確に情報が伝わるよう、正確に細かく、かつ分かりやすく記載することが重要です。」と指導しても、それがわかっていても方法がわからない人が多い。そしてそれは自分が読み手としてわかりやすくて、かつ正確に内容を理解できる文章とは何かという認識に欠けるからである。

読み手として熟練すれば、そうしたことは自ずと認識できるようになるのである。

介護現場には、何を書いているのかわからないケアプランも多数存在するが、その多くがプラン作成者が、自分が書いたプラン内容を読み込んでいないことに起因する問題である。書くのに手いっぱいで、読む労力がわいてこないのは、読み手としての能力に欠けているからだ。しかしそのままでは駄目だ。読む癖をつけて、読むことが苦痛にならない訓練を自らに課してほしい。

手前味噌であるが、この秋には僕の新刊が出る予定で、その原稿も既に仕上げているので、その本を読む練習に使っていただければ幸いである。
新刊原稿ファイル
今日の記事の最後が、自分に都合の良い宣伝文で終わって恐縮である。

その分、秋には皆様のお手元に、期待を裏切らない内容の本をお届けするように頑張っているので、どうぞよろしくお願いします。
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ワクチン接種狂騒曲


新型コロナワクチンの接種が全国各地で始まり、接種対象となった人たちが我先にと接種申し込みを行っている。

順調に摂取が進んでいる地域がある一方で、何らかのトラブルが生じて接種予定に大幅に狂いが生じている地域があるようだ。

温度管理に失敗したり、希釈方法を間違ったりして、ワクチンが廃棄されるケースが相次いで、その数は全国で7.000回分以上にのぼってるという報道もある。せっかく確保され、接種地域に届けられたワクチンが無駄になって勿体ないと思うが、終わったことをくよくよ考えたり、管理ミス等を批判したりしても何にもならないと思う。

それより深刻なのはワクチン接種の人材確保で、地域格差が生じていることだ。

大型会場での集団接種が行われるようになってきた途端に、ワクチン接種を行う人材不足が問題になっている地域が増えている。

そのため国は、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて第 21 報)と(第22報)」によって、介護施設の医師や看護師等が、新型コロナワクチンの接種に協力する場合は、人員基準上の配置等に影響しない取扱いとなることを通知している。

さらに介護保険最新情報Vol.987では、各事業所における医師・看護師等の兼業の許可や届出等に関する柔軟な取扱い(例:ワクチン接種に従事する場合には、勤務先への事前許可手続を柔軟化する等)について配慮するように通知している。介護施設の関係者も大変な時期だろうが、国難を救うという大きな目的のために是非協力してほしい。

国の特例としては5/31に、集団接種に必要な医師などを確保できない場合などにかぎり、救急救命士と臨床検査技師が接種を行うことを特例で認める方針も示している。個人的にはここまで特例摂取できる職種の幅を広げてよいのかと首を傾げる。救急救命士や臨床検査技師が筋肉注射をすることに不安を感ずるからだ・・・。

そんな中で札幌市などでは、ワクチンの供給遅れから当初の予定がずれ込み、医療従事者や特養の入所者、75歳以上の高齢者の接種時期が重なり、さらにワクチン接種の人材不足が深刻化し、接種予約の電話がつながらない医療機関に苦情が殺到するなどのトラブルも報告されている。

このように各地で様々な混乱とミスが生じ、対策が追い付いていない事情はあるが、それはこれほどの大規模ワクチン接種が初めて行われることを考えればやむを得ないことである。

それでも日々、確実にワクチン接種する国民の数は増えていくことは間違いのないところだ。

3日の参院・厚労委員会では厚労省健康局長が、「高齢者の接種の見通しがついた自治体から、順次、広く一般にも接種を開始して頂く段階にきた。(在宅系の介護職への)接種が円滑に進むよう全力で取り組んでいく」と述べている。国も問題を認識しながら頑張っているのだと思う。
COVID-19
登別市でも高齢者介護施設の利用者や従業員の1回目のワクチン接種が終わり、一般高齢者のワクチン接種が始まっている。

僕は年を取って若くはないが、まだ65歳未満であり、しかも現在はフリーの立場で介護事業者に所属しているわけでもない。大きな持病もないために、ワクチン接種の優先順位は最下位である。だから今のところ、いつワクチン接種を受けることができるのか明らかではない。だからと言ってそのことに不満も不安も持っていない。

誰よりも早くワクチンを接種して、少しでも安心したいという気持ちはよく理解できる。高齢者であればなおさら、身の安全を考えてできるだけ早い時期にワクチン接種したいと思うのも当然だろう。

しかし周囲にワクチン接種を終えた人が増えることは、感染リスクが減じているという意味でもある。それも安心の一要素と思ってほしい。

自分がワクチンを打つ前に、周囲のいろいろな人がワクチン接種ができるのをうらやんだり、不公平だと思うのではなく、そうした人が周囲に一人でも多くいてくれることで、感染リスクは確実に減っているのだと喜んだ方がよい。

僕は順番が来るまでおとなしく呑みにも行かずに、巣ごもりしていたって良いと考え、接種券が送られてくるのをのんびり待つつもりだ。

ワクチンの効果が絶大なことは、一時ロックアウトを余儀なくされたイギリスで、感染者数と死亡者数がすごい勢いで減っていることを見ても証明されていることなので、今回のコロナ禍も確実に終息に向かうのだから、それを信じて今しばらくは多少の我慢は耐えようと思った方がポジティブだ。

ただ間違えてほしくないことがある。

ワクチン接種を終えたからと言って、必ずウイルス感染しないということではないということだ。ワクチン接種後に感染しても重篤化しないということについても、必ず例外があることは、季節性インフルエンザワクチンを接種した人で、その後感染死亡した人がいる例でもわかろうというものだ。

だからワクチン接種した後も、完全にフリーで何をしても良いとは考えずに、地域全体で感染者がゼロに近づくまでは、できる限り感染予防対策は続けたほうが良いと思う。特に手洗いの励行は習慣化してほしい。

来年の春は、普通に花見ができることを信じて、もうしばらくの辛抱である。
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1.57ショックさえ懐かしく思える惨状


僕の大学時代の所属は文学部社会福祉学科である。

現在のカリュキュラムのように、そこから高齢者福祉専門課程とか、福祉計画専門課程とかのコースに分かれてはいなかったので、社会福祉全般について4年間の専門教育を受けたわけである。

ただしその中でも得意、不得意の科目があって、老人福祉論は不得意な学問で、「可」で何とか単位を取った。

僕の得意科目は、「児童福祉分野」であり、実習も児童相談所で行っている。だから卒業後に、特養で高齢者福祉に係るようになった以後も、自分の専門分野と言ってよい児童福祉の領域にはいつも興味を寄せていた。

1990年(平成)はそのような時期であったが、その年に児童福祉と高齢者福祉関係者に大きなインパクトを与えたのが、「1.57ショック」であった。

この年厚生省(当時)が、「平成元年人口動態統計」を公表したが、その中の合計特殊出生率が1966年(昭和41年)の丙午の年の1.58を下回り、統計史上最低の1.57になった。そのニュースが老人福祉法を改正する法案を審議する国会開催中に明らかになったことで、このままでは日本の高齢者福祉制度は崩壊するとして、そのショックが国会を駆け巡ることになった。

同時に児童福祉分野では、政府・全国団体・地方自治体などから次々と児童福祉施策に関する提言や計画が公表されるきっかけにもなった。

合計特殊出生率 (合計出生率)とは、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す数字で、1974年(昭和49年)から一貫して減少傾向をたどっていたが、まさかその数字が1.57まで落ち込むことは誰も予測していなかったわけである。

子供は一人では産めないわけで、合計特殊出生率が2を下回っているということは、一組二人の夫婦が一生の間に産む子供の数が2未満であるということになり、これは人口の減少が止まらないことを表す数字でもある。このままでは日本という国は、次第に社会の活力を失い、経済力も低下していくことがわかってはいたが、そのスピードがあまりにも早いことがわかり、日本中にショックをもたらしたわけである。

ところがその数字にショックを受けた過去など、終わりの始まりに過ぎないということが、今はわかってきた。それ以降も合計特殊出生率の低下が止まらない今日、それは高齢者介護問題の終わりの始まりでもある。

厚生労働省が昨日(6月4日)、昨年の人口動態統計を発表したが、合計特殊出生率が前年から0.02ポイント下がって1.34となっている。地域別で最も低いのは東京都の1.13。最も高いのは沖縄県で1.86だった。

このように1.57ショックどころの騒ぎではないわけだ。

2020年に国内で生まれた日本人の子どもは84万832人と、前年より2万4407人(2・8%)減って過去最少となり、90万人を初めて割り込んで「86万ショック」と呼ばれた19年の86万5239人から、さらに大きく減ったわけである。この数字は政府の推計よりも3年早い減り具合だ。

しかも婚姻数も前年より12・3%減の52万5490組と急減し戦後最少となっている。新型コロナウイルスの影響も重なり、日本の少子化が加速していることがわかるが、それはここ数年のうちに合計特殊出生率が回復する見込みがないことを示すものだ。

すると昨年生まれた子供が小学生に上がる2026年頃は、小学校の教室にさらに使われない空き教室が増えることになるばかりではなく、その子らが成人式を迎える2040年には、生産年齢人口の数が国の予測よりはるかに少ないことになる。

そこで次のグラフを見てほしい。
団塊の世代と団塊ジュニア世代の動向を見据えた改革
このように2040年になると、団塊の世代は90歳を超え、急激にその数を減らしていくが、その時に団塊ジュニア世代がすべて65歳以上になるわけである。

団塊の世代の介護を、団塊ジュニア世代が支えていたような次の塊が我が国には存在しないのだから、2040年になると高齢者の数は減って、要介護者の数も減って、特養も通所介護も今より数が減っていくことになるが、そこで働く生産年齢の人の数は今以上に少なくなり、その減少数とスピードも、いま国が予測している数とスピードを上回ることになる。

つまり国の施策はそこに追いつかないのである。

2021年度の制度改正と報酬改定は、2040年度を睨んだ施策を取っているものだが、それをさらに加速した制度改正と報酬改定が2024年度に向けて必要になるということだ。財源と人材がさらに減ることにどう対応するかというために、より厳しく強い施策がとられていくことになるということだ。

そんな中で今後20年以上、介護事業を続けていくつもりの事業者は、人材対策を国に頼ってはならないと覚悟すべきだ。国に頼るだけでは人材は確保できないことを前提にした人材確保と育成システム策を独自で構築しなければ事業が続けられなくなる。

今まではそんなものがなくてもなんとかなった事業者であっても、今後は何とかならないのだ。今ここから始めないと、少子化の進行過程で数年のうちに事業廃止に追い込まれることを覚悟しておかねばならない。

これは脅しではなく、現実である。
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補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています


5/28に発出された介護保険最新情報のVol.985は、2月後に迫った補足給付の見直しと、高額介護サービス費の上限変更について、関係者や利用者に対する周知協力を呼びかける内容となっている。

補足給付については、現行の負担段階の3段階を、所得120万円以下(3段階 砲120万円超(3段階◆砲忘拱化したうえで、給付の対象となる資産要件(預貯金額)の基準を引き下げるとともに、新設された3段階△梁仂歇圓凌費の自己負担基準額を引き上げるというものだ。

資産要件変更で補足給付の対象となる預貯金額の基準が各段階で引き下げられているので、今現在は補足給付が支給されていても、いきなりその支給がされなくなる人も出てくる。最初に預貯金の資産要件を設けた際には、低所得者等の反発が起きないように単身者1.000万円という高い基準を設定し、それを徐々に引き下げて補足給付を受けることができる人を減らしていくというのは、国の常とう手段だ。2024年度の制度改正に向けては、この基準がさらに下られる可能性もある。

食費負担額の変更については、以前からこのブログでアナウンスしていたが、その際には、「ショートステイの食費についても段階区分ごとに上げる」と解説していた。今回はその具体額を表にしたリーフレットも国が作成している。
補足給付の変更点
このようにショートステイについては、3段階△梁仂歇圓世韻任呂覆、2段階と3段階,梁仂歇圓皸き上げられている。そのことは全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和3年3月9日)で既にアナウンスされていたそうであるが、僕のようにこの部分をうっかり見逃していた人がいると思う。改めて確認願いたい。

この資料では、施設利用者の第2段階と第3段階,梁仂歇圓凌費負担が据え置かれているのに、ショート利用者だけ引き上げられる理由について、「食費が給付対象外となっているデイサービスとの均衡等の観点から」と説明されている。

同じ居宅サービスで、両者の著しい差は問題だという論調だが、ショートステイは滞在サービスで、通所サービスと異なるルールであっても良いし、滞在サービスの性格上からそれは施設サービスとの均衡でみるべきだと思うが・・・もう決まってしまったことだから今更それを言っても始まらない。

しかしこの理屈でショートの食費負担が、第2段階の対象者まで引き上げられた先にあるものは容易に想像がつく。

次の制度改正では、「食費が給付対象外となっているショートステイとの均衡等の観点から」というへ理屈で、施設入所者の2段階と3段階,梁仂歇圓亮己負担増につながっていくのではないのだろうか。つながらないとしても議論の俎上にこのテーマがのぼってくるのは確実だろう。

この変更は深刻な問題につながりかねない。特に第2段階の人は、年間所得が80万円以下の人なので、210円/日の食費負担増は軽い負担増ではないと思う。経済的理由でショート利用を抑制せざるを得ない人が増えてくるものと思える。

高額サービス費の変更は、国が作成したリーフレットの中で以下の図で示されている。
高額サービス費の見直し
負担上限額が増えるのはお金持ちだけだから、負担能力に問題なく、基準引き上げでトラブルが生ずることもないというのは、過去の例からして大きな間違いといえる。

月の負担上限額が8月以降、いきなり95.700円も増やされる人は、課税所得690万以上(年収約1.160万以上)の方々だから、それなりに負担能力はあると言える。そのため金銭管理を自分で行っている方であれば、さほどトラブルなく負担増に納得してくださるだろう。

問題は施設入所者の方などで、金銭管理を家族が行っているケースだ。中には子供が親の年金をそのまま生活費に充てているケースや、親の年金をあてにして住宅ローンを組んでいるようなケースもある。そうしたケースでは、年金を管理している家族から強く抗議を受けて、トラブルに発展するケースは決して少なくないことは、過去の費用変更の際に多くの関係者が経験してきていることだと思う。

こうしたケースで、「それはあなたのお金ではなく、親御さんのお金でしょう」という正論が通用しないことも、多くの関係者が経験していることだ。そして国が決めたことで介護事業者に責任がないことであっても、直接の怒りは介護事業者に向けられることも多くの方が経験済みだろう。

そうしたトラブルを防ぐ唯一の方法は、できるだけ早く、できるだけ丁寧に、関係介護事業者が利用者や家族に説明を行うことだ。

今から2月後の費用負担増の詳細を説明し、その対策をともに考える姿勢を介護事業者が示すことで、信頼を得ることができることも期待できる。是非そうした対策を急いでいただきたい。
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働き手がさらに減る介護事業に求められる視点


北海道は6/1に2020年国勢調査の速報値を発表した。(※国の速報値は、コロナ禍の影響で公表が遅れているが、今月中に公表予定だとされている)

それによると昨年10/1現在の道内総人口は522万8885人で、2015年の前回調査の確定値より15万2848人(2.8%)減り、減少数・減少率ともに1920年(大正9年)の調査開始以来、最大となった。

札幌周辺と一部リゾート地などで人口が増える一方、残る多くの地域で減少が続いており、僕の生活圏域でも、室蘭市は6千人以上、登別市は3千人以上の人口減である。かつて鉄の街として栄えた室蘭市の人口は82.457人となり、いよいよ8万人割れが現実のものとなりつつある。

人口減の原因は死亡数が出生数を上回る「自然減」と、就職や進学で道外に出て行く人が転入者を超過する「社会減」が同時進行していることによるものだ。

自然減とは、死亡者数が出生者数を上回っていることだから、少子高齢化の波は変っていないことになる。しかも来年から団塊の世代(1947〜49生まれの人を指す)の人たちが75歳に達することになるため、後期高齢者の数はさらに増えることになる。つまり若者の減少数の方が高齢者の減少数をはるかに上回り、働き手となる生産年齢人口はさらに減っているのである。

ところで団塊の世代が来年から75歳に達していくということは、介護サービスの利用ニーズが高い後期高齢者の数が、来年から3年間は爆発的に増えていくことを意味する。そのため通所介護などの顧客は増え、顧客確保に困らず事業拡大のチャンスが到来する地域が全国各地にたくさんできるという意味だ。しかしそこで働き手となる人材がさらに不足するという意味でもある。

後期高齢者が増え、生産年齢人口がさらに減る中で、いかに介護事業者は人材を確保できるかが事業戦略としてより重要になってくる。今もそれは重要だが、今後はさらにそれが重要になり、今は何とかなっている事業者であっても、なんとも立ち行かなくなる事業者が増えることになる。

北海道の状況から言えば、郡部はますます人手が不足するが、札幌周辺の市町村も、札幌への人材流出がさらに進み、介護人材のドーナッツ現象(札幌だけに人材が集中し、札幌周辺の市町村の人材がスカスカとなる)がさらに進むだろう。

そのような中で小規模通所介護事業者等は、一時的に団塊の世代の方のサービス利用で懐が潤う事業所が多くなるだろうが、そこで事業戦略を練り直してほしい。人がいないから人手がかかる事業規模の拡大を図る必要はない考えるのは間違った事業戦略だと気が付いてほしい。人手が足りない社会では、事業者内で人手を臨機応変に手当てできる体制がないと、職員の疲弊は激しくなるのだ。それは職員の定着率が下がって、事業が立ち行かなくなる最大のリスクだ。

事業者規模を拡大して、事業者内で職員を育成しながら、足りない事業所に臨機に手当てできる規模とシステムの構築が緊急課題だ。

事業規模の拡大は、事業収益を確保して経営リスクを減らすことにもつながる。

2024年の介護報酬改定は、診療報酬とのダブル改定でもあり、それはアフターコロナの中で、社会保障より経済優先の中で行われる改定である。当然厳しいマイナス改定も視野に入れておかねばならない。

事業規模の拡大は、提供できるサービス種別を拡大することにもつながるので、少ない事業種別で、そこが削減された場合に収益減に直結するリスクを、他のサービスで補うという可能性を高める必要不可欠な戦略だ。

社会福祉法人が、いつまでも特養と通所介護を併設した1施設・1事業所だけで経営できる時代ではなくなるのである。広域型施設を1施設しか持たずに、収益性が見込めない地域密着型特養を併設している施設は特に危ない。

そのため今後は同地域の複数の社会福祉法人が、真剣に合併統合を考えざるを得ない時代に足を踏み入れていることを忘れてはならない。

介護人材を事業所内で育て、事業者内で回して必要な場所に手当てできる規模とシステムの構築。それができるかできないかで、10年後の立ち位置がまったく違うものになるのである。

そのノウハウをしっかり手に入れて、正しい事業戦略が立てられているのかを今一度法人・事業者全体で検証し直してほしい。問題があれば、知恵は何時でもお貸しします。
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出るぞ、でるぞと早2年・・・。


自分の書いた文章が本となり、世間様に向けて上梓(じょうし)されることは並大抵の苦労ではない。

本を出すことが決まれば、プライベートの多くの時間を削って、執筆作業に費やすことになるので、作家を本業にしているわけではない僕にとっては、年に複数冊の新刊を出版することはなかなか難しいことである。

それでも8年ほど前からこつこつと毎年執筆作業をこなし、年に最低1冊は自著本が出版されていた。

それは僕の手柄というより、僕が書いたものを読んでくださる読者という存在があって、その読者に僕が書いたものを本にして届けようとしてくれる出版社の存在があってのことである。だからこそまずは読者の皆さんに、次に出版社に感謝せねばならない問題である。

しかしその連続記録が昨年途絶えた。

実は昨年も出版予定があって、原稿も仕上げて出版社に入稿済みであった。

ところがコロナ禍という予期せぬ逆風の影響で、講演会などが軒並み中止になったことが、出版作業への大きなブレーキとなった。

というのも僕の本は書店やネット販売もされているとはいえ、売り上げの7割以上が講演会場での販売によるものである。その講演会そのものがなくなったために、出版社も新刊出版に二の足を踏まざるを得なくなったのである。

今現在は講演会という形のニーズがまったくなくなったわけではないが、Zoomがごく当たり前に使われるようになってオンラインでのコミュニケーションが急速に広がる中で、会議も講演もオンラインで行われることがスタンダードとなりつつあり、講演会場での本の販売という機会を創ることはなかなか難しい状態が続いている。

とはいっても講師と受講者が対面する会場講演のニーズが消滅したわけではない。

会議のスタンダードがオンラインにとって代わるとしても、単に話を聴くだけの講演受講ではなく、主催者や講師や受講者が会場で言葉を交わし、意思を通じ合ってつながりを創る講演会ニーズはまだ数多くあると思われる。

現に先週も緊急事態宣言下の大阪の3会場で、オンライン講演をセットにして人を会場に入れての講演会を行って好評を博してきた。

さすがに密が避けられない書籍販売やサイン会は行わなかったが、会場で僕の本を買いたいという希望者は多く、事務局が参加人数分の本を事前購入して、参加者に配布していただいた講演会もあった。

また巣ごもりで、研修受講機会が減っている介護業界では、そろそろ関係者の学びたいオーラがマックスに近づきつつあり、新しい情報知識を知る機会に飢えている人たちの声が聴こえ始めた。そういう人達の一部の人は、知識を得るためにネットを検索する中で、僕の出版本の情報に触れて、既に出版されている僕の本を購入してくれる方も増えている。

そんなこともあり講演の仕事で上京していた先週、空き時間を使って、昨年出版に向けた準備作業を進めていたヒューマンヘルス・ケア・システム社と新刊上梓に向けた打ち合わせ会議を行った。
出版打ち合わせ
同社のスタッフの他、心強い出版のプロがその会議に参加してくださり、今回の新刊出版にも協力してくださることになった。

というわけで出版社の倉庫の奥深くにおいて、やがて忘れ去られて紙くずと化す可能性もあった入稿原稿もやっと日の目を見ることと相成った。

しかし寝かせていた原稿だけを本にして出版するのは、安易で怠慢であるという誹りを受けて当然なので、このコロナ禍が介護業界に与えた教訓や、今後への影響、アフターコロナという時期になった場合に、介護関係者にこの時期の対応がどのように問われてくるのかということも書き足すつもりである。

そのため原稿執筆作業を昨日から始めたところである。

本のタイトルについては、「君の介護に、〇〇はあるか」という案が挙がっている。〇〇という部分にどんな言葉が入るのかを想像してほしい。本のサイズはA4版で、文字サイズを少し大きくして、ルビもできるだけつけて読みやすさを向上させる予定である。

現在の予定では、この秋・9月頃に新刊出版の運びとなりそうだ。出版記念シンポジウムも複数個所で行って、来場者にはそこで本を配布し、希望者にはサインをさせていただく予定である。

また過去にヒューマンヘルスケアシステム社から出版した本については、電子書籍化する方向で話が進んでいる。

そんなふうに一気に事(こと)が動き始めたので、今年は間違いなく新刊が出版され、秋にはこのブログ読者の皆様にも紹介できると思う。

その新刊には、今現在の僕の思いを込めることは当然だが、介護の場で日々汗を流す皆さんの心の支えになり、実務に役に立つ内容にしたいと思っている。

秋の新刊に乞うご期待!!どうぞよろしくお願いします。
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計画書標準様式の変更内容とその目的


計画書標準様式の変更に関する質問を受けてより続く)
居宅サービス計画書標準様式及び記載要領の変更によって、どの部分の何が変わったのかを1表から順に確認していきたい。

第1表の項目の一つ、「利用者及び家族の生活に対する意向」という文章に、「を踏まえた課題分析の結果」という文章が加えられた理由について記載要領では冒頭部分で、「介護サービス計画は、利用者の生活を総合的かつ効果的に支援するために重要な計画であり、利用者が地域の中で尊厳ある自立した生活を続けるための利用者本人の計画であることを踏まえ、わかりやすく記載するものとする。」と念押ししたうえで、『課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。』としている。

つまり変更前の様式では単に、「利用者及び家族の生活に対する意向」とされているために、利用者や家族が言うがままに、ニーズではないデマンドに対応する計画作成も目立っていたという意味だろう。そうした計画を作成するケアマネを戒め、御用聞きケアマネジャーになるなと言いたいのだろう。

さらに認知症の高齢者などの場合、本人の意思推定もせず、本人の希望を無視して家族の意志だけでサービス内容が決定されることがないように、「ケアプランは誰のためのものだ」という命題を投げかけているのではないかと想像する。

さらに第1表の「総合的な援助の方針」にできるだけ緊急時を想定した対応の方法等を記載しておくようにとしているのは、昨日の記事で示した通りだ。

また第1表の記載要領では、同居家族がいる人に対して生活援助を計画する場合の、事情の内容の記載例が新たに示されているので参考にしていただきたい。

第2表の変更はされていないが、記載要領は左端の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」について、課題の優先順位を見立てて、きちんと優先度の高い課題から順番に記すことを促している。そのうえで目標達成のために
・ 利用者自身の力で取り組めること
・ 家族や地域の協力でできること
・ ケアチームが支援すること

等をわかりやすく示すことを促している。まるで小学生の教科書のようだ・・・。
第3表週間サービス計画書
第第3表は左端の時間の部分が0時を起点に24時まで表記される変更が行われた。何やら、「おせっかい」とも言いたくなる変更であるが、わかりやすく統一したということだろう。
第4表サービス担当者会議の要点
第4表のサービス担当者会議の要点は、本人や家族が出席した場合の氏名や続柄が書く欄が追加されている。

これは2013年の老企22号改正通知で、『介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標を達成するために具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて、利用者やその家族、居宅サービス計画原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者等への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではないことを留意されたい。』というふうに、緑色部分の文章が追加され、利用者や家族が原則として会議に参加することになっていることに対応したものだろう。(※なお施設サービスは緑色の部分は追加されていない。)…今更の感がないわけではない。
第5表居宅介護支援経過
第5表の居宅介護支援経過には新たに、「項目」という部分が追加されている。ここには例えば、「判断した内容」とか「把握した事実」・「○○事業所からの情報」・「利用者希望による相談」などと書けばよいのだろうか。この点は記載要領にも明確には示されていないので、ケアマネ判断で良いのだろう。

そのほか記載要領には
・ 文章における主語と述語を明確にする、
・ 共通的でない略語や専門用語は用いない、
・ 曖昧な抽象的な表現を避ける、
・ 箇条書きを活用する、

というふうに、ここでも小学生に文章の書き方を教えるような内容が追加されている。
第7表サービス利用表別表
第7表のサービス利用表別表では、「サービス単位/金額」と「種類支給限度基準を超える単位数」の間に、「給付単位管理数」と項目が付け加えるなど、内訳が一部変更されている。ただ7表の記載要領については何も変更されていないので、加えられた項目に数字を入れるのを忘れなければ良いだけだろうと思う。

それにしても介護給付費分科会等で何の議論も経ないまま、3/31という時期に突然示された居宅サービス計画書の新様式の意味は何なのだろう。

冒頭で示したように、利用者や家族の単なる希望・口に出して示された意見だけをプランニングするのではなく、自立支援に結び付けて利用者本人の生活課題に対応する計画内容とすることを目的としたものだろうが、要領に記された内容は、細かすぎて子供に諭すようなくどい内容である。くどすぎて胸糞悪くなる文章とも言えなくもない。

よほど国はケアマネを、「もっと鍛えねば」と思っているんだろう。国の掌の中でケアマネジャーを動かせると思い込んでいるために、いきなりケアプラン標準様式の変更を通知してきたのだろうと思う。

噛んで含んだ説明をしないと理解できないケアマネが存在するとして、くどくどと書き方を説明しているんだろう。

厚労省老健局の一室である日、「居宅介護支援事業所も、逓減性緩和で収益増が見込まれるんだから、ケアマネにももうひと頑張りしてもらわねばなりませんから、もう少し法理念に沿動きを促すように、ケアプラン作成要領も変えて通知しなければなりませんね」なんて会話が交わされて、その考え方に沿って作業を進めるように指示を受けた誰かが、子供を諭すような文章をちりばめた要領案を書いている姿が目に浮かぶようである。

御上のお達しが急遽作り上げられ、下々の者どもに下げ渡されたというのが、今回の標準様式変更ではないかと思う。

今月19日には、岐阜県中津川市と恵那市の介護支援専門員研修会としてオンライン講演を行う予定があり、現在講演スライド作成中であるが、そこではこの標準様式の変更内容も含めて解説を行う予定だ。

両市の介護支援専門員の皆様に向けてエールを送る動画を作成したので是非ご覧いただきたい。両市の関係者でない方も、岐阜県中津川市と恵那市の風景を楽しみながら、介護の心を感じていただける動画なので、是非ご覧になってください。

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計画書標準様式の変更に関する質問を受けて


昨年度末の3/31付で、「介護保険最新情報Vol.958」が発出されその内容が、『介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について(通知)』であったことについては、「生活に対する意向を踏まえた課題分析」という記事を書いて解説している。

このことについて講演の質疑応答でよく質問を受けることがある。

その中で、「この様式を使わなかったり、変更内容に沿っていない場合、減算指導を受けるのか」というものがあった。

もともと居宅サービス計画書や施設サービス計画書は、「標準様式」であって、この様式内容に沿っておれば、必ずしもそれと同様のものを使わなくても問題はないが、法令に沿った記載事項が漏れては法令違反を問われるので、別様式を使わない方が無難である。
居宅サービス計画書
今回も標準様式に新たに付け加えられた、「〜を踏まえた課題分析の結果」については、必ず対応しなければならない部分なのだろうと解釈できるので、できるだけ早くこの様式の変更すべきである。

しかしこの通知が年度末ギリギリの3/31に発出されているのだから、4月から即、対応できないことは明らかである。よってリンクを張った記事にも書いているように、5月から対応しておれば問題ないだろうと思う。

そもそも第1表の、「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」に記すべき内容が、単に利用者及び家族の生活に対する意向に終わっているのか、利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果になっているのかについては、記された内容だけで判断できる問題ではなく、文章を書いたケアマネ自身が、「その意向は、課題分析した結果、きちんとニーズとして認められる」と説明できれば良いだけの話である。

ケアマネジメントの専門家でもなく、利用者のアセスメントを行ってもいない行政職員がこの部分に、「違うだろう」という、『いちゃもん』を付けられる余地なんてないわけである。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方々は、この点もっと自信を持って、胸を張って臨んでほしいと思う。

だが新しい記載要綱で、「総合的な援助の方針」には、「あらかじめケアチームにおいて、どのような場合を緊急事態と考えているかや、緊急時を想定した対応の方法等について記載することが望ましい。」とされているので、この点にも注意が必要だ。

例えば、利用者の状態が急変した場合の連携等や、将来の予測やその際の多職種との連携を含む対応方法について記載する。」とされているので、すべての計画書にこれに類した記載がされていないとなれば、この努力義務を果たしていないとして突っ込まれることはあり得る。そのため今後の計画変更の際には、こうした記載要綱の注意書きを反映した計画作成に努めたほうが良いだろう。

どちらにしても居宅サービス計画書の内容が不備であるからと言って、それは運営基準減算の対象になっていないので、罰則があるとすれば、「居宅サービス計画書として成り立っていないから、計画書がないとして全額報酬返還」ということになろうと思う。

しかし計画書そのものが存在する以上、そのような乱暴な指導はできるわけがないし、指導されるとしても、「もう少し居宅サービス計画書記載要領に沿った内容になるように注意してください」という口頭指導しか考えられないだろう。

その際には相手の顔も立てて、「かしこまりました。今後注意いたします」と頭を下げておけば、何かの時に指導担当者の協力も得られようというものである。

くれぐれもこの点で意固地になって、変なトラブルを引き起こして、行政指導担当課との協力連携に支障が出ないようにしてほしい。

ところで「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領の変更」については、居宅介護支援事業所の介護支援専門員だけが内容を把握しておけば良いという問題ではない。

計画書の記載内容は即ち、サービス提供のあり方やチーム連携のあり方に関わってくる問題でもあり、居宅サービス事業所のスタッフもこの変更通知を読んで、何がどのように変えられているのかを確認してほしい。

ということで変更内容と、変更の目的も大事な情報になるので、明日そのことを詳しく解説してみたいと思う。(明日に続く)
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歴史は介護業界の今をどう評価するのか


今週初めから始まった大阪〜東京の4泊5日の旅を終え、昨晩北海道の自宅に帰ってきた。

北海道を経った日の新千歳〜伊丹便は、これまで経験したことがないほど空席ばかりが目立つ機内状況で、乗客とCAが同じ数かと見紛うほどであった。

しかし大阪も東京も市中の混雑ぶりは相変わらずで、テイクアウト食品の売り場には長蛇の列ができているなど、「密」は至る所でみられた。

そのような状況ではあるが介護施設でのワクチン接種が始まり、僕が講演を行った事業者でも、講演前日に利用者全員の1回目の接種が終わっていた。心配された副作用もなく利用者の方に体調不良者も出ていないということで安心した。

ワクチンが社会全体に行き渡ることで、コロナ禍が終息に向かうことを期待したい。

しかし個々に感染状況を見れば深刻な状況は続いており、ある特養では3回目のクラスター感染が発生していた。最初のクラスター感染後に対策はさらに強化されているはずであり、面会制限を続けるなど外部からのウイルス侵入にも警戒しているにもかかわらず、なぜ繰り返しクラスター感染が発生するのか、関係者は頭を抱えている状態だろう。

一方で、利用者と家族の面会を拒むことは出来ないと考え、職員と同じように感染対策を行うことを条件にして、面会を許可している介護施設では、まだ一度も感染者が出ていないという例もある。

しかもクラスター感染が3度発生した施設と、面会を許可しているのに感染者が出ていない施設は、ほぼ同じ地域と言ってよい場所にある。

だからと言ってクラスター感染を繰り返している施設を批判するつもりは毛頭ない。

目に見えないウイルスを完全に防ぐことは出来ないのだから、何らかの理由でクラスター感染が繰り返されること自体はやむを得ないことである。むしろ感染予防の努力が報われない状態は気の毒であると言ってよく、決してその施設関係者に非があるわけでもないと思う。

僕がここで言いたいことは、生活施設での面会完全禁止なんて、感染予防策としては無意味であるということだ。職員が外から通ってきている以上、ウイルス侵入を完全に防ぐことは出来ないのだから、家族だけ面会禁止にしても、それは施設側の安心感にしかつながらない。

そもそも面会制限は、本当に利用者を護っていると胸を張って言える人はどれほどいるだろうか?むしろ施設経営者や管理職が、クラスター感染が発生した際にその責任を問われないように、法人や自分を護るために面会制限を漫然と続けてはいないだろうか。

その制限も1月や2月ならともかく、1年以上続けられているとすれば異常だ。この異常さを異常だと思えない今がおかしいのだ。

そもそも介護施設の経営者や管理職と言えど、これだけ長期間にわたって施設利用者が家族との面会を制限する権利は本当にあるのだろうか。

一方では利用者が家族と逢う権利と暮らしを護るために、職員と同様の感染予防対策をすることを条件に面会を続ける努力をしている施設があるのだ。そのような施設の経営者や管理職は、感染症が発生した場合には、面会を禁止していないことが批判されることを承知のうえだろう。

どちらが利用者を護っているのだろうか・・・。

このコロナ禍は間違いなく終息する。しかし新新型コロナあるいは新型コロナ第2弾などという新たな感染症は、数年おきに発生していくことが繰り返されるだろう。

そのたびに年単位の面会完全禁止が、介護施設で繰り返されるのが当たり前になっていくのだろうか。

利用者本位とか、利用者目線という言葉が、感染対策下では形骸化してしまっている・・・というかほとんどそのような視点は失われてしまっている。それはやむを得ないことなのだろうか。

歴史は、介護業界の現在の対応をどう評価するのだろうか。

介護施設では過去に、オムツいじりをする人に対してつなぎ服を着せ、その着脱のチャックにさえ手が届かぬように背中側につけ、さらに鍵を使わなければチャックが開けられなくすることを進化だと思っていた時代があった。

認知症の人を車いすに座らせたまま車いすテーブルを固定して、立ち上がりが出来ないようにして放置することや、立ち上がれないように角度をつけた車いすに座らせておくことが見守りだと言われていた時代があるのだ。

そうした話題に及ぶと介護関係者の誰しもが、「そんなひどい状態が介護だと思われていたんだよね」と回想したり、批評したりするのではないだろうか。

今行われている面会制限が、それらに行為と同じような批評される時がいつか来るのではないだろうか。その時私たちは、今自分が行っている行為を胸を張って正しいと言い切ることができるだろうか。

北海道の散りゆく桜を眺めながら、来年の桜の季節はどんな風に咲いて、世間がどのような状態となり、今この時がどう評価されているのだろうかと考えたりしている。

このブログ読者の皆様にも、「さくらびとmasa」の最新版を見ながら、そんな想像をしていただきたいと切に願う・・・。
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新年度対応も着々と進んでいるようですね


僕は昨日、大阪から東京に移動して、夜7時からLIFE対応を中心にしたオンライン講演を生配信した。

昨夜も600人近い人が視聴してくれたが、皆さんの知りたかった情報提供ができ、疑問解決等につながっていることを願っている。貴重な時間を使って、視聴していただいた方々にはこの場を借りてお礼を述べたい。心より感謝しています。

LIFEについては、(国が公表していない)システムエラーがまだ一部残っているものの、介護事業者の使用ソフトからのCSV出力のLIFEへの取り込み機能については、多くのベンダーがすでにその機能に対応しており、当初手入力で大変な作業を強いられていた担当者の業務負担も軽減したようである。

逆に言えば、この時期に自分の所属事業者が使っている請求ソフト等が、LIFEへのCSV出力に対応していないのであれば、そのベンダーを使い続けてよいか真剣に検討しなければならないと思う。

今後の介護事業者は、LIFEへの情報提出とフィードバック活用をしなければ、事業継続が出来なくなるといってもよいので、そこにスムースに対応していないソフトベンダーは、いくら費用が安くとも事業経営上は好ましいものではないという考え方も必要だ。

まだLIFE対応が必要ではない居宅介護支援事業所や訪問介護事業所も、次期報酬改定(2024年度の診療報酬とのダブル改定)では必ずLIFE対応が必要となるので、その準備は視野の片隅に入れておいたほうが良いだろう。

このブログや表の掲示板に再三書いているが、LIFEはまだその機能が十分に発揮できるほど、きちんとした体制が整っているとは言えない。しかしそこに送るデータについて、真面目過ぎるほど悩んで、正確なデータを送らねば大問題が生ずるとでも思っている人が多いのには閉口してしまう。

何が正確な提出情報といえるのか、どのデータを指して情報を送れと言っているのかがあいまいなまま、正確な情報発信を国が行っていない中での情報提出なのだから、そこで誤ったデータを送る介護事業者が出てくるのは、当然といえば当然の結果である。

科学的介護推進体制加算等は、やむを得ない事情がある場合を除いて、情報提出を一部でも行わなければ、すべての利用者について加算算定が不可となるが、提出情報の一部に間違いがあったからといって、加算算定ができなくなるということはない。

提出情報が間違っておればあとから修正をすればよいのだから、100%正確なデータを送ろうとしなくてよい時期が、今の時期であると考えるべきである。馬鹿正直・くそ真面目は、本当の馬鹿の一歩手前でしかない。

情報提出の猶予期間も最大限利用すべきだ。

科学的介護推進体制加算・褥瘡マネジメント加算・排せつ支援加算・栄養マネジメント加算の4加算のついては、4/23通知の4〜6月加算分の8/10までの猶予期間とは別に、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」で示されている通り、今年度算定分のすべての月の情報提出猶予期間が別に設けられており、理由によってどちらかの猶予期間を使ってよいことを理解すべきである。

このオンラインセミナーは、この後6/10 (木)基準改正など全体共通ルールの解釈・6/24 (木)居宅サービスの改定解釈の詳細・7/8(木)居宅介護支援と施設サービスの改定解釈の詳細と残り3回配信予定となっているので、引き続き視聴いただきたい。

施設サービス部分では、先行して情報提供しておきたい部分がある。

表の掲示板では施設サービスに新設された、「安全対策体制加算」については、「入所初日に限り所定単位数を加算する。」とされているが、「同一敷地内等の医療保険適用病床を退院したその日に介護保険施設等に入所等する場合(同一医療機関内の転棟の場合を含む。)は、介護保険施設等においては入所等の日は算定されないとしているので、併設病院から介護老人保健施設に入所した場合の施設サービス費については、入所日は算定できない」という老企40号規定によって、「入所初日に費用算定できないケースは、同加算が算定できないのか?」という疑問に関しては、「併設医療機関からの入所なら2日目に算定でOK」という解釈が、厚生労働省確認事項として保険者より通知されたという情報提供がされている。

同じく「安全対策体制加算」については、1入所につき1回算定というルールしか存在しないため、同月内に再入所した場合もそれぞれ算定可能とアナウンスされている。これも一部の保険者によって、厚労省に確認されていると情報提供されている。

参考にしていただければ幸いである。
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自分が死神になっていることに気づかぬ人がいる介護業界の怖さ


竹内理論による強制大量水分補給法を取り入れていた介護施設、その間違いに気づかず現在も悪魔の方法論を取り続けている介護施設によって、人権侵害を受けている人は大変な数にのぼると思う。

虐待・人権侵害と言っても良いその迷惑行為が、ほとんど表面化せずに大きな社会問題となっていない理由は、洗脳された介護事業経営者によって、密室化された介護施設の中だけで問題処理されてしまうからに他ならない。

例えば過水による疾患(高血圧の重篤化・うっ血性心不全・希釈性低ナトリウム血症等)によって命が奪われる人がいたとしても、高齢者介護施設でそのような疾患で亡くなる人は大勢いるために、強制大量水分補給法による過水が疾患原因であると特定されることはない。

竹内理論実践施設の中で、「年だから病気で死ぬのは仕方がない」とされた人の中で、いったいどれくらいの人が、本当は死ななくても良い人だったかということは、今更証明する術はない。

しかし竹内理論を妄信し、疑いなくそれを実践している人は、幾人かの死に対して自らの行為責任が問われることを自覚すべきだ。

1.500ml/日もの過剰な強制水分補給を行っている人間とは、水分摂取させられている人にとっては死神でしかないのである。

ところで2018年にTBS系列で放映されていた、「爆報ザ・フライデー」というテレビ番組で竹内理論が取り上げられ、某俳優の義父が水分を大量摂取することで認知症が改善したという内容が放映されたことがある。

その番組内容の危険性について当時の僕は、「無責任なマスコミに心を痛める〜認知症は水分摂取で治りません」という記事を書いて警告しているが、先日僕のFBでつながっている方が、僕のタイムラインに次のようなコメントを書き込んでくださった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3年くらい前だったと思います。その理論を「爆報ザ・フライデー」という番組で1日に1500mlの水を飲むだけで認知症が改善する。として放送されました。その番組他でも。
それを見て透析を実施されていた利用者さんが実践し大変な事になり結果亡くなられました。その放送の後で番組ディレクターとやり合った事があります。せめて、疾患によっては危険だと言う注意テロップだけでも入れてくれと伝えましたが全否定されました。理論は全ての人に当てはまる訳ではない!危険な場合もある!それを伝えてほしかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↑おそらくこのような悲劇が日本全国で起きているのだろう。その悲劇の先頭を走るというより、その悲劇を先導し、煽っているのが竹内理論実践施設である。

もし今も竹内理論によって、個別アセスメントを一切せずに、利用者全員に1.500ml/日もの強制水分補給を行っている施設があるとしたら、そこの従業員は殺人者・殺人ほう助者のレッテルが貼られる前に、1日も早くそのような罪深い施設を退職し、まとめな介護施設に勤め直した方が良い。(参照:竹内理論を実践し続けている施設の職員さんへ

自分が利用者にとっての死神になることを逃れる唯一の術は、そのような方法の実践者にならないことなのだということに1日でも、1分でも早く気がついて欲しい。

介護事業は対人援助であって、人の暮らしに深く介入する事業である。そうであるがゆえに、人として真摯に他者の思いやニーズに寄り添おうする姿勢がないと、援助しながら人の心を傷つけるという側面を持っている。そうしないために様々な配慮が求められるのに、竹内理論は、援助れる人の心のみならず、命をも奪いかねない誤った理論であり、その実践方法は非道極まりない方法論である。
脱水傾向の人の排せつ支援プラン
※画像は食事摂取量が少なく、脱水傾向のある人の排せつ支援計画。そのような人でもきちんとアセスメントすれば、水分補給量は1.300ml/日で十分すぎることがわかる。その理由は、水分摂取は大事だけれどで説明しているので確認してほしい。

間違った方法も、それを変えると間違っていたことを認めてしまうことになるため、それを恐れて変えようとしないことは罪に罪を重ねる結果にしかならない。勇気を持って変えるべきは、変えなければならない。

それにしてもインチキ極まりない竹内理論の深い闇から抜け出せない人がいるのはなぜだろう?おそらくそれは、竹内理論実践施設の旗振り役である施設長が、介護と医療の知識に欠けていることが一番の原因だろう。

学識に欠け知識のない人ほど、権威に弱いという証拠なのだろう。

そのような知的レベルの人間が、社会福祉法人のトップに座っていたり、特養の施設長で居続けていることが一番の問題で、この国の福祉業界の癌なのだろうと思う。
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看取り介護を通じて学ぶ介護の本質


僕は今週初めの月曜から大阪に滞在している。今日は午前と午後に豊橋と住吉で、「看取り介護講演」を行う予定になっている。

ということで先ほどお昼12時に午前中の講演を終えて、現在は住吉に移動中である。そのためじっくり記事更新している時間が取れないので、今日は短めの記事更新となる予定だ。

今日はたまたま看取り介護講演が重なっている。それだけ看取り介護は重要なテーマになっている。それは今後の地域社会では、住みなれた居所で最期の時間を過ごし、そこで看取ることが普通にならなければならないからである。

そのためには、すべての介護関係者に、「看取り介護」とはどういう介護なのかという理解が求められるし、終末期に起こり得る身体状況に対応する適切な方法論などの知識も必要になってくる。

だからこそ「自分の所属事業は看取り介護を実施していないし、今後の実施する予定はない。」として、自分に看取り介護スキルは必要ないと考えてほしくない。

何よりも理解せねばならないことは、看取り介護の知識と援助技術とは、看取り介護スキルではなく、介護スキルなのだということだ。

看取り介護を学ぶことは、介護の本質を学ぶことにもつながると思っている。人の命と向き合う思いを、好む好まざるにかかわらず強く意識せねばならない看取り介護では、人の命の尊さや儚さ、この世で結んだ縁の貴重さを知ることになるからである。そこに関わる介護関係者は、人として・専門職として何が求められるのかを問われることになる。
看取り介護講演
だからこそすべての介護関係者に、このテーマでの講演を聴いてほしい。

「看取り介護」とは、限られた時間を意識して行われる介護でもある。そこではすべてが貴重な時間で、今しかできないこと、今しなければならないことが数々出現する。そこで関係者は、刻々と変化する身体状況と精神状況に向かい合って、その時に最も必要な支援策を取捨選択をしていかねばならない。

瞬時の判断が求められる場面も多々あるが、想定外のことが起こることも当然として、臨機の判断ができるように、経験と知識をフル回転させ看取り介護対象者やその家族に接しないと、重大な後悔を残す結果になりかねない。

そうしないための日々の学びが必要なのだ。

そして看取り介護の実践は、介護専門職としての自らのスキルを磨いてくれることも知ってほしい。

僕が総合施設長を務めていた特養で、看取り介護の実践を通じて職員が実感していった思いを、当時の職員の言葉を借りて紹介しておく。
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北海道老施協日胆地区支部・職員研究発表会より
・打ち出された課題を一つ一つ改善していくためには、どんな事をしたらよいかと具体的に考える事ができるようになってきた。

・特別と思っていた援助を、当たり前の援助に変える事こそ「あきらめない介護」に繋がるという事を知った。

・家族と一緒に「その方がその方らしく生きるために何ができるか」を考えたいという気持ちが強くなり、普段からの関わりを大切にするようになってきた。

・ほんの小さな「気づき」を行動に変える力がついてきた。→一番近くで気付く人、一番近くで代弁する人としての介護職員の役割が肌で感じ取れるようになった。
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看取り介護対象者の方は、息を止めるその瞬間まで、私たちに様々な示唆を与えてくださり、そして死後にも私たちに天国からメッセージを送ってくれたりする。

その示唆やメッセージに気が付くか・その思いを受け取る事ができるかどうかは、ひとえに私たちの姿勢にかかってくるものである。
表紙画像(小)
僕の著作本にも、様々なエピソードなどを掲載しているので、一度手に取って読んでいただければ幸いである。
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BCP策定過程を事業者財産に


令和3年度からすべての介護サービス事業者に、業務継続計画(以下BCPと略す)の策定義務が課せられている。

ただしこの義務化には3年間の経過措置が設けられており、令和6年3月 31日までの間は努力義務とされている。

だからと言ってこの経過措置に胡坐をかかずに、できるだけ早くBCPを策定しておくべきだと考えている介護事業経営者は多いと思う。

何故なら感染症や災害が非常に身近になってきて、他人ごとではなくなっているからだ。

コロナ禍はその最たる例である。この騒動が一旦落ち着いてたとしても、新たな感染症が数年を経ずして出現しても何も不思議ではなくなってきている。

気候変動の影響も年々深刻さが増しているように思える。台風や豪雨、それに伴う水害といった被害も日本中どこにいても避けられないと考えざるを得ない。

そのため経営戦略上BCPは必要不可欠なものとなっており、実効性のあるBCPをできるだけ早急に策定したいと考える介護事業者では、経営コンサルなどのBCP作成にたけた専門業者(それが実際に存在するかどうかは議論があるところだが)に、その策定業務を請け負ってもらうところも出てきている。

それも一策であるが、ちょっと待てよと言いたい。

専門業者に策定を請け負ってもらえば、それなりのBCPが早期に策定されることは間違いない。お金をかけても、きちんとした計画が策定され、将来的に事業者や利用者を護ることにつながるのなら、それはかけて価値あるお金であるとする考え方も理解できる。

でもそれでよいのだろうか・・・。専門業者に丸投げして計画を策定しても、それは本当の意味での法人・事業者の財産にはならないということを考えてほしい。

BCPは感染予防マニュアルのように、よそから持ってきたものをそのまま使うようなことはできない。有事に業務を継続するためには、個々の様々な状況に対応する必要があるため、事業者の立地環境・地域事情・設備状況・利用者属性等に大きく左右される要素が強いために、必然的に事業者独自の計画策定が求められてくるからだ。

つまりBCPは、策定事業者の個別事情や背景をあぶりだすところから始まるのだ。その過程では、介護事業者に対する地域住民の認識、介護事業者に対する地域住民の真のニーズなどが明らかになってくる。(※明らかにならないとすれば、そのような状態で策定されるBCPは役に立たない

その過程では、介護事業者の経営上の課題が明らかにされるとともに、将来にわたる経営戦略につながる方向性も見えてくる可能性が高い。

それは法人・事業者財産に直結するものだ。

そもそもBCPを策定できる専門家を事業者内にきちんと創っておくことそのものが財産だ。計画策定に携わる職員が、その過程で得る専門知識はすべて、法人・事業者の経営戦略につながる知識であると考えてよい。事業者内の人材が、そのような知識や見識を得る機会を、みすみす逃しても良いのかどうかを考えてほしい。

法人内に策定責任者・策定専門家がいることで、事情に応じた計画変更も柔軟に行うことが出来るようになるが、業者に丸投げ策定したBCPは、数年の間の変化に対応できずに硬直化・形骸化する恐れだってある。

そうした諸々のことを考えるならば、経過措置を最大限に利用して、法人・事業者内にBCP担当部門と責任者を設置すべきであると思う。

ただし経過措置の最大利用とは、3年後に計画を策定すればよいとして鷹揚に構えて、ゆっくり事を進めてよいという意味ではない。最大3年という期間があるのだから、それを最大限生かして実効性の高い計画を作成するため、専門部門や責任者を一日も早く決めて、早急に計画策定に向けた取り組みを行う必要があるという意味である。

ゆっくり作業を進めるのではなく、早急に作業を進める体制を整え、じっくり検討し実効性のある計画策定とする必要があることを理解してほしい。

BCP策定に関連するセミナー等は、今後全国各地で開催されることになるはずだ。そこに担当部門職員を参加させながら、職場内でBCP策定の戦略会議を定期的に開催して、独自の計画策定に向けた準備を進めてほしい。

その過程で外部のコンサルタントに指導・助言を求めることはあってもよいと思うが、外部業者に頼り切って、丸投げ策定することだけは避けてほしいと思う。

なおBCPに記載すべき項目や研修・訓練(シミュレーション)等についての解釈通知・Q&A等の分析などを含めた、「報酬改定と基準改正の全体像〜各サービス共通部分」を、6月10日(木)19時からUCHIDAビジネスIT オンラインセミナーNo2で配信する予定になっている。
無題
張り付いた文字リンク先から申し込めば、どなたでも無料で視聴できる。ちなみに27日(木)19時からの第1回配信は、LIFE(科学的介護情報システム)についての解説である。こちらもまだ申し込み可能である。

興味のある方は、リンク先を是非参照していただきたい。
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利用者と家族をつなぐカメラ設置を拒む施設


僕が過去に何度か講演で足を運んだことがある関東の某市にある、「介護付き有料老人ホーム」について、そこに親を入所させて数カ月過ぎたという人から相談を受けた。

入所されたのは相談者の母親で、脳梗塞後遺症で重介護が必要な状態で、在宅介護の限界点に達してホーム入所に至ったとのことである。以下がその相談内容をまとめたものである。
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コロナ禍で面会禁止のために、相談者が見守りカメラを部屋(個室)に設置し、いつでも母親と会話ができるようにし、コミュニケーションを取っているので脳の刺激にはとても有効だと感じていた。ところが、カメラがあると仕事がしづらいというスタッフがいるということで、カメラに映ることが嫌な人は電源をオフにさせてもらいますとの連絡があり、実際にカメラの電源が切られていることが多くなった。

カメラは職員を監視する目的ではなく、母親とコミュニケーションを取ることや、自分で身動きのできない母親の状態を確認する目的なので、電源を切らないようにしてほしいと何度も施設長に要望しているが、遅々として改善が見られず、施設長は、家族の要望をスタッフの介護に反映させるのではなく、スタッフ側の働きやすさと、「やるべきことはやっています」、と言うスタッフの言葉を信じて弁護するスタンスである。カメラを切るスタッフの数も増えるなど不信感が募っている。

不安はさらにあって、録画された画像を見ると、入所の際説明してくれた介護内容が実施されていないようである。具体的には夜の体位交換に来ない、朝起こしてすぐ車イスに移動させ放置される、不自由な右側を下に横向きに寝させたままずっと放置される。生活リハビリも全く行われておらず、中には相談者の母親を物のように扱うスタッフがいる。
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相談内容は概ね以上である。

過去に僕は、「心の中に自らを写すカメラを持っていよう」・「隠し撮りカメラを恐れないケアづくり」などの記事を書いて、そこでは隠し撮りカメラを設置したいと家族が思うのは当然であり、それを恐れたり、そう考えることは自分たちを信用しないことだと憤るのではなく、「さもあらん」とそのような気持ちを理解しなければならないし、むしろ自分の心の中に、自分を映すカメラを自ら持って、自分の毎日の仕事ぶりを心のカメラで振り返って、誰からも後ろ指を指されないような自分を作り上げるべきだと主張している。

しかし今回相談を受けているのは、そのような隠し撮りカメラではなく、コロナ禍で家族と面会できない施設利用者がコミュニケーションを交わすためのICTである。

カメラを設置していることも、設置場所もわかっているのだから、職員側の肖像権を侵害するということにもならないと思う。

そもそも有料老人ホームの居室という利用者自身のプライベート空間に、家族が情報通信機器を設置して利用することを、施設側の事情で一方的に拒むことはとんでもないことではないだろうか。職員側が仕事しづらいなどという理由でスイッチを勝手に切ることなど許されないことと思う。

さすればカメラを拒む理由は、カメラに写ってはまずい老人ホーム側の事情があるのだと思え、それは録画確認されたように、必要な介護を行っていない状態や、不適切介護と思しき状態があるということだとしか思えない。

そう考えるとこの有料老人ホームは、極めてブラックに近いホームと言わざるを得ない。

相談者には、録画された内容に関して感じた疑問(適切な介護を行っていないのではないか)を施設長に直接確認するとともに、コミュニケーションのために個室に家族が設置するICTを、職員が勝手に触れて操作するのは不適切で、電源を切って姿を見えなくするのは人権侵害にもあたるのではないかと抗議するとともに、このような施設からは退所して、別な施設を探すことも考慮したほうが良いとアドバイスした。

家族と利用者をつなぐコミュニケーションツールがそこにあるからと言って、自分がすべき介護という仕事がやりづらいと考える人物はろくなものではない。

むしろそこにカメラが設置されていることがわかっているのだから、画面の向こうの家族に向けて、今自分が行っている介護支援の方法などを、丁寧に説明しながらサービス提供するのが、対人援助のプロとしての本来の姿ではないのだろうか・・・。

そうしたことが自然にできる対人援助のプロフェッショナルを目指してほしい。
5/24登別の散り始めた桜の絨毯
※5/23通知で早朝の登別の桜は、散り始めた木が多く、桜並木の下は至る所に桜の絨毯が敷かれています。
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目に見える改革の成果


いくつかの介護事業者に顧問やコンサルタント・外部講師として関わっている。

関わり方は個々の契約事項なので様々な形だが、その中には既に5年以上にわたって関係を持ち、定期的に訪問している介護施設もある。

職員の虐待が明らかになったことがある介護施設では、それ以前から当時の施設長の独善的な方針と態度によって、やる気を失った職員に不平・不満が広がっていた経緯もあり、一時期職員の退職者が大幅に増え、それに対して欠員補充もままならずに、慢性的に職員不足・業務過多という状況が続いていた。そのため、ますます働くずらい職場・従業員が集まりにくい職場になっていた。

こういう職場は職員募集の方法を工夫して、応募者が増えるようになっても職員が充足することにはならない。採用する職員が増えたとしても、定着せず短期間に辞めてしまう人数が増えるだけの結果にしかならないからだ。

この施設の場合、経営者である理事長が覚悟を決めて、当時の施設長をはじめとした管理職等を大幅に刷新したうえで、僕をはじめとして幾人かの外部の専門家とアドバイザー契約をして、経営刷新・現場改革に取り組んだ。

この時点でお金と時間を掛けて改革に取り組む覚悟を持った理事長の英断がこの施設を大きく変えていくことになったのである。

人が少ないからそれ以上の人員減少がないように、辞めるのを恐れて十分な教育上の注意・指導ができなくなっていた風潮を改め、スタッフ教育も一からやり直して、法人としての方針を明確にしたうえで、それに従うことができない従業員は辞めていただいても良いという方針を取った。

加えて介護施設のケアサービスの本質は、利用者の暮らしを豊かにするものであるとの理念を実現するために、介護マニュアルの見直しから始まり、スタッフ間の業務分掌の明確化、コミュニケーションの改革、サービスマナーの確立などの課題解決に心を折ることなく取り組んできた。

その後紆余曲折があり、その途中では指定ベッド数の補充率が一時7割を切り、ショートステイも一時休止せざるを得ないという厳しい経営状態に陥る時期を経てきたが、改革をあきらめずに続けてきた。

その成果は職員の充足率の改善に直結している。

昨年度1年間で介護スタッフの退職者は、「寿退職1名」のみで、補充採用も既に終えており、出産育児休業者が数名いるものの、その人たちも復職意思が強くあり、新年度の求職者には、「次の募集があるまで応募をお待ちください」というアナウンスができるようになった。

勿論、ベッド稼働率は入院者を除いて100%である。何より異なるのは、職員のモチベーションである。今いる職員の半数以上は、虐待事件が起きた当時の施設を知らない人であるが、彼ら・彼女らの表情は豊かで、笑顔も多く見られている。

上司の呼びかけに返事も返すことなく、殺伐とした空気の中で、いくつもの小さな仲良し集団に分かれて、他のグループとはまともな会話も交わさずに、業務が流れ作業のように行われていた当時とは同じ施設とは思えない雰囲気である。

この施設では今でも年1回だけ、「サービスマナー研修」を担当させてもらっているが、それも確認するというレベルでしかなくなった。職員間にはマナー意識が確立され、新人職員も先輩の態度や言葉遣いを見て・聴いて、正しい対応方法を覚えている。20代の若い職員が利用者に対して、「かしこまりました」と普通に応えている姿は頼もしく見える。

毎月マナー研修を行って、それでもなかなか成果が出なかった時期を思い出すと、それは隔世の感がある。

しかしここまで来るのには、約5年間という月日を要しているのだ。良い方向に流れるようになったことを実感できるようになったのも、改革を実行して1年半を過ぎたころからであったように記憶している。

この間、僕は何人のスタッフに、「介護の仕事に向いていないんじゃないの」・「その考え方では、ここで働き続けるのは難しいのではないですか」と肩たたきをしたことだろう・・・それだけ一旦荒れた職場を元に戻し、それ以上に引き上げていくには時間とエネルギーが必要になるということだ。

だから今、健全な状態の職場であればあるほど、その状態を保つための検証とメンテナンスは欠かせないと考えなければならない。マンネリズムは転落の大きな落とし穴になるし、言葉や態度のちょっとした乱れが、大きな感覚麻痺を生むので、「介護サービスの割れ窓理論」は常に意識の内に置いておかねばならない。

健全な状態を保つことは、今のままに留まっていることでは実現しない。健全なる職場環境とは、改良を常に続けていくことでしか保持しえないことを思い知らねばならない。
5/22鷲別川沿いの八重桜
※画像は、今朝5/22午前7時頃の鷲別川沿い(自宅横)の八重桜です。
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認知症の人を試さないでください


訪問介護員が、認知症の方のお宅を訪問するに際してあいさつ代わりに、「私のことわかりますか」・「覚えていますか」と尋ねている姿を時折見かけたりする。

介護施設等でも、介護職員がそのような声掛けをする場面にしばしば出くわすことがある。

しかしこれは極めて不適切な声掛けである。

なぜなら認知症の人の記憶種害は本人の責任ではないからだ。認知症の人が親身に世話をする家族や、介護支援サービスを提供する頼りになる介護職員の顔や名前を覚えられないのは、認知症という症状の中核症状なのである。

記憶の障害は、認知症の人自身の能力とか、性格とか努力といった問題とは何も関係ない問題なのに、認知症の人の記憶力を確かめてどうしようというのだろう。

そもそも認知症の人が、毎日世話をしてくれる介護職員の顔がわからなくなったり、覚えていないのは、忘れてしまうからではなく、記憶にならないからである。

アルツハイマー型認知症の人の脳の画像診断では、ほとんどの人の海馬周辺に血流障害が生ずることがわかっている。そのため海馬が機能不全に陥っているのだ。

海馬(かいば)とは、見たり聞いたりしたことをいったんここに貯めて、記憶として信号を送り出す器官である。その機能が不全状態になっているということは、新しく見たり聞いたりしたことを記憶として脳内に残せないということだ。この部分に現代医学は手が届いていない。予防も治療も不可能な部分なのである。

よって認知症のために記憶を保持できない人に対して、自分の顔を忘れないでいてくれと望むのは、「ないものねだり」でしかないのである。

私のことわかりますか」・「覚えていますか」と尋ねる人は、そのことで一体何を期待しているのだろう。認知症の症状程度も様々だから、介護職員の顔を覚えている人もいる。だからと言ってそれを確認してよいことが何かあるのだろうか?

むしろ確認されても、介護職員の顔や名前を記憶できない認知症の人にとってそれはデメリットにしかならない。

新しい記憶を保持できない認知症の人はそのとき、「知らない人がいったい何を言っているのか」・「誰かわからない人が、気安く人を馬鹿にしたような声をかけてくる」・「いったい何を言っているんだ。怪しいぞ。」という気持ちにしかならない。

だからそのような声掛けは、気分を害して混乱を生じさせ、行動・心理症状(BPSD)につながるきっかけを作ってしまうことになる恐れがあるのだ。

認知症の人を試すような声掛けは、忘れてしまったことをなじるようなものだ。勿論、本人は忘れた自覚もないので、場合によってはそれは馬鹿にした言葉にしか思えなくなるのは前述したとおりだ。

僕が総合施設長を務めていた特養や通所介護では、こうした声掛けは決して行わないように指導していた。

しかし職場でそんなルールを決めなくとも、認知症とはどういう症状なのか、記憶障害とはどのように生ずるのかという基本を理解して、認知症の人の記憶を確かめようとすることの無駄と、デメリットに気づく人になってほしいと思う。そのために、「日々の学び」は必要不可欠である。

福沢諭吉の残した言葉に、「学べばすすむ」という言葉があるが、人という存在は、「学ばねば進まない」のではなく、「学ばねば後退する」ものなのだ。介護のプロである以上それは許されないことだ。

認知症の基礎知識をしっかり身に着けて、そこに人に対する興味と、人に寄せる人間愛というエッセンスを十分に盛り込んで、温かな手を専門知識の上に乗せて差し伸べてほしい。
5/21室蘭市高砂町の八重桜並木
今、登別では八重桜が満開の花を咲かせ、一部の木はその花びらを散らし、桜並木には、咲き誇る花の下に桜の絨毯が伸びている。(※画像は登別市美園町の、今朝7時頃の桜並木

認知症の人は、この桜並木を見て美しいと思うことができるが、その美しいと感じた記憶を保持できない人が多い。しかし記憶は保持できなくとも、そこでその瞬間に美しく咲き誇る桜を見て感動することには意味がある。

嬉しい・楽しいという感情の記憶は、海馬を通さず小脳に残るので、人の顔や名前を記憶できない人も、嬉しかった、楽しかった、辛かったという記憶は残り、積み重なっていくからである。

だからこそ・・・どうぞ認知症に人を試す人にならないでください。そして・・・どうぞ認知症が、その瞬間瞬間を豊かに過ごすことができるように、その人と共に歩む人になってください。
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個別機能訓練計画書に関する誤解


3/26付で発出されている、令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.3)の問62では次のような疑義解釈が示されている。
-----------------------------------------------
問 62 :令和3年3月サービス提供分までの個別機能訓練加算()や個別機能訓練加算()を算定している利用者についても、個別機能訓練加算()イ又はロを算定するにあたり、再度、利用者の居宅での生活状況の確認等を行い、多職種協働で個別機能訓練計画を作成する必要があるのか。

回答:令和3年3月サービス提供分までの個別機能訓練加算()や個別機能訓練加算()と個別機能訓練加算()イ又はロでは、加算創設の目的が異なることから、令和3年3月サービス提供分までの個別機能訓練加算()や個別機能訓練加算()を算定していた利用者については、個別機能訓練加算()イ又はロが目的とする「生活機能の維持・向上を図り、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けること」を達成するため、「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月16日老認発0316第3号・老老発 0316 第2号厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課長、老人保健課長連名通知)を参照し、個別機能訓練計画の見直しを行う必要がある。なお、見直しにあたっては、令和3年3月サービス提供分までの個別機能訓練加算()や個別機能訓練加算()算定時のモニタリング等により、直近の利用者の居宅での生活状況が把握できている場合は、必ずしも利用者の居宅を訪問する必要はない
------------------------------------------------
このように新加算機淵ぁ法Α淵蹇砲鮖残蠅垢襪砲△燭辰討蓮∩翰用者の通所介護計画の見直しを求めているが、見直すとは、「もう一度改めて見る。また、その結果気づいた欠点を是正する。」という意味であり、見直し=変更・再作成を意味していない。

よって見直した結果、前年度の計画をそのまま変更する必要はないと判断した利用者の通所介護計画は、そのまま引き継いで変更していないケースがあっても良いと解釈できると思う。

しかし加算算定に関連する問題であることと、国の個別機能訓練計画書が新たな様式に変更されていることを考え合わせて、後々変な解釈をされて報酬返還という事態が生じないように、新年度になる前に全利用者の通所介護計画を新様式で再作成した通所介護事業所は多いことだろう。

僕がコンサル等で関わっている通所介護事業所についても、全利用者の通所介護計画を3月中に新様式で再作成している。

3月に再作成しなくて良い計画とは、3月中に短期目標期間が切れずに、かつ内容の変更の必要がない個別機能訓練計画書であるが、それとて短期目標期間は3月なのだから、4月もしくは5月に再作成しなければならなくなるので、運営指導担当行政職に変な突っ込みを入れられないように、すべての計画書を3月で一旦リセットしたという意味だ。おかげでその再作成のお手伝いに膨大な時間を費やした。

それはともかく、新しい様式で計画作成している事業所で、訓練目標を「機能」・「活動」・「参加」の3つに分けて、そのすべての目標設定が必要になると勘違いしている人が多い。

これはおそらく新様式の記載例が、3つのすべての項目を埋めた内容になっていることが原因であろう。しかしそれはそれぞれの項目について具体的にどのように目標設定するかを示すためでしかなく、加算算定要件では目標さえ設定しておれば、項目は一つでもよいのである。

また新年度からの個別機能訓練加算兇魏短擦垢詬弖錣箸靴董LIFEへの情報提出が求められ、【「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月 16 日老振発 0316 第3号、老老発 0316 第2号)別紙様式3−3(個別機能訓練計画書)にある「評価日」、「職種」、「ADL」、「IADL」及び「起居動作」並びに別紙様式3にある「作成日」、「前回作成日」、「初回作成日」、「障害高齢者の日常生活自立度又は認知症高齢者の日常生活自立度」、「健康状態・経過(病名及び合併疾患・コントロール状態に限る。)」、「個別機能訓練の目標」及び「個別機能訓練項目(プログラム内容、留意点、頻度及び時間に限る。)」の各項目に係る情報をすべて提出すること。」】とされていることから、報告するべき個別機能訓練の目標について、様式例の「機能」・「活動」・「参加」の3つすべてを埋めなければならないと誤認してしまう人がいるのかもしれない。

しかし通所介護の解釈通知(老企36号)で個別機能訓練計画の目標規定をピックアップすると以下のようになる。
---------------------------------------------------
・機能訓練指導員等が共同して、利用者ごとにその目標、目標を踏まえた訓練項目、訓練実施時間、訓練実施回数等を内容とする個別機能訓練計画を作成する
・個別機能訓練目標の設定にあたっては、機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問した上で利用者の居宅での生活状況(起居動作、ADL、IADL等の状況)を確認し、その結果や利用者又は家族の意向及び介護支援専門員等の意見も踏まえつつ行うこと。その際、当該利用者の意欲の向上につながるよう長期目標・短期目標のように段階的な目標とするなど可能な限り具体的かつ分かりやすい目標とすること
・単に身体機能の向上を目指すことのみを目標とするのではなく、日常生活における生活機能の維持・向上を目指すことを含めた目標とすること。
---------------------------------------------------
↑このように目標の項目を複数にしなければならないという規定はないのである。複数設定しなければならないのは、「個別機能訓練項目の設定にあたっては、利用者の生活機能の向上に資するよう複数の種類の機能訓練の項目を準備し」とされているように、「機能訓練の項目=訓練メニュー」なのである。

報酬改定に関する講演では、このことに関する質問が多くなっており、そこでルールを誤解している人が多いことも分かったので、次のようなスライドも新たに作成している。
別紙様式3-3個別機能訓練計画書
LIFEへの情報提出に必要な項目である、「別紙様式3−3(個別機能訓練計画書)にある個別機能訓練の目標」についても、機能・活動・参加の3つの目標項目についてすべてを設定する必要はなく、少なくともその一つを設定するという意味なのだ。一つの目標項目設定でも加算要件はクリアできるし、LIFEの情報提出エラーが出ることもないのである。

これは特定施設や特養の個別機能訓練加算でも同様のことが言える。

勘違いしている人は、この部分の認識を改めて、すべての項目の目標を埋めるために、頭を悩ませて無駄な仕事を増やさないようにしてほしい。

なお今日はもう一つのブログ、masaの徒然草に、「竹内理論を実践し続けている施設の職員さんへ」という記事を書いて更新アップしている。そちらも参照願いたい。
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途次(みちすがら)


札幌コンベンションセンターは、収容人員が2,500名の大ホールをはじめ、特別会議場、中ホール、小ホールや15の会議室など合計最大収容人員が5,625人という道内最大のイベント会場である。
札幌コンベンションセンター
開館は2003年6月1日〜であるが、僕はその年に同会場で開催された日本医師会の研修(なんという研修だったかは忘れた)で初めて同会場で講演を行った。

それ以来様々な団体から依頼を受けて、数年おきに講演を行う機会をいただいている。

今日もブティックス(株)主催・CareTEX札幌'21の中で、「介護事業の明暗を分けるサービスマナー〜介護業界にはびこる誤解とリスク」というテーマで講演を行うために、今同会場に向かっている最中だ。設備の整った大きな会場で講演を行う機会をいただくのは非常に光栄である。

北海道もコロナ禍第5波(?)の影響で、昨週末から緊急事態宣言が発令されて、公共の施設の閉鎖などが行われているが、このイベントは予定通り昨日から行われている。会場に人を集めての講演であるが、事前に予約した人のみが参加できる講演会で、感染予防対策も十分とられているそうである。

僕の自宅から札幌コンベンションセンターに向かう方法としては、JRか高速バスで札幌駅もしくは札幌大通りバス停に降りて、そこから地下鉄で行く方法もあるが、時間帯を考えると道もすいているだろうし、入場人数制限のある講演会だから、会場の駐車場にも十分空きがあると思うので、今日は自家用車で向かうことにした。

高速道路を使えば、僕の自宅から会場までは1時間半くらいで着くはずだが、今日の講演開始時間は午後2時からということで時間に余裕があるので、一般道を通って向かうことにした。それでも2時間半くらいで到着するはずだが、途中で寄りたい場所があり、もう少し時間はかかる予定と思い、朝9時半に自宅を出発した。

寄りたい場所というのは恵庭市の、「おとん食堂」だ。
おとん食堂
もともとは僕の実家のあった岩見沢市の隣町、栗沢町万字炭山にあったお店である。「醤油屋」と称するほどの醤油ラーメンの名店である。
萬字ラーメン
このお店の売りは、昔ながらのあっさり醤油味の、「小鳩ラーメン」だが、僕の好みは画像の、「萬字ラーメン」である。小鳩ラーメンより濃い味だが、決してしょっぱくなく深くてコクがある味わいである。なおかつスープを飲み干すことができるほど、まろやかなおいしさの醤油ラーメンだ。万字炭山の労働者が愛したラーメンで、バラとロースの2種類の分厚いチャーシューが乗っかっているのも良い感じだ。・・・相変わらずうまかった。

ということで今、そのラーメンを食い終え、近くの駐車場で一休みしながら、この記事をアップしている。これから直接札幌コンベンションセンターに向かって講演を行うことになる。

今日の講演時間は60分。サービスマナーがテーマなので、重点内容をぎゅっとまとめた講演になる。

サービスマナー意識が浸透した職場では、ごく自然に利用者サービスにおけるホスピタリティ意識が高まる。そういう職場では、昨日の記事で紹介した、竹内理論による洗脳虐待介護がはびこる芽も摘むことができるようになる。

逆に言えば、竹内理論に洗脳された強制水分補給と、まやかしのおむつゼロ実践施設が多数あったという事実は、それだけ介護事業者に利用者に対するサービスマナー意識の浸透がされていなかったという証拠でもある。

過去の負の歴史を繰り返さないためにも、できるだけ多くの介護関係者の方にサービスマナーを定期的に学んでいただいて、その意識を浸透させる介護事業を作り上げていただきたいと思う。

それでは後程、会場でお愛する皆様、今日はよろしくお願いします。
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全否定されたおむつゼロ運動と罪悪の歴史


介護保険の理念の一つは、「自立支援」である。しかしもう一つ忘れてはならない理念があり、それは「暮らしの質の向上」である。

過去の制度改正や報酬改定では前者が前面に出されて、後者についてはほとんど脚光を浴びてこなかった。しかし今年度の報酬改定では、その部分に新しい光が当たっている。そのことに気が付いている方はどれほどいるだろうか・・・。

例えば特定施設入居者生活介護と、介護福祉施設・介護保健施設・介護医療院のサービス提供強化加算に、「質の向上に資する取組を実施していること」という算定要件(厚生労働大臣が定める基準)が追加されている。

このことについて解釈通知では、その具体例としてLIFEを活用したPDCAサイクルの構築と、ICTやテクノロジーの活用のほか、ケアサービス面では次の内容を挙げている。

・ケアに当たり、居室の定員が2以上である場合、原則としてポータブルトイレを使用しない方針を立てて取組を行っていること。実施に当たっては、当該取組の意義・目的を職員に周知するとともに、適時のフォローアップや職員間の意見交換等により、当該取組の意義・目的に則ったケアの実現に向けて継続的に取り組むものでなければならない。

さらに施設サービスに新設された、「自立支援促進加算」の算定要件の中には、「排せつは、入所者ごとの排せつリズムを考慮しつつ、プライバシーに配慮したトイレを使用することとし、特に多床室においては、ポータブルトイレの使用を前提とした支援計画を策定してはならない」という規定も盛り込んだ。

このように多床室でのポータブルトイレ使用は、生活の質を低下させる要素であるとして、そうした使用実態をなくしていく方向性が示されているわけだ。

施設サービスにおいて自排泄自立のアウトカム評価を行う、「排せつ支援加算教擇哭掘廚砲弔い討癲△修離▲Ε肇ム評価基準の中で、「リハビリパンツや尿失禁パッド等の使用は、おむつの使用に該当する」として、おむつ外しの評価としてリハビリパンツや失禁パットの代用を認めないこととしたうえで、「排せつ支援加算()又は()の算定要件について、おむつの使用がなくなった場合に、排せつ状態の改善と評価するものであり、おむつの使用が終日から夜間のみになったとしても、算定要件を満たすものではない」として、日中のみのおむつ外しを評価しないとされた。

ここで思い出すのは、かつて全国老施協が推奨していた、「おむつゼロ運動」である。

竹内理論という、「とんでも理論」を拠り所に、利用者に対する1.500ml/日以上もの大量強制水分摂取を前提にして、排せつ支援や方法の質は問わずに、おむつを外すことだけを目的化して目標を達成していた施設を表彰までしていた。

しかしその実態は、おむつを使用しないのは日中(概ね日勤時間帯)のみであり、夜はおむつの使用ありで、しかも日勤時間帯のおむつゼロと言っても、紙パットの使用とそこへの排泄は有りとされていた。つまり利用者全員がトイレで排泄できているわけでもない、「まやかしのおむつゼロ」が表彰されていたわけである。

しかもそこでは多床室のポータブルトイレでの排せつはごく当たり前に行われ、お尻が痛くなるまで、ずっとポータブルトイレに座り続けさせられる放置さえ行われていたという実態がある。そういった虐待まがいの方法の結果に表彰状が与えられていたのだ。それは、「恥の表彰状」でしかない。(参照:カルト宗教と同じようにはびこる洗脳ケア

そのことを痛烈に批判し続けていた僕に対し、当時の老施協関係者は、いずれ歴史がどちらが正しいかを証明するとうそぶき、あたかも僕の正論が時代遅れの理論であるかのように見下していた。

しかし歴史は何を証明したというのだろう。

悪魔の所業・諸悪の権化ともいえる竹内理論と、全国老施協は縁を切り、竹内孝仁とも袂を分かち、その方法論で全国の介護施設職員を洗脳していた全国老施協主催の、「介護力向上講習」はなくなっているではないか。(※今残っている、「介護力向上講習」は、洗脳されたままの一部の県老施協主催のもののみ。)
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画像は、竹内理論と介護力向上講習を否定し、正しい水分摂取法と排泄ケアの方法をレクチャーした、「支援という支配」講演会場で、その内容を含めた自署本販売コーナーの画像。)

一方で僕が地道に講演会などで主張してきた、「水分摂取は大事だけれど」で示している方法で、1日に必要な水分摂取量を導き出す施設が増えている。そこでは水分の過剰摂取による内臓疾患が生ずることもなく、脱水を防いで意識レベルが低下しないで元気に暮らす高齢者の姿がある。

どちらが利用者にとっての暮らしの質につながっているのかという部分では、すでに勝負はついている。しかしこんな形の勝ち負けは本来必要なかったはずだ。被害者の屍(しかばね)が累々と積み重なった末の、「介護の歴史」なんて何の意味もないし、あってはならないものである。

何年もの間に、強制水分摂取の被害に泣いてきた多くの介護施設利用者がいて、日中のみの、「まやかしのおむつ外し」のために、たくさんの要介護高齢者の人権が無視され、苦しい・助けてという声が無視されて続けてきた歴史をつくった責任は、いったい誰がとるのだろうか・・・。

おむつゼロという目標を達するためだけに、利用者の方々の暮らしの質を無視して行われた悪魔の所業・・・そうした行為に泣いてきた人の心の傷と体の痛みは、決して消し去ることがないのである・・・。

スローガンに踊らされて利用者の意志や表情が無視される、「介護の方法論」ほど恐ろしいものはないことを、介護関係者は心に刻まねばならない。

我々はその歴史を二度と繰り返してはならないのである。
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