masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

弱音を吐くことができるように寄り添う役割

僕は今、旭川駅で札幌行きの特急列車待ちをしている。昨日、美瑛町での講演を終えた後、同町に泊まって今朝、旭川と札幌を経由して登別に帰る予定だ。

昨晩はネットでお店を探して一人呑みしたが、これが大正解のお店だった。そこで食べたものは、「masaの血と骨と肉〜待つか別れぃ、るか悩んでいます。」で紹介しているので、ぜひ参照してほしい。

ということでこのブログ記事は、旭川駅構内の待合室でアイホンから更新アップしており、徒然に思いつくままのことを文字にしたい。さて・・・。

あくまで僕の私見であるが、相談援助職とは話を聴く専門家であると思っている。

相談者の悩みを解決する、「答」を示すのが相談援助職の仕事ではない。相談者の悩み事・困りごとに耳を傾け、相談者が抱く感情をも引き出せるように傾聴し、その感情に寄り添って答えを探す伴走者となることが相談援助職の役割である。

悩み事や困りごとを持つ人は、えてして悩んだり困ったりする自分を、「弱い心の持ち主」だと責め、そうした弱い気持ちを誰にも察せられたくはないという気持ちを深層心理の中で抱えている人が多い。

そうした人に言えないこと、人に知られたくない弱い部分を引き出すことができないと、相談援助は失敗に終わることが多い。
相談援助の専門職
高齢者の方々の中には、心身の衰えから手助けが必要な状態となっても、「私は大丈夫、何でも自分でやれるから」という強い意思を持っている人が少なくない。

だがそういう人であっても身体がその意思について行かないこともある。そうであっても他人に世話になって迷惑をかけたくないと考え、そうであるがゆえに他人に対してギスギスした態度で接してしまう人がいる。

そのような人には、「困って当然なんですよ」・「今までよく頑張りましたね」・「泣いたって恥ずかしくないんです」といった気持ちを、言葉と態度で表現して共感することが大事だ。

相談者が弱音を吐いても良いのだと思われるようにするのが相談援助職の務めである。

特に日本人は困りごとがあっても、「語らないのが美徳」とか、「ここが我慢のしどころ」といった精神文化に阻まれて、本音を伝えられない特徴を持っている。

そうであるがゆえに、本音を引き出すように寄り添う視点が、相談援助者に求められるのだ。

そのことを決して忘れないように心がけている。それが僕自身のモットーである。
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相談者の本音を語ってもらって、それを物語にして、奉納するという手順こそが、苦難を人生の糧にする唯一の方法と言えるのではないだろうか。

弱音や慟哭は、胸の奥深くに仕舞い込まずに、吐き出すべきものだと思う。胸の中に仕舞い込んでしまえば澱んでしまうので、外に排出して浄化させる必要があるのだろうと思うのだ。

丘の街より

このブログ記事は平日は毎日更新しているが、更新時間は概ねお昼12時過ぎである。だが今日はいつもより1時間以上速い時間帯の記事更新となっている・・・それには事情がある。

今日午後1時半から美瑛町社会福祉協議会で看取り介護講演を予定しているため現在移動中である。

JR移動であるが、僕の自宅がある登別市〜美瑛町までは乗り換えが2回必要だ。

今朝の起点は7:08東室蘭駅発で札幌着が8:38。札幌9:00発〜旭川10:25着。旭川10:39発〜美瑛11:13着の予定である。
美瑛講演への移動
このようにJR美瑛駅には昼前に到着できる。だが到着後は会場で動作確認するなど講演開始まで予定が入っており、記事更新する時間が取れない。その為、旭川発の普通列車内で美瑛駅到着前にアイホンを使って記事更新アップしているのである。

今日講演を行う美瑛町は、「美しき丘のまち美瑛町で話すこと」で紹介した通り、風光明媚な観光地でもある。

とはいっても僕は仕事で訪れているので、その景色を愉しむ時間もほとんどないと思う。

だから旭川から美瑛に向かう車窓から見える景色を愉しみつつ、流れる景色の合間にアイホン画面を操作していたところである。

今日の講演は、「すべての介護関係者に求められる看取り介護スキル〜命と向き合う介護実践〜」をテーマにした120分講演であるが、質疑応答を併せても16時前には終了する。

その為、無理をすれば日帰りも可能と思えたが、それだと自宅に着くのは夜10時近くになる。それは億劫だし、せっかくの美瑛講演だから駅近くのホテルに宿泊することにしている。青い池などの有名な観光場所には行けないが、そのかわりJR美瑛駅近くの街を散策しようと思う。

夜は居酒屋さんを探して一人呑みしていることと思う。

ということでもうすぐ美瑛到着である。今日も理想論を一切除外した、看取り介護の実践論を伝えたい。会場で受講者の方にお愛できるのが愉しみである。

美しい美瑛の景色満載の動画、「LOVE〜明日につなぐ介護・美瑛編」もぜひ視聴いただきたい。

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グループホーム配置基準緩和の賛否

社保審・介護給付費分科会で行われている2027年度の介護報酬改定と基準改正の議論については、いよいよ各サービス別の2巡目の論点整理に入った。(※資料)

そのため10/9には、定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護について改定の方向性が議論された。

全サービスに渡って言えることではあるが、最大の論点は人材対策。解決の見込みが立たない人材不足にどのように対応していくかが焦点となる。

例えば認知症対応型共同生活介護(※以下、GHと略)については、配置基準の緩和が議論の俎上に上っている。

GHの夜間の人員配置基準は、1ユニットごとに1名の夜勤職員配置が原則であるが、2021年度改定で、3ユニットが同一階に隣接し、円滑な状態の把握と迅速な対応が可能な構造で、マニュアルの策定や訓練の実施といった安全対策を講じている場合に限り、「職員2人以上」の体制を認めた経緯がある。

今回はこの3ユニットの夜勤配置基準をさらに緩和し、見守り機器などを活用して継続的に状態を把握しつつ、迅速に対応できる体制を確保することを要件として、次の形態の3ユニットGHの夜勤職員についても2名配置を認めようというものだ。
● 同一階で隣接する2ユニットと別階の1ユニットを一体的に運営する場合
● 同一階で隣接していない3ユニットの場合

現行3名で夜勤を行ってるGH職員からすれば、実際に利用者ケアをしてくれるわけではない見守り機器などを設置しても、夜勤職員が一人減らされることに対しては不安と不満を持たざるを得ないだろう。

しかし生産年齢人口の減少が止まらず、全産業で労働力不足が進行している現状を考えると、GHの介護職員も今以上に減少することが予測され、それに対応するために、夜勤配置職員を減らして日勤者を減らさないようにする対策は必要不可欠だろうと思う。

特養(広域型)の夜勤配置は概ね利用者25名に対して一人の配置である。それと比べると3ユニットGHの緩和夜勤配置は、利用者13.5人に対し一人であるのだから恵まれた配置と言えるのかもしれない。

ということでこの配置緩和はそのまま認められる可能性が高いと思うし、それに対して特段の反対意見はない。
GHケアマネジャーの配置基準緩和案
しかし同時に論じられている介護支援専門員(※以下、ケアマネと略)の配置基準緩和については首をかしげる部分がある。

現在1事業所にケアマネ1名以上配置が基準となっている。(※各ユニットごとに計画担当者は必要とされるが、2ユニットで計画担当者2名配置のうち、ケアマネ有資格者は1名で良いという基準)

この基準について、経営状況が厳しい1ユニットの事業所を対象に配置基準緩和する考え方が示されており、ケアマネジャーが複数の事業所を兼務できるようにしたり、居宅介護支援事業所と連携体制をとれるようにしたりすることを俎上に載せることになった。

この背景にはケアマネの人材不足があって、採算性が低い1ユニットのGHでは人件費にかける財源も少ないこともあって、ケアマネ待遇も飛びぬけて良くはできない事情もあって、その採用のハードルが高いという事情もあるだろう。

しかしケアマネが複数事業所の業務を兼務するとなると、業務負担は増えるわけで、ケアマネが加重労働で心身に負担を生じて、それが原因でケアマネの成り手も減ってしまうのではないかという懸念も増すわけである。

さらに居宅介護支援事業所と連携体制というが、居宅ケアマネは現在でも多忙な業務をこなしているわけであり、これ以上の業務負担となる。

それにGHのケアプランは、サービスのスケジュール調整が主となる居宅介護支援とは異なって、利用者の暮らしに沿った個別処遇計画である。それは当該GHの日課やケアレベル・シフト状況などを熟知しないとプランニングできないものであり、外部のケアマネが立案するハードルはかなり高い。

そう考えると居宅支援事業所のケアマネが現行の業務に加えて、GHの計画作成支援に手が回るかと考えると、これは現実的ではないように思える。

そもそもGH利用者のケアプランを、自前で作れなくなる体制が良いのかという当然の疑問が生ずる。むしろ1ユニット事業所の経営が厳しいというのなら、事業規模の拡大が差し迫っているという方向で議論すべきであって、今後のGHは特定地域を除いて2ユニット以上の規模でしか指定認可しないとすべきではないのか・・・。

というわけでケアマネの配置基準緩和の提案は問題が多く、ケアマネ不足を助長しかねないやぶへび案ではないかと考えざるを得ない。

このブログ読者の皆さんは、どうお考えだろうか・・・。

なお今日午後2時から第270回社会保障審議会介護給付費分科会が行われるが、議論されるサービス種別は、通所介護、認知症対応型通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護となっている。

その議論については、来週更新のこのブログで触れることになるだろう。
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利用者をおもちゃにする感覚麻痺

家庭的で親しみやすい雰囲気のホームです・・・この言葉が、どれほど介護事業に携わる人間たちを惑わし、勘違いさせているのだろうかと思うことがしばしばある。

顧客に対して家族でもない介護職員が、遠慮ないタメ口で話しかける態度は、親しみやすい態度ではなく、失礼な態度であることは中学生でも理解できることだ。

それが理解できなくなっている介護職員が多い実態は、知能と知性の低さ以前に、家庭的・親しみやすさを前面に出し過ぎて、一方で礼儀ある接客を教えていないことが大きな原因だ。

介護サービス利用者は単なるユーザーではなくお客様である。我々はそうした顧客が存在することにより、公費から給与を得るプロフェッショナルである。

家族という素人とは異なる介護支援のプロなのである・・・その矜持を忘れてはならない。

そんな矜持の欠片も感じられない利用者虐待がたびたび起こっている。

大阪府羽曳野市のグループホーム「みやび」で、職員4人が認知症の入所者4人に頭を腕で締め付けるなどの虐待行為をしていたとして、施設に行政指導したことが10/9公表された。市によると、虐待は約2年間にわたり常態化していたとみられる。

このGHでは、フロア責任者の男性職員が虐待を主導。別の職員と共に、70代の男性入所者の頭を腕で締め付けたり、80代の女性入所者にチアリーダーやピエロ風の衣装を着せたりした。職員の一人は市の聞き取りに「入所者とじゃれ合っていた認識だ」と話したという。

じゃれ合うというより、利用者をおもちゃにしているだけだろう云いたくなる。それが介護のプロとして正しい姿勢かどうかも分からなくなっていることは恥ずべきことであり、愚かさ極まりないことでもある。

医療機関でも患者をおもちゃにしている事案が報告されている。
SNSへの不適切投稿
千葉県松戸市の徳洲会病院で、夜勤中に看護師が動画撮影しSNSに配信した画面には《オムツ交換助け合った!》《デブすぎ臭すぎ》《嗚咽祭りバカ楽しかった!!》というキャプションが表示されていた。

さらにICU(集中治療室)と思われる病室のベッドで寝ている高齢の入院患者まで撮影しており、《おばあたーん》と綴られていた。まったく患者を何だと思っているのだろう。

一昨日当該看護師は懲戒免職になったと報道されているが、それも当然だろう。「人を呪わば穴二つ」という諺があるように、他人に害を与えるようなふるまいは、その報いが自分にも返ってくることを忘れないでほしい。

こうした行為は利用者虐待そのものであるということがなぜ理解できないのだろう。それとも利用者虐待をしている自分の醜い姿をさらしたいとでもいうのだろうか。

残念なことに、こうした報道が介護や医療に対する国民の信頼を削ぎ取っていく。報道される虐待が氷山の一角でしかないような印象を与え、大多数の虐待とは無縁の介護関係者や医療関係者も、同じレベルであると疑いの目を向けられる。

そんな職業は社会の底辺職業となっても良いのだと烙印付けもされてしまう。

そのことによって志の高い介護・医療関係者のモチベーションが低下することが何より恐ろしいことである。
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消えゆく街の名店

僕は仕事柄、出張機会が多い。その場合ホテルに滞在して食事は外食ということになる。

そうであるからこそ自宅で過ごす日は、なるべく外食しないで家飯で健康管理したいところであり、昼と夜は自宅で食事を摂っている。(※朝は毎日、納豆を1パックだけ食べている:米のご飯は食べない。)

とはいっても自分で料理ができるわけではないので、その部分は妻に任せきりである。そのため妻が不在になると必然的に外食をせざるを得ない。

そんなふうに昼に外食する機会は結構あるわけであるが、その際はできるだけ美味しいものを食べたいし、お目当てのお店も幾店かキープしている。

そんな僕のお気に入りの飲食店が、店主の高齢化を理由に閉店してしまう哀しさについて以前、「悲報」という記事を書いて嘆いたことがある。

しかし高齢化が益々進行する現代社会で、後継者がいないために店じまいする飲食店は数知れない。

そしてまた室蘭市の名店が暖簾を下ろした・・・。

室蘭市の住宅街の中に一軒だけぽつんとある飲食店「時金食堂」の店主は、室蘭プリンスホテルの料理長を務めていた腕の良い人で、料理も旨いと評判になっており、地元住民が並んで食べるお店である。
穴子天丼そばセット
9/26(土)、帰省していた二男とそこに行き、僕は穴子天丼と蕎麦のセット(画像上)、二男は海老天丼と蕎麦のセット(画像下)を頂いた。
大えび天丼そばセット
ちなみにその他のメニューとして海鮮丼のセットごはん(下記画像)や鰻・釜めしなどメニューも豊富だ。
海鮮丼セット
どの料理もとても美味しく満足していたのであるが、そのお店が9/30(水)、突然閉店してしまった。

9月末ということで予定の閉店だったのだろうか。店主さんが高齢だったのが理由かもしれない・・・こんなふうに名店の店主が高齢で、後継ぎがないという理由でどんどんなくなっている。とても残念なことである。

仕方がないので昨日は、「山岡家」で期間限定の濃厚白味噌豚骨ラーメンを中盛りにして小ライスをつけて、餃子と広州メンマとほうれん草を無料トッピングして爆食してきた。
山岡家の濃厚白醤油とんこつラーメン&餃子
ダイエットの意味がねえ。ちなみに動画はこちらから参照していただきたい。
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介護情報基盤は単なるシステム導入にあらず

介護情報基盤とは、全国の介護事業者・医療機関・自治体・利用者を「ひとつのネットワーク」で結ぶ国推進のインフラである。

2026年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含めた標準化対応(※介護情報基盤へ連携するための機能要件を含めた標準準拠システムへの移行)が完了した市町村から、順次、介護保険システムから介護情報基盤へのデータが移行され、介護情報基盤経由での情報共有が開始されている。

よってその作業が終わっていない市町村は介護情報基盤の準備中という状態で、利用できない状態である。介護事業者は市町村の準備完了を待たねばこのインフラは使用できない。

国は2028年4月1日までに、全市町村において介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行も含めて完了し、介護情報基盤の活用を開始することを目指すとしている。

現時点で介護情報基盤の利用・準備状況については、介護情報基盤ポータルの市町村の対応状況をクリックして確認することができるので参照していただきたい。

この介護情報基盤によって何ができるのか、何が変わるのか、果たして使うべきものなのかと様々な疑問を持っている方も少なくないと思う。

だが結論から言えば、今後の介護事業者にとって介護情報基盤は、情報収集の土台となるもので、必ず利用しなければならないインフラである。

そしてそれは単なるシステム導入ではない。その本当の意味は、事務コストと連絡のタイムラグを最小化し、「利用者と向き合う質の高い介護」へシフトするための最大のインフラ改革である。

このことについて、(株)内田洋行主催の無料配信オンデマンドセミナー、「介護情報基盤を見据えたICT活用とDX推進」をネット配信して解説する予定である。
介護情報基盤を見据えたICT活用とDX推進
配信日は11/11(水)9:00〜11/12(木)18:00までの予定。事前申し込みいただければ、どなたでも無料視聴できるセミナーである。

詳しくはこちらをクリックして詳細を確認したうえで、同ページから申し込みをしてほしい。

講演のアジェンダ(進行計画)は8つの項目で構成しており、以下の内容となっている。
介護情報基盤オンライン講演アジェンダ
このように登録・使用方法も含めてIT初心者〜熟練者まで、どなたでも理解できるわかりやすい内容としている。

介護情報基盤を利用することによって、業務時間と業務コストが確実に削減できることも明らかにする。そうしたメリットと共に、今後に向けた展開や課題についても触れる予定だ。

講演時間は40分を予定している。

配信予定の11/11(水)9:00〜11/12(木)18:00については、どの時間に繋いでも視聴できるので、視聴者の皆様のその日の都合で、自由に視聴時間を決めることができるセミナーでもある。

是非事前申し込みの上、配信URLを受け取って配信日の視聴に備えていただきたい。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
今月のテーマは、「時代の変化に沿わなくなった介護報酬改定サイクル〜物価高・最低賃金上昇で問われる介護報酬改定のあり方〜」です。無料登録でどなたでも読める記事なので、文字リンク先を参照願います。
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悲痛な介護事業者の叫び

全国老施協等の介護関係17団体が10月6日、木原稔内閣官房長官に提出した「令和9年度介護報酬改定に向けた要望書」には、基本報酬の引き上げと人材確保の支援とともに、「物価動向を踏まえた毎年の対応を行う」と「前回改定以降の物価上昇によるコスト増に対し、必要な対応・支援を行うこと」を求める内容となっている。

物価動向を踏まえた毎年の対応には大賛成だ。僕自身もメディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」に、「時代の変化に沿わなくなった介護報酬改定サイクル〜物価高・最低賃金上昇で問われる介護報酬改定のあり方〜」という記事を書いて先日アップされている。是非その実現を図っていただきたい。

ところで、この要望書の添付資料の中には、介護事業者のアンケート結果も含まれている。

そこでは令和7年度補正予算による支援や令和8年度介護報酬(臨時)改定(食費の基準費用額等)について78.9%もの介護事業者が、「物価高騰分についてはカバーが不十分であり、収支悪化や赤字化を招いている。」と回答し、10.8%の介護事業者は、「全くカバーできておらず、給食経費の見直しや事業の一部を縮小・休止せざるを得ない深刻な状況にある。」と回答している。
介護事業経営危機
そして物価高に対応した基本報酬の十分な引き上げが行われない場合、「2027年度報酬改定以降の3年は耐えられない」とする回答が約6割にも上っている。

それは、「経営の状況」というグラフにも結果として示されており、全体の56%が赤字経営となっており、黒字事業者が過半数割れしているのである。

別資料のデータによると介護保険施設の場合、稼働率が9割以上でも経営が苦しく、実にその4割が赤字であるという数値も見られる。その状況は基本報酬が健全経営できるレベルに設定されていないという意味にしか思えない。

これは由々しき事態と云わざるを得ず、介護崩壊は現実のものとして考えざるを得ない。

介護事業者の廃業が増え、介護崩壊が現実のものとなればその影響が直接及ぶのは国民の暮らしそのものである。そうなれば介護離職も増えるし、ヤングケアラー問題もさらに深刻化するだろう。

介護事業の経営危機は、日本経済をはじめとして社会全体に影響を及ぼすという認識が必要だ。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
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道内老健で入所者虐待報道

昨日10/6、介護関係17団体が木原稔官房長官に要望書を提出した。

その内容は来年度の介護報酬改定についてであり、基本報酬の十分な引き上げに加え、介護従事者の賃金を全産業の平均と遜色のない水準まで持っていくため、毎年の賃上げの実施などを要請するものである。

昨今の介護事業者を巡る社会情勢は大変厳しいものがあり、物価高で運営経費が増大して単年度赤字の介護事業者が増えている。かろうじて黒字経営の介護事業者も、高騰する経費増に収益が追いつかなくなりつつある。

さらに全産業で労働力不足が進行する中で、介護職の平均給与は2025年に31.4万円(賞与込み)で、全産業平均の39.6万円との差は8.2万円もあり、介護人材不足は解消どころか益々深刻化の一途をたどっており、介護関係17団体の今回の要望内容は極めて正当なものと言ってよい。

しかしそうした正論を吹き飛ばすのが、介護事業者内で発生する介護サービス利用者虐待事件である。

虐待とは無縁の介護事業者及び介護関係者が大多数であるとしても、毎月のように報道される、全国のどこかで起こっている虐待報道によって、多くの介護事業者が同じ穴の狢(むじな)とみられてしまう。

そして介護事業は必要悪ともレッテル張りされ、安かろう悪かろうで良いのではないかとみられ、国民の財産である税金と保険料をそこにかけるのはいかがなものかという議論につながりかねない。

介護報酬の引き上げの足枷となる虐待事件が今朝も報道されている。舞台となったのは北海道利尻富士町の介護老人保健施設、「利尻島老人保健施設」である。
利尻島老人保健施設
(※画像は虐待が行われた利尻島老人保健施設)
事件の報道記事は以下の通りである。
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(北海道新聞Web 2026年10月6日 21:06配信記事)
宗谷管内利尻富士町が運営する「利尻島老人保健施設」で3〜5月、職員が入所者に暴言を吐いたり、鼻をつまんだりする行為が4件あったとして、町が虐待と認定したことが6日、町への取材で分かった。70〜90代の3人が被害に遭い、看護師2人が関与した。町は同日、北海道に報告するとともに、施設側に改善計画書の提出を求めた。

町によると、女性看護師は3〜4月、寝たきりの90代女性が大きな声を上げた際「うるさい」と言って鼻をつまんだ。女性は「痛い」と訴えたという。5月にも70代女性の鼻をつまんだほか、夜勤時に数回、トイレに向かう90代女性に「ポータブルトイレにしろ」と声を荒らげ、引き戻した。

別の女性看護師は、会話が不自由な70代女性に「日本語でしゃべって」などと応対し、心理的虐待を加えていたという。

8月中旬に関係者から「虐待が疑われる行為が7件ある」と道に通報があり、町は施設長や職員への聞き取りなど調査を開始。うち4件を虐待に認定し、「ナースコールを手の届かない位置に置いた」など3件を証拠不十分で認定しなかった。

町は職場での人間関係のストレスなどが原因とみて、施設に口頭で指導。11月5日までに改善計画書を提出させ、改めて調査するほか、虐待に関わった職員や施設長の処分を検討する。町福祉課は「二度とあってはならない。虐待防止に向け方策を確認する」という。
 
利尻島老人保健施設は同島唯一の介護老人保健施設で定員40人。現在、同町と利尻町の27人が入所する。北海道新聞の取材に「施設長が不在で対応できない」としている。
(転載ここまで)
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利尻町は虐待の原因を、「人間関係のストレスなどが原因」としているが、安直すぎる見解だと思う。

仕事のストレスや、職場における人間関係の悩みなど、どこの職場でも誰しもが抱える問題である。それを乗り越えて職業人として仕事をこなし目標を達成するのは普通のことである。そもそも介護事業が特別にストレスが大きい仕事であるという考えは思い込みに過ぎない。

介護事業に勤める専門職は介護のプロといってよい。そうした存在の者がストレスを理由に、顧客であるサービス利用者の尊厳を奪うような汚い言葉を投げつける背景には、サービス利用者を顧客であると認識できない差別や偏見が存在するということだ。

サービス利用者=顧客であるという意識が欠如した場では、顧客に対しるサービスマナー意識など存在しなくなる。

そうした場所では、看護師という専門職がサービス利用者の上位に君臨する絶対権力者となって、自分の命じた方向に向かない利用者を罵って改めさせようとする間違った意識が生まれるのだ。

それはまさに暴君である。

そう考えたとき疑問となるのは、果たしてこの老健施設では看護師をはじめとした従業員に、どのような顧客対応を教育していたのかということだ・・・報道記事にある信じがたい暴言は、日常的なものであり、それは他の従業員や管理職の耳にも届いていたはずである。

それを放置してエスカレートさせた結果が、今回の虐待につながったと云えるのではないのか。

利尻富士町というのは云うまでもなく利尻島の町である。人口が2000人をわずかに超える離島の町で、看護師という専門職を確保するのは簡単ではないだろう。そうであるがゆえにそうした職種に対する遠慮があって、適切な指導ができなかったのかもしれないが、それは言訳にしか過ぎず、正当化できないだろう。

そういう意味でこの虐待事件の加害者は、当該老健の看護師のみならず、経営者や管理職も同類であるとして、処分や反省を求めるべきであると思う。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
今月のテーマは、「時代の変化に沿わなくなった介護報酬改定サイクル〜物価高・最低賃金上昇で問われる介護報酬改定のあり方〜」です。無料登録でどなたでも読める記事なので、文字リンク先を参照願います。
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新設された第2種社会福祉事業は実施すべき事業

6月24日に公布された、「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)によって第2種社会福祉事業として死後事務手続きなどを支援する事業が新設された。

第2種社会福祉事業の経営主体には原則として制限がなく、社会福祉法人以外にもNPO法人や株式会社等が事業開始の届出を行うことで運営可能となる・・・つまりこの事業を行いたいと思った会社組織等は、届け出により実施可能となるのだ。

具体的な事業内容は、以下の3領域にわたる包括的なものとなる。
・日常生活支援:福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類の預かりなど。
・ 入院入所の手続き支援:病院への入院、介護施設への入所の手続き支援、緊急連絡先の提供、医療費や利用料の支払い代行など。
・死後事務支援:葬儀、納骨、家財処分の契約手続き支援、行政への届け出など。

これらの支援事業の支援対象は、従来の認知症などで判断能力が不十分な人に加えて、頼れる身寄りがおらず日常生活に支障がある高齢者らが新たに追加されている。

これは大改革だ。

なぜならこれによってすべての介護事業者は、第2種社会福祉事業の届け出を行うことで、身寄りのない利用者に対して上記の支援が実施できることになるが、そのことは今後の介護事業展開を考えたときに、大きな経営上のメリットとなる可能性があるからだ。
第2種社会福祉事業として死後手続きなどが可能となる
これらの対象者に対して無料または低額で支援ができることによって、そうした支援を必要とする身寄りのない方々などが、将来の支援を見越して本事業を行っている経営主体の介護サービスを利用してくれることにつながるのである。

無料または低額事業であり、年間を通じても対象者は数えるほどしかいない事業のため、経営上にメリットのある収益確保にはつながらないが、顧客確保にはつながっていく事業であると同時に、無料または低額事業を行う事業者として国民・地域住民からの信頼を得られることにもつながる。

そういう意味では、社会福祉法人がこの事業に手を挙げないわけにはいかない。社会福祉法人としての責任を果たす意味で、積極的に新事業に手を挙げていただきたい。

しかもそうすることで他のメリットもある。現行制度では社福であっても利用者の死後支援等は行えない。その為、死後の事務処理の際に、福祉事務所とのやり取りや、煩雑な手続きに膨大な労力と時間をかけねばならない。

それが新事業を行うことで自己完結業務となり、担当職員の業務負担が大幅に減少するのである。

認知症の方の日常生活支援や入院入所の手続き支援も同じことであり、成年後見人等に委ねなければ何も動かないという状況がなくなって、自己完結業務と出来るのである。

そうした点もメリットとして考えると、今から新しい第2種社会福祉事業を行う準備をしておくことも必然となるだろう。

社会的にも必要とされる事業なのだから、しり込みすることなく積極的に事業展開してほしい。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
今月のテーマは、「時代の変化に沿わなくなった介護報酬改定サイクル〜物価高・最低賃金上昇で問われる介護報酬改定のあり方〜」です。無料登録でどなたでも読める記事なので、文字リンク先を参照願います。
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次期介護報酬改定に向けた基本視点(案)を読んで

2027年度の介護報酬改定を議論する社保審・介護給付費分科会は、3日間に渡る関係団体等意見交換会を終え、今後サービス種別別の2巡目の論点整理に入り、結論までのレール敷きが行われる。

それに先駆けて9/30の介護給付費分科会では、「令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」が示された。

そこでは第10期介護保険事業計画期間(令和9年度〜)は、「介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口が増加する2040年を見据えた取組を本格化させていく時期」とした上で、「必要な介護サービスを確保することは、高齢者の生活を支えるのみならず、家族の介護負担を軽減し、現役世代の就労継続を支える観点からも重要である。」と結論付けている。

これは非常に重要な視点で、介護サービス等の社会保障は社会的弱者を支えるだけではなく、現役世代の経済活動をも支えるもの=日本経済を支えるセーフティネットであることを示したものである。
介護は社会のセーフティネット
是非、このことを前面に出して社会全体に知らしめたうえで、適正な介護報酬評価に結びつけてもらいたい。

また(案)では、「介護人材の確保が一層課題となることが見込まれる中、足元では物価や賃金の上昇が続いており、介護サービス事業者の経営の安定を図るとともに、全産業の賃金動向も踏まえ、介護分野の職員について他職種と遜色のない処遇改善を進め、必要な人材を確保していくことが重要」としている。

これも重要な視点であり、是非全産業平均より月額8万円低いとされている介護職員の給与アップを図っていただきたい。

このことは介護サービスの質とも関連してくる。なぜなら介護従事者が要介護者等に向かい合う時、それらの人々の精神状態が豊かさとは程多い貧しい状態であったとしたら、利用者の福祉の向上を真剣に考えることできなくなってしまうからだ。

そうならなくとも、介護従事者待遇の悪さが常態化して、それが介護労働の評価そのものだと考える人が増える先には、利用者の福祉向上・介護サービスの品質向上を図るモチベーションは奪われていきかねない。

精神的・経済的に満たされていない人の思考回路の中で、他者へ寄せる思いは存在しえないし、存在したとしても優先順位が低くなるだろう。

だからこそ対人援助の専門性が求められる職業を、「社会の底辺労働化」させてはならないのだ。介護職員の仕事をはじめとする対人援助という職業が、大金持ちになる職業でなければならないというわけではないが、せめて世間一般的な平均レベル以上の収入を得られる職業にしていかないと、サービスの品質の向上は実体のない建前だけのものになりかねない。

さらに(案)を読み進めると、「現役世代を中心に、保険料負担の増加に対する懸念が示されていることにも留意する必要がある。」と給付費アップの足枷・利用者負担増の根拠となる一文も目に触れる・・・サービス利用時の自己負担2割層の拡大は必至の状況と言えるだろう。

結論部分では、「介護報酬の評価の適正化・重点化を進めるとともに、報酬体系の整理・簡素化を図ることにより、介護保険制度の安定性・持続可能性を確保していくことが必要」としている。

前回2023年度の介護報酬改定では、介護報酬の評価の適正化の名の元、訪問介護費のマイナス改定が行われた。その結果、人口減少地域の一般家庭をこまめに訪問していた小規模訪問介護事業所等が廃業を余儀なくされた例もある。

その失政を繰り返さないでほしい。囲い込みで収益を挙げる大規模事業所と、地域をこまめに訪問するような小規模事業所が一緒の括りで評価されている介護事業経営実態調査の数字のみで結論を導き出すようなことがないようにしてほしい。

10月以降、介護給付費分科会での議論は一挙に佳境に入る。その内容を精査しておく必要があるだろう。
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美しき丘のまち美瑛町で話すこと

北海道上川郡の美瑛町(びえいちょう)は、旭川市と富良野市の中間にあり、波状丘陵と雄大な自然が広がるなだらかな丘陵の農村景観と十勝岳連峰、青い池などの自然景観が一体となった「丘のまち」 である。

そこは日本でも屈指の景観を誇る観光・農業の町である。
丘のまち美瑛町
僕はその美瑛町とは同じ上川管内で、美瑛町より北寄りに位置する下川町生まれなので、子供の頃、同町の白金(しろがね)温泉に宿泊した記憶がある。

ただ高校1年生の時に、実家が岩見沢市に引っ越したこともあって、以後、同町を訪れる機会はなかったし、社会人になってからは、美瑛町からさらに遠い登別市に住むようになったため、同町に行く機会はさらに遠のいたように感じていた。

そんな美瑛町から招待されることになった。美瑛町社会福祉協議会主催・平成8年度キャリアパス支援研修事業として、10/15(木)に開催される看取り介護セミナーの講師を依頼された。とても光栄なことであり、その依頼に対して二つ返事で承諾させていただいた。

僕の講演のラストでは、講演を行う地域の名所・名跡等の画像をふんだんに使った動画を流すのが常であるが、今夏初めて美瑛町の風景を取り込んだ動画を作成した。さすがに風光明媚な場所で、とても美しい動画になったと思う。

そのYouTube動画が下記である。

LOVE〜明日へつなぐ介護・美瑛町編と銘打ったこの動画は、当日の受講者だけではなく、美瑛町の全ての介護関係者の方々にエールを送りたいと思って作成したものである。

美瑛町にお住いの方々には是非視聴していただきたいし、道内の他の地域の介護関係者の方々や、道外の介護関係者の方々にも是非視聴していただき、美しい美瑛町の風景を見ながら僕からのメッセージを受け取っていただきたい。

さて今回美瑛町で行う講演テーマは、「すべての介護関係者に求められる看取り介護スキル〜命と向き合う介護実践〜」としている。

看取り介護とは、人が最期の瞬間まで尊厳を持つと同時に、生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護であると思っている。それは日常生活と日常ケアの延長線上にあるもので、特別な介護ではなく、ほぼすべての方々が人生の最後の瞬間までに必要とする介護実践である。

そのため、看取り介護は、「する・しない」、「できる・できない」と判断するのではなく、全ての介護関係者が実践すべきケアの方法論であり、看取り介護スキルは、介護関係者が当然備えておくべきスキルなのである。

だが実際の介護サービスの場では、看取り介護と称する偽物の介護実践が行われているケースが少なくない。そこでは看取り介護と称する見捨て死が横行している。そのため偽物の介護に心を痛めて有能な人材がバーンアウトし、地域住民からもそっぽを向かれてしまう結果にも結び付いている。

そんなことにはならない本物の看取り介護の実践は、介護人材からも地域住民から選ばれる介護事業者に繋がる。

志の高い介護人材は、本物の看取り介護実践によって介護という職業の意義や誇りを感じ、日々の業務に対するモチベーションもアップするのだ。

そのため本物の看取り介護ができる介護事業者では、従業員の定着率も高まるのである。

その方法論を伝えてくる予定だ。それは10/15の僕の講演を聴いた直後から、即実践できる実務論でもある。どうぞ期待してほしい。

嬉しいことに今回の講演では僕の著書、「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」をテキストとして受講人数分購入していただいた。出版社も喜んでいることだろう。

それでは美瑛町の皆さん、10/15は美瑛町社会福祉協議会の講演会場で愛ましょう。
※CBニュースの連載、「快筆乱麻masaが読み解く介護の今129〜ケアマネ資格更新制度廃止で研修受講ルール厳格化」がアップされました。
快筆乱麻masaが読み解く介護の今
資格更新制度を廃止したと言っても、研修受講義務が残され、しかもその義務がさらに厳格化されているのですから、更新制度廃止は意味のないものとなっています。こちらから記事参照ください。
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民法改正の主旨を介護実務にも浸透させてください

6月24日に公布された、「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)の中には、民法改正も含まれている。

そこでは介護事業者に関連深い変更が行われており、特に重要な点として成年後見制度に関連して、「後見・補佐・補助」という従来の画一的区分が廃止され、「補助」に一元化されている。

これによって本人の能力の程度に関わらずに、必要な特定行為についてのみ代理権や同意権(取消権)を付与することができるようになった。そのため必要以上の権利制限が防止できることになる。

また事理弁識能力(※物事の道理・善悪・結果をわきまえて判断する能力)が回復していない場合でも、家庭裁判所が認めれば、制度利用を終了できることができる。

また支援者の選任時には、「本人の意見」が最優先の考慮要素とされ、かつ職務追考における、「意向把握義務」も明文化された。

この改正の背景には、現行制度は権利制限が強く利用が進まないとの批判があった。そのため本人の意思尊重・自己決定を重視し、必要最小限の支援にとどめる方向へ転換していることがわかり、成年後見を必要とする人の権利を、出来る限り護る方向に変えられているといってよいだろう。

また認知症高齢者の増加などを踏まえ、利用しやすく柔軟な制度にする狙いも感じ取ることができる。

なお成年後見制度に関する部分の施行日は「公布の日から2年6月以内の政令で定める日」とされ、現時点では具体日付は政令待ちである。
被成年後見人の介護サービス利用
このように判断能力の衰えが生じた人に対する権利擁護が推進されている。

しかし法律がいかに権利を護る方向に変えられようとも、それを運用する人間の意識が低いままでは何も変わらない。

一元化された「補助」の支援を受ける人が利用する介護サービス等を提供する側の権利擁護の意識が低ければ、直接介護場面等の様々な場面で、利用者の権利は侵害されていく。

利用者をまるで子ども扱いするかのような対応・対話しかできない介護職員は、利用者の権利侵害の最たるものだ。

顧客である利用者に対し、家族のような遠慮ない言葉遣いをすることが親しみの表現と勘違いする介護関係者は、介護サービスっ利用者に対する日々の会話や声掛けのたびに、無礼な言葉を投げつけ、心に深い傷を負わせている。

こうした状態をなくしていかない限り、制度改正で護られる人権は、絵に描いた餅にしか過ぎなくなる。

だからこそ介護事業経営者や管理職の皆様には介護サービスの割れ窓理論を理解して、従業員に対して介護事業におけるサービスマナー意識の向上を図ることに努めていただきたい。
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快筆乱麻masaが読み解く介護の今
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組織を離れて十余年

僕は満55歳を迎える年の3月末に、社会福祉法人の総合施設長という職を辞した。

社福のトップという地位をその年で捨てるのは勿体ないと云われることが多かったが、その社福の母体は特定医療法人であり、僕の立場は母体法人の下部組織の総合施設長であった。

つまりそれはあくまで組織の一員という立場であり、独立経営者ではなかった。

そんなふうに組織人として長く生きてきた。それはある意味、気楽な立場でもあった。社会がどのような変化を起こそうとも、給料表に基づいて年々確実に昇給していく。社福という一つの組織のトップに立ってしまった僕は出世争いとも無縁で、定年(※当時の法人規定では60歳)まで毎年引き上げられる安定した給料と賞与を受け取ることができるはずだった。

だがそのような暮らしに飽きて、もっと自由に生きる術はないかと大それたことを考え始めたのが50歳を過ぎてからである。社福のトップとはいえ、その上に母体法人があり、そのトップから理不尽な要求をされても受け入れねばならない立場にうんざりもしていた。

そして数年かけて準備を進め、退職後の目途も立ったので、長く勤めていた法人に希望退職を願い出た。強い引き留めはあったが、それで考え方を変えることがないほど当時の決心は硬かった。

だが退職した直後に別の組織からの誘いがあり、そこでは副業としてフリーランス活動も認めると保障されたので、他の分野の勉強もかねて1年間だけそこに就職した。その組織も56歳になる年の5月末で退職した。

その後、たまたま雑文を書いたり講演を行うことで収入を得たりできたため、組織に属さなくても何とかなるだろうと思いながら、あまり深く考えずにフリーランスという立場で活動を続けるようになった。
フリーランスmasaの活動
しかし世の中とは思い通りにいかないもので、フリーランスとして本格的な活動を始めてすぐにコロナ禍が始まった。

組織に属さない者にとって、それは未曽有の逆風といっても良いもので、場合によっては無収入となるような危機にも見舞われた。

その際には国が急遽支給を決めた持続化給付金に救われたり、リモート化が一気に進んだことで、逆にオンライン業務の受注が増えて収入に繋がったりするなどの運にも恵まれた。

そうした幸運の基盤になっているのは人の縁である。サラリーマン時代に培った様々なご縁が今の僕を支えてくれているように思う。何よりの財産はそうした人脈であると実感している。

おかげさまで今年はフリーランスに専念してから10年を経る年に入った。仕事も順調であるが、何より通勤時間という無駄な時間がないため、1日を有意義に過ごしている。毎日時間を自由に使えることで精神的に開放された気分にも浸ることも多い。

このように一度、組織を離れてしまうと、もう二度と組織に戻る気にはならない。それほど今の立場と状況は自分にとって最善と言える。

今、多くの職場では定年が大幅に延長されているが、その年になることを待たずに組織から独立したいと考えている人も少なくないだろう。

その決断は各々の自己責任の範疇にあるものと思うが、一つ言えることは、同じ後悔をするならば、実行しなかったことを後悔するより、実行したことを後悔する方が、人生としてははるかに豊かであると云えるということだ。

結果に吉凶はあるだろう。だが行動する・実行したという行為は、一つの生きた証につながるのではないだろうか。

そんな人を僕も陰ながら応援したいと思う。
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老健厨房で一酸化炭素中毒事故発生の報に触れて

北海道・十勝管内音更町の介護老人保健施設、「あんじゅ音更」で一酸化炭素中毒が発生した模様だ。

同施設から27日午前10時40分ごろ、「厨房で調理中の職員3人、70代女性がめまい、70代男性2人が体調不良を訴え、そのうち1人は歩行不能」という119番通報があり、消防局より救急隊員が駆け付けたところ、男女4人がめまいなどの症状を訴え病院に搬送された。いずれも意識はあるという。

警察によると、1階の厨房では一酸化炭素が検出されているということで、当時の状況などを詳しく調べているそうであるが、救急搬送された4人の症状から考えると一酸化炭素中毒の可能性が極めて高い。
老健厨房で一酸化炭素中毒発生
(※画像はAI作成のイメージ図。実際の一酸化炭素は画像のように白く濁らず目に見えない透明である。)
一酸化炭素は色もにおいもなく、人が感覚で察知しにくい気体である。煙のように目に見えないため、発生していても気づかないまま吸い込みやすく、今回のケースのように具合が悪くなるまで気が付かない。

症状としては、頭痛、吐き気、眠気、錯乱などが主で、軽度の一酸化炭素中毒は新鮮な空気を吸うことで回復することが多いが、中等度または重度の一酸化炭素中毒では、判断力の低下・錯乱・意識消失・けいれん発作・胸痛・息切れ・低血圧・昏睡などが起こるため、自力で動くことができなくなって重症化する。

それによって死に至るケースも少なくないという極めて恐ろしい中毒である。

一酸化炭素中毒の原因は、ガス機器などの不完全燃焼と換気不足の組み合わせによるものが一番多く報告されている。

特に業務用厨房では、排気・給気の不備や機器の劣化が重なると危険性が高まると云われており、介護保険施設等の大規模厨房では日ごろからの点検・注意が欠かせない。

日ごろ注意したい点は以下の7点である
・ガス機器を使う間は、換気扇や排気設備を必ず動かす
・吸気口と排気口をふさがない
・レンジフード、グリスフィルター、排気ダクトを定期清掃する
・炎の色や燃え方を確認し、異常があれば使用を止める
・始業時と終業時に異常確認をする
・一酸化炭素警報器の設置を進める・故障や異臭があるときは、営業を続けず点検を依頼する

厚生労働省と消防庁の注意喚起では、使用開始時と終了時の確認に加え、少なくとも1日1回以上は換気設備とガス機器の作動状況を確認し、異常時は使用中止などの措置を取るよう示されている。

それ以前に、管理栄養士を含めた厨房関係従業員には、一酸化炭素中毒の原因や症状について学ぶ機会を定期的に創っておく必要がある。そのうえで上記の日常点検や対応について理解を促し実行することが重要だ。

介護施設等の経営者・管理職の方々には、今回の音更町の事故を教訓として、改めてそうした日常の点検等が十分できているかを確認してほしい。

利用者の命と暮らしを護る介護施設に、生命の危険につながるヒューマンエラーがあってはならないことを肝に銘じてほしい。
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AI作成スライドを上回る手作り

全国各地で様々なテーマで講演を行っているが、そこでは主にPPTスライドを投影してプレゼンテーションスタイルでわかりやすく伝えることを心掛けている。

その為、週末の土日はスライド作成作業を行っていることが多い。昨日もそうであった。

僕が依頼される講演とはmasaの講演案内を参照してもらえばわかるように、介護実務から介護事業経営、介護保険制度、社会福祉施策全般に及ぶ幅広いものとなっている。

そして講演を行う時期の直前までの最新情報を盛り込むために、同じテーマの古い講演スライドを何度も使いまわすということはなく、その都度スライドを更新アップして作成している。

このPPTスライドも最近ではAIが簡単に作成してくれる。例えば、「生産性向上はマイDXから始めよう」でもそのことを取り上げたが、この記事を書いてからまだ半年も経っていない現在では作成機能はさらにアップしており、Googleスライドを作成しなくともプロンプトから直接PPTスライドを作成できるようになっている。

AIはもはや月単位ではなく、週単位あるいは日単位で進歩しているという実感がある。
スライド作成作業
だからと言ってAI作成スライドが、人の手作りスライドを完全に超えた優れモノと考えるのは短絡的過ぎる。

AIは知らないことを取り繕って答えを出そうとするし、何よりネット上に存在する情報を基にして応えるため、今日・今この瞬間に伝わってきた情報を即、スライド反映することはできない。

場合によっては、人が手に入れている最新情報・最新知識より、AIが持つそれは古いものである可能性もあるのだ。

だからAIにスライド作成作業を丸投げするのは非常に危険だ。間違った情報や過去の情報を、あたかも正しい最新情報として誤って伝えかねない。

そもそも僕の講演は、自分が介護事業経営をしてきた経験や、相談援助や介護実務の場で実践してきた実際のケースを例示して、臨場感あふれる内容を伝えることに特徴がある。この部分はAIがいくら発達しても、スライドに落とせないことである。

下記画像のような講演スライドは、AIには決して作成できない・作成しないスライドではないだろうか。
看取り介護講演スライド
こうしたケース紹介は、僕の講演の根幹をなすものと言ってよく、相談援助実務や介護実務の過去例から導き出した理論や方法論だからこそ、講演受講者が即、実務に生かすことができることに繋がっている。ここはAIには任せられないし、AIができない部分でもある。

ただAIはデザイン性には優れているので、まずは指定したテーマとプロンプトでAIにスライド作成をさせて、それに僕が紹介したいケースなどを落とし込みながら、AIが作成したスライド内容を修正する形でスライド作成をすることが多くなった。

この方法は一から手作業でスライド作成するより、大きく作業時間を短縮化できる。こうしてAIを使いこなしながら、手作りの良さを失わない形のスライド作成に心掛けている。

そうしたスライドを使った多彩な内容の講演を行っているので、講師を探している方は是非お気軽に連絡願いたい。
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経営戦略練り直しを余儀なくされる住宅型有料ホーム

住宅型有料老人ホームの登録制導入については、6月25日に公布された、「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)により正式決定されたものだ。

そも為、登録制の施行日は6/25から2年以内の「政令で定める日」とされ、今後政令によって示される予定である。

当初この登録制の対象となる住宅型有料老人ホームについては、「重介護者(要介護3以上)の方と医療依存度の高い方が一定以上入所しているホーム」と考えられていたが、7/29に行われた有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会において厚労省は、「中重度になっても住み続けられる施設、一定の認知症や医療ニーズがある高齢者を受け入れる施設などを含める」としたうえで、「既存の住宅型ホームの大半が対象になる」との見解を示した。
住宅型有料老人ホームの登録制度
逆に言えば、登録制から外れる有料老人ホームは、「将来的に中重度になると住めなくなる施設」であり、「認知症になったり、医療ニーズが必要になると退所しなければならない施設」ということになる。

それでは入所者が集まらなくなってしまうだろう。よって今現在、元気高齢者ばかり入所している施設であっても、登録制に移行しなければ将来的に経営が立ち行かなくなる恐れが生ずると考え、今から登録制への移行準備を進めておらねばならない。

ところで9/18に行われた(第9回)有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会では、登録制住宅型ホームの人員配置(案)が示された。下記がその内容である。

○ 管理者・生活相談員については、1名以上置くこと。ただし、支障がない場合、施設内及び他施設の職務に従事可能とする。
○ 介護職員・看護職員については、提供する介護等の内容に応じ、利用者保護や入居者の健康管理の観点から、介護等の安定的な提供に支障がない職員体制を確保すること(原則、夜間を除き、ホーム職員が常駐)
○ 夜間・緊急時については、いわゆるオンコール(*入居者からの連絡や入居者の心身の状況に関し通報する装置による状況把握に基づき、必要な場合には職員(連携先を含む)が出勤できる体制)により、対応できる体制を確保すること
※一定の経過措置期間を設けることとしてはどうか。
○ 栄養士については、食事の提供を行う場合には、その食事に関し、各入居者の状態に応じた栄養管理を計画的に行うことができる体制(* 栄養士又は管理栄養士の関与の下で献立の作成等が行われること)を確保すること
○ 機能訓練指導員については、機能訓練を行う場合はその内容に応じて確保すること

以上である。このうち特に重要となるのは、相談援助職の配置である。既存の住宅型有料老人ホームで、相談援助職を配置している施設は少ないと思え、今後新たに専門職を雇用しなければならない。

しかし相談援助職は誰もがその職種に就けるわけではない。例えば特養や通所介護の相談員は、社会福祉士・介護支援専門員・社会福祉主事任用資格等のいずれかの資格取得が要件とされており、介護福祉士資格で相談員とすることを認めていない県も少なくない。(※社会福祉主事等と同等資格の判断は都道府県によって異なることがその理由)

現在、介護支援専門員の人材不足がすすみ、他事業者からの引き抜きが問題となっているが、ケアマネ以外の相談援助職も人材が余っているわけではなく、同じように人材不足が深刻化しつつある。

その様な中でたくさんの住宅型有料老人ホームが登録制に移行する中で、相談援助の専門職を新たに雇用する必要がある。その募集・採用に際して、相談援助職の奪い合いが起きかねない。採用担当者は今から準備が必要だ。

また登録基準を満たしていない事業者は原則として住宅型ホームを運営できなくなるので、人員配置基準は厳格に護らねばならない。そうであれば介護職なども新たに雇用せねば人員配置を満たせない住宅型ホームも存在すると思われ、その採用に向けた準備も必要となる。

どちらにしても住宅型有料老人ホームは、登録制になることにより従前より大幅に人件費支出が増えることになる。

それらに対応した新たな経営戦略の練り直しが必須となるといえよう。
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内閣改造は介護報酬改定に追い風となるか

来年度からの介護報酬改定議論の場である社会保障審議会・介護給付費分科会は、9/16までに関係団体等意見交換会(※3日間行われた)を終え、いよいよ各サービスの2巡目の論点整理に入ることになる。

それを前にして、高市第2次内閣で留任した上野賢一郎厚生労働相が9/18に会見した。

そこでは来年度の介護報酬改定について触れて、「介護・障害福祉分野の賃上げ、経営の安定、離職の防止、人材の確保を図る必要がある」・「経営状況なども把握したうえで、物価や賃金の上昇などを適切に反映するための対応を実施していきたい」と明言した。

来年度の介護報酬改定によって、この言葉が実現することを期待したい。
第2次高市内閣
その期待が高まる要素がほかにもある。新たに任命された副大臣・政務官・首相補佐官を調べてみると、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の所属議員が、なんと30人も入っているのだ。

ということは新たな内閣は積極財政派の布陣となっていると言えるのである。さすれば「責任ある積極財政元年」は本気で成し遂げられるかもしれない。当然そうなれば「財源がない」という理由で介護報酬が切り捨てられることにならない。

そもそも財源がないというのは官僚の戯言だ。消費税を1%に下げるための財源は、あっという間に確保できたではないか。

だからこそ処遇改善加算の引き上げだけではなく、介護事業者の収支改善につながる基本報酬の引き上げを行ってもらいたい。

そのためには、もうすぐ明らかになる昨年度決算の介護事業経営実態調査に注目が集まる。ここで示される収支差率が報酬改定に大きく影響することになるのだが、本当にこの調査は介護事業者の経営実態を現しているのだろうか。

国が収集し分析するビッグデータは、個々の介護事業者からすればブラックボックスでしかない。その為、経営実態調査結果として示された収支差率が、介護事業経営者や介護事業者の実態とかけ離れた高い利益を現す数値になっていることが多い。

前回(2024年度)の介護報酬改定では、訪問介護の収支差率が高いとして、訪問介護費がマイナス改定とされた結果、たくさんの訪問介護事業所が赤字廃業となっている。

その様なことが繰り返されれば、介護保険制度及び介護サービスは、「制度あって、サービスなし」という状態になりかねない。

そうならないように、介護事業経営実態調査の結果を参考資料にしつつも、それだけを唯一の根拠とせずに、昨今の物価高をきちんと勘案してもらいたい。
(※例えば今年8月以降、紙おむつ各メーカーの値上げが相次いでおり、5%〜20%の価格上昇がみられる)

それは介護事業経営者の懐に入れるお金を増やすための対策ではなく、介護サービス事業者と利用者の福祉を護るために必要な対策であることを理解してほしい。
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通所サービスの送迎に警鐘

僕が管理する介護福祉情報掲示板に19日、「デイサービス送迎後に転倒事故、施設側に1800万円の賠償命令」というスレッドが建てられた。

この事故概要は以下の通りである。
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(※2026年9月18日 22:41 NHK ONE配信記事より転載)
東京都内の介護施設でデイサービスを利用した80代の女性が、自宅のアパートに送迎された後、階段で転倒して死亡したのは施設側の責任だと遺族が訴えた裁判で、東京地方裁判所は「転倒の危険を予測する注意義務を怠った」として、施設側に1800万円余りの賠償を命じました。

判決によりますと、2023年12月、東京 墨田区の介護施設でデイサービスを利用した当時87歳の女性が、自宅のアパートに送迎された後、1人で2階に上がる際に階段で転倒し、死亡しました。

遺族は「施設側が女性に付き添わなかったために事故が起きた」として、施設の運営会社や代表に3400万円余りの賠償を求める訴えを起こし、施設側は「転倒を予測するのは困難だった」と争いました。

18日の判決で、東京地方裁判所の大野晃宏裁判長は、施設側が女性について、筋力の低下や腰の骨折による入院歴などを記した資料を受け取っていたとして「本人や親族などに過去の転倒歴などを確認すれば身体の状況を把握でき、危険を具体的に予測できた。こうした注意義務を怠り、事故が発生したと言わざるをえない」と指摘しました。

その一方で、送迎に当たって、本人や親族が転倒についての不安を積極的に示さなかった過失もあるとして、1800万円余りの賠償を施設側に命じました。
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スレ主は、「全員を玄関先まで送らねばならないのは厳しい現状があり、判決は厳し過ぎるのではないか?」という趣旨で投稿されているのだと思う。

それに対して僕は、通所サービスの送迎はドアツードアを原則にして自家輸送とみなされ、送迎費用が報酬包括されていることを鑑みると、この判決はやむを得ないのではないかと書いた。

だが僕の意見はあくまで個人的見解なので、それが絶対に正しいわけではない。だから僕の意見を真っ向否定する考え方があっても良いと思う。

そもそも法令文章にドアツードアという文言は書かれていないのだから、必ずしも利用者宅の玄関まで付き添う必要がないという考え方もあるだろう。
通所介護の送迎問題
ただし今回の判決はドアツードアの送迎原則を理由にした判決ではない。

判決文を読むと、「事業所側が利用者の筋力の低下や腰の骨折による入院歴などを記した資料を受け取っており、危険を具体的に予測できたのであって、階段を上って自宅玄関まで付き添う必要性があった」と書かれており、事業所側にも危険が察知できる状態で、その対応を行っていなかったことによる注意義務違反と判断された判決であることに注意が必要だ。

このように転倒の予見可能性があったうえで回避義務があると判断された場合、その義務を果たしておらねば損害賠償責任も生ずるのである。

この判決を基にして考えた場合、利用者宅の玄関先まで送らないケースについては、降車場所から利用者宅の玄関までの移動の際に転倒リスクはなく、安全に家の中に入ることができると判断する必要があるし、その判断が正しいと証明できる根拠が必要となる。

そうでない場合は、利用者宅の玄関までの介助が求められることになる。

だが高齢者で転倒リスクがゼロの人はいるのだろうか・・・少なくとも歩行状態に何らかの支障が生じているケースはすべて転倒リスク有りとされかねない。

特に「階段を上り下りする」という行為は、高齢者にとって転倒のハイリスクであり、そうした場所的リスクを無視することはできないという考え方も成り立つ。

そうであればアパートなどに住んでいる方で、外階段等を歩いて昇降しなければならない利用者については、全て玄関先が送迎の起点・終点であると考える必要があるのではないだろうか。

例外として、エントランスに入ってそこからエレベーターに乗るような構造の高層住宅等は、エントランス入り口=利用者宅玄関と考えて、そこが送迎の起点・終点と考えて良いと思える。

いかがだろうか・・・。
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masaのラーメン道・山岡家

先週土曜日からのシルバーウイークも明日で終了する。

今日は台風も過ぎ去って全国的に行楽日和の良い天気になっているようだ。遊びや休養に充てている人も多いと思うので、肩の力が抜ける、「ラーメン記事」を久々に書こうと思い立った。

というのも先週は、週2回も山岡家に行ってラーメンランチとしてしまったからでもある。とはいっても同じ種類の山岡家ではない。スタンダードの山岡家と味噌ラーメン山岡家である。(※この他に、「丸源ラーメン」でもランチしているので、先週はラーメン外食週間であった。)

ラーメンの山岡家が癖になる理由は、「無料クーポン」にある。
山岡家無料クーポン
上記のような無料クーポンが、毎週アプリ会員に配信されるほか、個人別のランクに応じた「ランククーポン(※僕の場合は月2枚配布されてくる)」も毎月配布される。

その無料クーポンを使わないと損な気がして、週に一度は山岡家に足を運んでしまう・・・高くても1枚150円程度のクーポンで釣られてしまう自分を情けなく思うが、貧乏性だから仕方がないとあきらめてもいる。

そんな僕が山岡家で一番良く食べるメニューは、ランチ限定Aセット、「濃厚味噌ラーメン&ゴロチャーシュー丼」(990円)である。(※下記画像は、それにゴロチャーシューを無料トッピングしたもの)
ゴロチャーシュートッピング (2)
好みは麺軟め・油なしである。一番人気の麺固め・油多めとは対照的だが、僕はこれが好きだ。こちらにショート動画も張り付けているので参照していただきたい。

ところでオーソドックスの山岡家とは別に、「味噌ラーメン山岡家」という店舗もあり、道内では3店舗営業している。その一つが苫小牧市にある。
苫小牧味噌ラーメン山岡家
こちらはメニューもスタンダード店舗とはまったく異なっているが、何より大きな違いは麺である。

スタンダード山岡家の麺は、(期間限定メニューは異なる場合もあるが)太麺ストレートであるのに対し、味噌ラーメン山岡家の麺は、「中太ちぢれ麺」である。そのちぢれ具合もかなりのもので、この麺が好きな人ははまってしまう。
辛味噌ラーメン
その中でも僕が好きなのは、辛味噌ラーメン。まっ赤っかのスープであるが、実は辛さはさほどではなく。程よい辛みが旨味の中から追いかけてくる旨辛スープだ。
チャーシュー丼
ランチ限定Aセットとして、これにチャーシュー丼をトッピングして990円である。
ゴロチャーシュートッピング (1)
この日はアプリ会員無料クーポンとランククーポンの両方を利用して、ゴロチャーシューダブル。ここにラー油と胡椒をかけてライスにマシ乗せした・・・ちなみに山岡家の胡椒が旨いので、ライスにぜひかけて食べていただきたい。

このメニューのショート動画もこちらで観ることができるので是非参照いただきたい。

こんなふうに太りそうな食事機会が多くなってしまうが、山岡家に行った日は、いつもより激しく運動してカロリーの消費量を爆上がりさせるように努めている・・・読者の皆さんも今度是非ご一緒しましょう。
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ケアマネ更新制廃止の施行日(案)が示されました

介護支援専門員(※以下、ケアマネと略)の資格更新制度が廃止されることを知らないケアマネはいないだろう。

だがその廃止時期を2027年4月1日からだと勘違いしているケアマネが少なくない。その認識は誤ったものだ。

更新制の廃止は6月25日に公布された、「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)により正式決定されたものである。そこでは改正介護保険法の公布日6/25から1年半以内の「政令で定める日」に施行されるとされているのみだ。

よって6月時点で更新制廃止の施行日は定まっておらず、厚労省は「時期は年内に示す。」とアナウンスしていた。

このことに関連して先週9月6日に政令案が示された。その中で更新制廃止の施行日は2027年12月1日と明示された。
ケアマネ更新制廃止スケジュール案
これはまだ案の段階であり、正式決定は11月下旬の政令公布まで待たねばならない。ただし施行日を変更しなければならない要素はなさそうなので、おそらく2027年12月1日施行ということはそのまま変わらないと思える。

だがほとんどの方がご存じの通り、更新制度が廃止されても研修受講義務は残される。

しかも新たな研修受講義務規定では、都道府県知事が正当な理由なく研修を受講していないケアマネに対して受講を命じることができる〜命令に従わない場合は1年以内の期間を定めてケアマネジャー業務への従事を禁止できる〜登録消除という流れで対策できる権限が与えられている。

さらにケアマネ所属する介護事業所にも研修受講時間確保や受講状況確認といった対応義務が生じることにもなっている。

つまり定期研修を受講しなければ、実質ケアマネ業務に就けなくなるのだ。これって更新制度と変わりないというより、現行の更新制度より厳しいルールになったと思うのは僕だけではないだろう。

こうした研修受講義務の厳格化によって更新制廃止は意味のないものとなったと言えるのではないだろうか。

ちなみに新研修は、研修の時間数を現行から大幅に削減するなどカリキュラムをスリム化したうえで作り直し、オンライン・オンデマンドの柔軟な受講を可能とするとしている。

また一旦離職した人も「円滑な復職ができるように簡素な研修」とするとしたうえで、一部を復職後に受けられるようにすることも検討している。

専門知識やスキルは、業務遂行に必要とされるものであり、本来それは個人個人の責任において獲得すべき問題だ。

そもそも義務受講の研修など、ほとんどの参加者が聞き流して終わっており、スキルアップにつながっているとはいいがたい。オンライン・オンデマンドの研修となれば、なおさら配信元につなげるだけで配信画面を視聴している保障もない。研修を受講したというアリバイ作りが行われて終わりとなるケースが増えよう。

どちらにしても極めて意味のない義務研修である。

医師や看護師等の人の生命に関わる専門職には定期研修義務はないし、児童・生徒を育てる教師も更新制度が意味が無いものとして廃止された以後は、定期研修義務も存在していない。それによって専門職としてのスキルが問題視されているという事実もない。

そうであるにもかかわらず、このような研修義務をなぜケアマネにだけに負わすのかという答えは、日本なんとか協会というところが、研修講師という利権を手放したくなくて、研修受講義務を執拗に残そうと企んで運動している結果である。今回案とされている正式施行日も、法案成立から1年半以内という法定期間のぎりぎりまで引き延ばしているのは、現行の研修をぎりぎりまでフルサイズで受講させることで、講師利権の最大化を図っているとしか思えない。

そういう意味で、ケアマネ実務者が批判の矛先を向けるべき相手は、国ではなくその職能団体である。このことを決して間違えてはならないのである。
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暴力事件が起きた後に研修をしても遅い

シルバーウイークという言葉は、いつから使われるようになったのだろう。数年前まではそのような言葉を聴かなかったように思う・・・。

明日土曜日が休みの方々は、暦で言えば来週の水曜日まで5連休となる。この間、21日の月曜日は敬老の日の祝日なので、高齢者介護事業関係者は5連休のどこかでお祝いイベントを企画したりして忙しい思いをしているのかもしれない。
世間の暦に関係なく働く介護従事者
どちらにしても世間の暦とは関係なく、要介護高齢者の日常ケアに従事する方々には感謝の思いしかない。

同時に、世間が連休に浮かれている間も、けなげに介護業務にいそしむ人々が報われる社会であってほしいと心から願う。来年度の介護報酬改定も、そのような人々が報われる改定であることを祈っている。

しかしそのような願いをあざ笑うかのように、介護という職業に対する世間からの信頼を失墜させるような出来事が月単位でニュースとして流れてくる。

介護報酬のプラス改定の願いの足枷にさえなりかねないそんなニュースが、今回は北九州から流れてきた。
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【9/16(水) 14:15配信 九州朝日放送オンライン記事より】
北九州市の介護老人保健施設で、男性職員が入所者の頬を手で叩く虐待とみられる事案が起きていたことが分かりました。虐待とみられる事案が起きたのは、北九州市小倉北区の介護老人保健施設「伸寿苑」です。

施設によりますと、8月24日までの1〜2カ月の間に、30代の男性職員が3回にわたって、1人の入所者の頬を手で叩いたということです。入所者にけがはありませんでした。

男性職員は、施設の調査に対し、「ナースコールを頻繁に押すのでかっとなった」と話していて、9月10日に自主退職しました。施設は事実関係を確認したうえで、事案の報告書と改善計画書を北九州市に提出していて、市は11日に受理しています。

今後、市は現地確認などをする予定です。被害に遭った入所者はもともとの計画に沿ってすでに施設を退所しているということです。施設の担当者は、「職員の研修などを通して組織として再発防止に努めたい」としています。
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頻回にナースコールを押して従業員を呼びつける利用者は一定数存在する。そうした行動には、それぞれの理由があるが、どちらにしてもコールを鳴らす人はお客様である。腹を立てても殴るなどという行為が許されるはずもない。

昨今はカスタマーハラスメント対策が重要視され、顧客に対しても、理不尽な態度や要求等には毅然とした対応が求められるが、毅然とした態度と暴力は対極にあるもので、決して許されるものではない。

こうした暴力事件は、暦に関係なく健気にケアサービスに励む人々に対する背信行為でもある。

こうした事件を起こした施設では、どのような職員教育を行っていたのだろう。介護サービス利用者は顧客であり、従業員は家族と同じ存在ではないので、お客様との適切な心理的距離をとって、サービスマナーを意識した接客が必要であるという教育をしていたのだろうか・・・。

担当者は、「職員の研修などを通して組織として再発防止に努めたい」と述べているが、虐待・暴力事件が起きた後に教育しても始まらないという当たり前のことに気が付いているだろうか。

こうした介護事業者内での、利用者に対する暴力事件は、社会の信頼を損ない、「介護事業は必要悪でしかないから、そこに過大な国費をかけてはならない」という誤った認識を広げかねない。そのようなことがないように日ごろの従業員教育ではサービスマナー教育を最も重視して、定期的に行っていただきたい。

介護事業の規模拡大が政策的に誘導されていく今後を見据えて、新たな有料老人ホーム等を続々と新設している企業も少なくないが、それの伴って雇用するオープニングスタッフ等の新たな従業員に対する就業前及び終業時研修は特に重要だ。

ここで介護サービス利用者は顧客であり、家族のように馴れ馴れしい態度で接してはならないという意識づけを怠ると、後々今回報道された事件のようなことが起こる。

それが介護事業経営の危機に繋がっていくことを胸に刻んで、その芽を限りなく削り取るように、従業員教育に十分な時間と費用をかけていただきたい。
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報酬改定動向と介護経営戦略のアンケート結果と質問への回答

僕は今、アクセス札幌で行われているケアテック札幌2026の会場に向かって自家用車を走らせている。

この後、午後3時からケアテック札幌の特設会場で、「すべての介護職に求められる看取り介護スキルとは 〜どのように命と向き合い、どう支えるか〜」をテーマに60分講演を行う予定だ。

僕の自宅とアクセス札幌のちょうど中間地点は苫小牧市になるので、そこで休憩を兼ねて昼食を摂っている最中で、そのついでにこの記事を更新アップさせてもらっている。

ということで今日はあまり更新時間を取れないので、短い記事で失礼する。
ケアテック札幌2026での看取り介護講演
先日(9/4)に無料オンライン配信したセミナー講演のアンケート結果が、セミナー主催者の「ビズアップ人事コンサルティング株式会社(株式会社吉岡経営センター)」さんから送られてきた。

それが次期報酬改定の方向性と介護施設がとるべき経営戦略(2026.9.4)セミナーアンケート概要である。
講演アンケート結果
是非参照いただいて、視聴者の方々の感想・意見を読んでいただきたい。

このアンケートの最後に、質問事項が書かれていたので、それに対しての僕の回答を以下の通り示したので、こちらでも紹介したい。

質問に回答します。
>今後の医療ニーズの高まりと介護施設の対応について教えてください。

答:病気が発症した際に協力医療機関が早期に対応し入院させてくれますが、それは早期対応してできる限り2週間以内に退院させるのが目標での対応です。
つまり病気は医療機関で治うさせるのではなく、急性期以外は介護施設で治療を含めて対応します
よって介護職員も一定の基本的学知識が求められます。
例えば、糖尿病の人の血糖値管理はなぜ重要になり、治療食はなぜ必要になるのか・・・心疾患を一度発症した人は完全に治うせず、新機能が低下していることを前提にケアしなければなりませんが、その際の注意点は何かなどです。ここの知識は絶対に必要になります。
なお特養の3月入院以内の籍の据え置きなどは、入院期間が短期化することにって形骸化します。

>入浴の記録について、AIを利用して自動記録を推奨するとしていますが、何を記録しておけばよいのでしょう。

答:基本的には、規定された以上の入浴回数になっていることが証明できる入浴日と時間の記録が基本です。安全に入浴できているかなどが証明できる記録であれば、なおかつ良いでしょう。

以上である。

このように視聴者の方々の時間を無駄にしない、他では聴くことができない講演を行っているので、そうした講演を希望される方は、是非気軽にメールで連絡いただきたい。
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関係団体の意見はどれだけ介護報酬に反映されるのか

2027度からの介護報酬改定を議論する社会保障審議会・介護給付費分科会では、9/10から関係団体等意見交換会が行われている。

これは従来の「関係団体ヒアリング」を発展的に見直し、審議会の委員と関係団体との双方向の議論を進める形式としたもので、日程も従来の2日間から3日間へ拡大されており、9/14はその第2回目が行われた。

物価高や人件費高騰という逆風にさらされている介護関係団体からは、悲痛な声が挙げられており、「加算ではなく、基本サービス費の引き上げを」という意見も相次いでいる。

その他、「介護経営実態調査の収支差率の数字が実態と乖離しており、多面的な検証を」という声や、「要介護1・2の人を一律に介護予防・日常生活支援総合事業へ移行せず、現行の介護給付を維持してほしい」と要求する声も挙がっている。

介護DXを進めるために、介護テクノロジー導入支援事業の周知と相談支援の充実を要望し、導入前の補助金相談から導入時の業務再設計、導入後のフォローアップまで段階に応じた支援が必要だという意見も示された。
関係団体意見交換会というガス抜き会議
これらの意見・希望はどれだけ介護報酬に反映されるのだろうか。それとも関係団体等意見交換会とは、不平・不満を抱える関係団体のガス抜きの場でしかなく、「意見を拝聴した」というアリバイ作りの場で終わってしまうのだろうか・・・。

前回(2024年度)の介護報酬改定議論までに行われた「関係団体ヒアリング」については、完全にアリバイ作りの場でしかなく、関係団体が一通り意見を述べて終わりであった。今回は双方向議論とされているが、限られた会議時間であることを考えると、前回までと同様に関係団体の意見の垂れ流しで終わっているような感がある。

これではガスも抜くことができないのではないかと思ってしまう。

この意見交換会が終わると、いよいよ2巡目の各サービスごとの論点整理とその具体的対策が審議される。とはいっても論点も対策も厚労省が一方的に示し、それに対して関連団体の代表委員が意見を述べるだけであるが、2巡目の議事録の中に次期改定で具体化される内容が入ってくるので注目する必要がある。

そしてこの2巡目議論の途中で、今年5月から調査が行われた介護経営実態調査による、令和7年度決算分の収支差率が明らかとなる。その数字が改定率に大きく影響してくるので、ここは大いに注目せねばならない。

しかしこの収支差率の元になる、データ抽出事業者は本当に無作為に選ばれているのだろうか。僕が30年以上勤めた社会福祉法人は、過去一度もその調査対象となったことはない。歴史が長く従業員の定着率が高いために収支差率が低く出る法人は作為的に調査対象外となってはないだろうか・・・。

それはともかく次期介護報酬改定に向けた正念場が間近となってきているので、それぞれのステージで可能な限り行動を起こし、声を挙げ続ける必要がある。

そんな動きや声は国に伝わらないとあきらめることが一番駄目なことだ。行動を起こし声を起こさない限り何も起きないのだから、少しでも可能性のあるパフォーマンスは続けるべきである。
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介護情報基盤というインフラの意味

介護情報基盤とは、全国の介護事業者・医療機関・自治体・利用者(住民)を「一つのネットワーク」で結ぶ、国が推進するインフラである。

このインフラについては、令和8年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含めた標準化対応(※介護情報基盤へ連携するための機能要件を含めた標準準拠システムへの移行)が完了した市町村から、順次、介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行が行われ、介護情報基盤経由での情報共有を開始するとしている。

そして令和10 年4月1日までに、全市町村において介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行も含めて完了し、介護情報基盤の活用を開始することを目指すとされている。

現在の各市町村(保険者)が介護情報基盤を利用しているのか、あるいは準備中なのかについては、介護情報基盤ポータルの「市町村(保険者)の対応状況」で確認することができる。

ところで先日、この介護情報基盤についてわかりやすく解説する講演を依頼され、現在そのスライド作りを行っている。

介護事業者等にとって、介護情報基盤がどのようなメリットをもたらすかが注目されているための依頼だと思うので、その答えを伝える内容にする予定である。
介護情報基盤解説プレゼンテーションスライド
介護情報基盤によって実現することは大別すると下記の3点である。
・分散情報の集約
要介護認定情報・主治医意見書・ケアプラン・LIFEデータなど分散されえていた情報が一元管理される。
・Webサービスアクセス
介護保険資格確認Webサービスを入り口として、オンライン上でタイムリーに情報共有ができる。
・多職種連携の深化
紙・FAX・郵送のタイムラグをゼロにして「高品質な直接ケア業務」への集中を実現する。

介護事業関係者は介護情報基盤を利用することによって、「要介護認定照会・認定有効期間の即時確認」・「認定調査票や主治医意見書の電子閲覧」等が可能となり、紙書類の受け取り業務や郵送待ち時間で生じるロスを削減することができる。

介護情報基盤は介護サービス利用者も利用できるため、マイナポータルから自身の認定情報やケアプランを閲覧できる。それによって災害時や緊急時にもスムースな情報引継ぎが可能となる。

これらを介護事業者の実務フローに落とし込んでいくと、次のような日常業務での介護情報基盤利用が考えられる。
��受付・初回面接時に、「マイナ資格確認アプリ」で利用者のマイナンバーカードを読み取り、要介護度などの介護認定情報をその場で取得〜��アセスメント・ケアプラン作成時に、介護Webサービスにログインし、過去の認定結果や主治医意見書情報をオンライン閲覧することでケアプランに反映する〜��サービス事業者間連携時に、サービス計画書や提供票・利用表をオンラインデータ送受信することで、電話やFAX連絡を全廃〜��給付実績の管理として、LIFEに蓄積されたADL維持・改善情報や過去の給付実績情報を横断参照し、根拠に基づいた科学的介護を実現する。

�い砲弔い討詫�想論・希望的観測の域を出ないが、��までは十分実現可能だろう。

また来年1月には、介護情報基盤の「確認Webサービス」内にケアプランデータ連携システムが統合され、ライセンス料金が無料化される。

これによってブラウザ型のWebサービスから、「資格確認」と「ケアプラン送受信」の双方にアクセス可能となり、業務の省力化につなげることができる。

どちらにしても介護情報基盤は単なる、「システム導入」ではなく、事務コストと連絡のタイムラグを最小化し、「利用者と向き合う質の高い介護」へシフトするための最大のインフラ改革である。

その意識をもって、ケアプランデータ連携システム・介護WEBサービスを未導入の事業所は、今後の業務効率化に向けて、それぞれの導入・登録準備を進める必要がある。
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行方不明者が増える社会

先週火曜日(9/8)に発出された介護保険最新情報 Vol.1541は、65歳以上の第1号被保険者が行方不明となった場合の介護保険資格の喪失手続きと、保険料の減免・返還の取扱いを通知するものだ。

それによると、「第一号被保険者が行方不明となった場合には、原則として、関係部署(住民基本台帳担当課等)と連携し、行方不明が確認され住民票が消除されたことにより被保険者資格を喪失させることが考えられる。」としたうえで、「住民票の消除の手続は長期に及ぶ可能性もあることから、行方不明者の家族の負担に鑑み、法第142条に規定する減免の取扱いの中で、行方不明者に係る保険料を減免して差し支えない。」としている。

さらに失踪宣告などで過去にさかのぼって死亡したとみなされた場合、市町村は払い過ぎた保険料を返還する必要があるとの解釈も示している。

減免申請に際しては以下の書類を求めることも例示されている。
・警察が発行した行方不明者届の受理を証明する書類
・公的年金の支給停止を証明する書類

減免については、家族の負担を考慮し、市町村判断で全額免除も可能との認識も示している。
認知症の行方不明者増加
こうした内容の通知が発出された理由として、認知症の人が増えるにつれ、街中を徘徊した末、家に戻れずに行方不明となる高齢者が増えていることが一因として挙げられる。

令和7年の全国の行方不明者は80.486人。そのうち認知症が原因とされる人は17.345人である。しかし行方不明者のうち20.653人の人は原因不詳とされており、その中にも相当数の認知症あるいは軽度認知障害(MCI)の人が含まれていると思われる。

このように家族が「家に帰れなくなるとはお思わなかった」という軽度の認知機能低下の人が多数含めれているのである。そして一旦行方不明となった場合、ほとんどの人が二度と家に戻れない=どこかで誰とも知れずに死んでいるのである。

それはあまりにも哀しく寂しい死に糧ではないのだろうか。

そもそもアルツハイマー認知症は、目に見えないほど緩やかに、しかし確実に進行するのである。

今、外歩きしても自宅に帰りつける人も、1時間後に同じ状態とは言い切れないわけである。

だからこそ軽度認知障害(MCI)の人も含めて、何らかの対策が必要とされており、来年度の介護報酬改定では、福祉用具貸与の給付対象を拡大して、利用者が屋外へ携行するタイプの徘徊感知機器を貸与物品に追加することになっている。

これを身につけてもらってさえいれば、徘徊している人の位置情報を常に受け取ることができ、行方不明となることを防ぐことができる。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方々は、こうした福祉用具を積極的に貸与することを居宅サービス計画書に組み入れ、行方不明者を一人でも少なくすることに力を貸していただきたい。

その際に、行方不明となる可能性がある人は、軽度認知障害(MCI)の人も含まれることを理解して、救済の網の目を広げる意識を持っていただきたい。
ケアテック札幌看取り介護講演
※9/17(木)午後3時〜4時まで、アクセス札幌で行われているケアテック札幌の特設会場で、「すべての介護職に求められる看取り介護スキルとは〜どのように命と向き合い、どう支えるか〜」を行います。事前登録で無料入場できますので、是非会場までお越しください。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の第21回連載記事が9/3に更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営〜Vol.21
今月のテーマは、「住宅型有料老人ホームの登録制という改正の影響〜ケアプラン有料化やみなし指定、生活相談員配置など制度改正の主要論点を解説〜」です。ぜひ参照ください。
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