masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

暴飲反省・後悔日誌



自分が年を取ったという自覚はないが、高齢者に対する公的支援の対象となる通知が来たりすると、自分も高齢者の仲間入りをするのだという覚悟が促される。

例えば、日本年金機構から特別支給の厚生年金厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられ際に、各年齢に応じて繰り上げて支給される年金僕の場合は満64歳から1年間、通常の支給額の約半額が支給される)の申請書類が来て、ある意味のショックを受けている自分が居たりする。

でも来年は自分自身が介護保険の1号被保険者になる。加齢は自然の摂理だからそのことも受け入れなければならない。

幸い体は元気である。その一番の要因は、どこででもよく眠ることができることと、食事を美味しく食べられることだと思う。

仕事柄、旅先に滞在することが多いので、これは結構大きな要因だと思っている。

食べるのが好きですか?」という質問がされることがあるが、僕から言わせれば食べることが嫌いな人が果たしているのかと思ってしまう。それぐらい僕にとっては人生におけるもっとも愉しみな事であるといってよい・・・生きるために食べるのが本来だが、食べるために生きているという一面も有りだと思う。

来週も大阪出張があるが、仕事のことより、「今回の大阪では、どんな美味しいもにが食べられるだろう」と今からワクワクしている。

滞在先のグルメをネット検索して、お店を探す時間は至福の時である。

ところでそんな食いしん坊の僕の昨日は、深く反省しなければならない暴飲の日となった。

昨日は室蘭市内で仕事をしており、お昼は外食となったが、吉野家のアプリからみそ汁の無料クーポンが出ており、その期間が昨日まであった。それを使わずに流しては勿体ないと思ってしまい、近くの吉野家に行ってみた。
吉野家の肉だく牛オムハヤシライス
まさか無料の味噌汁だけ呑んで帰るわけにはいかないので、新作発売という肉だく牛オムハヤシライス税込み924円)を頂いた。

特段おいしい〜と叫ぶような感動はなく、普通に食べられるハヤシライスで、今後吉野家に行っても再注文することはないだろうと思った。みそ汁はちょっとしょっぱかったので、無料クーポンにつられたことをやや後悔した・・・が、何より量が物足りなかった。

お腹が満たないなあと思いつつ、次の仕事場に向かっていたところ運悪く山岡家の前を通ってしまった・・・。
山岡家の特製味噌ラーメン背油入り
ということで、山岡家の特製味噌ラーメン税込み810円)+背油変更税込み80円)=合計税込み900円を食べてしまった。

しかし還暦過ぎの僕にとって、これはあまりに無謀な挑戦だった。思った以上にお腹がいっぱいになり、はち切れそうになった・・・もう次からはこんな無謀な挑戦はしないでおこうと後悔した。

問題はこの暴飲でついたぜい肉の処理である。今日からまた頑張ってダイエットに努めなければならない。

実は現在の僕は、身長170センチ・体重62キロ・BMI21.5で普通体重(BMI18.5〜25未満)である。

コロナ禍に入った年に、外出機会が減って一時体重が70キロ近くにまで増えたことがあり、これはまずいとダイエットのために室内有酸素運動に励んだ結果、今は適性範囲にとどまっているので、何とかこの体重を維持しなければと思っている。

来週の大阪では、2日間暴飲暴食する予定なので、その分を含めて体重を落としていきたい・・・今日から頑張ります。

ちなみに僕のもう一つのブログ、「masaの血と骨と肉」では、毎日の夕食メニューを紹介しているので、暇つぶしにご覧いただきたい。記事下部のグルメ人気ブログランキングという文字をクリックして投票してくださることを、重ねてお願い申し上げます。


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数合わせの人員確保が生産性を低下させている



介護事業者の多くが人材確保に苦しんでいる・・・いや人材確保ではなく人員確保が困難となっている事業者が少なくない。

利用待機者がたくさんいるにもかかわらず、従業員の数が足りないため一部のベッドを休止せざるを得ない介護保険施設も見受けられる。

それらの施設管理職の皆さんは、いかに人員を確保するかということに毎日頭を悩ませ、とにもかくにも従業員募集に応募があることを祈ってる状態の人が多い・・・だがハローワークに募集を出しても、応募してくる人はほとんどいない。

だからと言って、それで人員確保をあきらめるわけにもいかず、あれやこれやと様々な工夫も行なっていると思う。

その中にはユニークで効果がある方法が存在する一方で、それで人員を増やしたとしても、サービス現場の業務が回ることにはつながらないだろうと思われる愚策も存在する。

例えば、働き手の希望する自由な時間で短時間パート勤務者を増やしているところも少なくないが、タイムマネジメントを伴わない人員配置によって、正規職員等の業務負担は減らず、逆に生産性は低下するという現象もみられている。
介護の生産性
短時間パート職員の希望する勤務時間というのは、基本的に家族の朝食や夕食づくりに支障がない日中勤務であることが多く、モーニングケアやナイトケアといった、忙しい時間に働きたいという希望者はさほど多くない。

そのため朝食介助や夕食介助時間を除いた、日中中心の勤務希望者が多い。

そういう希望者が増えて、配置人員が増えた場合、結果的に昼食介助を中心にした時間の短時間パート者が多くなる傾向がある。

そこでは昼ご飯の介助時だけは、介護職員が余るほどいるのに、朝と夕の一番忙しい時間帯はワンオペフロアが多くなるという現象が生ずる。

正規職員等のシフト勤務者は、短時間パート職が多い時間帯に休み時間をとれるといっても、その分、休み時間を終え自分が中心となって働く時間帯に配置職員が少ない状態とならざるを得ない。そうなると労務負担が増すため、自分だけが過重労働を強いられているとして不満がたまる傾向が強くなる。

そのような状態で介護職員の常勤換算数がいくら増えたとしても、職場環境は良くなったとは言えないし、介護実務はまったく回らないといってよく、シフト勤務者は疲弊の一途を辿り、パフォーマンスは低下するから、当然のことながら施設ケア全体の生産性は低下する。

しかし事実として配置人員数は増えているのだから、管理職や事務担当者は、現場の疲弊に気づきにくいし、気づいたとしても、それは過度の不満であるとか、贅沢な要求であるとして無視してしまう傾向に陥りやすい。

その結果、燃料が燃え尽きるように正規職員が退職し、さらに人員配置が困難となるという悪循環に陥る・・・そうなっては人員確保は永遠の課題となり、解決不可能な問題となってしまう。

そういう意味で、どの時間帯に短時間パートを貼り付けるのかというマネジメントをもっと重視した雇用計画の見直しが必要である。

そのためには現在働いているシフト勤務者等と十分なコミュニケーションを交わして、どの時間帯やどの曜日に、どのような形でパート職員を配置すべきかという数パターンのシュミレーションを行っておく必要がある。その中でベストの配置やベター配置のパターンを導き出して、よりそのパターンに近い雇用を目指すということについて、介護職員等とコンセンサスを得ておくことで、不平・不満の芽を摘み取ることにもつながっていく。

とのもかくにも頭数だけ増やそうとする人員対策は、労多くして功少なしと考えるべきである。


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実行するのは簡単でも実行し続けには仕組みが必要〜接遇マナー



先週、沖縄の介護事業者職員研修として120分間サービスマナー講演をオンライン配信しました。

利用者を顧客・お客様と意識して、サービスマナー意識をもって適切な顧客対応を行う先に、ひとり一人の職員の心の中にホスピタリティ精神が生まれるということが理解していただけたと思います。

講演後、質疑応答の時間に受講者の皆様から様々なご意見を頂きましたが、その際に音声マイクのトラブルで直接意見を云えなかった方から、感想を書いたメモ画像が送られてきました。
サービスマナー講演受講者の感想
このように僕の伝えたいことを素直に受け取っていただけると、話をした甲斐があったと嬉しく思います。

当日抱いた思いを今後のサービスに生かして、地域の利用者の方々から選択される介護事業者であり続けてほしいと思います。

サービスマナーを意識した利用者対応自体は、決して難しいことではありません。そこに特別な技術は必要なく、やる気になりさえすれば誰もができることです。なぜならいっぱしの社会人で、丁寧語を使えない人はいないからです。

僕が解くサービスマナーとは、お客様である介護サービス利用者に対して、失礼のないように最低限の礼儀を護りましょうというものに過ぎません。

言葉遣いにしても、尊敬語謙譲語を使いこなせと言っているわけではなく、「です」「ます」「ございます」をつけることで、相手に対して丁寧に接することができる、「丁寧語」を相手に対して感じよく使いなさいと言っているだけなのです。。

そうすることによって、お客様が気持ちよく介護サービスを利用できることに繋がり、やがてそれはお客様の暮らしの質の向上にもつながっていくのだと思います。

その為に、まずはサービスマナー意識を忘れずに接するという動機づけを持つことが重要です。

僕が行うサービスマナー講演は、必ずそのきっかけになり得るものと思います。

しかしやり続けることは決して簡単ではありません。継続する動機づけとエネルギーが必要になるのです。

その為に、サービスマナー意識を持った顧客対応をし続けるかどうかという問題を、個人レベルの意識の問題とせず、職場全体の問題と考えて対策することが必要不可欠になります。

当然のことながら、介護事業経営者が強くその意識をもって、管理職が現場職員の教育係であるリーダー職に、サービスマナーを護り続けるように働きかけることが必要になります。

介護サービスの場のことは、利用者対応する職員の問題だから、それらの職員で意識を高くもってやり続けてください」などとして、この問題を現場に丸投げ放置してしまっては、サービスマナーを護った利用者対応などやり続けることは困難となります。

経営者・管理職が労務管理の一環として、利用者ん対するサービスマナーが護られているのか、しっかり確認・対応する姿勢がないと、サービスマナーは雲散霧消してしまいます。

当然のことながら、そこには信賞必罰のルールが加えられなければなりませ。職場の規律ルールを護る人と、護らない人が同じ待遇を受けてはならないのです。

サービスマナー精神をもって顧客対応を行うという規律をつくり、職場内のルール・システムとしていくことが大事です。

経営者もしくは管理職の誰かが、そうしたシステム管理の役割を担う必要があるのです。それが機能して初めて、マナー精神はその職場の伝統として後世に繋がっていくのです。

そのようにして一旦、システムが整えられれば、自動的に従業員は規律に則って、マナーのある対応に終始するようになります・・・サービスマナー意識を持つことが規律を超えて、「職場の当たり前」になるからです。

例えばホテルで働いている接客のプロたちの態度を思い起こしてください。彼らはプライベート空間で日常的に、あのような丁寧な対応に終始しているとは限りません・・・むしろそんな人は少ないでしょう。

しかし一歩職場であるホテルフロアに立った時、意識せずとも日常の言葉遣いではない、ホテルマンとしてお客様に接する際に、恥ずかしくない言葉と態度になっているのです。

介護サービス従事者も同じように、プライベート空間とは異なる介護のプロとしての自分を、介護サービス実践の場で創り上げていく必要があるのです。

プライベート空間で友達や知人に接する際の、遠慮ない態度が、親しみやすい態度であると勘違いしてはならないのです。それはお客様に対しては失礼で、無礼な態度でしかないのですから・・・。

介護事業経営者や管理職は、介護サービス利用者に対して丁寧な態度と言葉遣いで接するという態度が、職場内で当たり前になるような職場環境を目指して、そのシステムとルールを厳格に作っていかねばなりません。

それができれば、介護サービス利用者の中心層となる団塊世代に選ばれる介護事業者になり、勝ち組に入れるのです。

そういう意味で、介護事業経営者や管理職の皆さんには、サービスマナーに徹する従業員教育とは、職業倫理の問題ではなく、介護事業経営を左右する問題でもあることを理解してほしいと思うのです。


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大臣が変わって何か影響があるかな?



先週、政権与党第1党の新しい総裁が選出され、明日10/1に国会で首班指名される予定となっている。

これによって日本の最高権力者が変わることになり、内角も改造され、厚労大臣も変わることになるわけだが、そのことが私たちが関係する介護事業等に何らかの影響を与えるだろうか。

勿論、一国の政治トップが変わるわけだから、政策も従前とまったく同じではなく、外交や金融・経済、防衛等の各政策には新首相の色が出されてくるだろう。しかし党内の政権基盤がぜい弱な新首相に、従前からの政策を劇的に変えるような影響力は発揮できないだろう。

そして私たちの暮らしの隅々まで、その政策の影響が及んでくるということはないと思う。実際に過去に首相が変わったからと言って、介護保険制度の流れが大きく変わったという事実はない。

そもそも新首相は、厚労行政に精通している方ではないだろう。社会福祉や社会保障は、専門書を読んで知識を得ている程度ではないかと思う。さして興味もないかもしれない。だから厚労行政が新首相に影響されることはないと思う。
石破内閣閣僚候補名簿
厚労大臣に就任する予定となっているのは、佐賀県選出の衆議院議員・福岡資麿氏である。

初入閣で腕の見せ所といったところだろうが、同氏の経歴を見ると、厚労省の所管する分野とはかけ離れた活動履歴しないように見える。支援団体も全国たばこ販売政治連盟ということで、喫煙派の親玉といったところか・・・健康増進を図る厚労行政とは相反する場所に位置するようにも見えなくもない。

だが、禁煙を呼び掛ける厚労省官僚も、影ではヘビースモーカーという人が少なからず存在するので、このあたりはあまり気にかける必要はない。

年末の予算折衝を考えると、財務大臣に予定されている加藤勝信氏とは、旧茂木派で同じ釜の飯を食った仲ということで、意思が通じやすいかもしれない・・・勿論、同派閥であっても犬猿の仲という議員はたくさんいるが、政治家としての経験年数と年齢を考えても、福岡厚労大臣が加藤財務大臣に逆らうような関係性はなく、先輩として財務大臣の指導・指示を受ける立場ではないかと推察する。

どちらにしても初選出の厚労大臣は、厚労省官僚の掌(たなごころ)の中だろう・・・というか、そもそも永田町がどう変わろうと、霞が関という高い壁がある限り、この国の何かが劇的に変化するということはないわけである。(参照:霞が関の頭脳・永田町の権力

ということで首相や内閣閣僚がどのように変わろうとも、来年から本格化する介護保険制度改正議論にも、再来年から始まる次期介護報酬改定議論にも、それはほとんど影響しないだろう。

衆議院が9日に解散され、来月27日に投開票予定という報道もされているが、そこで政権交代が起きる可能性もないだろうし、仮に交代があったとしても、何ほどの問題でもないように思う。

現に介護保険制度以後に、私たちは2度の政権交代を経験してきた。そこで何が変わったか・・・野党時代は介護重視・待遇の大幅改善を訴えていた政党が、与党になった途端に財政論を振りかざし、財務官僚の掌のなかでしか発言せず、何も変わらなかった過去がある。

それらの政治的変化の中で、私たちの暮らしぶりが大きく左右されることもなかったし、これからもそれはないだろう。少なくとも私たちの暮らしぶりが劇的に良くなることは決してない。

私たちはそれを踏まえたうえで、政治等の流れに関係なく、私たちが向かい合う介護サービス利用者や、その家族の日々の暮らしをより良いものにしていくという考え方と関わり方が求められていく。

その本質を決して失ってはならないと思う。


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1.576.016人という数字の意味



今日のタイトルに掲げた1.576.016人という数字は何を表しているかご存じだろうか。

実はこの数字は、2,023年の日本の死者数であり、前年比で6.966人増えており、死者数は戦後最多となっている。

ただし死者の増加数は、コロナ禍の影響があった2022年(2021年と比べての増加数)の方が上回っている。だがどちらにしても、「2030年には約160万人の死亡者が出る」という国の予測を上回り、それより早い段階で年間死者数が160万人に達することは間違いないと思われる。

それまでに死に場所の定まらない「みとり難民」が生まれないように対策を急がねばならない。

特に老衰死が増えているため、高齢者の暮らしの場で看取り介護・ターミナルケアを受けることができるように、2024年度の介護報酬改定のテーマの一つとして、居宅サービスに看取り介護・ターミナルケアの強化を求める加算新設などを行った。

居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算の対象について、末期がん患者であることという縛りを解いて、すべてのターミナルケアに広げたのもその一環である。

しかしいくら加算を新設して、その算定要件をクリアする事業者が増えたとしても、看取り介護・ターミナルケアの本質を理解することなく、暮らしの場で人が死ぬという過程で、算定要件をクリアすることだけに躍起になっている状態では、本当の意味でみとり難民が発生していないとは言えない。

現に看取り介護加算ターミナルケア加算を算定していながら、悲惨な状態で見捨て死のように、もがき苦しんで亡くなっている方もいる。

特養やGHでは、そこで死んでいるというだけで看取り介護を行っていると勘違いしている人も少なくない。

看取り介護とは、看取る側・看取られる側の双方、あるいは一方が、回復不能な終末期に置かれているという時期を意識して介護を行うことに意味がある。残された限られた時間を意識し、その時間を大事に思うことから始まるケアが看取り介護・ターミナルケアである。

そうした看取り介護の本質と、本物の看取り介護の実践に結びつけるための方法論を伝える講演を大阪市で行う予定が入っている。
大阪市老連主催看取り介護研修
大阪市老連主催の、「看取りケアとターミナルケア研修会〜命の尊さ!バトンを繋ぐ意味」は、10月11日(金)15:00〜17:00の予定で、大阪市社会福祉センター3階第1会議室(大阪府大阪市天王寺区)で開催予定となっている。

会員以外の方も参加受付できるそうなので、参加希望者は是非張り付いた文字リンク先から申し込んでいただきたい。

看取り介護・ターミナルケアは、人が最期の瞬間まで尊厳を持つと同時に、生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護である。

だからこそ看取り介護・ターミナルケアは、「する・しない」、「できる・できない」と判断する問題ではなく、日常介護の延長線上に、ごく普通に看取り介護・ターミナルケアの実践があって当然であると考えるべき問題である。

そのため、看取り介護・ターミナルケアスキルは、すべての介護関係者が当然備えておくべきスキルであり、自宅で看取り介護を受けている人が、ショートステイや通所介護利用するケースも増えていることを踏まえて、所属するサービス種別に関係なく、様々な関係者がこの研修会に参加してほしいと願っている。

それでは10/11は、大阪・上本町の大阪市社会福祉センターで愛ましょう。
CBニュースの連載・masaが紐解く介護の今の最新記事が9/26にアップされました。
masaが読み解く介護の今
今回のテーマは、「介護支援専門員に求められる役割とは」。文字リンクをクリックして参照ください。


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複雑な介護保険制度〜ネット情報を闇雲に信じてはならない



現代社会は、インターネットで検索すれば、ほとんどの情報が手に入る便利な社会である。

だからと言ってネット上の情報がすべて正しい情報とは限らない・・・そこには情報操作の意図をもって、わざと捻じ曲げた情報も置かれているし、そのような悪意がなくとも、勘違いや誤解・知識の欠如によって正確とは言えない情報も多々存在するからだ。

介護保険制度関連情報も同様である・・・例えば地域密着型サービスに関する誤解がネット情報で拡散されている。

インターネットの検索エンジンに、「地域密着型サービスとは」と入力して検索すると、たくさんのサイトがヒットして、それぞれで説明文が書かれているが、それを見ると「利用が希望する施設と同じ市町村に住民票のある方が利用できるサービス」と書かれて、例外規定が書かれていないサイトが目に付く。

例外とは、他の市町村が地域密着型サービスを指定するケースである。

例えば僕が住む登別市は、生活圏域としては隣の室蘭市と一体であるといってよく、僕が買い物に行ったり、呑みに出るのは室蘭市であることが多い。特に僕の家は、室蘭市との境界の川のすぐ近くにあるため、室蘭市には歩いて行くことができる。

そのような地域に住む登別市民にとっては、登別市に所在するGHより、室蘭市に所在するGHの方が近いというケースが出てくる。この場合仮に、室蘭市に所在するGHについて、登別市の被保険者からの利用希望に基づき、登別市が必要であると認める場合には、例外的に室蘭市の同意を得て指定することで、登別市民が利用することが可能となるのである。(※登別と室蘭間で、実際にそうしたケースがあるわけではない。あくまで可能性例を挙げただけである

つまり地域密着サービスとは、原則的には利用が希望する施設と同じ市町村に住民票のある方が利用できるサービスではあるが、例外的に他の市町村が事業指定する場合があり、その場合は指定した他市の住民でも利用できるサービスであるということになるのだ・・・こうした例外規定を示さないサイトは、信頼のおけないサイトということになる。

また通所リハビリのサービス提供ルールも、訪問リハビリと混同されて伝えられているサイトが目に付く。
訪問リハと通所リハの違い
訪問リハビリは、指示書を発行する医師と、利用者の主治医師が異なる場合で、サービス利用前に指示書発行医師が利用者診療を行うことができない場合に、主治医師から診療情報提供書を発行してもらわねばならない。

そのことは通所リハビリの算定基準〔老企36号第2の5の(1)〕に以下のように書かれている。
訪問リハビリテーションは、指示を行う医師の診療の日から3月以内に行われた場合に算定する。また、別の医療機関の医師から情報提供を受けて、訪問リハビリテーションを実施した場合には、情報提供を行った医療機関の医師による当該情報提供の基礎となる診療の日から3月以内に行われた場合に算定する。

しかし通所リハビリの場合、そのような算定基準は存在しない。つまり指示を出す通所リハの医師が、利用者の診療を行わねばならないというルールや、主治医師でない場合に診療情報提供書を発行してもらわねばならないというルールは存在しないのである。

これは両サービスの運営基準にも現れている。

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号)の訪問リハビリの基準・第八十一条では、『医師及び理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、当該医師の診療に基づき(中略)訪問リハビリテーション計画を作成しなければならない。」としている。

一方で通所リハビリの運営基準・第百十五条は、『医師及び理学療法士、作業療法士その他専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる通所リハビリテーション従業者(以下「医師等の従業者」という。)は、診療又は運動機能検査、作業能力検査等を基に〜(中略)通所リハビリテーション計画を作成しなければならない。」としており、医師の診療ではなく、運動機能検査、作業能力検査等を基に通所リハビリの提供・実施の指示ができるとしているのである。

つまり通所リハビリを利用するに際して、通所リハビリテーションを受けるにあたって、利用者が自分の主治医師に、通所リハの医師あてに診療情報提供書を発行するように依頼しなければならないということにはなっていないのである。

しかし多くのサイトで、通所リハの利用者もしくは通所リハ事業所に対して、主治医師に診療情報提供書を発行するように依頼する義務があるかのような文章が記載されている。

それは根拠のないデマと同じである。通所リハビリ利用に関連して、診療情報提供書が必要になるというルールは存在しないのである。

通所リハビリを利用するに際し、主治医師から診療情報提供書を発行してもらわねばならないと思い込んでいる関係者は、今一度報酬告示の算定基準と基準省令の運営基準を確認して、そんなルールはないことを理解してほしい。
CBニュースの連載・masaが紐解く介護の今の最新記事が今朝9時にアップされました。
masaが読み解く介護の今
今回のテーマは、「介護支援専門員に求められる役割とは」。文字リンクをクリックして参照ください。


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知っておいて損はない介護保険制度雑学



介護保険制度は2000年4月〜施行されている制度である。それは戦後初めて、日本の社会福祉制度が抜本改革されたという意味で、様々な変化をもたらした。

そうした措置から契約への変革時点で、いろいろなものが変わっていった。

それから4半世紀も経ていないが、短い過去を振り返ってみると様々な転換が見て取れる。だが制度創設までの社会の様残な動きや、制度創設以降の24年間に介護保険制度の様々なルールがどう変化してきたのかを知らない関係者も増えている。

それはそれで良いのかもしれないが、それらを知っておいて損はないだろうし、知っておくことで何かの時に役立つかもしれない・・・ということで雑学として、それらを知りたい方に今日の記事を読んでいただきたい。

介護保険制度において、居宅サービスとされているものは、それ以前は在宅サービスとされていた・・・この違いは何だろう。

前者は介護保険法、後者は老人福祉法の文言であり、介護保険法の所管は老健局、老人福祉法の所管は社会援護局である。

つまり厚労省内でも縦割りで、社会援護局で使っていた言葉を、新制度で所管が変わった法律で引き継いで使いたくない=老健局の方が力が強くなったんだぞという誇示であろう・・・要するにつまらない足の引っ張り合いの文言変更でしかない。

それとサービス種別の通称・・・なぜ通所介護デイサービスで、通所リハビリデイケアなのだろう。

通所をデイとしているのは共通だから、それは問題ないとして、普通に考えれば介護ケアだから、通所介護をデイケアとすべきだと思わないだろうか。

実はこれも介護保険以前からの歴史と関連している。通所介護も通所リハビリも介護保険制度創設時に創られた言葉である。介護保険制度前は、通所介護・通所リハビリというサービス名は存在しなかったのだ。

だがデイサービスという言葉は、1979年(昭和54年)に生まれ、地域住民サービスとして行われていた。デイケアの誕生より先である。

しかもデイサービスは、それ以前に地域で暮らす人で、寝たきりなどのため居宅で入浴困難な人を、特養で入浴支援するという「入浴サービス」から派生したサービスなのである・・・入浴だけではなく、日中通って機能訓練や療養上の介護を行うとして、入浴サービスデイサービスとしたものである。

だからデイサービスの後にできたデイケアは、他の言葉を探した結果、デイケアに落ち着いただけの話である。

そもそも介護保険制度の最初の原案では、訪問介護・通所介護・通所リハビリ・痴呆対応型共同生活介護(現在は認知症対応型共同生活介護)という言葉ではなかった。

それはそれぞれ、ホームヘルプサービス・デイサービス・デイケア・グループホームと書かれていたの過ぎない。

それにイチャモンをつけたのが、当時の厚生大臣であった小泉純一郎だった。
小泉純一郎
日本の法律なんだから、きちんと日本語を書け」として修正させたのが、現在使われているサービス種別名である。

さて介護保険制度開始後、最初に問題になって変更されたのは区分支給限度額である。

制度発足当初は、訪問・通所サービスと短期入所サービスのそれぞれについて限度額管理を行っていた。訪問・通所サービスの外枠に短期入所として使える日数が要介護度別に決められていたのである。

そこでは短期入所ニーズの高い人で、訪問・通所サービスをほとんど使わない人が、日数制限で十分なサービス利用ができないなどの問題が生じ、利用者の選択性・利便性の向上の観点から、現在のように区分支給限度額を一本化したものである。

ちなみに区分支給限度額は、2014年(平成26年)に消費税率引上げ(5%→8%)分に対応して上乗せされた以外は、制度発足当時のまま引き上げられていない。それはサービスの平均的な利用率は限度額に対して6割程度にとどまって推移しているからである。

消費税対応以外20年間以上限度額が変わらないということは、ケアマネジメントが有効に機能して、過剰サービスを抑制しているという意味にも思える。

さてそのような介護保険制度であるが、その誕生の経緯についても知ってほしいので、このブログではわかりやすくまとめている。
介護保険・夜明けの雷鳴1
介護保険・夜明けの雷鳴2
介護保険制度へと続く道
介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐
↑これらの記事もぜひ参照願いたい。そしてその歴史を読者から後進に伝えてほしいと願う。


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偽善・・・大いに結構。



介護の職業をしているからといって、聖人君子になる必要はない。

ごく普通の人でありさえすれば良いのである。

そういうと、「普通って何?」・「普通にもいろいろあるよね」と上げ足をとる輩もいる・・・小難しいことを考えず、かつ捻くれた考えをせず、人の命を奪ったり、人の心を傷つけることを面白いと思わないごく普通の人と考えればよい。

だが、ごく普通の人と言っても人は様々な側面を持つ存在であり、決して良い面ばかりを持つとは限らない。どうしようもなく駄目な部分を持っているのも人の性(さが)である。
二面性
人前にはさらしたくない本性を持つ人もいるかもしれない。

しかし誰しも本性のままに生きているとは限らない。人前で本性を隠して、衣装をまとった自分しか見せない人が居るかもしれない。しかしそうした自分を演ずることができるということも、その人のパーソナリティであると認めてよいと思う。

例えば他者に対する優しさに欠ける自分の本性を見つめている人が、その本性を隠して、他者に対して優しく振舞うのであれば、結果としてその人は優しい一面を持っていると認められて良いのである。

化けの皮をかぶって、介護事業者で良い人を演じているという人がいったら、そんな化けの皮をはがす必要なんてないのだ。ずっとその化けの皮をかぶったまま、良い人を演じ続けてくれれば良いのである。

むしろ職業として仕事をする場は、その道のプロとしてお金を稼ぐ場であるのだから、プライベートの自分とは違った自分を演ずることも必要になる。本性を丸出しにした姿勢でしか仕事ができない人間はプロとは呼べず、そこで金銭対価を得るに値しない人というべきである。

例えば僕自身も決して人から褒められるような人格者ではない。特にわがままで、一度嫌いになった人とは完全に縁を断つような、人の好き嫌いが激しい点は大きな欠点だろうと思っている。

だがその欠点をそのまま対人援助の仕事に持ち込んではならないことだけは理解している。その為、ぼく自身がどのような人に対して嫌悪感を持ちやすく、どういう態度になりがちかということについての自己覚知に努め、すべての利用者に対して公平な態度で臨もうと努めている・・・それができなくなったら、この職業を辞さねばならないと自覚している。

そのため、プライベートでお付き合いする人への態度と、職業で相対する人への態度は異なって見えるかもしれない。しかしそれがプロの姿勢であると思っている。

そうした態度が偽善に見えるなら、それも良いだろう。善を装ったとしても、結果的に利用者に対してそれが善行となるなら何も問題はないと思うからだ。

そんなことを考えるのは、介護業界にはプロになり切れないど素人が多いからだ。

プライベートで友人や知人と親しく接する態度が、そのまま対人援助という職業でも親しみを持たれる態度だと勘違いし、顧客である介護サービス利用者に対して、馴れ馴れしい無礼な態度を直さない人がいる。

その中には、目上の人に対しても対等な口の利き方を意味する「タメ口」さえ、親しみを込めた言葉遣いと勘違いしている知的レベルに問題のある輩も多い。

そういうプロになり切れない人、対人援助のプロとしての品性と能力に欠ける人は、介護業界から退場してもらいたいと心から思っている。

明日の夕方、沖縄の4事業所合同職員研修として、「介護事業に求められるサービスマナー選ばれる事業者になるために」というオンライン講演を配信するが、受講者の皆様が顧客に対するサービスマナー意識の重要性を理解され、その意識を高く持った介護サービスを実践してほしいと思う。

沖縄の皆様、明日画面を通じてお愛できるのを楽しみにしています。


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賃上げ率の民間との格差広がる介護事業



全国老施協など9団体が、今春の賃上げ等の状況を調査した結果が、今月19日に公表されている。

それによると、一般企業の賃上げ率は5.10%(中小賃上げ率4.45%)で、33年ぶりの高水準になっている中で、医療・介護・看護業は、業種別の賃上げ率で一番低い賃上げ率2.19%にとどまっているとことが明らかにされている。

これは極めて深刻な問題である。もともと全産業の平均給与より低いと云われていた介護職員の給与は、処遇改善のための補助金や加算によって、その差が縮小してきていた。そしてそのことによって、高いと云われていた離職率が下がり、全産業の定着率平均より高い水準にまで改善していた。

しかし賃上げ率が最低となったことで、せっかく縮まってきた賃金格差が再拡大したことになる。

このことによって介護事業者から、他産業に転職する人が増える可能性も否定できず、新規で人材確保するネックにもつながってくる。その為、介護事業者は人材確保が益々困難となり、人材確保ができないことによって事業継続できないケースも増えてくることが懸念される。

だからと言って医療・介護・看護業の賃上げ率2.19%という数字が、経営者の無能とか搾取による問題ではないことも事実だ。

収益のほとんどの部分を公費によらざるを得ない医療・介護事業は、賃上げ分を価格転嫁するということが不可能で、一般企業のように賃上げのハードルが高くなる。

介護で言えば、処遇改善加算の引き上げ率は前年度比 2.5%である。しかしこれは最上位加算を算定し、介護職員のみに配分した場合の引き上げ率だ。

そのような中で2.19%の引き上げを実施しているということは、収益分を含めて職員に還元している結果とも見て取れるので、経営者も最大限の努力をしているとみてよい。

よって民間との格差がこれ以上広がっては、介護崩壊につながりかねないことを国に訴えて、更なる介護給付費の引き上げを実現する努力を続ける必要がある。

だがそうした訴えに応えて、次の介護報酬改定時期である2027年度より前倒しして、介護給付費が上げられる可能性はほとんどないし、臨時の補助金も期待できない。

ではどうしたらよいのだろう・・・一つには、世間に向けて介護事業は、継続した給与引き上げを実施できることをアピールすることだ。

民間営利企業は、大企業の大幅なベースアップの影響も受けて、中小企業も大幅な給与アップに踏み切っているが、それ原資をすべて価格転嫁したり、収益アップ分から捻出しているわけではない・・・給与を上げないと人が集まらずに、経営困難となることから無理に無理を重ねて、引き上げ原資をひねり出している中小企業が多い。

そうしたところはそろそろ体力の限界で、来年度以降も継続して給与改善をしていく見込みが立たないところも少なくない。

それに比べると介護事業は、来年度も今年度よりさらに2.0%のベースアップへとつながる処遇改善加算の財源を確保しているし、再来年度については財源措置はされていないが、その意味は賃上げの進捗や他産業の動向などを踏まえて、直前の予算編成過程で判断し、必要な財源措置を行うということが前提である。(※2023/12/20、鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相が折衝で合意済み

このような安定的な給与引き上げ策がとられていることを求職者にもアピールし、かつ処遇改善加算の掛け率の元にもなり、介護職以外の職員の給与引き上げ原資ともなる収益を最大限に挙げる努力をしていかねばならない。

加算をいくら算定しても、利用者数が定員に満たなければどうしようもないのだ。施設サービスはベッド稼働率を高め、通所・訪問サービスは利用者数を増やす努力をしなければならない。
やりがいのある仕事ができる職場づくり
それと同時に、介護職員となる動機づけを護らないと、人材は張り付かないし、定着しないという理解も必要だ。

介護福祉士養成校に入学する学生の動機第1位は、「人の役に立つ仕事に就きたい」というものなのだ。これは何年も変わっていない。

そういう人々が、「人の役に立てる職業だと思って選んだのに全然違った」・「利用者への対応が流れ作業になってしまっている」・「こんなやり方が利用者のためになっているとは思えない」という理由で介護の仕事をリタイヤしているのだ。

そういう状態をなくしていかないと、いくら給与改善を進めたとしても、永遠に介護人材不足は解消しないことを肝に銘じなければならないと思う。


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masaのグルメ道〜魚金食堂のうおきん海鮮丼



暦を見れば明日から2週連続の3連休である。

シフト勤務でない方は、どこかに出かける予定を立てている人もいるかもしれない。シフト勤務で明日からの3連休も仕事という方は、次の休みに心を馳せて頑張ってほしい。

行楽のついでに、美味しいものを食べたいという方も多いと思うので、今日はちょっとしたグルメ情報をお届けしたい。

一昨日、札幌で講演を行ったが、そのあと千歳市で呑み会を行ったため、その日は千歳市内のホテルに泊まって昨日、自宅のある登別に帰ってきた。朝10時にホテルをチェックアウトしたが、朝食を抜いていたので走行中にお腹がすいた。お昼時にはまだ早い11時だったが、朝昼兼用の食事をしようと思い立ったのが、ちょうど苫小牧市を走行中のことだった。

苫小牧市には、カレーラーメン・味噌カレーラーメン・北寄カレーなど様々な名物があるが、実はここは海鮮丼のメッカでもある。

海の幸に恵まれた北海道だから、各地に名物の海鮮丼はあると思うが、苫小牧市はその中でも抜きんでた存在だと秘かに思ってる。

中京テレビのオモウマい店で紹介された、「マルトマ食堂」は、毎日2〜3時間以上待ちの行列が創られているが、そのすぐ隣に「ぷらっとみなと市場」というところがあり、ここの市場内と、その周辺に美味しい海鮮丼屋さんが立ち並んでいる。

地元の人も食べに行く場所なので、価格もインバウンド向けではなく、手ごろな料金で新鮮で豪華な海鮮丼が食べられる。

ということで昨日立ち寄ったのは、市場の向かい側にある魚金食堂。ここも行列ができる店であるが、昨日は何故かすいていて、すぐ入店できた。
魚金食堂メニュー
メニューはこんな感じである。
うおきん海鮮丼
この中から僕が選んだのは、「うおきん海鮮丼」1.980円(税込み価格)である。みそ汁は鮭のあら汁。漬物もついてこの価格。安いと思う。ちなみにご飯は、酢飯と白米から選べて、無料で大盛り(450g)にしてくれる。

ネタはともかく分厚くてでかい。そのためそのままでは食べずらいので、向かって右手・奥の皿に取り分けて食べることができる。このようにネタをよけておくためについてくるお皿は、何も言わなくとも最初からセットされている。
うおきん海鮮丼
うおきん海鮮丼
海鮮丼のアップは、こんな感じ。動画も撮影してYouTube・ボリュームが半端ない!!うおきん海鮮丼にアップしているので、そちらは文字リンク先をご覧いただきたい。

ということで苫小牧市の近くにお越しになった方は、是非美味しい海鮮丼を食べて帰ってほしい。ちなみに同市は北寄貝のメッカでもあるので、北寄丼もお勧めである。
※メディカルサポネットの連載・菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.9が9/16に更新アップされました。
菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営
今回のテーマは、「介護事業における虐待防止対策として必要な視点」です。張り付いた文字リンクをクリックして参照ください。


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底割れのしない人材対策のために必要なこと



昨日・アクセス札幌で行った介護人材育成をテーマにした講演には、90名を超える受講者が集まってくださいました。会場はほぼ満員となり、窮屈だったかもしれません。

受講者の皆様、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

僕の顧問先の「つなぐ手ケアマネセンター」の次田代表も、同じ時間に別会場で講演を行っていたため、講演後に合流してプチ情報交換会を行いました。その模様は、「masaの地と骨と肉〜僕を何、にんにく、んでいる人がいるんだろう。」で紹介していますので、文字リンク先を参照ください・・・できれば記事下部分の「グルメ人気ブログランキング」の文字をプチっとクリックいただくとうれしくなります。

さて、そのブログ記事で紹介した流れで、昨日は千歳市のホテルに泊まり、今日午前中に自宅のある登別市に帰る途中です。昼ご飯を食べながら記事更新しているので、今日は短めの記事となります。

昨日の講演は60分という短時間でしたので、人材対策のうち育成と定着に焦点を当ててお話ししました。

しかしこれはとても大事な観点です。募集に応募を増やす方法はいくらでもあります。特に介護事業者の場合は、職員募集の工夫をしていないところが多いので、ちょっとした視点変更を行って、今までやってこない形で職員募集をかけることで、応募が格段に増えるというケースは少なくありません。

しかし応募者と採用者が増えても、介護職未経験者を含むそれらの人々に対して、きちんとした指導教育を行わなければ、底が抜けたバケツのように、採用した職員は短期間で辞めていきます。

そのため人材はいつまでたっても充足しないという状態になり、永遠に人材不足は解消しません。そして要介護者が増えるのに、生産年齢人口は減少の一途をたどるわが国においては、その状態がさらに悪化するのです。

それを防ぐ対策について、昨日話をしてきました。受講された皆様からは、講演後、今後のヒントをもらったとか、今までのやり方を変更する必要性を感じたなどというふうに、多数の方から声をかけていただきました・・・どうぞ、今日から僕の伝えた内容からヒントを拾って、対策を講じてください。そして厳しい人材難の時代に、生き残ることができる介護事業者になってください。

人を育てることは、人の成長に感謝することです。その人の長所を見つけるようにつtめてください。長所を認め結果が良ければ褒めることも重要です。

そんなふうにして快適な職場環境を作ることを目標に、継続して職場をリードしていくことができるリーダーを育成してください。そしてリーダーは、すべての職員が一定レベルの仕事ができるように育てる必要があるという自覚と使命感を持ってください。

自分で考えて行動する職員を育てるためには、勇気をもって温かく、かつ厳しく注意を行う必要もあるのです。

人材が育つ職場づくりのために、リーダーが日ごろから注意すべきことがあります。それは下記の6点です。

・人格等を侵害(非難)するような言葉・仲間の悪口はNG!!
・ネチネチ・意地悪な指導はNG(回数に注意・都度タイムリーに)
・必要以上に大きな声の指導はNG 机などの物を叩いて大きな音を出すのは威嚇行為とされます
・人前を避け、できるだけ個別に指導・・・しかしいつも同じ個室で指導してはなりません・・・そこは指導される部屋に化し、小言を聴いていればよいというふうに、馬の耳に念仏という状態の部屋になります。
・長時間指導は避け、できるだけ都度手短に
・業務時間外指導は原則NG


これらのことを守って、素敵な後輩づくりに努めてください。それができる介護事業者でないと生き残っていくことができない、厳し時代がすぐそこに来ています。
※メディカルサポネットの連載・菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.9が9/16に更新アップされました。
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2025年以降の介護サービス



僕は今、苫小牧市でこの記事を更新アップしている。

今日は札幌市の展示会場・アクセス札幌で講演を行うために自家用車で会場に向かう必要があり、その途中で休憩を兼ねたランチを摂りながら、飲食店内でこの記事を書き終えたところである。

今日は15時30分から60分間、「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで、介護人材育成と定着に関連した講演を行う。

介護業界の人材難は益々深刻化しているが、その根本的解決策は存在しないといってよい。

そのため国の介護人材対策も、必要な人材を確保することは不可能であることを前提に、いかに人材難の負の影響を国民及び介護事業者に生じさせないようにするかという、よりましな対策しか行うことができないのが現状である。

そうであるからこそ、今日の講演で伝える人材育成システムを取り入れて、自前で介護職員を育て定着させることで、スキルの高い職員が、その経験値を基にした生産性向上を実現することが不可欠なのである。

介護人材難の深刻さは、我が国の国民の年齢構成からもその深刻さが見て取れる。

2025年度には団塊の世代全員が後期高齢者となり、そこから40年度にかけては、高齢者数そのものは大きく変化しないものの、「85歳以上の後期高齢者のシェア」が急拡大していくことがわかっているのだ。当然のことながら要介護高齢者も爆発的に増える。

しかし支え手となる現役世代人口は2025年度から2040年度にかけて急速に減少していくのである。
介護人材対策
今後、外国人労働者が増えたとしても、その数は国内若年層の減少数をはるかに下回る数でしかなく、焼け石に水といったものにしかならないのである。

しかも現在外国人労働者の就業が認められていない訪問サービスについて、できるだけ早い時期に外国人労働者によるサービス提供ができるように準備が進められている。(※遅くとも来年度から解禁予定〜今年度中に解禁されるように準備が進められている

このことは居宅サービスから見れば歓迎すべきことだろうが、施設サービスにとっては大変な問題でもある。

当然のことだが、このことによって施設サービスに従事する外国人は減るからだ。それだけではなく、現在施設で働いている外国人労働者が、様々な理由で訪問介護に転職するケースも少なからず出てくるだろう。

しかし訪問介護に従事できる外国人は、利用者と1対1で対応でき、コミュニケーションも十分取れ、自分一人で何事も判断できるというスキルの持ち主である・・・つまり施設サービスにおいても、戦力として十分なスキルを持つ人が、訪問介護人材として転職してしまう可能性が高いのである。

このことによって施設サービスは、ますます人材確保に困難を生ずることになるだろう。

そのため、すべての介護事業者が必要な人材を確保できる見込みがない中で、いかに人材不足に対応できる生産性の向上の実現を図るかも含めて、人材の育成と定着策を考えたいと思う。

なぜなら介護事業の生産性向上の最たる方法は、スキルの高い経験ある介護職員が、誰に対しても適切なケアを無駄なく行うことだからである。加えて紙ベースの記録をしなくて済むように、介護職員もICTも使いこなしていかないと仕事にならない時代になる。

逆に言えば、最新技術を使いこなせず、介護知識に欠け、拙い援助技術しか持たない介護職員が何人いたとしても、介護の生産性は低下の一途を辿るという理解が必要である・・・そうしないための対策を共に考えよう。
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送迎車火災事故原因を示す続報はないのか?



北海道中央自動車道(高速道路)で14日、新千歳空港に向かっていた北海道中央バス(小樽市)の高速バスが炎上するという事故が起こった。

幸いなことに乗員・乗客全員が避難し怪我人は出なかったが、車外に脱出直後にバスは炎上したとのことだから、一歩間違えば大惨事になるところだった。

火災原因は、エンジン付近のオイル漏れだとみられている。

この事故の報に触れたとき、そういえばつい最近・介護事業者でも車両火災事故が起きていたなと思った・・・悲惨極まりない通所介護送迎車両出火事故という記事で紹介した、8/17(土)に起きた通所介護「ニチイケアセンターまめじま(長野市)」の送迎車火災事故のことである。
ニチイケアセンターまめじま送迎車火災事故
リンクを貼りつけた記事を書いたときには、女性利用者(101歳)が全身やけどを負ったものの意識はあり、従業員の女性(56)が意識不明の重体で救急搬送されたと報道されていた。

しかしその後の続報では、女性利用者(101歳)が8月27日朝、搬送先の病院で死亡し、運転していた介護職員の56歳の女性は、その時点ではなお意識不明の状態が続いていると報道された。

事故直後、「痛い・痛い」と泣き叫んでいたという101歳の女性利用者・・・100歳を超えてなお在宅でお元気にサービス利用もできていた人が、このような事故で悲惨な死に方をしなければならなかったことは本当に可哀想でならない。心よりご冥福を祈りたい。

意識不明が続いているという従業員女性は、まだその状態が続いているのだろうか。回復することを祈りたいものだ。

問題はこの火災の原因究明だ。最初に取り上げた北海道の高速バス火災の原因は事故直後から報道されており、オイル漏れの原因も間もなく明らかになるだろう。そうであれば対策も講ずることができ、再発防止に結びつけられる。

ところが長野市の通所介護送迎車の火災原因は、事故から一月以上経った今も詳細が明らかにされていない。

現在意識不明になっている女性従業員は、搬送時にはまだ意識があり、消防に対し、「エアコンの吹き出し口から白い煙が出て車を停めたら出火した」「火をタオルで叩くなどしたが消えなかった」と話したという。

この煙と火は、どのような原因で発生したのか・・・それを知りたいと思うのは、単なる興味本位とは異なる。

毎日のように送迎を行う全国の通所サービス関係者にとっても、どのような原因が車両火災に結びつくのかを知ることは、それと同じような事故を起こさない教訓を得るということである。

事故を起こしたニチイケアセンターまめじまの運営会社ニチイホールディングスは、デイサービス送迎車の車両火災に関するお知らせ を公式サイトに掲載し。「お亡くなりになったお客様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。原因の究明に努め再発防止の徹底に全力をあげて取り組んでまいります」とアナウンスしているのだから、究明された原因を内部処理するにとどめず、広く公開してほしいものである。

それが今後の送迎車両安全運行の教訓にもつながるのではないだろうか・・・。

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暦と僕



秋風が吹き始めた登別市・・・朝晩は肌寒さを感じるくらいの気温になってきました。

しかし今朝も抜けるような青い空が高く広がっており、日中の最高気温は22度になっていますので、3連休の最終日も行楽日和です。

そのような中で、今日もシフト勤務されている介護職等の皆様には頭が下がる思いです。

皆さん一人一人が社会のセーフティネットとしての役割を果たしているのですから、そのことをどうぞ誇りに思ってください。そしてその思いを胸にして、利用者の方々の心に咲く花のような存在になってください。
カワラナデシコ
今日は僕自身のことを少し語ります。

僕は大学を卒業してすぐ社会福祉法人に就職し、主に特養の仕事をしました。そこではソーシャルワーカーや施設長職を歴任してきたためシフト勤務の経験はありません。

その為、暦の通りに土日祝祭日が休みでした。そういう意味では暦を意識し、暦に左右される暮らしを送ってきたと云えます。

さらに暦にはもう一つの意味がありました。それは特養利用者の方々の暮らしを創るという意味です。

特養には様々な生活歴をお持ちの方が住んでいますが、そうであるがゆえに世間の暦は大切でした。暦の沿った風習というのは、日本人に共通した生活習慣ですから、暦の生活行事を特養の中でも続けることで、特養が生活施設暮らしの場であることを意識していただくことができるとだと考えていました。

だから今日の敬老の日には、地域の方々を施設に招待して敬老の日をお祝いするお祭りを開催していました。

しかし今は全く異なる暮らしぶりになっています。

例えば今日が暦の上では3連休の最終日であるということを忘れて、今朝あらためてそのことに気がついたりしています・・・土曜日に新日本プロレスが登別市総合体育館で興行を行い、それを観るために札幌に住む長男が帰省しているのですが、今朝早くに起きて出勤しない間に合わないのに、起きてこないことで今日も祝日であることに気が付く始末です。

そんなふうに世間の暦と縁遠い暮らしぶりとなって、早8年が経とうとしています。

とはいっても、暦と関係なく毎日が日曜日という暇な暮らしではなく、逆に休みがほとんどない暮らしぶりをしています。

全国のいろいろな場所で講演を行っているため、旅の途上であることも多いですが、自宅にいる時間もデスクワークが途切れません。

僕の講演で使うPPTスライドは、基本的に同じものを使いまわすことはないために、同じテーマでも会場ごとに作成しなおします。その理由は、最新の情報を盛り込むことと、受講者の属性(職種など)にあわせた話をするためです。

その為、講演スライドの作成作業は常に行う必要がありますし、作家として原稿を書く時間も必要です。

現在、連載を3本抱えていますので、単純に10日に1回は原稿〆切の期日がやってきます。〆切は週明けの月曜日(※月曜が祝日の場合は火曜日)に設定されることが多いので、土日は原稿書きと校正作業に費やすことが多いです。

それに加えて今月から、新しい仕事として某業界紙の監修作業を受注しています。毎月介護関連記事を15本チェックして、誤りがないか確認・指導する仕事です。それだけの記事文章を読み込まねばならないので、時間がかかると同時に、誤りを見逃せば、それがそのまま世間に公開されることになるという責任もあるため、かなり気を遣う作業となっています。

その他、介護事業者の顧問としての仕事もあり、忙しい日々を送っていますが、社会的な役割を持ち続けられることは幸福であると思っています。

それもこれも、つながりのある皆様のおかげであると感謝しております。この場を借りて、改めて御礼を申し上げます。

今日はそんな感謝を込めたブログ記事を書かせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。
ケアテック札幌
アクセス札幌で開催されるCareTEX札幌’24の会場で、9月18日(木)15:30〜「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分講演を行います。こちらからダウンロードできる招待券を印刷して会場にお持ちいただければ、入場料無料となりますので、どうぞ会場にお越しください。


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祭りの後のケアが大事



暦を見ると今週末から来週月曜日にかけて3連休。月曜日は敬老の日の祝日である。

敬老の日は2003年から9月第3月曜日とされたが、それまでは9/15の固定日であった。

僕の住む登別市は、6月から8月にかけて天気がぐずつく日が多く、9月以降になってやっと晴れの日が多くなる。特に9/15前後は晴れる日が多いと云われており、敬老の日も晴れの日が多い・・・今年はどうなるだろうか。

今日の登別はとても良い天気で、秋晴れの高い空が広がっている。猛暑のところもあるようだが、日中の最高気温も27度程度で過ごしやすい。この天気が3連休も続いてくれると良いのだが・・・。

社会福祉法人に所属していた当時、この時期は敬老の日のお祝い行事の準備のため、あわただしい日々を過ごしていた記憶がある。

毎年、そのお祝いとしてお祭りを開催していて、その準備に追われれていた。(参照:2012年の敬老の日に書いた祭りに関する記事

僕にとってそれはもう懐かしい記憶になってしまったが、おそらくこの時期は、たくさんの高齢者介護事業者が、敬老の日のイベントを企画・開催していることだろう。今日もその準備に忙しく立ち働いている介護関係者が多いのではないだろうか。

どうかそれらのイベントが、盛況のうちに終わり、たくさんの利用者の方々を愉しませてほしいものである。

同時にそれらのイベントが、高齢者の方々を子ども扱いするようなイベントにならないように注意していただきたいとも思う。要介護高齢者の方々も、社会経験豊富な住民の方々なのである。

認知症で幼児のような言動をとる方がいるとしても、その人の実態は、尊厳ある一人の人間であり、年齢を積み重ねた立派な大人なのである。(参照:子供に返っている認知症の人には子供のように対応すべきなのか?

そのことを忘れないようにしてほしい。

それとともに、介護事業従事者の方々は、大きなイベントを開催したという自己満足に終わらず、イベント後の利用者フォローにも気を使っていただきたい。
祭りの後の寂しさ
祭りの後は、寂しいものなのである・・・人がたくさん訪れた場所から、潮が引くように人がいなくなった時、そこに残された人は、人が訪ねてこなかった以前よりも増して寂しくなることを忘れないでほしい。

その中には、自分の家族や知り合いが一人も訪ねてこず、他の利用者の周りに家族や知り合いが集まっている姿を見て哀しんでいる人が居るかもしれない。

何らかの理由で、他の人が笑顔で楽しんでいたイベントを、少しも愉しめなかった人がいるのかもしれない。

私たちはそういう人を、少数派として切り捨てたり無視したりすることが許されない仕事をしている。大多数の人が笑顔でいられたときに、たった一人寂しそうにしている人の傍らで、そうした人を護る仕事をしている。

愉しさの余韻に浸って笑顔でいられる人は、ただ遠くから見守っているだけでよいだろう。だが哀しみや寂しさに打ちひしがれている人には、手を差し伸べ、声を掛け続ける必要があるのだ。

私たちの職業とは、そんなふうにして祭りの後の静寂さの中に居る利用者の方々に、笑顔を向け、温かい手を差し伸べる役割があることを、決して忘れてはならない。

私たちは介護のプロとして、そういう使命を帯びた職業に就いているのだ。
ケアテック札幌
アクセス札幌で開催されるCareTEX札幌’24の会場で、9月18日(木)15:30〜「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分講演を行います。こちらからダウンロードできる招待券を印刷して会場にお持ちいただければ、入場料無料となりますので、どうぞ会場にお越しください。


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度を超えた適正化事業が介護難民を生み出している



居宅介護支援事業所の介護支援専門員(以下、居宅ケアマネと略す)が居宅サービス計画書を作成する際に行うアセスメントとは、利用者が必要とするサービスを客観的に導き出すために行われるものだ。

つまりアセスメントとは、居宅サービス計画書に載せられる利用するサービスの必要性の根拠となり得るものである。

本来、その根拠を否定できる何ものも存在しないはずである。

しかしその根拠を真っ向から否定するかのように、各市町村ごとにケアプランチェック(適正化事業)が行われている。

そこでは利用者の状態像からは不必要と思われる過剰サービスをあぶり出して、居宅サービス計画の不適切さを指摘され、適正化という名のもとに、計画の修正が強要される・・・。

しかしそれらの指摘を受けたプランは、本当に不適切で過剰なサービスなのだろうか。

利用者が希望しないのに、居宅ケアマネの所属法人のサービスを過剰に提供していることが明らかなケース・・・機械的に区分支給限度額いっぱいまでサービスを組み入れるプランなどは、不適切と指摘されても仕方がないが、利用者が望んだために組み込んだサービスはどうだろうか・・・。

それをニーズではなく単なるデマンドであると決めつけて削り取る権利が保険者にあるのだろうか。

介護保険料を支払い、利用者一部負担金を支払っている利用者に対し、区分支給限度額内のサービス利用を放棄させる法的根拠はどこにあるのだろうか・・・。

そもそもケアプランの内容に関係なく、保険者が勝手に制限ルールを決めて当てはめている事例もある。例えばケアプラン適正化という名の権利侵害を許すなという記事の中で紹介した保険者は、週2回を超える入浴支援を居宅サービス計画に組み入れることは過剰サービスであるとして不可としている。
悪代官
利用者の身体状況や生活習慣を無視した、こうした根拠のない制限がローカルルールとしてまかり通っているのも、ケアプランチェックを通して、権力をふるうことに酔った輩が生まれる結果だろう。江戸時代の「お代官様」になった気分の役人がそこかしこに存在しているのだ。

居宅ケアマネが、こうした度を超えた制限ルールに対抗する手段は、たった一つしかない。

それはそうした制限を行っている市町村ではない、他の市町村の居宅介護支援事業所に転職することである。

だがこうしてケアマネの転出が相次ぐ市町村では、ケアマネ不足も深刻化し、居宅サービス計画を立ててくれるケアマネが見つからない、「ケアマネ難民」が生まれるだろう。

この場合、セルフプランの作成が不可能な住民に対しては、市町村が変わって居宅サービス計画を立てなければならないことを、保険者は理解しているのだろうか・・・そしてそういう能力や余力が、保険者にあるのだろうか。だがそれも保険者の自己責任である。

どちらにしても、制限ルールに辟易(へきえき)している居宅ケアマネは、機会があるならば制限のない他市町村の所属事業所に転職することもありだ。

そうした決断をためらう必要はないだろう。
ケアテック札幌
アクセス札幌で開催されるCareTEX札幌’24の会場で、9月18日(木)15:30〜「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分講演を行います。こちらからダウンロードできる招待券を印刷して会場にお持ちいただければ、入場料無料となりますので、どうぞ会場にお越しください。


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難しいが重要となる睡眠支援



僕は比較的寝つきが良い方で、場所も環境も選ばずに、夜布団に横たわるとあっという間に眠ることができる・・・仕事柄、旅が多く全国各地のホテル・旅館に宿泊する機会も多いが、枕が合わずに眠れないということはまずない。

しかし眠りの質は、年とともに落ちてきている実感がある。年々深い眠りの状態が続かなくなり、朝はどんどん目覚める時間が早くなっている・・・時として夜明け前に目が覚めてしまい、それからまったく眠れなくなる時もある。

こんなふうに年を取ると眠るということが簡単ではないことがわかってくる。

高齢者が不眠になりがちなのは、加齢による身体能力低下に伴って睡眠の質が落ちることが原因であり、健康な高齢者でも睡眠が浅くなるケースは少なくない。

健康で毎日運動もしている僕でさえもそのような状態なのだから、身体に障害があり、歩行ができないなどで、運動機会が少ない要介護高齢者の方々ならば尚更、眠ることに困難を生ずる人は多いのだろうと想像つく。

こうした不眠は高齢者の体・心・脳機能に大きな影響を与えると言われており、注意や対策が必要だ。

だからこそ施設サービス計画及び居宅サービス計画を作成するためのアセスメント標準項目にも、「生活リズム」として、「睡眠の状況(リズム、睡眠の状況 (中途覚醒、昼夜逆転等)等)に関する項目」が含まれている。

施設及び居宅ケアマネの皆さんは、この確認をしっかり行って、睡眠支援をケアプラン第2表にしっかりと落としてほしい。
眠りの質
眠りの質の低下の典型例は浅い眠りが増えることだと云われている・・・加齢による体内時計の変化や血圧・体温・ホルモン分泌などの影響で早寝早起きになり、深い眠りの時間が減るのである。

浅い眠りの時間が増えると、ちょっとした尿意・物音によって目が覚めてしまうことが度々起きるようになる。そうして目が覚めた後に、再び眠りにつけないことも少なくない。

こうした状態が頻繁に起きると、身体の不調につながっていく。さらに睡眠不足によって気分が落ち込むと、うつ病を発症するリスクが高まる。

ある統計によると、不眠によって、うつ病・高血圧になる可能性は2倍、糖尿病になる可能性は2〜3倍ほどになると言われているのである。

それを防ぐために、眠りの質をアセスメントして、対策を講ずることは重要だ。その対策は簡単ではないが、多角的な側面からアプローチすることを忘れないでほしい。

日中は外で体調の光をあび、日中の活動量を増やすことで生活にメリハリをつけることが大事になる。運動量が少なくなりがちの障害を持った方でも、日中の活動量を増やして適度に疲れを感ずる日常生活作りが重要になる。

眠剤を服用することで睡眠の質を保つことができるケースも少なくないので、医師に相談することも重要になる。

看取り介護対象者の方は、夜暗い中で目覚めることで、不安や寂しさを訴える方が多いので、看取り介護だからという理由で、日中でも遮光カーテンで窓を閉ざし、1日中部屋を暗くしている状態は不適切だ。

看取り介護対象者の方は、徐々に身体活動も精神活動も低下していくが、それでも日中に日光を部屋に入れて明るくし、周囲の人々が声を掛けて、心身が活性化できる環境をつくりだすことは大事である。

どちらにしても年をとれば眠ることが難しくなることを考慮に入れて、適切な入眠支援に心掛けることも、対人援助のプロとして求められるスキルである。
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生産性を低下させる「行列ができる介護」



2024年度の介護報酬改定・基準改正のテーマの一つとして、「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」が挙げられているが、その具体策の中に、「生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり」がある。

今後20年程度は要介護高齢者が増え続ける中で、生産年齢人口の減少が続き、若い働き手がどんどん減り続ける我が国の現状を見ると、介護人材の更なる減少は確実であり、生産性を高めて効率的な介護実践を目指していく方ことは必然となる。

そこでは人に代わるテクノロジーを導入するだけではなく、介護労働の在り方を見直して、できるだけ無駄を省いていくことも必然だ。

ただし無駄である部分を間違って認識すると、逆に生産性は低下することにも注意が必要だ。

例えば認知症高齢者への対応・・・行動・心理症状(BPSD)のために何度も同じ訴えを続ける人の声に耳を傾けることは無駄なのだろうか・・・しかしその訴えを無視して、他の仕事を片付けようとすると、その訴えは止まらないどころか、どんどん心理症状は悪化して、その対応に追われ続けることになる。

忙しいことを理由に、他の業務で手を動かし続けて認知症の人の訴えに耳を傾けるというマルチタスクは、手を動かす作業と耳を傾ける作業の両者のパフォーマンスを下げて、どちらも生産性を下げる結果になりかねない。

認知症の人に対する介護の生産性を向上させるためには、一度手を止めて、しっかり訴えに耳を傾け、その場で落ち着いていただけるように対応するというシングルタスクが最も生産性を高める。
並ばなくてよい介護を
だが介護サービスの場で、最も生産性を低下させている方法論の象徴が、「行列ができる介護」・「行列を作る介護」だと思う。

トイレで排泄するために、廊下に長々と並ばされている利用者。入浴するために脱衣所の前の廊下にできている車椅子の行列・・・これらは複数の職員で分業するからこそできる行列だ。

トイレ内の介助や、脱衣所と浴室内の介助をする職員とは別に、そこまで利用者を移動・誘導する職員を別にしてしまうから、まだトイレや浴室に移動する必要がない人までそこに移動させ、長々と行列ができるのである・・・それは移動の前送りという無駄な時間の使い方に繋がっている。

分業をやめてマンツーマンで対応することによって、この行列はできない。分業しないと業務の効率化が図れず、余計に時間がかかると心配する人がいるが、移動を前倒しして行列を作るという業務ロスがなくなる分、トータルした介護業務時間は短縮されるのである。

行列を作るという悪習慣をなくすだけで、介護の生産性は向上するのである。

しかしそれは新しい方法論ではなく、ユニットケアの基本と言える生活支援型ケアでしかない。広域型の大規模施設でもそうした方法論を取り入れれば良いだけの話である。

つまり私たち介護実務者は、LIFE(科学的介護情報システム)以前から、エビデンスを実務から生み出しているのだ。そこを思い出すべきだと思う。
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良い介護より普通の介護を



多種多様な価値観を持つ人間が、様々な形で介護の仕事に携わっている。

携わり方も様々で、介護職員は利用者に直接手を触れ、身体介護や生活援助といった直接的な支援に関わる仕事をしており、利用者のプライベートな空間に深く介入し、利用者にとって他人に見せたくない恥ずかしい部分にも踏み込んでいく必要がある。

一方で、介護サービス利用者とは間接的な関りしか持たない職種もある。例えば利用者と直接触れ合う機会が少ない経営者や事務職員もそうした職種であるが、介護関係者であることに変わりはない。

だがどのような職種であっても、利用者に介護という目に見えないサービスを売る仕事であることに変わりはないわけで、素人がボランティアで介護をしているのとは異なり、プロとしてお客様に対して適切に関わるという姿勢は不可欠である。

介護職員を縁の下で支える事務職員も、お客様に対して誰よりも丁寧に接し、介護職員の手本となるような接客に努めてほしい。

介護職員は接客の最前線に立つ者としての自覚をもって、介護支援を受けている人は、単なるユーザー(利用者)ではなく、お客様であることを忘れないでほしい。

価値観は人さまざまだからと言って、その価値観を唯一の拠り所にして、各自が勝手に利用者に関わって良いわけがない。介護=対人援助サービスであるという職業倫理をしっかり持って、道義上の責任を果たすこと、所属事業者の労務規定をはじめとしたルールを遵守することは当たり前である。

何よりも、他者のプライベートな空間に踏み込んで、利用者の羞恥心に触れる介入をせざるを得ない介護という仕事では、何より人として、人の道に外れるような対応をしないという心構えが必要になる。
就実の丘
介護を職業にしている人のすべてが、もともと介護に関連した仕事をしたいという動機づけを持っていたわけではない。たまたま自分が配属された部署が介護関連であったという方も少なくないし、介護と関係のない仕事を辞め、たまたま転職して就いた仕事が介護職であったという人もいるのだ。

だからと言って、それが問題だとか、悪いということはない。介護の職業に就こうとする動機なんて何でも良いのである。

問題はどのような動機づけで介護という職業を選んだとしても、その職業に就いた以上、その職業でお金を稼ぐプロとして道義的責任を帯びるということをしっかり理解して、介護のプロとしての知識や技術、対応姿勢を身に着けなければならないだけの話である。

プロとして利用者に接する以上、家族と同じ姿勢で介護を行うのでは困るということを知らねばならない。介護を受ける人に対して、家族のように遠慮ない=配慮に欠ける対応を行って問題がないなどという誤解をしてはならない・・・それはフレンドリーな良い介護ではなく、お客様に対しては無礼極まりない態度であることを理解せねばならない。

丁寧に接客できる介護とは、決して良い介護ではなく、極めて当たり前の介護なのだ。それさえできていない介護事業者が多いという恥ずべき文化を持っているのが日本の介護の実情でもある。

学生であっても、コンビニエンスストアでアルバイトをする人は、雇用主や先輩に教わらなくとも、顧客に対し丁寧な言葉で対応するのが当たり前と思っている。そうであるにもかかわらず、介護や医療サービスに限って、顧客であるサービス利用者や患者に対して丁寧な言葉で接することを否定し、タメ口対応が許される(あるいは、それが好ましい対応だ)と思っている勘違いをなくさねばならない。

介護サービスを利用する人に対するタメ口対応が直せない人は、コンビニでアルバイトしている学生以下のスキルであると考えてほしい。

お客様にタメ口対応しかできないその姿は、社会人として巣立っていない学生アルバイトより民度も低く、恥ずかしい姿であると自覚してほしい。

そう思えない人は、人と接することがない他の仕事を探すべきである。
ケアテック札幌
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事実・実績に基づく実践論だから伝わるし・実行できる。



僕は今、羽田空港から京急に乗って品川を目指している。

今日14時から世田谷区に本部がある社会福祉法人さんで講演を行うための移動である・・・この後、品川からJR山手線に乗り換えて新宿〜京王線乗り換えて上北沢と移動予定だ。

今日の講演会場は世田谷希望丘ホームという特養で、同ホームの職員研修講師を務めることになっている。

同ホームとはコロナ禍前からのお付き合いがあり、過去にサービスマナー研修等の講演を行っている。そういう意味では、僕自身がいつもお世話になっている特養さんである。
世田谷希望ヶ丘ホーム
コロナ禍の影響で、ここ数年訪問していなかった同ホームに、久しぶりの訪問となるのが今日である。

昨年度までもオンラインで職員研修講演は行っていたが、やはり対面で研修を受けた方が伝わり方が違うということで、今回は会場研修である。

今回は同ホームの、『お看取り委員会』からの依頼で、『今迄看取ってきた方の事例を多くお聞きしたいと思います。狙いとして、現状の看取りは職員が何をしていいか分からないといった状態なので色んな事例を聞いて「こんなこともしていいんだ」ということを実感してほしいと思っています。』という要望を頂いているので、それに沿った内容でプロットを立て、講演スライドを作成した。

講演テーマは僕の著作本のタイトルから取って、「看取り介護の基本〜生きるを支える介護実践」としている。

今迄看取ってきた方の事例については、すべて僕が総合施設長を務めていた特養で実践してきたケースであり、「こんなこともしていいんだ」というだけではなく、「こんなこともできるんだ」という内容も含まれている。

だが、それはすべて事実・実績に基づいている・・・こうしなければならないという内容ではなく、こうした結果、こうなったという事実だから説得力があると思う。

僕の講演は徹底的に実践論であり、理想論は一切入っていない。だからこそ講演を聴いた瞬間から、やろうと思えば誰もができる方法論と言える・・・問題はやる気があるか、やる気が続くかというだけの問題である。今回の講演を聴いた方のやる気につながることは間違いないと思っているが、やる気が続く方法論も伝えるつもりだ。

このように、「できる」ことを実感してくれた世田谷希望丘ホームさんのような団体からは、繰り返し様々なテーマでの講演依頼を頂いている。

一例を示とすると、先日愛媛県老施協主催の管理職・リーダー研修では、「ームワークと組織運営」という講演を行っているが、そのアンケート結果が届いているので、張り付いた文字リンク先を参照していただきたい。

実際にチーム運営をどう行ってきたかという実践論だから、こうできるという事実が実感された結果だと思う。

それはそうと、もう品川が近づいているので、今日はここまでとしたい。

講演依頼のある方は、是非あかい花介護道場の公式サイト右上の✉マークをクリックして連絡いただきたい。

問い合わせだけでも構わないので、お気軽にメールを送っていただきたい。
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評価されるべきケアマネのよろづ相談機能



このブログで何度か書いているように、僕は熱烈なケアマネサポーターである。

僕自身もケアマネ資格は持っているが、現在はケアマネ実務に就いていないので、あくまでサポーターに徹している。

その理由は、ケアマネジャーという資格者が誕生したことによって、日本の福祉の底辺が確実に引き上げられているからであり、今現在、日本全国のあらゆる地域にケアマネジャーがいて、利用者支援に関わっていることによって、生活が成り立っている人、生活の質が向上している人が日本中に存在するからである。

逆に言えば、ケアマネジャーという資格が存在せず、ケアマネジャーが現在担っている仕事をしてくれる人が他にいないことを想像すれば、日本中で暮らしが成り立たなくなる人が出てくると思う。

それだけ重要な役割を担っているのがケアマネジャーであり、その存在なしで日本の介護保険制度も、社会福祉も語れないのである。

2000年の介護保険制度創立前、まだケアマネジャーが存在していない当時は、身の回りのことで困りごとがあっても、そのことをどこの誰に相談したらよいかわからない高齢者はたくさんいた。そのような人が役所に駆け込んで相談しても、行政各課をたらいまわしにされて、結局答えが見つからず、困りごとが解消しないという状態も少なからず存在した。

しかし今現在は、介護に少しでも関係する身の回りの相談事は、ケアマネジャーが窓口になって受け付けてくれる。そして介護保険制度内のサービスだけではなく、制度外の社会資源も含めて利用調整をしてくれるという世の中になっている。

自分を護ってくれる人、任せられる存在・・・そうしたケアマネジャーが身近にいるのだ。
任せることができるケアマネジャー
要介護高齢者にとって、その存在は貴重であり、いつでも・どんなことでも気軽に相談できるケアマネジャーが、自分を担当してくれるという安心感は、ほかに替わるものがないほどだと思う。

ケアマネジャーに寄せられる相談事は多岐にわたる。そこには介護保険制度だけでは解決できない問題も含まれている。だからこそケアマネジャーは、保険制度以外の様々な福祉制度・社会資源に精通している必要があり、地域独自のサービスを含めて情報を集めなければならない。

それらの知識や情報を駆使して利用者支援に当たるわけだが、相談事の解決のために動くにあたっては、「これってケアマネジャーの仕事なのか?」と疑問になることもしなければならない場合があるし、対人援助のプロとしては当然しなければならないことであっても、どこからも対価が発生しないという仕事も存在する。

いわゆるシャドーワークの問題が発生しているわけであり、本来金銭で出力すべきプロの仕事としては、それは好ましくない状態と言ってよいと思う。

しかし個人の暮らしに深く介入して、生活全般に渡る問題に踏み込む活動全てに対価をつけることは不可能だ。なぜならそれらの問題・課題解決のアクションとは、個人事情で大きく異なるから、定価が設定できないのである。

ではシャドーワークは放置せざるを得ないのか・・・いいや、そのようなことがあって良いはずがない。

さすればケアマネジャーの仕事は、本来業務の対価以上の働きをする必要があると考えるべきである。特に、なんでも相談を受けてその解決に動くという、「よろづ相談機能」が含まれていることを鑑み、その部分の対価を基本サービス費に上乗せするべきだと思う。

現在の居宅介護支援費には、その考え方がないため、実際に居宅ケアマネのシャドーワークを含んだ仕事の対価としては不十分だと考える。

よろず相談を受けるケアマネに、シャドーワークはつきものであり、それを含めた対価の見直しという考え方で、居宅介護支援費を引き上げても良いのではないだろうか。
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集団処遇から個別対応への転換の歴史



僕が初めて高齢者福祉の実践の場に出たのは、大学を卒業した1983年(昭和58年)に就職した社会福祉法人の特養で働き始めたときからである。

その時期、特養は「収容の場」から「暮らしの場」への転換が叫ばれている時期だった。

逆に言えば、収容の場としか言えないような特養もまだ多かったという意味だ。

収容とは、「一定の場所や施設にまとめて入れること」を意味する言葉で、人に対してこれを使う場合、「刑務所に収容する」というように使われることが多い・・・つまり当時の特養は、刑務所のように本人の意思とは関係なく収め入れられる場所であったのだ。

そこではほぼすべての行為が集団のルールという名の元、個人の意思やニーズに関係なく一斉対応されることが当たり前であった。

このブログで何度か指摘しているように、本来ならば老人ホームなどの介護施設や居住系施設に集団のルールを適用することは間違った考え方である。それらの施設は、集団論から言えば、「強いられた共同生活の場」というカテゴリーに分類され、適用されるのは共同生活のルールでしかないからだ。

しかも多くの利用者は自らの意思で特養に入所するのではなく、家族等の意思によって入所しているのだから、共同生活のルールと言っても、それはできるだけ緩やかに適用されなければならない。

だが実際には多くの特養で集団生活のルールは強いられていたし、集団処遇によって日課がこなされていた。
集団のルール
例えば入浴支援は、お風呂に入っている時間より、脱衣所に入る前の廊下に並んでいる(※実際は並ばされて放置されている状態)時間の方がはるかに長いという状態が当たり前であった。

排泄支援もしかり。個人の排泄感覚は無視され、施設が決めた時間に一斉にトイレ介助を行う状態だから、トイレは排泄する場所ではなく、単なるおむつ交換の場と化し、そのトイレに入るにも廊下に長く並んでいる必要があった・・・濡れた布おむつのままで利用者は放置されていたのだ。

そうした個別ニーズに合致しない方法を、一つ一つ変えていくことで、新しい世界が見えてきて、介護の仕事が面白くなり、やり続けることができた。

入浴支援は、施設の日課にあわせるのではなく、個人個人の生活習慣を尊重して個別対応するように変わり(参照発想が変われば暮らしが変わる)、排泄支援も個別に必要な水分量をチェック・調整することにより排泄パターンを調べてトイレ誘導する方法へと変わっていった。(参照水分摂取は大事だけれど

今振り返ってみると集団処遇の典型例は、「誕生会」であったかもしれない。本来なら、その人の生まれた日にお祝いを行う誕生会も、その月に生まれた人をひとくくりにして、毎月最終週の〇曜日が誕生会の日とされ、一斉に祝うことが普通に行われていた。

それを変え、どういう方法で祝ってほしいかという希望に合わせて、ひとり一人の誕生日にお祝いを行うこととした・・・ケーキを食べに外出したい・居酒屋に行きたい・家族を呼んで祝ってもらいたいetc・・・そこでは様々な希望が実現できた。

そんな負の歴史を経て、今現在の介護の質が生まれているのだ。現在からみれば随分遅れたことをしていると思われるかもしれないが、つい30年前はそれが当たり前の介護だったのである。

その歴史を知り、決してそこに後戻りすることなく、さらにもっと質の高い、個別ニーズに対応した介護を実現してもらいたいと思う。

例えば介護サービス利用者に対して、タメ口は有りか・なしかなんて言う素人の議論をいつまでも続ける介護ではなく、介護と医療以外の他産業と同様に、ごく当たり前に顧客に対するサービスマナーが徹底される介護業界になってほしいものである。

そう考えると、介護業界は未だに発展途上であると言える。
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秋風が吹くこの時期にすべきこと



早いもので暦は既に9月に変わっている。この時期は新年度からちょうど6カ月目の月となり、9月末が年度のちょうど半分の終了点となる。

新年度のスタートとなった4月に、新人職員が複数入職した職場も多いと思うが、それらの人々は今現在元気に働き続けているだろうか。離職者は出ていないだろうか。

介護事業者の場合、新入職員の扱いも様々である。入職初日からOJTと称して、基礎知識も与えないまま介護実務の場に新人を放り出すところも少なくない。しかもそういう職場にかぎっては、指導方法を教えられていない先輩職員に教育を丸投げしているという傾向が見られる。

一方で基礎研修を半年間かけて行い、実質的な利用者対応は9/1から始めるという社会福祉法人もある。(※僕が知る限り入職後研修の最長期間をとっているのがその法人である

当然のことながら、前者のような職場の離職者は多くなるし、メンタルヘルス不調を訴える従業員も多くなる傾向がある。

後者のように半年もの教育期間をとらなくとも、OJTに入る前の座学での教育・訓練を十分に施して基盤作りをしている職場は、従業員の定着率も高くなるし、メンタルヘルス不調を訴える従業員も出にくくなる。

とはいっても例外も数多い。離職者が出ている介護事業者がすべて問題がある職場というわけでもない。

採用面接で適性を完全に見抜くなんてことは不可能なわけだから、採用後、この時期までの間に介護の仕事に向かないと分かった人を雇い止めにするという判断はあってよい。そうした形で離職者が出ることはやむを得ないことだ。

そうではなく人間関係をはじめとした職場環境や教育・訓練システムの在り方の問題で退職者が出ている場合が問題なのである。

そういう意味で、現時点で退職者が出ている職場は、その原因を検証しなければならない。後者のような原因があるならば、早速改善に努めなければ、いつまでも人材不足は解消しないばかりか、今後ますますその状態は悪化の一途を辿り、事業経営ができなくなる可能性も高まる。

なぜならば、介護人材不足が益々深刻化する介護業界では、この問題を放置して定着率が向上しないことが一番の経営リスクだからである。そういう意味では、給与を上げて人が集まっても、定着できない根本原因が解消できない限り、介護事業者に明日はないといってよい。

入職後、半年を目途に面談を行って、新人らのメンタルヘルス状態を確認することも大事だ。

メンタルヘルス不調に陥る人は、自らその不調を訴えられない人、自ら不調に気づかない人が多いのである。だからこそいつもと違う状態=口数は減る・表情が乏しくなる・遅刻が増えるなどの異変を察知する必要があるのだ。個人面談はその確認のための最も有効な手段となり得る。

せっかくの貴重な人材をメンタルヘルス不調に陥らせてリタイヤさせるのは大きな損失だ。仕事が原因でうつ病を発症して人の多くは、その仕事に戻れなくなるという事実を忘れてはならない・・・その手前で兆候を見つけたときに対応すれば、一定期間の休養とカウンセリングによって職場復帰して、元気に働き続けることができる人も多いのである。

そのため新年度のスタートから半年目に当たる今、秋風が吹く頃にあわせて、人事担当者は4月以降に入職した職員の勤務状況を調査することをルーティンワークに組み込んでおかねばならない。

これができているかどうかで、今後の人材確保に大きな差が出てくるだろう。

その問題に関連して、9月18日(木)15:30〜アクセス札幌で、「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分講演を行う予定になっている。
ケアテック札幌
CareTEX札幌’24の会場で行う講演であるが、こちらからダウンロードできる招待券を印刷して会場にお持ちいただければ、通常の招待券と同様に、入場料無料となる。

是非DLして事前登録したうえで、会場にお越しいただきたい。2週間後にアクセス札幌の講演会場で愛ましょう。


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ターミナルケアマネジメント加算は算定しづらい要件だというが



居宅介護支援事業のターミナルケアマネジメント加算は、今年度から対象疾患が末期がんに限定されていた要件を撤廃して、すべてのターミナルケアへの関りが加算評価できるようになった。

これによって増えている自宅での老衰死に対するターミナルケアマネジメントも加算算定対象となり、安心して自宅で最期の時間を過ごすことができる要素は高まったと言える。

しかしこの加算は算定率が非常に低いまま経過しているが(※算定率1.7%)、その理由が算定要件に起因しているという声がある。

その算定要件とは、「その死亡日、及び死亡日前14日以内に2日以上、本人・家族の同意を得て利用者宅を訪問し、利用者の心身の状況等を記録し、主治医及び居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者に連絡調整すること」であり、それがネックになっていると主張するケアマネがいる。

それらの人々は、「死亡日、及び死亡日前14日以内に2日以上の自宅訪問」が特に問題であるという・・・その理由は、看取りの日が近づいてくると、ケアプランを変更する頻度は徐々に少なくなり、結果的に訪問頻度も減っていくからだと主張している。そして、「この要件はもともと、訪問看護などの加算の要件に倣って設定された経緯があり、居宅介護支援の現場の実態とは必ずしもうまく合わない」などと訴えている。

ターミナルケア対象者であっても、あらかじめ死亡日を正確に予測できるわけはないのだから、ターミナルケアマネジメント対象者が亡くなってみないと、この要件に合致するかどうかわからないという部分は確かにある・・・そのためにターミナルケアマネジメントに関わっていながら加算算定できないというケースもあるのだろう。

だからと言ってこの要件が厳し過ぎるので変更すべきであるとか、この要件に合致する訪問は困難であると言っているケアマネジャーはどうかしていると思う。それよりも、この要件に合致するような姿勢に心掛けるべきだと思う。

なぜならこの要件は、人として終末期を過ごす人に寄り添うにあたっては、至極当たり前の態度であり、難しいことではないと思うからだ。
悼む
自分が担当している利用者が、回復不能な終末期である時期にも自分を頼って、ターミナルケアマネジメントとしての関りを認めてくれることは、ケアマネにとって意気に感ずることである・・これほど名誉なことはない。

その信頼に応えて、ターミナルケアマネジメント対象者が最期の瞬間まで安心と安楽な暮らしを送ることができるように、ケアマネジャーは全力を尽くして最善の支援を心掛けるのは当たり前のことだ。

さすればその対象者が亡くなった場合は、当然のことながら連絡が来るように準備を整え、死亡日に今までの感謝を込めて、お悔やみのために線香をあげに訪問することは当然のことである。

それから遡って14日間は、徐々に体が衰弱し意識が薄れていく状態となるので、計画変更が必要なくともケアマネは、できる限りお看取りをしているお宅に足を運び、その様子を確認して、「できることは何でもするので相談してください」と家族に声をかけて、安心できるように励ます役割もある。

だからこの時期の訪問が難しいとか、不必要ということはない。現に僕が顧問等で関わっている居宅ケアマネは、ターミナルケアマネジメントを担当している利用者宅に、死亡直前まで頻回に訪問しているし、死亡日に訪問しないことはない。訪問看護師が頻回に訪ねるのだからケアマネまで訪問する必要はないなんて言うことにはならないのだ。

そもそもターミナルケアマネジメントの算定率が低い理由は、コロナ禍で在宅死が増えた2021年でも自宅で亡くなる人は17.2%でしかなく、なおかつ昨年度まではターミナルケアマネジメント対象疾患が末期がんに限定していたため、そのうちの数パーセントしか算定できなかったからである。

今後は対象疾患の縛りが外されたことで、算定率は向上することは間違いないところだが、それでも自宅で死亡する人のうち、看取り介護・ターミナルケアを受けている人は何割かしかいないという現状を鑑みると、この加算の算定率が20%とか30%とかまで伸びるなんてことはないだろう。

それでもこの加算は、人生の最終ステージを安心と安楽のうちに過ごすことができる支援という意味があるし、算定要件も決して困難なものではない。ケアマネ実務の場にそぐわないルールであるなんてこともないのだ。

死亡日等の訪問が困難だと言っているケアマネは、ターミナルケアマネジメントの意味を分かっていない輩だ。それは終末期におけるケアマネジャーの役割と実践の方法をわかっていないと言い換えることができる。

そんなケアマネジャーは、とっととこの業界から退場すればよいのだ・・・少なくともそんなケアマネには、誰かの人生の最終ステージの生き方に影響する居宅サービス計画を立案してもらいたくはないと思う。


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CareTEX札幌’24に無料入場できる招待券がDLできます



本題に入る前に台風10号関連の通知を紹介します。

昨日厚労省より、「令和6年台風第10号による災害に係る 介護報酬等の柔軟な取扱い(基準緩和等)について」が発出されています。

主な内容は以下の通りです。
一時的に他の介護保険施設や医療機関等に避難している利用者に対する介護給付費の請求方法
自宅ではない避難先でサービスを受けた場合も費用算定は可能であること
被災や避難者の受入れにより、やむを得ず居室以外の場所食堂や静養室、地域交流スペース等で利用者の処遇を行った場合であっても介護報酬の算定は可能であること
人員基準等を満たすことができなくなった場合の柔軟的取り扱い
定員超過の柔軟的取り扱い
月額包括報酬サービスの日割り計算について
各種加算の取り扱いetc.
その他、かなりボリュームのある内容になっていますので、必ず確認をお願いいたします。

さて話は変わって本題です・・・ブティックス(株) が主催する、北海道最大の介護商談・展示会CareTEX札幌’24が9/18と9/19の両日、アクセス札幌で開催されます。

会期:2024年9月18日(水)・19日 (木) 9:30〜17:00
会場:アクセスサッポロ 大展示場
主催:ブティックス(株)
受講料:無料(事前申込制)
セミナー情報の詳細、受講申込はこちらの文字リンク先から確認してください 。

この展示・商談会会場では、いくつかのコースに分かれた専門セミナーが同時開催されます。僕も専門セミナー講師として登壇します。
ケアテック札幌
初日18日(木)15:30〜「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分間お話しさせていただきます。

このセミナーの特徴の一つとして、講演後必ず名刺交換の時間がとられております。そのため初対面の方とも、気軽に名刺交換が可能です。
名刺・夜桜バージョン
僕も新しい夜桜バージョンの名刺をもって参りますので、ぜひ気軽に声を掛けてください。

セミナーに関するお問合せは、CareTEX事務局(TEL:03-3868-0901)までお願いします。

なおこの展示商談会及びセミナーについては、PDF招待券 があれば入場無料となります。 こちらの文字リンク先からDLしたものを印刷して会場にお持ちいただければ、通常の招待券と同様に、入場料無料となりますので、ご利用ください。

それでは9/18(木)、アクセス札幌でお愛しましょう。
快筆乱麻masaが読み解く介護の今
※CBニュースの連載、「快筆乱麻masaが読み解く介護の今」が8/29:5時にアップされました。今月のテーマは、「介護福祉士国試・パート合格導入への懸念」です。文字リンク先を参照ください。


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